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戦術の組み立て方について

投稿者 朱鈴 回答数 : 11 更新日時:

こんにちは。 数か月ほど前に批評依頼でお世話になりました朱鈴と申します。 今執筆中の小説内に、戦闘……というか会戦の描写があ... 続きを読む >>

カテゴリー: その他

朱鈴さんの返信一覧

元記事:戦術の組み立て方についての返信

D&D3.5eの戦士大全というサプリに「ファンタジーにおける戦争」という章がありますね。とはいえ、そもそもゲームのための追加データ集であり、今回の質問でお役に立つのは数ページ程度ですので購入はお勧めしませんが。
書いていることをかいつまむと、魔法の関与度合いが増すと戦争は史実の古代・中世あたりの戦争から現代の戦争に近づいていきます。
範囲攻撃の出来る魔法使いは大砲のように密集陣形の敵兵をカモに出来るでしょう。ゴーレムでも作って乗せてしまえば戦車っぽくもなりますね。
通信魔法や隠密系魔法があれば、ハンニバルやスキピオほどの名将でなくとも比較的容易に包囲戦術を再現できるかも?
現代的な戦争を参照するのは発想元として参考にしやすいからで、思考実験を突き詰めれば現代的感覚すら凌駕した魔法世界ならではの常識もあり得るでしょう。
D&Dというゲームは歴史が長い洋ゲーなのでその辺色々容赦が無く、シナリオによっては「1階に出入り口が無い塔」なんてのも平気で出てきます。魔法使いのための塔なので飛べるのが前提、1階の出入り口など外敵が入りやすくなるだけで無意味とのこと。
なので、「魔法使いキャラをがっつり活躍させたい」と思う場合古代のものばかりで無く現代的な戦争も資料として使えるのではないかと。

逆に、「古代っぽい戦争の方が燃えるんだよ」と思うなら魔法の関与度合いを減らしてやればいいわけですね。
単純に戦場規模で影響を与える魔法が無かったり、滅多に戦場にいないからいることを前提とした戦術が発達していないとかで言い訳できます。
指輪物語も会戦シーンはありますが、魔法使いが希少なので戦術には組み込まれていない感じでした。
なろう転生系だと「魔法を使用した戦術が発達していない」→「主人公の前世知識で大活躍」がパターンですね。『ドリフターズ』でも現地の魔法使いを織田信長の発想力による指示に従わせることで戦術が進化する様が描かれていました。

上記の回答(戦術の組み立て方についての返信の返信)

スレ主 朱鈴 : 0 投稿日時:

ワルプルギスさん、コメントありがとうございます。

火球や風を操る魔法を現代の武器と同等に考えれば近代戦も確かに参考になりそうですね。どちらかと言えば執筆中の作品の世界観は指輪物語に近くて、魔術師はいるものの数の面では圧倒的に魔力を持たない一般兵が大多数を占めています。なので戦争のシーンは古代っぽい感じにしたいと考えていたのですが、魔術師が存在する世界観での戦争となると、必ずしも古代戦の理屈が通用するわけではなさそうですし、ご紹介いただいた出入り口のない塔のように設備にも現実とは違うその世界独自のものが発展していくということですよね。
魔術の設定次第ではずっと後の戦術なども使えるかもしれないので、もう一度見直して近代戦に関しても目を向けてみます。
アドバイス下さって本当にありがとうございました!

カテゴリー : その他 スレッド: 戦術の組み立て方について

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元記事:戦術の組み立て方についての返信

戦いの基本は、「壁」を作ることと、相手の「壁」を超えて攻撃することです。
ここでは「壁」というのは大きいものでは城壁や海、小さいものなら盾や鎧、武道家の構えた手など防御手段を指しています。
相手の「壁」を超える手段の進化と超えさせまいとする「壁」の進化。これこそが戦いの歴史です。

戦いをリアリティあるものに描写するためには、双方の対抗策の積み重なり、すなわち進化の過程を考えるべきだと思います。
我々の現実世界を例に上げるなら、まず人類は石や棒を武器にし獲物を狩り、槍を作り、弓を発明しました。
やがて武器が人間へと向けられるようになると、それらから身を守るために鎧と盾が生まれます。拠点を囲う柵も堀と塀へと変化します。柵だけでは飛び道具を防げませんし、取り付かれると手と道具を使える人間は容易に破壊しますから。
守りをかためた相手に打ち勝つために盾や鎧を超える武器が研究され、堀を無力化し、塀を破壊する攻城兵器が誕生します。
これと同じように、自分の設定した世界観ではどのように進化してきたのが自然かを考えると良いでしょう。

最大の違いは魔法の存在でしょう。まず考えるのは魔法の設定です。
人はいかにして魔法を手に入れたか、この設定によりかなり変わります。
例えば、人がみな先天的に素質を持ち成長とともに自然に使えるようになるなら、魔法の歴史は古く存在は当たり前のものです。
このような世界観において攻撃手段になる魔法があるのであれば、人類は石や棒を手にしなかったかも知れません。当然続く武器の進化は起こりえません。
武器の進化がないなら「壁」は魔法防御用に特化する方が自然でしょう。
魔法の使用が制限的なものになるのであれば、武器の誕生と進化はあっても不思議ではありません。戦いにおいて武器と魔法が併用されるような世界観では「壁」もまた複合的防御手段を持つでしょう。
ただし、魔法がレアなものになりすぎると、防御側の選択は魔法に対しては受動的防御から能動的防御に変わるかも知れません。すなわち術者の排除です。これは赤子のうちに忌み子として処分するような手段も含みます。

他には人間以外の生物の存在も戦いに影響を与えるでしょう。
安易に使い捨てられる兵や、工夫もなく「壁」を正面突破してくる巨獣などを動員できるなら効果は絶大なはずです。
他にも様々な有効になる特殊性があれば、それがメジャーなものになればなるほど人は対策を練って然るべきだと思います。

以上を踏まえた上で冒頭に戻ります。
その世界ではどのように攻撃手段は進化し、どのように「壁」が進化してきたか。これを考えるのは絶対だと思います。
例えばファイアーボールが一般的攻撃魔法である世界なら、軍隊においてはその対処方法も一般的であるはずです。防具や魔法障壁で弾くのかもしれませんし、亜人奴隷の肉壁で防ぐのかも知れません。
具体的にどのような手段になるかは作者次第ですが、対処方法とそうなった経緯に説得力が無いとリアリティが失われます。
戦いの歴史とは、攻撃手段と防御手段のいたちごっこであるとも言えます。現実ですと、機関銃の登場により防御側が優勢になったのを重砲の発達により攻撃側がひっくり返し、そこから塹壕戦術が生まれて防御側が盛り返すと戦車が登場して塹壕突破、といった感じです。
攻撃側と防御側どちらが優勢なのか、はたまた拮抗しているのか。このような設定も考えると説得力が増すでしょう。

長らくお待たせしましたが、ようやくお尋ねの古代の会戦についてです。
我々の歴史で示された形式ですと、ご存知だとは思いますが主力部隊は密集隊形で「壁」をつくって、槍を構えて前進して激突します。
戦いがこの形になるのは様々な要因があるのですが、なかでも鎧が未発達な事、通信技術が未発達な事、そして何より砲が未発達だったことが大きいです。
鎧が頼りないために防御が盾頼みになりますので密集してお互いを守り合うほうが具合がよく、連絡手段がドラや鐘や伝令では戦線を広げられず、広範囲を巻き込む攻撃もないためです。
密集陣形は正面からのぶつかり合いにはめっぽう強いですが明確な欠点もあります。機動力に欠けることと正面以外への対応が難しいことです。そのため司令官たちは自然横や後背をいかにして突くか、それを防ぐかという工夫を求めました。
単純に言ってしまうと、いかにして敵を包囲(もしくは半包囲)下に置くか、それを防ぐか、というのが野戦戦術の全てです。突破も迂回も全ては包囲のためにあります。

とまぁ、ここまで言ってしまえばおわかりかと思いますが、魔法は設定によっては容易に我々の史実にある戦法を覆します。全く参考にならないということはないでしょうが、そのまま使い物になるとは思えません。
防御が難しい広範囲魔法はもちろんですが、移動系の魔法も影響は大きいでしょう。瞬間移動で側面や後背を取れる部隊は脅威になりますし、対空手段が未熟なうちは飛行できる優位は相当です。
これらの移動系魔法は戦場における優位性どころでは済まないかも知れません。大軍が遠隔地に瞬間移動できる世界観では会戦はまず起こり得ないでしょうから。
魔法の防具や連絡手段の存在も無視できません。これらが揃えば散兵の方が理にかないます。それでもなお密集戦術を取るのだとすれば、それなりの理由設定と描写が必要になるでしょう。例えば士気や練度が低く、散兵では戦力にならないとか。
戦術や装備などは必要性に応じて進化します。思考実験的に年代を追う形で考えていけばリアリティが増すと思います。

私も以前大規模戦闘シーンのある話を書いたことがりますが、その際に気をつけたのは、その世界観で起こりうる描写をすることと、「軍事物っぽい」と感じていただけそうな描写を重ねることでした。
これは、上で何度か言っていますが、リアリティを出すためです。まぁそれがプラスになってるかまでは、その点に関して詳細な感想を頂いたことがないのでわかりませんが。ネットに上げてありますので、もうご興味がお有りのようでしたらご案内いたします。

軍事的な粗をキャラクターの設定で隠してしまうという手もあります。有名どころでは田中芳樹の「銀河英雄伝説」や吉川英治の「三国志」などですね。後者は完全にラノベではありませんが(笑)
「常勝の天才の戦法だから凄いんだ、異論は認めない」「天才軍師の考案だからぶっちゃけありえないけど強いと思っとけ」というスタイルです。個人的には本格志向は好きですが、こちらの方がエンタメとして優れてる可能性は感じなくもないです。
まぁいずれのスタイルにせよ、リアリティを感じさせられれば問題ないと思います。

気づいたらかなり長くなっていました。読みにくかったらすみません。
なにか参考になることがあれば幸いです。

上記の回答(戦術の組み立て方についての返信の返信)

スレ主 朱鈴 : 0 投稿日時:

田中一郎さん、コメントありがとうございます。
詳しくありがとうございます。
仰る通りで、魔術が存在する世界での戦となると、それらが存在しない史実の戦術作戦が意味をなさなくなると私も思い至り、ではどうすれば魔術師が軍事利用される世界でより説得力のある戦いができるかよい案が浮かばず悶々としていました。

攻撃と防御の歴史を考えてゆくというアドバイス、とても参考になりました。今まで防御に関してほとんど考えたことがなかったのですが、ここを突き詰めゆけば世界観独自の戦闘方法などが見えてきそうですね。

例えば、私の世界観では戦に動員される魔術師は自然現象や幻術を操る能力を持っており、数は少なく軍は一般兵が大多数を占めるという設定なのですが、魔術による攻撃に対処するためにバリアのようなものが開発されたとすれば、バリアの内側から遠隔攻撃する手段が発達していき(弓矢や投石など)、そうすると遠隔攻撃メインの戦術が発展する方が理に適っており、接近戦に特化した密集陣形や騎兵が活躍する戦は非効率かつ無駄が多い。伝令や号令に魔術が使われるとすれば、その分機動性も変わって来るし軍の動かし方や陣形も史実とは変わってくる……と、今までとは違う視点で作戦を立てられそうです。

頂いたアドバイスを参考に、攻防の歴史などから固めてみようと思います。
コメント本当にありがとうございました!

カテゴリー : その他 スレッド: 戦術の組み立て方について

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元記事:戦術の組み立て方についての返信の返信

すいません、書き忘れ。
『勝利条件は何か』を考えること。
『街を守り切れば勝ち』なのか、『日が沈むまでに敵本陣を落とせば勝ち』なのか、『歩兵を一定数殺すor敵将の首』なのか。
登場人物視点での『勝利条件』と作者にしか見えていない裏事情込みでの『勝利条件』の違いを意識すると面白いかも。
 例:
  登場人物視点だと『一週間町を守らねばならない』
  でも実際は『三日目に洪水が起こって敵部隊が滅びるから三日目まで守ればいい』
二日目時点で防衛部隊側がめっちゃ追い込まれて死を覚悟するんだけど、運よく一命をとりとめるみたいな。

いつの時代も戦術の基本は『勝利条件は何か』『自分たちに何ができるか』『自分たちが何をするか』の三つです。時代によってそれぞれの内容が違うだけであって、基礎は一緒でござる。

上記の回答(戦術の組み立て方についての返信の返信の返信)

スレ主 朱鈴 : 0 投稿日時:

大野知人さん、コメントありがとうございます。
分かりやすくまとめてくださりとてもありがたいです。敵軍と主人公の軍のステータス表のようなものを作って作戦を練るというのはとてもよさそうなので、さっそく実行してみようと思います。魔術師の可能なこと不可能なこと、勝利条件や作戦がおのずと見えてきそうです。
戦術の基本の三点叩き込んでおきます。こうやって改めて見ると本当に大事なことですね。
コメント本当にありがとうございました!

カテゴリー : その他 スレッド: 戦術の組み立て方について

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元記事:戦術の組み立て方についての返信

>どのように戦術を組み立てたか、どのような資料を当たったか、描写に当たって気をつけたこと

ん~。
質問の幅が広すぎるというか。戦術の組み立てと描写はまったく別物ですよ。
リアルに描写するためには資料を参考にすることも有効でしょうが、戦術の組み立てを考えるのは実際の戦史に精通していることよりも、むしろ、

◎ゲーム感覚の思考

が要求されます。
できたら何を困っているのか、もう少し具体的にポイントをしぼって質問して頂いた方が役に立つ回答が集まりやすいと思います。

……と愚考するので、役に立つかどうかわかりませんけど、一応こちらでしぼりますね。

>現実の戦術を魔術師たちが戦の前線に出て来る世界観に落とし込むのも難しく、

これについては、『幼女戦記』が参考になるかもしれません。原作は地の文がめちゃくちゃ饒舌で人によっては読みにくいかもしれませんが、アニメ版がかなり要領よくまとまっていてお勧めです。
あの作品は第一次・第二次世界大戦の史実をベースにし、そこに魔力が存在する世界を描いています。
古代戦と近代戦の違いはありますが、戦争ってどんな時代でも、人と武器を運用して「かちこみ」やら「陣取りゲーム」やらをやってるだけです。有利な体勢を作って不意を打つとかで楽に勝てるのが理想ですが、相手もものを考えているから一方的な都合だけで事は運ばず、時には正面衝突して「大会戦」になってしまうこともある。そんなもんです。
おそらく現実の戦術家は会戦なんてしたくないと思いますよ。そこはゲームと違うところで、負けたら死にますから。

まあ、時代が違っても戦争の基本的なからくりと考え方は同じだろうという話です。

で、『幼女戦記』ですが。
あの作品の魔導部隊は戦場で勝敗を左右するほどの威力は持ちますが、オールマイティではなく、武器の一種と位置付けられています。何ができて何ができないのかが明確に設定されていて、それを強力な武器の一つとしてオーソドックスな近代戦術に組み込んでいるんですね。
飛行能力を持ち、しかも戦闘機よりも小回りが利く。攻撃力も万能ではないけれどかなり強い。そういう戦闘ツールが存在したら戦場でどういう使い方ができるか?
つまり魔導士を、ゲームにおける駒の一つのように考えて戦術を組み立てているのだと思います。

魔術の限界をきっちり決めておくのがポイント。
そもそも魔術師がいれば何でもできるのだとしたら、人的・物的資源を整え、あれこれ作戦を考えてのぞむ戦争なんて無意味じゃないですか?

上記の回答(戦術の組み立て方についての返信の返信)

スレ主 朱鈴 : 0 投稿日時:

あまくささん、コメントありがとうございます。

戦術を考える=史実を学ぶということにしか目が行っていなかったので、ゲーム感覚で駒を動かすということは盲点でした。そして幼女戦記のご紹介ありがとうございます。タイトルだけは知っていたのですが近代戦モチーフなんですね。一度目を通してみたいと思います。
今執筆中の作品では魔術師は飛行能力や瞬間移動等はできないが水や火や風といった自然物を操り幻術を使う設定で、拙作でも魔術師の能力は万能の存在ではなく武器の一つとして扱う方向性で考えていました。そうなった時、彼らをどう扱うと一番効果的で説得力のある戦術になるのだろう……と考えていたのですが、ゲームの駒のように考えながら戦術を組み立てるということを念頭に置いて一度やってみます。
皆様から頂いたアドバイスを踏まえながらもう一度魔術師をどう使うか、彼らの能力の限界等について考えてみて、それでも解決策が見いだせずうまくゆきそうになかったら、再びこちらで要点を絞って相談させて頂くかもしれません。
アドバイス本当にありがとうございました!

カテゴリー : その他 スレッド: 戦術の組み立て方について

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