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リアリティがなくても面白い作品(元記事)
学園ハンサムってゲームの超展開だらけの荒唐無稽なストーリーに爆笑して感銘を受けたんですが、リアリティがなくても面白い作品を目指すには何を心がけたらいいでしょうか?
荒木飛呂彦さんはジョジョ4部で岸辺露伴に「面白い作品にはリアリティが必要不可欠」と言わせていましたが。
というか「この作品の世界は気まぐれな神様がしょっちゅう戯れで世界の法則をいじくり回しています。だからキャラの言動・思考がおかしかったり、急に性格が変わったり、弱かった奴がいきなり強くなったり、以前に提示された世界の法則と矛盾していたりしても何もおかしくありません。言うなれば全てバグではなく仕様通りです。」みたいな設定を作ってあらかじめ明言しておけば、「この展開おかしい。整合性が取れてない。リアリティがない。」とか言われず、「そういう世界観ならいい。この作品の世界では何が起きようとリアルなんだな。」と納得してもらえるでしょうか?
リアリティがなくても面白い作品の返信
投稿者 大野知人 投稿日時: : 1
リアリティ、っていうのは結局、『どれくらいその世界らしいか』って事じゃないかと思います。
例えば、所謂ギャグマンガ時空なんてものがあって、『死んでも次のコマでは甦ってる』とか『何でも切れるけどこんにゃくだけは切れない』とかが許される作品があったとする。
トムとジェリーとかもそうだし、ルパン三世とか、バカテスですね、例えば。
こういった作品が『リアリティが無い』という批判を受けるかと言うと、そうでは無い。たとえそういう批評があっても、大半の視聴者は『それはなんか違うでしょ』と言うでしょう。
これはなぜか。
そういう荒唐無稽さが許される部分が作品の世界観の中にあって、『世界観』に対してはちゃんとリアリティが守られているからです。
ルパン三世において、ギャグシーンでルパンが吹っ飛んだりしても、大体の場合大怪我はしませんが、シリアスシーンで次元が撃ち殺したボスキャラは、まず甦りません。
トムジェリでは、トムの悪戯でジェリーが死んでもトムは笑っているだけですが(そしてジェリーはすぐに蘇りますが)、一方で隣のブルドッグに吠えられて怯えているジェリーをトムが心配するようなシーンもあったりします。
これはもちろん、リアリティだけではなく、シーンごとの雰囲気や展開、ストーリーの中核にある主題の問題もあります。
ですが一方では、『ルパン三世におけるリアリティ』として『ギャグシーンでルパンが死ぬことはない』し、『バカテスにおけるリアリティ』としてヒロインの美波に殴られた主人公は大怪我をしてもすぐに元に戻ります。
そこには、確かに『現実世界』ではなく『作品世界』としてのリアリティがあるはずだと思います。
荒木先生の言う『リアリティ』ってのもそういう事じゃないかなぁ。
その上で、『作者の意図が見え透くような展開』はリアリティ関係なく嫌われがちな傾向にあります。
所謂『お涙頂戴』な展開とかもやりすぎると臭がられますよね。『リアリティが無い』と批判されがちな場合の多くには、作者が『自分のやりたい展開』を重視しすぎて、作品世界のリアリティを無視してしまったパターンも多いように感じます。
好例としては、一時期話題になった『鉄血のオルフェンズ』のオルガですね。ピクシブ百科事典の『オルガショック』の項目が良くまとめられているのでよかったら読んで欲しいのですが。あれを見ていたガンダムファンが激昂した何よりの理由として、
『最終話直前で唐突に盛大なフラグをいくつも立て、その話の間に死んだ』
『シリーズ通して慎重なキャラで通していたのに、指名手配された状況下で(何の必然性もなく)目立つ格好で街中をうろつく』
『護衛の人数が異常に少ない上、しかもヒットマンの存在に気付かなかった』
『設定上高い医療技術があるはずなのに、誰も医者を呼ばず、車に乗せて逃げる事もしない(近くに味方の車がある)』
という点が重なって起きていて、誰がどう見ても『脚本の都合で殺されたな』と言う感じだったわけです。
こういうのは、もう滅茶苦茶に批判されます。気を付けたいですね。
最後に、そういうリアリティ問題で最近上手いなあと思ったオススメのなろう作品のリンクを貼っておきます。
この作者さんの作品は『クソゲーを極めた主人公が、当のクソゲーの世界に転移・転生してしまう』という物が多いんですが、『クソゲーとしてのリアリティ』が秀逸に出来ているので、シュールだったり荒唐無稽な展開が多いにもかかわらず破綻点はほぼなく、読んでいて度々驚かされます。
https://ncode.syosetu.com/n3245fy/
何かの参考になれば幸いです。
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