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哲学書は小説の参考文献になりますか?の返信(元記事)
補足も拝読しまして、少し整理してみます。
A. ニーチェの思想:アイデアであるので著作権適用外。
B. ニーチェの著作:著作物であるので著作権適用ながら死後50年規定で適用外。
C. ニーチェの翻訳本:翻訳者の著作権が存在する。
D. ニーチェの解説本:解説者の著作権が存在する。
ニーチェの著作を翻訳で読まれたのなら、Cが相当します。文言をそのまま借用すると、翻訳者に対する著作権違反になる可能性があります。ニーチェの思想を研究、解釈した書籍(D)からの借用も同様です。
(もしニーチェの原著を自分で翻訳したのなら問題なしですが、たぶんそうではないのでは?)
ウィキペディアなどではニーチェに限らず、各種媒体の原著、翻訳、解説を引用してますね。あれらは引用の要件(引用が副で本文が主、必要最低限の転載、引用元の明示)を満たしています。
小説ですと、普通はそうはできません。例外があるとすれば「神は死んだ」みたいな短い文言でしょうか。通常の文脈でも発生するようなものまで著作権で守られたりしないわけですね(言論・表現の自由を侵害しかねない等の具体的な問題もある)。
しかし、ニーチェについて語るなら、ニーチェについて知らないといけません。50年規定は置いておくとして、著作物(や講演等々)から知るしかないわけですが、著作権を気にするならニーチェについて語れなくなってしまいます。
しかし、ニーチェの研究・解説本では著者独自の説はもちろん、ニーチェの思想の概略説明などにも引用元の記載はないはずです。ご質問文でスレ主さんは、以下のように仰っています。
> 「神はもとから存在していない。神は人間が作り出した存在である。神がいないと言うことはすなわち、人間は死後、天国に行くことも、地獄に行くこともない。死後は虚無である。」
これはスレ主さんなりにニーチェの思想の一面を簡潔にまとめたものであるわけですよね。学んで理解したことを、自分の言葉で語った。上記一文をキーワードにしてネット検索しても、同じ文はもちろん、ちょっと文言だけ変えたような文章も見つかりません。
そういうものは著作権侵害ではありません。むしろ、上記一文はスレ主さんの思想を表現したものであり、著作物として保護されるべきものです。スレ主さんが学び、思索して得た、独自の見解ですから。
誰かや何かに学んでも、己が頭脳をきちんと介した表現なら、表現した人のものであるわけです。盗用が問題視されるケースをよく見てみると分かると思います。内容ではなく表現自体をそのまま使っているから盗用、著作権侵害と言われるわけです。少し誇張すれば「お前(盗用者)は自分で考えずにコピペしたな! ちょっと単語置き換えたって分かるぞ!」ということです。
簡潔にまとめますと、
・著作物からそのまま書き写すとアウト(単語置き換えくらいでも不可)。
・著作物から学んだ後、何も見ずに自分の言葉で語ればセーフ。
ということです。ニーチェについて語る人はネットだけでも膨大ながら、著作権侵害を言い立てる人が事実上皆無なことからも、お分かりになると思います。
哲学書は小説の参考文献になりますか?の返信の返信
スレ主 ゆり 投稿日時: : 0
お返事ありがとうございます。
コピーアンドペーストや文章の一部をちょっと変えただけ、なんてことは勿論しませんが、ニーチェ自身の著作から直接ではなく、誰かニーチェを研究したものからニーチェを知る、それを参考に執筆することは、ニーチェ研究者を侮辱する行為にならないか?と疑問に思いました。
わたしが自分なりに勉強して要約したニーチェの思想を用いた説明がとてもわかりやすかったです。ありがとうございました。
ゆり
カテゴリー : 著作権・オリジナリティ スレッド: 哲学書は小説の参考文献になりますか?