短編連作のあらすじの書き方の返信
元記事を読む
短編連作のあらすじの書き方(元記事)
例えば武装島田倉庫のような「世界観は共通だが章ごとに登場人物が入れ替わり、ストーリーのつながりも薄いか全くない」という物語のあらすじには何を書けばいいのでしょうか?
一応、例に挙げた小説の裏表紙には以下のことが書かれてました。
”壮絶な戦争が終わりを告げてから、二十年近くが経過した地球。都市や道路は破壊され、化学兵器や放射能に汚染された海や森には、異体進化した危険生物たちが蠢動する。この文明も国家も崩壊した終末世界で、物資と食料を狙い跳梁跋扈する組織略奪団や「北政府」と呼ばれる謎の勢力と闘いながら、「ただ生き延びること」だけを目的に日々を生きる男たちがいた__。”
上記の内容は半分近くが世界観の説明で、キャラクターとストーリーについては簡素にまとめられています。「世界観はこうだよ、後は本文を読んでね」というやり方についてのメリット・デメリットを教えていただけないでしょうか。
短編連作のあらすじの書き方の返信
投稿者 手塚満 投稿日時: : 1
「武装島田倉庫」は未読でして、一応、ウィキペディアとか当たってみました。スレ主さんが「世界観は共通だが章ごとに登場人物が入れ替わり、ストーリーのつながりも薄いか全くない」とまとめてお出での通りのようです。たぶん、スレ主さんが「武装島田倉庫」を熟読し、よく理解されておられるんでしょうね。
裏表紙の引用部分も作品をよく表すものなんでしょう。世界観は共通ながら、場所も時期も異なる舞台で、異なる主人公が活躍するエピソードのオムニバスだとすれば、そのようにまとめるしかなさそうです。長く書けるなら各エピソード紹介できるんでしょうけど、1ページ以内にまとめるなら、主に舞台を紹介しておくしかなさそう。
まさに「世界観はこうだよ、後は本文を読んでね」ですが、特定の作品に沿う、個別のやり方であろうと思います。1人の主人公の活躍を描くタイプの作品に適するかどうかは、別問題でしょう。普通は主人公を軸に語るあらすじが適することが多そう。
未読ながら「武装島田倉庫」について考えてみますと、その作品が何を表現しているか、言い換えれば、読者に残す最大の印象は何かという点が大事になりそうです。あらすじは、そこを突くようにまとめるべきでしょう。
全体の舞台となる世界は1つ。そこだけが全編に渡る共通要素のようです。各エピソードの主人公、時期、世界内の地域は異なる。要素的にはバラバラの感じですね。どれかの主人公が特異的に印象に残るわけではなさそう(そういう作りではなさそう)。
となると、読後の読者に残る最大にしてまとまった印象としては「この作品では、こういう世界の、こんな歴史だった」ということになりそうです。つまり、真の主人公は「世界」ということです(それが例えば成長物語であれば、世界が変革することが印象付けられる)。
もしそうならですが、「世界観はこうだよ、後は本文を読んでね」という狙いであらすじ書くのも悪くはなさそうです。しかし、たった1人のキャラクターがいろんな世界を巡って成長するロードムービーのような話ですと、おそらく適さないでしょう。そのキャラクターが主人であり、読後に最大の印象を残すべきですから、世界について語ったら的を外してます。
あらすじをまとめるには、主人公が誰か、が大事であろうと思います。その主人公を浮かび上がらせるべきでしょう。全体の紹介・まとめなら特徴が分かるようにすべきでしょうし、読んでもらうための宣伝が狙いなら主人公について興味が湧くポイントを紹介する。
世界を紹介するあらすじに、作品タイプを超えて共通するメリット・デメリットがあるわけではなさそうです。大事なのは「作品の狙いに沿うあらすじか」どうかでしょうし、そのうえで、「ざっと全体を理解してもらうためのあらすじ」なのか、「読者を引き込むだめのあらすじ」なのかといった狙いを加味して、あらすじを書くことになるように思います。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 短編連作のあらすじの書き方