魔女キャラの伏線についての返信
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魔女キャラの伏線について(元記事)
執筆しようと思っている小説内に、ヒロインが魔女だった(主人公が魔女にトラウマを持っており、途中で隠し切れなくなりヒロインから告白される)事の伏線を張りたいのですが何かわかりやすい日常の中の魔女特有の行動や忌避している物など、代表的なものを挙げてもらえると嬉しいです。
魔女キャラの伏線についての返信
投稿者 手塚満 投稿日時: : 0
魔女って現代創作に絞っても多種多様過ぎて、「これがあれば魔女っぽい」みたいなものは極めて作りにくいと思います。読者は各人各様の魔女のイメージを持っている、くらいに考えないと危ういと思います(オカルト一般、おおむね同じ)。
伏線で匂わす程度の不思議な現象を描写しても、それは魔法だからなのか、手品だからなのか判然としません(そのため本人が魔法と告白しても、読者が嘘の可能性を感じる可能性もある)。あるいはミステリの手法(密室殺人トリック等)との区別をつけづらい。
しかし、スレ主さんに作品構想があり、登場する魔女ヒロインももうキャラ設定はちゃんとできているということですね。つまり御作世界で「魔女とはこういうもの」ということははっきりしている。
それでしたら、まず御作での魔女がどういう存在か、まず描写してしまうのが得策ではないかと思います。魔女にできること、できないこと、普通の人間と異なる点を明示的に打ち出してしまう。そして魔女ヒロインが、それらのうち「これがあれば魔女」「これが絶対できないのが魔女」という点を隠そうとする。その隠す行為を伏線とできるはずです(他にもあるでしょうけど、わざとらしくなるものが使いやすい)。
その伏線ですけど、魔女だから魔法(とか悪魔等々)、とは限りません。「この作品での魔女はこういうものである」と先んじて打ち出しておけばいいのですから、例えば「魔女は3時間おきに水を飲まないと死ぬ」と設定したって問題ありません。そうなると魔女ヒロインが主人公と行動を共にしているとき、何かと口実を設けて水を飲む機会を作ろうとするはずです。
あるいは、去年にアニメ化された「見える子ちゃん」の「見える子ちゃんは霊が見えるが、それを必死で隠している」という設定と、その使い方が参考になるかもしれません。主人公の「見える子ちゃん」は霊が見えるため、見えない一般人と行動や言動に差が出ます(見える子ちゃんが一般人が霊に接触するのを避けさせようとする等)。
そこは見える子ちゃんが視点主人公のため、視聴者/読者には行動の理由が分かるわけですが、他の登場人物には見える子ちゃんの行動が不審だったり、別の理由でそうしたと勘違いしたりします。他の登場人物を読者に置き換え、見える子ちゃんを魔女ヒロインに置き換えると、その行動を伏線にできます。
繰り返しですが、八割がたの読者に「魔女とはこういう具体的な特徴を持つ存在」という認識がない点は要注意です。大雑把に「魔女は不思議なことができる」くらいの認識は共有していても、「こういう具体的な特徴は魔女」と思って設定、描写するのはリスクが高いと思うべきです。作者が伏線描写に先んじて「この作品の魔女はこういうもの」と作中で打ち出しておく必要があります。
そこは主人公と魔女の会話で「魔女ならばこう」と軽く触れてもいいし、(視点主人公でないとテクニック的に難しい点がありますが)魔女ヒロインが主人公に知られずに魔法を行使して、密かに主人公を救っていた、と描写してもいい。会話で「魔女ならばこう」と明かす場合でも、それが魔女の作中設定通りに正しくある必要はなく、誤解されている面とすることもできます(そうなると魔女ヒロインは反発したりする可能性が出てきて、ムキになる点が伏線となったりする)。
どうやるにせよ、読者に「この作品の魔女はこういう存在である」という共通認識さえ作っておけば、やりようはどうとでもなります。その逆(一般的な魔女はこうのはずという前提での描写)は難しいでしょう。
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