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オリジナリティとはテンプレの組み合わせのセンスである!オリジナリティとは何か? (No: 1)
スレ主 うっぴー 投稿日時:
小説家になろうからプロ作家になった人と話していて、おもしろい発見がありました。
「オリジナリティとはテンプレの組み合わせのセンスである」という考え方です。
なろうは、とにかくテンプレを理解し、読者の好む物語を提供することが求められる場所です。
ランキング上位を取るためにはオリジナリティは必要ない、テンプレと流行がすべてだ!と言い切るプロの人までいます。
では、このように言い切るプロ作家さんの作品にオリジナリティが無いかと言われると、違います。ちゃんとオリジナリティを感じることができます。
オリジナリティとはいかに100番煎じの物語を作ろうとも作品から滲み出るものであり、突き詰めるとテンプレをいかに組み合わせるかのセンスである、ということです。
オリジナリティが感じられない作品とは、組み合わせるテンプレの数が少ない、あるいは、組み合わせに失敗していると言えます。
例えば、なろうから書籍化された有名な作品として、「君の膵臓をたべたい」(2015.6刊行)という文芸作品があります。
これはキャラ文芸に分類される恋愛小説です。
異世界を舞台にせずに大ヒットした作品ですが、プロの方から、なろう系ラノベの影響を受けた承認欲求充足型の物語だから、読んでみて欲しいと言われて読んでみました。
あらすじは、ヒロインが膵臓の病気で死ぬことが冒頭で示されます。
主人公は、ヒロインが秘密にしていた膵臓の病気のことを知ってしまい、そのことで、ヒロインの遊びに強引に付き合わされるという内容です。
「君の膵臓をたべたい」とは、ヒロインなりの遠回しな愛の告白です。
最初は、このように回りくどい好意の示し方をしていましたが、どんどんヒロインの主人公好き好き大好きアピールが加速し、露骨になっていきます。
友達がおらず他人にも興味がないダメな受け身主人公が、人気者の女子に強引に誘われて遊ぶというのは、涼宮ハルヒ的な学園物ラノベのテンプレート。
最初から、ヒロインが主人公が大好きで、彼を全肯定するのは、なろうヒロインのテンプレートです。
ダメな男が主人公というのは一般文芸の伝統で、森鴎外の舞姫の主人公は、ヒロインを妊娠させておきながら、出世のために彼女を捨てます。
このような一般文芸ダメ主人公テンプレートと、ラノベの受け身主人公テンプレートを組み合わせ、文芸っぽく見せています。
また、難病になったヒロインと恋愛するというのは2000年代に流行したケータイ小説のテンプレートです。
ケータイ小説テンプレ+学園物ラノベテンプレ+一般文芸+なろう系承認=「君の膵臓をたべたい」
以上のことから、テンプレの組み合わせが新しい物語を作るのではないかと、考えていますが、いかがでしょうか?
オリジナリティとは何かについて、ご意見をいただきたく思います。
カテゴリー: 著作権・オリジナリティ
この質問に返信する!オリジナリティとはテンプレの組み合わせのセンスである!オリジナリティとは何か?の返信 (No: 2)
投稿日時:
>友達がおらず他人にも興味がないダメな受け身主人公が、人気者の女子に強引に誘われて遊ぶというのは、涼宮ハルヒ的な学園物ラノベのテンプレート。
>最初から、ヒロインが主人公が大好きで、彼を全肯定するのは、なろうヒロインのテンプレートです。
そういう受け取り方をしたら何でもその法則に当てはまってしまうよ。
特徴のない受け身主人公が、目立つ(美人だとか性格に難があるとか)ヒロインに強引に物語へと導かれるのは、要するに「巻き込まれ型」と言われる典型で、おっしゃる通りハルヒの時代からこのテンプレートが非常に多かったのは確かです。
でもこれは、ハルヒ以前は「落ちもの系」だとか「ドラえもんタイプ」とか言われてたもので、別に「ライトノベル特有の構成」というわけではありません。
ちなみに落ちもの系で代表的なタイトルは「天空の城ラピュタ」でしょう。
最初から高感度最大の状態で始まるのは、
通常、「高感度が低い状態」がスタートで「高感度が高い状態」がゴールであり、この変化を書くことが「物語である」と受け取れるのですが、最初から「高感度が高い」だと変化の過程という「物語」が書けないので、別の物語を用意してやる必要があります。
で、それ(どうやって別の話を用意するか)が「アイディア」なわけで「オリジナリティ」なので、通常の物語では「恋愛の変化の過程の物語」になるけど、その典型ラブストーリーの一歩先へ行こうとすればアイディアが必要となり、新しいネタを持って「既に高感度が最大の状態だけど、そこから始まる物語です」と「君の膵臓をたべたい」は実にオリジナリティのあるネタだと思います。
うっぴーさんの考察を否定するような内容ではありますが、「テンプレの組み合わせで新しいものが出来る」という話の主旨は、私も同感です。
これはテンプレに限らず、基本的に物語の雛形は数えるほどしかないので、あとはそこにどのような組み合わせをするかという話になります。
ただ、詰め込みすぎるのは良くないので、単純な足し算ではないでしょう。
そして、
>ケータイ小説テンプレ+学園物ラノベテンプレ
これというのは、それをどうやって組み合わせるのか、という話にもなるので、この式だけを見たら「とにかく流行り物を積み込めばいいんだな」って事になりかねない。
それをどう組み合わせるのか、がオリジナリティなんだし、道具自体はテンプレに限らず何でも従来のものを使ったほうがいい(そのほうが参考資料が多いため)。
問題はその組み合わせ方。
どうやって「従来の」から一歩先へ行くか。
そこで作者のセンスが光るのだと思います。
オリジナリティとはテンプレの組み合わせのセンスである!オリジナリティとは何か?の返信 (No: 3)
投稿日時:
センスと言いますか……私の場合は「相性」とみなしています。
良すぎるものは王道としてやりつくされている。
奇をてらって皆がやっていない悪いものを選ぶ、特に「欲張ってたくさん詰め込みすぎる」と破綻すると思ってる。
私は「皆があまりやっていない、制御の難しそうな組み合わせのバランスを保つ」のが好きですが、それがうっぴーさんの仰る「センス」に相当するかもしれない、と思っています。
でも正直、王道すぎる組み合わせでもいいやと思ってる。オリジナリティの重視度が低い人なんで。いつぞや下読みさんのお話に出ていた「納得できる丁寧な過程の描写」のほうが大事だとも思うんで。
率直に言って、相性の悪すぎる要素を詰め込み過ぎたガタガタの物語のほうが嫌です。その「相性」の見極めのできていない作者も嫌というか。分かってる人は本当に慎重にバランスを保とうとしているのがわかるから、無計画に詰め込んでる人を見るとイラッときてしまう……なんだかなー。
オリジナリティとはテンプレの組み合わせのセンスである!オリジナリティとは何か?の返信 (No: 4)
投稿日時:
オリジナリティというのは、小説でいちばん大事な要素ではないでしょうか。
あるいは、二番煎じでも十分面白い場合、それはオリジナリティに含めてしまうことも可能ではあると思います。少し強引なヘリクツですが。
オリジナリティがあるってことは、小説に一番大事な要素があるということなので、テンプレかどうかはまた別の問題です。
で、万人に受け入れられるような作品であるということと、テンプレであるというのは同じだと思います。
この場合単純化して考えるんですが、作品の陽性部分と陰性部分という概念を作りますが、この両方を備えていることが理想だとするなら、陽性部分はオリジナリティで、陰性部分は要するに、
「強烈な嫌悪感で無条件に拒否される」ということがない、ということかな(なんか、日本語が……)と思います。
だから、陰性部分であるテンプレの方を柔軟に変更していけば、一つのオリジナリティから複数の作品は作れるでしょうね。
例えばドラゴンボールみたいな格闘漫画で、陰性部分は恋愛要素や、なにかの本当にありふれたテンプレ要素、みたいな組み合わせで作れると思います。