小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

起承転結の「起」で悩んでいますの返信

元記事を読む

起承転結の「起」で悩んでいます(元記事)

初めまして。趣味でSSとかを書いている麒麟と申します。
今書こうと考えている青春ストーリーで、いわゆる起承転結の「承転結」はざっくり考えているのですが、「起」の部分で悩んでいます。なんか変な悩みだなと我ながら思いますが、始まりが肝心でもあると思うので、皆様のご感想やご意見をいただければなと思います。

音楽の話で、日本楽器の厳しい名家の生まれである主人公が、家を離れて高校でバンド活動を通して青春を楽しむ、という話なのですが、主人公が家を離れるきっかけがどんなのが良いかと悩んでいます。
ざっくりとした起承転結を書くと…

「起」厳しい家から離れたくて家出
「承」軽音部でのバンド活動でいろいろな思い出(本編ではここを膨らませていくつもりです)
「転」名家の人(父母とか祖父母とか関係者とか)が主人公を連れ戻す
「結」和解してバンド活動が認められる

てな感じです。ざっくり書いたから仕方ないとはいえ、この「起」ではいくらなんでも主人公が忍耐不足過ぎて共感が得られないから無しかなと。ただ、この家元は厳しすぎて、食事と勉学と睡眠以外はみっちり稽古といったスパルタ体制なので、逃げ出したくなるのは伝えたいなと思うのです。実際その家を継ぐつもりがないから主人公にとってはリアルガチ地獄といった感じです。
そこで考えたのが「唯一の心の支えとなっていた身内が他界して精神崩壊、他の身内(分家等)が見かねて主人公を連れ出す」といったものです。
例①:父と兄が自分の心の支えだったが、兄が他界。見かねた父が離婚届を出して主人公を引き取る
例②:父が唯一の心の支えだったが、他界。見かねた親族(例えば父の姉・主人公から見たら伯母)が主人公を預かる
スパルタなのが「母」と仮定して例を挙げましたが、一応「頭を冷やせば私が正しいとわかる」と言って渋々家を出るのを許可します。そうして「転」で連れ戻す展開を作りたいので(家を出るのは絶対認めません!だと「承」につなげられず話が進まないので、スパルタ側はあまり必死にせず、少しは余裕を見せます)

すみません、乱筆乱文になってしまいましたが、こんな「起」でどのように感じたかの感想(さすがに身内殺しちゃダメだよ!というのも一意見として受け入れます)や、「こんな『起』はどうだろうか」みたいな提案・アドバイスがありましたら、参考にしますのでコメントいただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

起承転結の「起」で悩んでいますの返信

投稿者 あまくさ 投稿日時: : 1

サヴァさんがガルパンを例にあげていますが、確かにあの作品は好例だと思うので便乗します。

ガルパンでは主人公(西住みほ)が戦車道の家元(西住流)の次女という設定。序盤ですでに家出していますが、その理由が明確です(ストーリー上は中盤で明かされる)。みほと西住流の戦車道に対する姿勢がはっきり違うんですね。

西住流の戦車道は、「撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れ無し、鉄の掟、鋼の心」。わかりやすいです(笑)。
しかし主人公は対戦中に川に転落した味方を助けるために戦闘を離脱し、それが味方の敗北の原因になってしまいます。この事件が原因で主人公は西住流の落ちこぼれと看做されるようになり、彼女自身も戦車道に嫌気がさして家を離れることになります。

ここまではストーリーの上からは前日談になりますが、注目してほしいのは、

1)主人公をめぐる対立の構図が簡潔にわかりやすく示されている。

2)終盤のストーリー展開が、この対立(葛藤)に対する答えになっている。

という2点です。

2についてですが、これもわかりやすいエピソードが一つ置かれていました。
戦車道大会決勝戦の対戦中、渡河中の味方戦車の1台がエンジントラブルを起こしてストップしてしまいます。敵が迫っている危急の状況下で、主人公はチーム全体をストップさせて味方を助けることを選ぶんですね。

このときの、チームの一人、五十鈴華のセリフ。

「私、この試合絶対に勝ちたいです。みほさんの戦車道が間違っていないことを証明するためにも、絶対に勝ちたいです!」

このセリフ、大袈裟に言えば価値観の革命が起こっています。
「西住流」の思想では、作戦に齟齬が生じるのを無視して味方を助けることは「敗北主義」なんです。
しかし上のセリフは、主人公のやり方から「敗北ではなく勝利をめざすモチベーション」が生まれ得るというパラダイムシフトを含んでいます。
この主人公の性格は、優しい人間味が好感を持たれるタイプ。しかし一方で戦車道のリーダーとしての持ち味も描かれています。それは柔軟性と臨機応変な対応力です。それらすべてが戦闘中に味方を助けるという行動と結びついており、それに感銘を受けた仲間の心に「みほさんの戦車道が間違っていないことを証明するためにも、絶対に勝ちたい」というモチベーションを生み出すという、実にもって素晴らしい発想に辿り着いています。

最終話は「鉄の掟」の西住流を体現した主人公の姉(西住まほ)との一騎打ち。このラストバトルに主人公が紙一重の勝利を得るのは、まあ、予定調和といえば予定調和です。ですが少なくとも主人公の戦車道が西住流の戦車道に勝つことがあってもおかしくはないというところまでは納得できるプロットが作られていたと思います。
注目してほしいのは、「勝敗」と「優しさ」の二者択一ではなく、戦車戦による勝敗という同じ土俵で決着をつけてみせ、「優しいから負ける」のではなく「優しいから勝つこともある」という第3の道を示していたことです。

何が言いたいかというと、ガルパンでは主人公をめぐる対立の図式が明確で、それに係わる問題提起と結末に矛盾がないようにしっかりと考えられているということ。
そこが先決なのだと思われます。

で、ご質問の件に戻ります。

>「起」厳しい家から離れたくて家出

>ざっくり書いたから仕方ないとはいえ、この「起」ではいくらなんでも主人公が忍耐不足過ぎて共感が得られないから無しかなと。

いいえ。
ぜんぜん無しではありません。
ただし、厳しさのどこに問題があるのかを熟慮する必要があります。
例にあげたガルパンの発端だって、主人公が「厳しい家から離れたくて家出」したと纏めても間違いではないですよね? ただガルパンでは、主人公が西住流のどういう厳しさと合わなかったのか、それをどのように乗り越えたのかが具体的に描かれていました。

>「承」軽音部でのバンド活動でいろいろな思い出(本編ではここを膨らませていくつもりです)

膨らませるにあたって、主人公と実家との対立を克服するヒントを何らかの形で含ませる必要があります。そのへん、考えていらっしゃいますか? 考えているのなら、それと結びつけることによって起をどうするかという方向性は見えてくるはずです。

>さすがに身内殺しちゃダメだよ!というのも一意見として受け入れます

どうしてダメなのでしょうか?
身内の死が上に書いたようなことに結びついてくるのなら、誰を何人殺そうと問題ないと思いますよ。
まあ、序盤からあまり刺激が強いのは読者の反発をまねくかもという配慮ならわかりますが。そういう配慮も作品の仕様として軽視はできないかもしれませんが、このスレの質問の本筋とは無関係だと思います。
もっと重要なのは、そもそもプロット上、身内の死を持ってくる必要が本当にあるのかどうかということです。
どうも文面を拝見するかぎりでは、家の方針が厳しすぎるから家出したという動機では情けない感じがするから、もっとインパクトの強そうな理由付けを入れようとされたように窺われます。私の勘違いでしたら謝罪しますが、もしそういうことならその考え方には問題があります。
繰り返しますが主人公が実家と合わなかった具体的な理由、それが中盤とラストにどう係るのか、などを具体的に考えることが大切かと。
そういうことを考慮しないで取ってつけたように身内の死という要因を入れただけでは、それを中盤~終盤に活かすことが難しく、結果的に主人公はただ他力本願に動いているだけというストーリーになりかねません。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 起承転結の「起」で悩んでいます

返信する!
コメントは4500文字以内。

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

トップページへ ページの先頭へ

「起承転結の「起」で悩んでいます」の返信一覧

他の相談一覧

文章を書いてみました

投稿者 和田慶彦 回答数 : 26

投稿日時:

1年位前に文章力について相談した時「どんな文章を書くのか実際に読んでみないとわからない」と言われたのを思いだして、プロローグ相談所に... 続きを読む >>

NAROU ANALYZEを見て

投稿者 ロクショウ 回答数 : 2

投稿日時:

先日、「名詞の使い過ぎ?」というタイトルで 相談しましたが、その延長でもう一度不安なことを 質問させてください 名詞の使用が偏... 続きを読む >>

憧れの作家の文章力を自分のものにするには

投稿者 キュピ水 回答数 : 6

投稿日時:

 日々文章力を鍛えたいと思っているのですが、 やはり憧れの作家の文体を目標にして 小さいことからコツコツやった方がいいかなと考え... 続きを読む >>

▼書き込みの検索

▼投稿者の検索

小説の書き方Q&A:創作相談掲示板の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ