ストーリーはシーン単位で考える!「キャラ、状況、やり取り」を組み合わせていかにおもしろくするか?ラノベ作家・黒九いなさんに創作に関する10の質問

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(AMGとのタイアップ記事です)

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Q0:自己紹介をお願いいたします

『なぜ究極魔術師の俺ごときが、超人女子高生をチョロインにして しまうのか(2019/05/30発売)』(C)Ina Kuroku 2019
『なぜ究極魔術師の俺ごときが、超人女子高生をチョロインにして
しまうのか(2019/05/30発売)』(C)Ina Kuroku 2019

 アミューズメントメディア総合学院ノベルス学科(現小説・シナリオ学科)東京校卒業後、第19回えんため大賞特別賞を受賞してライトノベル作家になりました。
 別名儀ですが、ゲームのシナリオライター等の仕事もしております。
 2019年5月30日、デビュー後2シリーズ目になる新作『なぜ究極魔術師の俺ごときが、超人女子高生をチョロインにしてしまうのか』がファミ通文庫様より刊行予定です。

Q1: 新作を出すのは非常に難しいと聞きます。企画を通すためにどのような工夫、努力をされましたか?

 企画と言っても最終的には小説ですので、新人賞への投稿時代と根本的なところは変わっていません。
 ライトノベルの読者さんがどういった内容なら興味を持って楽しんでくれそうかに注意しつつ、自分でも楽しめそうな物語を考えます。

 あとは作品の核となる「売り」や「魅力」、最終的には読者さんが判断してくださればいいモノではありますが、自分なりにどこをどうこの作品の魅力にするか、というのは終始意識するようにしています。

 投稿時代と異なる点としては、企画はまず2~3行にまとめたコンセプトから始まって、企画会議を通す時点でもA4数枚のプロットの形で編集部に判断していただくところです。

 なのでこのプロットから「具体的にどんな風に魅力的なシーンが書けるのか」は、編集さんにも見えやすくなるよう、書き方を注意したりしておりました。

Q2: 人気を出すために重要な「タイトル」。どのように考案されていますか?

 市場分析眼は担当編集さんの方がずっと鋭いので、相談させていただきながら考案しています。
 作品内容を象徴するのは当然として、その上で可能な限り対象読者さんの目と関心を引けるよう、よりベターな単語や言い回しを考えます。

Q3: 小説のアイディアが浮かぶのはどんな時ですか?

 入浴中、あるいは散歩中が多いです。
 息が上がらない程度に血の巡りがいい時が、アイディア出しにはちょうどいいようですね。

Q4: キャラクターをどのように考案、作成されていますか?

 ざっくりストーリーやシーンを盛り上げる役割や特徴、行動原理だけぼんやり考えておいて、具体的な肉付けは実際に登場シーンを書きながら固めていくことが多いですね。

 特徴というのはそのキャラの、あまり一般的ではない言動だったり考え方だったりするので、書きながら「なんでこの子こうなんだ?」⇒「あーこういう理由かー」と、プロットにはないバックストーリーが決まっていったりします。

Q5: ストーリーを考える際に重視していること、気をつけていることがありましたら、教えてください。

 改めて言われてみると「ストーリーを考える」という意識で考えていることはほとんどないかもしれません。

 コンセプトの段階から「どういうシーンが面白いか、魅力的か」を軸に考えています。
 シーン単位なので「人と状況、やり取り」に注力。

 作品の核となるようないくつかのシーン、冒頭のシーン、クライマックスのシーンなどを点として考えて、後はその間を埋めるように他のシーンを考えていくような。
 プロットのあらすじを書く段になって、そういったシーンの積み重ねを「ストーリー」として要約する、というような意識で作っています。

 なので重視していることとしては、「各シーンそれぞれが最大限魅力的になるように」みたいなところでしょうか。

Q6: ラノベでは文章の読みやすさが重視されるかと思います。読みやすくするために、どのような工夫、訓練をされていますか?

 てにをはや誤字脱字、必要がない限り過度に難解な漢字、単語は避ける……という基本的なところ以外は深く意識していないかもしれません。
 あとは、できるだけ一読で意味が伝わる(前の文章に目線を戻す必要が出ない)ように文節、文章を組み立てるとか。

 ……と言いつつ( )の挿入表現は前の文章に目線を戻させがちなのですが。
 個人的な悪癖として過剰に体言止めを使ってしまうところがあるので、そこも注意はしています。

Q7: 人気作を書くためには人気作の分析が欠かせないと聞きます。一ヶ月にどれくらいの小説を読まれていますか?

 ハマるとシリーズの一気読みとかしてしまうのであんまり一ヶ月当たりで安定していないのですが、平均すれば7~8冊程度だと思います。

Q8: 執筆のモチベーションを保つために、どのような工夫をされていますか?また、うまくいかない時はどうやって乗り越えていますか?

 モチベーションが低下したり上手くいかない時は、諦めてインプットに集中していればそのうち書きたくなってきます。
 仕事の場合は義務感で着手して、書いている内になんだかんだ乗って来るので、今のところなんとかなっています。

Q9: 小説家になる、あるいは続けていくためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?

 商業作家という意味でしたら、身も蓋もないですが、やはり売れる作品を書く能力は必要ではないでしょうか。

 私のように、単に小説を書くのが好きでダラダラ続けていればどこかでデビュー、つまり「小説家になる」チャンスはあると思いますが、小説家として「続けていく」には出版社にコンスタントに「投資」してもらう必要があるわけで、相応の「結果」は求められます。

 ……そう、流石に直接編集さんに言われたりはしていませんが、もちろん私も求められているはずです。ひい。

Q10: その能力を得るためにはどうすれば良いでしょうか?

 私も知りたいです。切に。
 恐らくその答えを知っている方はいないか、いてもご本人以外には実践が困難な何かだと思いますので、自分なりに読者さんに喜んでもらう方法を研究しつつ、今後も精進して参ります。

(備考・黒九いなさんはAMG出身の作家です)

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