哲学書は小説の参考文献になりますか?の返信
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哲学書は小説の参考文献になりますか?(元記事)
初めまして。ゆりと申します。
類似権や翻案権、剽窃など、ネットでできる限り調べてはみたのですが、自分ひとりではどうも判断ができず、こちらでみなさまのお力をお借りできたらと思い、質問させて頂く次第です。
私が執筆している小説の主人公は、無神論者です。無神論者のイメージを掴みたく、「神は死んでいる」で有名なニーチェ論の書籍をいくつか読みました。ニーチェについて、私の解釈では、「神はもとから存在していない。神は人間が作り出した存在である。神がいないと言うことはすなわち、人間は死後、天国に行くことも、地獄に行くこともない。死後は虚無である。」と言うことでした。私は、主人公に上記の思想を持たせたいのですが、著作権で保護されるものの中に「思想」があります。ニーチェの哲学思想を持つ主人公を書くことは、ニーチェの思想に対する著作権を侵害してしまうのでしょうか。
また、ニーチェ論の書籍をいくつか読みましたが、それぞれの著者の解釈の仕方により、例え「ニーチェ論」と言う同じテーマを扱っていたとしても、論文の内容に微妙な差異が出るのではないかと思っています。私は特に内容のわかりやすい方の書籍に偏って読んだので、その方の著作を参考に小説を執筆した際、ニーチェ論の中でも特にその著者の論ずる「ニーチェの思想」の著作を侵害しているのではないかと心配でなりません。
ものを書く以上、誰かが懸命に紡いだ言葉を奪う行為は絶対にしたくありません。みなさまのご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願い申し上げます。
ゆり
哲学書は小説の参考文献になりますか?の返信
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 2
著作権法の大原則として、アイデアは保護の対象にならないという考え方があります。
ご質問のケースでは、そもそも保護期間が切れているということは置くとしても、ニーチェの思想そのものは著作物ではなくアイデアに相当します。
同様にニーチェ論執筆者のニーチェ解釈も、論文の文章をそのままコピペしたりしない限りアイデアの範疇になります。
要するに、
1)ニーチェの思想=アイデア
2)ニーチェの思想に対する独自解釈=アイデア
ということになりますから、著作権法の対象にはならないと思います。
* * *
ちなみに。
ニーチェの思想についてのオリジナリティの高い論文があったとして、そのアイデアをそのまま踏襲した「論文」を発表した場合はどうでしょう。
この場合も法律的には著作権侵害にはあたらない可能性がありますが、主観的なパクリ問題として社会的な非難を浴びてしまうかもしれませんね。
ただ、ご質問のケースでは、論文→小説というまったく別の表現形式に変換するわけですから、そういうリスクもかなり少ないのではないかと思います。
カテゴリー : 著作権・オリジナリティ スレッド: 哲学書は小説の参考文献になりますか?