短編小説の書き方7つのポイント。名作『時をかける少女』の構造解説

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短編小説の書き方7つのポイント

  • 1:主人公が何か達成したい願望や問題、悩みを抱えており、これを解決しようとする(ストーリーとは問題解決の過程)
  • :メインキャラクターは3人以内。不必要な登場人物は出さない
  • :結末と書きたいクライマックスシーン(最後に盛り上がるところ)を決める。
  • :どんな人が読んでおもしろいと感じるのか? 読者を想定して彼らにウケるように書く
  • :主人公を助けてくれる人物を登場させる。お助けキャラ(物語の案内人)
  • :予想を裏切る意外な展開を入れられるとグット(味方と思っていた人物が実は敵だった。敵だと思っていた人物が味方だったなど。主人公にとって意外な展開)
  • :ラストは主人公が問題を解決する。主人公の心理状態がプラスになって終わるハッピーエンドが基本(文芸ではバットエンドで終わる場合もある)

短編小説ではメインキャラは3人以内。

小説の書き方講座。短編小説の書き方7つのポイント。『時をかける少女』のストーリー構造解説

短編小説は一般的に文字数6000文字以上、1万6千文字以下の長さの小説を指します。

ストーリー作りのコツは、主人公が何か達成したい願望や問題、悩みを抱えていて、これを解決する過程を書くことです。

主人公の抱える問題とは、仕事を失った、嫌いな異性に付きまとわれている、好きな人がいるなど、読者が共感しやすいものが良いです。

ネタが浮かばない時は、あなたが、今までの人生で経験してきて嫌だったことを、主人公の問題にしてみましょう。自分の体験からネタを起こすのは、王道の1つです。

また、主人公を助けてくれる『お助けキャラ』を出すと、ストーリーを動かしやすくなります。

お助けキャラの役割とは、物語の案内人です。問題を抱えた主人公と会話し、解決に必要な知識を与え、行動をうながします。具体的には、以下の『時をかける少女』のストーリー構成で解説します。

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短編小説の超名作『時をかける少女』のストーリー構成

例として、短編小説として最も高い評価を受けている作品の1つ筒井康隆の『時をかける少女』(1967年刊行)のストーリー構成を紹介します。(古い作品ですが、何度も映像化されている超ロングセラーです)

  1. 主人公の中学3年生の少女・和子は、理科実験室で謎の人影を見て、ラベンダーの匂いを嗅いだ後、意識を失う。
  2. これをきっかけとして、過去に戻るタイムリープの能力が彼女に宿り、同じ一日をもう一度繰り返すことになる。
  3. 和子は、友人の一夫にこのことを相談し、能力を使って友人の吾朗の命を救うが、他の人たちからふつうの人間ではないと思われるのが嫌で、力を捨てたいと思う。(主人公の目的・問題)(お助けキャラ・一夫)

    (お助けキャラ一夫の役割は、ヒロインの悩みを受け止めること。恋愛の伏線にもなっている)

  4. 理科の先生に相談し、和子が能力を得たきっかけとなった4日前の理科実験室にタイムリープを使って戻り、彼女に能力を授けた謎の人物に会えば、問題が解決すると言われる。(お助けキャラ・理科の先生)

    (お助けキャラ先生の役割は、ヒロインにタイムリープの科学的知識と問題解決の方法を授けて、行動をうながすこと)

  5. 4日前の理科実験室に戻った和子の元に現れたのは、彼女の力になってくれていた友人の一夫だった。
    (意外な展開)
  6. 一夫は未来人であり、タイムリープの薬を作って過去にやってきたが、薬が未完成で、未来に帰れなくなったこと。薬を作るために理科実験室にいたところ、薬をひっくり返して、誤って和子にタイムリープの能力を与えてしまったことを伝える。
  7. 一夫は、和子のことが好きだと告白するが、未来に帰る前に、タイムリープの秘密を守るため、彼女や今まで関わった人の記憶をすべて消さなくてはならなくなる。そして、いつか再び、和子の前に現れると約束する。
    (和子のタイムリープの能力は薬の効き目がなくなることで消滅する。問題の解決)
  8. 和子は、心の底に残るいつか再び自分の前に現れると約束した誰かを待ち続けるのだった。
    (主人公の心理状態がプラスになって終わる)

『時をかける少女』は、タイムリープの能力を偶然手に入れてしまった少女が、そのことに悩み、力を捨てたいと願って、力を授けた謎の人物に会いに行く物語です。

主人公に問題が発生し、その問題を解決するために行動することがストーリーであることがわかります。

『中学三年コース』(学習研究社)の1965年11月号に掲載された短編小説であり、中学生の女子が読んでおもしろく感じるように、恋愛要素を入れています。
和子(ヒロイン)、一夫、吾朗の三角関係の物語でもあります(メインキャラクター3人)

ヒロイン(読者)のことを愛してくれる誰かと、将来必ずめぐりあうという希望を与えてハッピーエンドにしているため、当時の女子中学生の心に深く刺さりました。

ターゲットとなる読者を決めて、彼らにウケるように書くと、ターゲット以外の層にもウケて波及することがあります。

逆に、ターゲットを決めないでなんとなく書いたものは、誰にも刺さらないので、人気になりません。

小説を書く場合は、「この物語は仕事に疲れた30代の男性が読んだらおもしろい!」「ゲームが好きな人なら楽しめるはず!」などとターゲットを決めて書いた方が良いのですね。

また、起承転結の「転」にあたる部分で、和子にタイムリープの能力を与えたのは、彼女の友人だった一夫であるという意外な展開が入っています。
和子は、能力を授けた人物のことを自分に不幸をもたらした得体の知れない「敵」だと思っていました。

「味方と思っていた人物が実は敵だった。敵だと思っていた人物が味方だった」というのは、人気漫画『名探偵コナン』でも使われている王道的な意外な展開です。
こういう意外な展開があると、おもしろさが増します。

(ただし、ラノベでヒロインが裏切るなどすると、読者に与えるストレスが強くなって、読んでもらえなくなります。『味方だと思っていた人物が実は敵だった』を行う場合は、読者に強いストレスを与えないか? 考慮しましょう)

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