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注目させたいシーンや台詞の目立たせ方の返信の返信

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注目させたいシーンや台詞の目立たせ方の返信(元記事)

・・・はた目から観て、要らんシーンを増やすことかも?

今、この年になって、初めてちゃんとジュールヴェルヌの『80日間世界一周の旅』(ちなみに木村正三郎訳)を読んでいます。

ハイライトシーンをめちゃ引っ張って引っ張て、出し惜しみしてますね。

「いや名案は分かったけど何すんのよ?」
で、たっぷり3ページ『上手くいくかな・・・でも怖すぎる』みたいなキャラの逡巡(しゅんじゅん)に割かれていました。
ヒロイン焼き殺されそうになっているシーンでね。おい急げよ。

わりとスピーディーに描いていそうなので思い切って「溜め」たりもありかも。
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たしか【吉原御免状】とか【鬼麿斬人剣】なんかの作者、隆慶一郎なんかも、トリビアやら弱法師の構えとかで一瞬の時間軸を笠益しまくっていました。

注目させたいシーンや台詞の目立たせ方の返信の返信

投稿者 読むせん 投稿日時: : 0

短編読んだ、改造した。でやろ?
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 ダイヴェト北領の首都として栄える、この街の夜は、昼間の賑わいが嘘のように人気(ひとけ)が失せていた。
 それでなくとも南洋特有の激しい雨ーーーいわゆるスコールが走り抜けた後だ。

 いつもなら見かける路上に座り込んだ米麺屋や、南国特有の奇妙なフルーツを天秤棒に乗せた売り子たちの姿はどこにも見当たらない。どこか蟻(あり)たちを思わせる、小柄でいつもクルクルと気持ちよく働く彼らも、さすがに雨に濡れるのは好まないのだろう。
 雨と、さきほどから差し始めた月の光に洗われた都市には、奇妙に音が無い。そのせいで普段なら響かないような遠くの怒号と悲鳴までもが聞き取れる。
 青年は、路地裏に入り込んで足を止めた。

「ーーーこんな場所を指定して、何のつもりだ。グエン」

 彼はこの南洋のダイヴェトにいながら東方の大国、清華帝国の衣服を身に纏っていた。その白い手には、先ほどまでの雨を凌(しの)いだ傘。
 歳の頃は二十代半ばか、特徴のないどこにでもいそうな顔立ちからは、何の表情も読み取れない。それほど頑丈そうに見えない細い身を包む衣装も――詰襟と紐ボタンで留められた上衣も、ゆったりとした裾の長い下衣も――闇に隠れそうな黒で統一され、影のような存在であった。
 
その彼を待っていたらしいグエンという男は、彼とは対照的に典型的な南国の男だった。小柄な身を包む現地人らしい装い――両脇に深いスリットが入った長い裾から覗く、簡素(かんそ)な白いズボンは、雨の跳ね返りをうけたのか、醜(みにく)く泥で汚れている。

「リュウ、早急に連絡すべき事態が起こった」

 いつもと落ち合う場所も、時間も異なる状況。グエンの南国人らしい日焼けした浅黒い顔がやや緊張しているようにも思える。彼の身に纏(まと)う、身体に密着した生地の長袖の腕には、「抵抗者」を意味する現地語が刻まれた白い腕章が、雨の湿度でうなだれていた。

 白い腕章をつけた人間は、この都市には少なくはない。それは西方の強国、ガリア王国からの侵略への抵抗者を意味している。
 かつてはダイヴェトと呼ばれた、この南洋の国は、数十年にわたり西方と東方、ガリア王国と清華帝国からの侵略と支配とを受けてきた。その時々(ときどき)で武器を取り、幾度となく侵略者たちと戦いを繰り広げた者たちが、腕章をもつ「抵抗者」たちだ。
 そんな「抵抗者」であるグエンに、ついて来いと促(うなが)され、奥の暗闇へと進んだ。
 
進むうちに月が雲に隠れ、路地裏は薄い暗闇に包まれる。
 途中で傘の柄(え)を握(にぎ)り直した青年リュウは、ちらりと背後を一瞥した。大通りから路地裏まで聞こえた、さきほどの殴打とうめき声。おそらくは、女性のものも含まれていた。
 最近この地域—————清華帝国圏であるダイヴェト北領の都では、「抵抗者」気取りの腕章をつけた人間が、夜な夜な都市を練り歩きヨーロッパ諸国にかぶれた「怪しい」人間を次々に襲うらしい。そんな輩も珍しくなくなった。たとえそれが、無関係な隣国の住人であっても連中に区別はないそうだ。

「手短に報告しろ」

 相手の顔も見づらい暗闇の中でリュウは、ガリア語で流暢(りゅうちょう)に命令した。
 二国の侵略に長年おびやかされてきたダイヴェトでは、現地の言語であるダイヴェト語の他に、ガリア語と清華帝国語が半ば公用語のような扱いになっている。清華帝国人にしか見えないリュウが使っても、さほど不自然ではない。

「もう、限界だ」

 同じガリア王国の言語でありながら、流暢だったリュウとは対照的に、グエンは使い慣れないかのように、くるしげにその言葉を搾り出した。
その言葉に、リュウは足を止めた。

「そうか」

 月が雲から姿を現すと、路地裏にも光が届く。
リュウとグエン、そしてリュウを囲(かこ)む三人の大柄な男も、グエンと同じように腕章をつけ、ナイフをこれ見よがしに振りかざしていた。

「これが、アンタの選択か」

 清華帝国が支配しているダイヴェト北領は、ガリア王国の支配地であるダイヴェト南領に向けて、ガリア人を襲う「抵抗者」を送り込んでいる。ガリアもまたダイヴェト北領に向けて同様の手を使い、破壊工作や無差別な殺人によるダイヴェト侵攻への「抗議」を両国が支援していることは公然の秘密であった。

 武器の構えもろくにできない連中。訓練されているとは思えない。そんな三人の男たちの背後からグエンは青年を指差し、ダイヴェトの現地語で叫んだ。
 それに応じて正面の一人が、ナイフを構え突進するも、半歩で身をかわしたリュウは横をすりぬける。
 さらにもう二人が両脇から飛び掛るが、リュウのほうが速い。
 わざと自ら接近して左側の男の腕をつかみ、捻り上げた。そこへ、右側の男の刃が突き刺さる。
 盾にされた男の、動揺と苦痛の呻きを聞きながら、二人まとめて前蹴りで地面に押し飛ばす。
 加えて急所に蹴りを叩き込んだ。
 ――と、背後の気配を感じ、握(にぎ)りしめていた傘を振り向きざまに薙ぐ。
 ナイフを持った手首を打たれ、取り落とした男。その咽喉(のど)目掛け、鋭い突きが放たれた。

「さて、どうする?」

 三人の男が地に伏した様を呆然と見ていたグエンは、我に返った。
 喉元に突きつけられた、冷たい金属の感触。
 いつでも容易く貫通できる。酷薄な笑みからは、そんな意思を感じた。

「ま、待て……わかった」

 両手を挙げて降伏した姿を見たリュウは、小さく頷き、傘の先端を外した。
 ――瞬間、グエンの頭をわし掴(づか)み、壁に叩き付ける。
 痛みと、側頭部に激しい衝撃衝撃で視界が点滅する中、髪を掴み上げられ、グエンと名乗っていた男は目を開けた。

「いいか、俺は連絡役だ。たとえ殺したところで、状況は変わらない。次はアンタの番だ」

 片膝をついたリュウが、清華帝国人の衣服を纏(まと)ったガリアの密告者(イヌ)が、語りかける。

「だが、働きぶり次第で本国は対応を変えるつもりだ」

 リュウは懐から出したメモを、ゆっくりと読ませる。

「やれるな?」

「これ以上、仲間を売りたくは――」

「逆らうなら、そのときは……」震える男の耳元に、リュウは小さく囁く。

「本国にいる、娘が死ぬだけだ」

 グエンの動きが止まった。
 手を離して立ち上がったリュウは、傘を持ち直すと、振り返る。月は煌々(こうこう)と輝き、スコールの名残(なご)りで濡れた地面と家々(いえいえ)を絶望的なほど美しく煌(きら)めかせていた。そんな光の中、倒れた男たちは月影のように動く気配がない。

「精々、上手くやれ」

 倒れたままの男を一瞥すると、もう振り向くこともなく路地裏から出て行った。
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カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 注目させたいシーンや台詞の目立たせ方

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