コメディーリリーフの動かし方についての返信の返信の返信
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コメディーリリーフの動かし方についての返信の返信(元記事)
すみません、もうちょっと簡単に説明できませんか?
コメディーリリーフの動かし方についての返信の返信の返信
投稿者 大野知人 投稿日時: : 1
横入りで失礼します。
読むせんさんはこの手の『もっとわかりやすく』に答えたがらない方なので、無粋とは思いますが『多分こう言う事だと思うよ』というのを不肖大野が書かせて頂きます。
読むせんさんの言う『役者畑の玄人による怪演』というのはつまり、『文章では表現できない時間の流れの上での「間」や、音声媒体の持つ言語化できない独特な不気味な笑い方・含みのある声音や、同じく言語化しづらい表情の演技』を複合的に表した表現です。
これらがなぜ小説や脚本で再現できないかというと、それは『時間の流れ』『声音や笑い声』『表情』の全てについて、『言葉で言い換えて書きだす』事はできても『そのものをそのまま映し出す』事はできないからです。
その上で、読むせんさんが本来言いたかった事としては
『スリーアミーゴスもトリオ・ザ・挿一も、脚本上の立場や台詞回しではなく、演じた役者さんの、言語化できない演技の部分にこそキャラクターとしての面白さがあるから、その性質上小説媒体で再現することはできないと思うよ』という事だと思います。
言い換えて別の例えをすると、中山きんに君という芸人さんをご存じでしょうか。まあ別に小島よしおでもジョイマンでもコウメ太夫でも良いんですが。
芸人の一発芸の面白さは、『微妙に何か起こりそうな雰囲気の中、妙に空いた間の中で、まるで真面目そうな表情や行動から、いきなり奇行や奇声が繰り出される』という所にあると思います。
そして面白さの根幹は『奇声・奇行までの間』『音程やアクセントの妙』『ポージングが綺麗である故の違和感』なんてものが決めていると思います。
じゃあ、それを文章に起こしたら面白くなるでしょうか。
『男は、至極真面目そうな黒スーツで身なりを整えて、やや肩に力が入った様子で一歩ずつ前に歩み出る。もう数歩で壇上から落ちるという所で止まり、一呼吸。二呼吸。
刹那と呼ぶには長すぎる時間がたった後、シュバッと勢いよくスーツを脱ぎ去った彼はダブルバイセップスのポーズをとると同時に、その隆々たる筋肉を見せつけるようにしながら叫んだ。
「ヤァアアア!」
二拍おいて、再び気をつけの姿勢に戻る。一言二言、自己紹介を挟んだ彼は、自分の言葉を途中で切るように今度は再度チェストのポーズをとり、喉を震わせる。
「やァアアアアア!」』
いや面白くねェわ。
と、いう話です。
同様に、演技の素晴らしさと間によって生じる面白さも文章化は難しいでしょう。例えば『パソコンの使い方がわからない老人に、専門用語ばかりしゃべる若者が教える』みたいに状況だけ抜き出したとしても、スリーアミーゴスのような面白さは本質的には演技が持つ言い回しや身振り、表情、間などにあるのだから表現するには難がある、という事でしょう。
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