小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのかの返信

元記事を読む

普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのか(元記事)

yahoo知恵袋にこんなことを言ってる人がいたんですが(全文はこの文章を切り取って検索すれば出てくるはずなので探してみてください)。

> でも、日々の劣等感とか自己嫌悪とか、世の中への恨みつらみとか、そうした鬱屈を、普遍的な人間ドラマやテーマ性といった「高み」へと昇華出来るのが、オトナのクリエイター。それが、世の中のおおぜいの心を打つ。スピルバーグもルーカスも藤子不二雄も、
そういう面が実によく見て取れる。探せばもっといるでしょう。
舞台は子供の世界でも、もっと広い人間社会を見据えた普遍の所を作品に込める、というやり方は十分に出来る。オトナ(←汗)の作風です。
が、未熟な作り手だと、普遍の高みなんざ知るか、ってなやり方で
十分商売が成り立ってしまい、そんなやり方でも「自ら何事か成し
遂げた」感、つまり「自己実現」をした感、が味わえてしまう。
オタ界隈の感性です。
そして重要なのは、「それ」である“身内”相手の、同族が作って
同族が消費する…ってな界隈では、それが全肯定されてしまう。
ヤレモテチートハレムが学園水着温泉…てな、要するに「例のアレ」「いつものアレ」とはつまり、そうやって成立した。

スピルバーグやルーカスや藤子不二雄みたいに舞台は子供の世界でも、もっと広い人間社会を見据えた普遍の所を作品に込めるには何を気をつければいいんでしょうか?
またそういうクリエイターと「普遍の高みなんざ知るか」って考えで作品を作る人の決定的な差ってなんなんでしょうか?
根本的な人間性ですか?だったら山籠りして毎日滝行でもして心と体を鍛え直せばいいんでしょうか?

普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのかの返信

投稿者 大野知人 投稿日時: : 2

 A. 知らん。アポとって自力でプロにインタビューしてきなさい。

 と、切って捨てるのはあんまりなので細かく書きますが。
 凄く大雑把に言うと、『質問の仕方が悪い』と俺は思います。

 俺の思い違いかもしれませんが、スレ主さんの質問はかなり主観的な解釈が含まれているように思います。何が言いたいかと言えば、『そもそも質問の前提が理解できないので、何を疑問に思っているのかわからない』と言う所です。
 という訳で、以下は俺の勝手な解釈と推測を基に書きます。『なんか違うな~』と思ったら、無視していただいて構いません。

 『でも、日々の劣等感とか自己嫌悪とか、世の中への恨みつらみとか、そうした鬱屈を、普遍的な人間ドラマやテーマ性といった「高み」へと昇華出来るのが、オトナのクリエイター。』
 コレ、所謂リアリティって奴じゃないですかね。藤子不二雄やスピルバーグ、或いは富野監督でも良いですが、基本的にあの人たちは『作中における現実性』をちゃんと表現しようとしている人たちです。
 制作後のインタビューとかで、『自分にはこういう主観や思いがあって、それが作品にはこういう形で出た』と言ったり、評論家たちにそう言われることはあるでしょうが、それはあくまで結果論です。

 なんて言うんでしょうか。
『政治家が気に食わねぇから、政治を悪しざまに書く映画を作ってやれ!』
『悪政の中で必死にあがく男たちを描きたいから、対照的に政治家を悪く書こう!』
 って言う二つの違い、分かりますよね? そんな感じです。
 世の中の大勢の心を打つのは、描写力の高さやリアリティへの思い入れの在り方、後世の中の流行+ナニカです。

 成功している人たちを『高み』と思うのは構いませんが、『普遍的な人間ドラマやテーマ性』ってそんなに高尚な物じゃないと思いますよ。
 
 だって、『普遍的な人間ドラマ』なんて、結局『どこにでもいる普通の人間』をどこまで観察するかであって、芸術性ではなく観察・人間心理学・行動分析学と描写力の問題ですし。
 『テーマを決めて文章を書きなさい』なんてのは、そもそも小学校の作文の時点から言われている事でしょう。『エンタメとして安直でない』とか『作品が複雑化してテーマが埋没してしまう』とか言う事に否定的な表現をするとそうなるだけで、大体の物語には『テーマ』は有りますよ。

 『オトナの作風』と言うのも正直意味が分かりません。子供向けの物こそ、教育的な配慮や分かりやすい表現を考えねばならないので、より『オトナ』でないと作品が作りづらいです。
 一方で、大人向けの作品もまた『多彩な人生経験を積んだ色んな大人』が見る事を前提にするので、共感のしやすさとリアリティを兼ね備えねばならず、これもまた難しいでしょう。
 『オトナ』って何ですか?

 その上で、ですけど。
 例えば、『大衆受けする、エンタメ性の強い、安直で流行に乗った作品』なんてものを作るとして、それは簡単だと思いますか?

 言っておくと、オタクってのは基本的にみんな『拗らせた』人間です。生物多様性と同じような個性の多様性の中で、変な方向に偏っちゃった人達です。

 彼らを見つめ、流行を見極めるのは実はとても難しいです。
 なろうのランキングは当てになりません。ランキング上位に居るってことは、需要と供給が成り立っているということです。同じものを供給して、同じ需要が得られるとは限りません。既に信頼性のある供給元がある訳ですからね。

 例えば、もし今俺が起業して、『コカ・コーラ』と言う名前で、アメリカの『コカ・コーラ』と全く同じ商品を売ったとしても、売れるはずがありません。
 商標権的な問題はもちろんありますが、それ以前にアメリカの『コカ・コーラ』が既に存在して、一定以上の信頼を得ている訳ですから、わざわざ新規事業者から買う理由が無いわけです。
 当然ですが、『コカ・コーラ』以外の名前で売っても、色が同じであれば十中八九そこまで売れません。ペプシとかとも競合するハメになりますし、資本があったとしても勝ち目は薄いでしょう。
 流行を真似るって言うのは、既存の物をそのまま作るだけではいかんのです。ちゃんと、見極める必要が有りますし、オリジナリティも必要でしょう。
 簡単ですか?

 オタクに受ける、エンタメ性の強い作品を作るのは未熟な人に出来る事ですか?
 スレ主さんの言う通り、確かに『テンプレ』という物は有ります。ですが、上述の通り、既に存在する供給と全く同じことを後発の事業者が出すのは難しいでしょう。
 オリジナリティを出そうとすれば、設定のみならず展開の独自性なども重要になって来ますから、エンターテインメントの基礎構造やカタルシスの作り方、雰囲気の盛り上げ方、『読者に読ませる』書き方が出来ねば、エンタメとしては弱いでしょう。
 思想的なアレコレ以前に、技術的に高い壁がある訳です。

 で、未熟なクリエイターがなんだって?

 思想的に高みを見るのは良いでしょう。野望や高い理想を持つのも悪くない。
 高い芸術性がある作品を書きたい気持ちも分かります。

 ですが第一に、貴方の言う所の『普遍の高みなんざ知るか』って言うクリエイターたちがどれだけ技術的な努力をしているかを考えるべきですし、それを考えた上で言うのであればたった一言、『それが出来る技術があるなら、やりたいようにやれ』と言うことです。

 やりたいことが出来ないのは、思想でも人間性でもなく、努力と覚悟の問題です。

 やりたいことをするには技術と知識が必要です。どちらを得るにも、並ならない努力や観察、観察を基にした統計と、それをまとめ上げるセンスが必要です。
 『センスなんて才能じゃないか!』と仰るならば、才能がある人間を見つけて、そいつを観察して統計を取ればよろしい。百かそこらのデータを取れば、携行は割り出せます。
 『天才がそうそう身近にいてたまるか!』と仰るならば、例え百キロだろうが走り回ればよろしい。一千万人に一人の天才は、一千万人に話しかければ見つけることが出来ます。
 観察眼や創作の方法を教えてくれる先生もそう。見つからないなら、見つかるまで探せばいい。

 俺は昔ラブコメを書こうと思って、『失恋して川で叫ぶ人』ってガチで居るのかなと川に行った事が有ります。
 海に繋がる河口から山に向かって25キロほど歩いたところで、バードウォッチャーの群れに混ざってさめざめと泣いているニーサンが居ました。たった7時間で見つかります。そんなもん。
 探せば見つかります。見つかるまで探せばいいだけですから、簡単ですよね?

 やりたいことをするには取捨選択が必要です。取捨選択と言うのは、要するに『創作のためにどれだけ切り捨てられるか』ということで、要は覚悟です。
 自炊と作り置きを覚えれば、一か月の食費は結構馬鹿みたいに抑えられます。オンボロアパートで生活すれば、一日5時間しかバイトに入って居なくともかろうじて食つなぐことは出来るでしょう。
 両親を説得する度胸と、相手を納得させられる実績があれば、4~5年くらいなら引きこもって創作に時間を費やすことだってできます。
 そして、『クリエイターとして身を立てる事にオールベットする』だけの度胸があれば、(スレ主が今いくつかは知りませんが)今すぐ貯金を崩して受験勉強し、映像大学なり有名大学文芸部なりに入ることも可能です。

 俺の知る限り、この世界には天才と呼ぶべき連中が居ます。先天的にそういう才能を持っているのか、幼いころに特殊訓練を受けたのか、とても素晴らしい環境で育ったのか。ともあれ、結構そういうヤツはいます。
 ジャンル問わず、大雑把に『天才』と呼ぶだけなら、2~300人に一人くらいはいますし、人生経験長くないですが2~3人は直接の知り合いとして知っています。

 昔、クソみたいに数学の出来る天才に『どうやってやっているのか』聞きました。
 俺も理解に手間取ったので、すごく大雑把な骨子だけで説明しますが、要するに教科書の公式を超えるレベルで、メタ的に『問題の在り方と、それに対する答え』を把握しているヤツでした。『公式をガン無視して、問題に対応した特殊な数式を8000種類くらい脳内に用意して、それを暗記している』と言っても良いかも知れません。
 事実として言うと、そいつに頼んで数学の勉強を教わった俺は、ポイントを絞って対応したので、その時だけ80点を超える点数を出し、(当の天才が、凡ミスで96点を取るような意地悪問題でした)無事に留年を回避しました。赤点常連組だったんですけどね。
 天才は確かに天才ですが、粘り強く観察し、話を聞き、持っている感覚を理解出来れば疑似的に真似る事は可能です。

 またもう一つ重要なことは、『センスは技術で補える』ということです。
 知り合いにちょっと特殊な記憶能力をしてる奴が居て、多分脳内のラベル分けがすごく上手いからだと思うんだけど、『人と話した事』をどんなに下らない雑談でもしっかり覚えてるんですよ。ちなみに俺に惚れてた、とかいうオチではなく他の人相手でも似た様なものでした。
 本人が『そう』であることに無自覚だったので、二人でワイワイ言いながら色々調べたんですが、どうも『相手の喋り方の癖』や『話の内容と手や首の動きの対応』を無意識に暗記しているらしく、それをベースにして、『相手が昔したのと似た様な話をすると、反射的に昔聞いた話を思い出すことが出来る』体質だったみたいです。
 でもこれ、パブロフの犬の亜種みたいなもので、話の内容を『内容』以外の部分と並行して覚える事で、意識外の部分である程度記憶することが出来るようにしている訳で、レベルの高い『デジャヴ』のようなものな訳です。
 訓練次第で出来なくもない技術ですし、アイコンタクトとか『事故があって咄嗟に手ぶりをしたが、付き合いの長い友人には何故か言いたいことが通じた』とかと同じことなので、検証としてもほぼ間違いはないと思います。

 まあこれは少々特殊例ですが。
 天才以上に努力して、天才をしっかり観察すれば、追いつけますよ。
 クソみたいな努力量と、時間が必要なので、何らかの覚悟は必要ですけど。

カテゴリー : その他 スレッド: 普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのか

返信する!
コメントは4500文字以内。

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

トップページへ ページの先頭へ

「普遍的な人間ドラマやテーマ性のある作品を描くには何を気を付けたらいいのか」の返信一覧

他の相談一覧

キャラが動く動機が見つからないです

投稿者 ハクロ 回答数 : 13

投稿日時:

初コメです! キャラの設定などはだいぶできてきたんですがどうしても 目的、目標が決まらなくて困ってます。 元々遊びとしてキャラ... 続きを読む >>

キャラ問題について

投稿者 ユシ 回答数 : 2

投稿日時:

再度、質問と相談させてください。 TSモノやりたいのですが プロローグだけは肌色の男のままやりたいのですが、TSしたら褐色肌... 続きを読む >>

お勧めの投稿サイトはございますか?

投稿者 文吉 回答数 : 8

投稿日時:

どうもこんにちは。 先日、大長編の超能力SFファンタジー小説を書き上げました。 読者の反応や感想が気になるので、投稿サイ... 続きを読む >>

▼書き込みの検索

▼投稿者の検索

小説の書き方Q&A:創作相談掲示板の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ