いや、ちゃうで。
それはSFってジャンルの上っ面だけしか見えてない。SFにおいて未来技術とかそういうのは実は割りとどうでもいいモノなんやで。
ファンタジーの魔法とかも同じ話なんだけど、そういうのはSFだからSFっぽいのを乗っけてるだけで、SFの本質は「こういう技術があったらどうなるかな」っていう思考実験みたいなもの。
例えば「ドラえもん」なんかは児童向けのSFってところもあるけど、量子論やひも理論なんて解説出て来ないでしょ?
なんちゃらスペクトラムのどーのこうのっていう創作技術も出てこない。
タイムマシンはタイムマシン。どこでもドアはどこでもドア。
ただ「そういう未来道具があったら」っていう話をしている。
児童向けから少年向けや大人向けになると、つまりは対象年齢が上がると、読者の理解力が上がるからタイムマシンにはタイムマシンが実在しそうな裏付けとして説得力のための科学知識が盛り込まれる。
つまり、SFにおける技術そのものに関しては、単なる設定でしかなくて、そしてそれは別に科学雑誌で出てくるような理論を使わんでも創作技術でかまわない。
例えば、「アーダルベルト粒子の発見によってそれまでの電気文明とも言える技術形態は一変した」なんて設定なら、つまり「未知の粒子によって新エネルギーの技術体系になった世界では」という設定なら、別に量子論なんか出さなくても未来技術を適当に書ける。
もちろん、現在知られてる技術や理論を出せば説得力が増すだろうから、量子論とかひも理論とかを出さなくてもいいとか出しちゃダメってわけじゃない。
ただ、SFにおける科学は「そういう設定」の「設定」の話であって、本質は「サイエンス・フィクション」すなわち「サイエンス(科学の設定)」による「フィクション(作り話・その科学設定で何を語りたいのか)」だから、主語はあくまで「科学」ではなく「それで何を語りたいのか」の部分になる。
とはいえ「SFは思考実験だ」と書きはしたけど、そもそもエンタメだしラノベだしって点で「何が面白いのか」を考えなければならないし、その比重は対象年齢や書きたいテーマやもろもろから判断が分かれるとは思う。
でもまずは、SFを書くならネタにできそうな理論を学ぶよりも、自分が思う未来社会と、そこで起こる問題や現象なんかを妄想してみるのがいいと思う。
例えばAIによる管理社会になったら人はどう生きるのか、とか。その社会ではAIによって人の能力値が査定されて進路が自動で決定し、警察官となった主人公はーーってのがアニメ「PSYCHO-PASS」の設定だったと思う。似たような感じで未来を予測して犯罪が起こる前に逮捕する社会って設定の映画で「マイノリティ・リポート」ってのが昔あったっけか。
で。
そういう妄想から「必要な科学知識の選定」をする。使いそうな技術に当たりをつけて、そっから調べる。
未来の管理社会の話を書こうとしてるのに、惑星間航行技術について調べる必要ないでしょ?
それで例えば大型ロボットについて知りたければ、ぶっちゃけもう今はどっかのサイト見るよりもYoutubeで「人型ロボット」とかで検索したほうが手っ取り早い。
その動画で出てきたワード、例えば「アクチュエータ」とかわかんなければそのわかんないワードでまた調べる。その繰り返し。
Youtubeは専門家もいるけど本の解説してるだけとかSF好きの妄想垂れ流しとか玉石混交だけど、そもそも書こうとしてるSFってもの自体がサイエンスフィクションつまり嘘の技術や技術の曲解を自然な形に演出してエンタメとしてるから、解説自体があってるとか間違ってるとかは、実はどうでもいい。
最初に書いたけど、SFの科学技術ってのはただの設定だから。
例えば「機動戦士ガンダム」では、巨大ロボが戦争する話だけど、そもそも巨大ロボで戦争するような技術力があって、ロボが人間みたく白兵戦をするわけがない。
これは科学的に見れば噴飯ものの嘘なんだけど、それを可能にするため「ミノフスキー粒子」って創作粒子を作って説得力をつけた。
創作粒子だから、これは「巨大ロボが白兵戦で戦争してもおかしくない粒子」で、そういう大嘘設定を一個作ってしまえば割りとどうにでもなる。
一方で「リアルなSF」を作りたい人にありがちなミスだと思うんだけど、そういう嘘設定を考えず現実にある理論や仮定なんかを駆使して世界観の整合性を保とうとすると、そもそもSF自体がフィクションで作り話で嘘なんで、整合性が保てるわけがないんですよ。それで突っ込まれまくって自身でも矛盾を解決できなくて破綻する。
これはもう「女神様が降りてきて一人暮らしの主人公と一緒に暮らすことになるラブコメ」で「女神様が現実に実在する証明」から考えてるようなものだから。
女神様は女神様。そういう設定であって、フィクションなんだから現実は関係ないじゃない?
何度も繰り返すけど、SFの科学ってのは「設定」であって、スレ主さんが作るべきなのは「物語」だと思うよ。
なんか話がズレてしまって変な回答してしまったかな。
えっと、つまり、ドラえもんでは科学の知識なんて一切ないように、そもそもスレ主さんが今現在理解できるレベルで書けばいいだけで、SFは奥深いとか学ばないと書けないとか、そういうのが間違い。
SFは奥深いけど、それを言ったらファンタジーだってラブコメだって同じくらい奥が深い。
理解できない技術なら「タイムマシンはタイムマシン」で書けばいいだけ。設定ではなく話を作れば、これで書けるはず。
サタンさん、いつも大変お世話になっております。返信いただきありがとうございます。
確かに、設定にこだわるあまり物語がキチンと出来上がっていなかった所は仰る通りです。自分の至らなさを痛感致しました、申し訳ございません。また、ご指摘いただきありがとうございます。
確かにドラえもんや時をかける少女も、題材が「タイムスリップ」だったり「パラレルワールド」だったり明確であれば「なるほど、時間をさかのぼってどうにかすんだな」とか、ストーリーの予測も出来るし整合性が多少取れずともすんなりと頭に入る作品でした。
キチンと物語の軸というか、年齢層など、取り扱う題材をどうするかをもう少し見直してみたいと思います。
ありがとうございました。