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作中の『試練』についての返信

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作中の『試練』について(元記事)

民話や神話等でよくある「要求を通したり、修行のために上から出される試練や無理難題をくぐり抜ける」という展開をやってみたいと思います。そこで、どんな試練を与えればいいのか、そしてどう解決するのかはどのように考えればいいでしょうか。

具体的なあらすじ。
とある村に立ち寄った旅人。この世界には魔法があり、基本的に代償がないと発動できない。
しかし、この旅人が持つ不思議な宝具を使うと何もなくても魔力を生み出せる。ただし、旅人自身はどういう条件でその宝具が力を発動できるのかは知らず、なぜ代償がいらないのかも分からない。(それを調べるために旅をしている)
ある村に立ち寄った時、村長がその宝具とそっくりの道具を持っていた。旅人がその道具を所望すると、村長は『近々、春祭りがあるのでその準備を手伝ってくれたら考えてもいい』と告げる。
しかし、言われる仕事はどれも常人には不可能なことばかりで……。

ちなみに毎回、ヒロインに助けられる展開が欲しいと考えています。
変な質問でしたら申し訳ありません。

作中の『試練』についての返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 2

既に良回答でご指摘がありますが、主人公の動機がハッキリしない点が問題なのでしょう。動議がはっきりしないと、なぜ主人公がそうするのか曖昧となり、そのため主人公を動かす必然性を発生させにくくなります。結果、主人公をどう動かせばいいのか、よく分からなくなる(もし読者が読んだとすると、何をする話なのか分からず、離脱する原因となる)。

主人公に強い動機を作れば、主人公は動き出しますし、主人公が望む結末も主人公に見えます。そうなれば話を作りやすくなります。以下、少し補足説明してみます。

1.御作の設定からは話が迷走しがちになりそう

A. 作品世界では原則、魔法の行使に代償が必要。
B. 宝具があると代償が不要になる。
C. 宝具の動作原理は不明。

という設定なわけですね。Bは主人公にとって便利な設定です。Cは一応は不安要因となります。しかし、読むせんさんが仰るように、分からないからといって困るのか。もし主人公が研究肌で魔法の行使の便利さより、原理の解明に著しく興味を抱くのであれば、自然となるでしょう。

主人公に障害を設けるとして、仰るように同じ宝具があり、入手に試練があるというのは可能ではあります。が、同じものが2つ必要な必然性を作らないといけません。既に魔法が代償なしで行使できるのに、なぜもう1つ欲しいのか。

となると、2つあれば魔法の代償どころか、魔法を使うたびにご褒美が出る、みたいな設定でも作る必要がありそうです。ただし、上述の主人公の魔法に対して研究肌だから宝具解明のため旅をしているという設定と齟齬をきたします。じゃあ最初から2つあればお得だからと欲を出して旅に出たのか。となると、宝具の原理が不明という設定と齟齬をきたす恐れが強くなります。「こうすればこうなる」って、解明の糸口ですから。

2.序盤で主人公を不安にさせれば動き出す

もし宝具についての不安要因が「動作原理不明」だけでなく、もっと不安を煽る要素があれば、宝具に重宝しつつも探求の旅に出る動機とできそうです。ちょっと古い作品ですが「まぶらほ」(築地俊彦著、2000~2011年)という作品があります。「まぶらほ」では、ほとんどの人間が魔法を使えるものの、生涯の魔法行使回数が各人ごとで生まれつき決まっています。使い切ると死ぬ設定で、たった8回しか魔法が使えない主人公をヒロイン、サブヒロインが助ける流れになります(主に主人公に魔法を使わせない)。

もし宝具に数字が浮き出るとしたらどうでしょう。代償は不要なものの、魔法を使うたびに数字が1だけ減る。複数の魔法の組み合わせや、強力な魔法ではもっと減る。その数字の意味は誰も分からず、ゼロになったときどうなるか分からない。

それではまだ弱いので(ゼロまで使えればいい、大丈夫、とか呑気に構えられる)、例えば宝具の魔法行使のたびに、ちょっと嫌なことが起こるとしておく。最初は棚から物が落ちる程度で、しかしだんだん大げさになっていくとか(5回目には物が落ちて壊れ、10回目には物が落ちて人に当たって怪我とか)。

それでもまだ弱い。宝具を使わなければいいんですから。そこで例えば、宝具を1日に1度は使わないと、もっと不吉なことが起こる、とかしておけばいいでしょう(さらに主人公に悪夢とか見せてもいい)。

3.不安で動き出した主人公の受け皿を用意してやる

それくらいしておくと、主人公は調べようという気を起こすでしょう。探求の旅に出てみると、同じ宝具が見つかり、それに浮き出ている数字はゼロになっている。村長はその宝具について決して語ろうとしない。そのうえ、主人公の持つ同じ宝具を見て動揺する様子がある。

そうなると、主人公は村の宝具について是非とも聞き出したくなります。「春祭り」という設定を変えて、村にはしばしば災難が降りかかるとしてみます(災厄よけのための春祭り、でも可)。その理由がどうも村にある、数字がゼロになった宝具と関係がありそうと匂わせる。そうなると、ますます主人公は村長から宝具について聞き出したくなります。

4.主人公の勝利条件に対するハードルを作る

そこで村長は取引条件として村の災難の原因を取り除いてくれと要求してくる。それが主人公のミッションであり(初期の)勝利条件となります。村長の要求に応えるのは、「常人には不可能なことばかり」こなす必要が生じ、主人公は宝具に頼らざるを得ない。しかし、その宝具の数字はどんどんゼロに近づき、ミッション達成までにゼロになってしまいそうになる。

5.ヒロインも主人公につられて動き出す

そうしておくと、ヒロインの行動に動機を与えることが可能となります。上述しました「まぶらほ」のように、主人公に魔法を行使させまいとするでしょう。しかし使わないなら使わないで災難が起きるので、ヒロインにジレンマが生じる。

後は設定とドラマを詳細化していくと、だいたいのストーリーはできます。もっとも、この場の思い付きで、練れてなく、面白みも欠けていましてすみません。考え方の例のためのサンプルと思って頂ければ幸いです。要は主人公の動機づくりをすれば主人公が動き、それに応じてヒロインの行動も決まって来る等、進めやすくなるということです。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 作中の『試練』について

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