元記事:サタン様、すみません……の返信
>そっか、作家じゃなくても最近はお金稼げますもんね。
作家は、当時、私には編集部に殴り込みに行く勇気はなかったし、新人賞で引っかかるまで稼ぎが無い状態はリスキーだと思ったんでなんとか食える手段を探した結果。とはいえ今ほどネットで仕事できる時代でもなかったけどね。でもおかげで編集部に知り合いも出来たんで、仕事の幅はそこそこ広がってるかなとは思ってる。作家を諦めた以上は作家を名乗りたくないだけですね。
編集のお情けや他人の食い残しを貰ってセコセコ生きてる身分でございまさぁ。
>・核となる部分について
>どちらかといえばこっちが主題ではないか?
作者本人相手ならともかく、外から第三者同士が作品に対してあれこれ言うのはどうかとは思うのだけど、正直私もプロ以外の人の作品で他人とあーでもないこーでもないと言い合いたい派なので、そこは、まずはスレ主さんに、これから失礼なこと言っちゃうかもれんけど、申し訳ないと謝っておきます。
>ヒロインに、主人公に対する特別な感情を抱かさせる]の一点ではないでしょうか?
そうかもしれない。
けど、はっきり言うと定まってないと思った。
書きなれてないときって、より良くしようと、やりたい理屈が通るようにあれもこれも追加して盛る方向で考え勝ち。そのせいでいくつかの解釈で読み取れる場面になってると感じた。
それは「敵を倒す」「設定を説明する(理解する)」「ヒロインに好意を伝える」「ヒロインが特別な気持ちを抱く」「主人公が重症を追う」と、いろいろシーンの意図が混在してたため。
なので、この中で一番関係なさそうな「敵を倒す」が余計なんじゃないかな、って感じの助言で作例を提示した。残りはどこかに軸を置けばまとまりそうだしね。
基本的に大事な事つまり結論ってのは文章の後半に来るものだから、「このシーンで何が大事だと読み取れるか?」で言うと後半にある「好意を伝える」あるいは「ヒロインがその好意に戸惑う」ということだと思う。
ただ、まあ、これは言い訳だけど、もしそれで作者の意図とは違う場合(というか作者がそういう意図を持ってなかった場合)指摘することでスレ主さんが「そうなんだ、これが軸なんだ」と誤解しちゃうかもしれんので。
このプロット例はあくまで「ヒロインが主人公の好意に戸惑う」ことが軸のように見える形になってるというだけで、それが作者の意図ではない場合、こっちが軸を決めちゃったことになる。
だからそれはちゃんと考えましょうね、という感じでの回答でした。なので正しく読み取るなら若宮さんの解釈は正しいと思います。
>今のプロットも別に問題はないんじゃないかな、と私は思いました。
若宮さんの意図で言うなら、確かに問題はなさそうと私も思います。
まあ、こういう言い方は卑怯だけど、結局は書き方次第だからね。成立させようと思ったら成立させられると思う。
なので印象だけでモノを言うけど、ヒロインと出会って設定の説明を受けてるってことは、これは序盤も序盤のシーンでしょう。
だとしたら、ワンシーンに詰め込み過ぎ。
3まではいいと思うし、4については同感で いま説明すべきことじゃない と思う。5はちょっと判断が分かれるところ。
というのも、初対面の女性が知り合いに似てるからって、瞬時にそこまでの判断はできるものか?と思う。「ああ、知り合いに似てるだけの別人だ」と認識した後ならわかる話。だから、そこを跳び越える主人公の設定なり描写なりがあるんだったら納得できるかな。
以降は、というか、
そもそも起承転結の転は、物語の方向性が転ずること。単に衝撃的な展開が起こる事ではない。再三にわたってスレ主さんには失礼なこと言って申し訳ないけれど、これは「転」ではなく、つまり方向性が転じてるわけではなく、単にふらふらと方向性が定まってないだけ。
なので、このシーン自体の目的が見えてこないしどうしたら話が進展するのかわからなくてイラっとする可能性もある展開だと思う。
整理するならこの展開は、「1~3」で敵を制圧してワンシーン、場所を変えるなりで「4と「ヒロインが知り合いに似てる」という設定と主人公がタフネスなのとヒロインを庇って重症を負えるような人間性であるという伏線ないし主人公描写」でワンシーン、「再び敵(捕らえたのが脱走したなど)で5~10」でワンシーン、の計3つのシーンにして、シーン単位で序破急するかな。
スレ主さんはこれで2万字書いたと書かれてたから、たぶん文章量では+1~2万字増えるくらいの規模になるとは思うけど、ようは構成とまとめ方かなと思う。
ただ、ワンシーンにするなら一気に全部やるのは、書き方や表現の仕方に工夫が必要な気がする。
この流れ自体は、若宮さんの解釈は素晴らしいと思うし、間違っていると指摘する場所は私には思いつかない。
私の指摘は、主に「わかりにくさ」で、そのため要素を削ってシンプルにしたほうがって話なので。
>寧ろ、サタン様の提示なさったプロット案だと若干あっさりしすぎていて、キャラとしてなんだかふわふわしているというか。
これも言い訳になるのだけど、まあ私はキャラを知らないからなぁ……というのは置いといて、私が気になったはのはヒロインの心の動きよりも、むしろ主人公の現状把握能力の高さと行動的すぎるとこですね。
>これくらいの経過があって初めてヒロインの心は動くんじゃないでしょうか?
うん。
このプロットは、「敵を倒すこと」に軸を置くと超グダグダしてて読みにくい。けど、「ヒロインの心の動き」に軸を置くと意外と流れは整理されてる。
だから問題は「敵」の存在が主張されすぎてる(復活するあたり)ことなんだって考え。
なので、最初から「ヒロインの心の動き」に注目して読むと問題なく読めるし、若宮さんの解釈と意見はすごくわかる。
ただ、作者としてそこに軸を刺してるつもりなのかがまずかわらない。
スレ主さんの最初の相談文には要約の箇条書きのラストは
>>・主人公が(勘違いで)ヒロインに告白してしまった。
となってるため、あくまで「主人公が告白する場面」って結果を書きたいため、そしてその過程を書く上でヒロインがそれを拒否しなくても不自然でない仕組みを組み立てただけかもしれん。
主人公視点で物語の序盤も序盤なのにヒロインの心の動きを中心に書いてる(けど要約では主人公主体の流れになってる)って時点でちょっと疑問ではあったのよね。
私が例として挙げたものは二つとも主人公を主体にした軸で、主人公側に軸を刺すなら強調すべきは「主人公は人を庇って命を危険にさらすような人物」っていう主人公のキャラ描写のほうだから、むしろヒロイン側のキャラは薄くしないと関係性が構築できてない状態では衝突させにくいし自然と印象も薄くなると思う。ヒロインは知人に似てるとはいえ初対面だからフワッとしたくらいでいいかなと。そのうえ主人公の強調については書いてないから、全体的に薄くなっただけの印象になるだろうなと。
主人公に軸を刺した状態でこの流れをやるなら、前述したけども、私なら3シーン必要かな。最低でも「切っ掛け」と「結果」の2シーンは欲しい。主人公の視点でヒロインの心の変化を描写しなきゃならないわけだからさ。
若宮さんの分析に一言入れるなら、この分析は三人称ならわかるが主人公の一人称だとヒロインの心の変化をダイレクトに書けないので「女剣士にしてみれば~」といった解釈が本文で表現しきれない。出来ないことは無いけども。そして三人称だとしても、視点がコロコロ動くことになるので、たぶんちょっと難しい表現になると思う。
ほんで、長々書いた最後にアレだけど。
ぶっちゃけ主人公視点の話だから最初から軸は主人公主体で考えてたんで、若宮さんに指摘されてはじめて「ああ、確かにヒロイン主体だと通るわ」って気が付いたw
ヒロイン主体なら、いやでもスレ主さん的にそういう意図なのかな、違うっぽい気もするんだけど、むしろ、物語を良くしようと盛ってたらヒロイン主体になって主人公空気になっちゃた現象と似たようなものを感じるんだよな。しかも物語の序盤のシーンっぽいしなぁ。うーん。理屈は通るしヒロインの表現で言うと若宮さんの言う通りだと思うんだけど、軸っていう前提が違うとまったく違う話になるし、主人公のキャラ表現の前にやることじゃないような気も……
って思いながら返信書いてました。
上記の回答(サタン様、すみません……の返信の返信)
スレ主 しんじくん : 2 投稿日時:
サタン様、若宮様
ご返信ありがとうございます。
私の稚拙なプロットを使って、さらに深く論じていただき、感激しました。
お二人の議論を印刷して何度も読み返しております。そのせいで御礼の返信が遅れて申し訳ございません。
若宮様が分析された通り、このシーンで私が一番書きたかったのは『クールでツンツンしていたヒロインが、主人公の思いがけない行動にキュンとする』という変化です。
後出しの情報になって本当に申し訳ないのですが、実は主人公はこのシーンでは異世界に飛ばされたことに気付いていません。
ふと目覚めたら森の中にいて、何なら騎士や女剣士の格好を見ても『コスプレかな?』と思い込んでいます。
だから目の前で起こる殺人は(たとえ自分が殺されかけたとしても)絶対に許容できず、必死に止めようとします。
主人公はあくまでも異世界を『現実世界の日本』だと思い込んでいて、そのつもりで行動します。ヒロインの女剣士に対してもクラスメイトの女子(が剣士のコスプレをしている)と勘違いしています。
別人だと告げられても半信半疑で、最後もクラスメイトの女子をかばうつもりで女剣士をかばい、告白までします。
そこで『勘違いラブコメ』と言いますか、思わずキュンと来ちゃったヒロインと、ヒロインには興味ない(現実世界のクラスメイト女子が好きな)主人公とのすれ違いを演出したいな、と思いまして……。
両者のすれ違いを主軸にしたいので、できればこの告白シーンまでを序盤に詰め込もうとして、サタン様のおっしゃる通り、ふらふらしたプロットになってしまいました。
サタン様の三シーンに分けて序破急を構成するプロットは、本当に読みやすくて素晴らしいと思いますが、早くヒロインと主人公のすれ違い関係を確定したいな、と思ってごちゃごちゃになってしまいました。
若宮様のおっしゃる通り、ヒロインの心を動かすには主人公が漢気を見せなくてはいけないと思いましたが、やはりワンシーンでは難しいですよね……書き方次第でしょうか。
重要な情報を後出しにしてしまい、申し訳ございません。
若宮様、サタン様、大変ありがとうございます。
※私の『作家』という表現でご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。
私にとっては作品を世の中に発表されている若宮様も、文章で収入を得ているサタン様も素晴らしい『作家』だと思えます。貴重なご助言、本当にありがとうございます。
カテゴリー : ストーリー スレッド: どんでん返しの連続はつまらない?
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