情景描写の鍛え方の返信
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情景描写の鍛え方(元記事)
ただいま、人生で2作目の小説に挑戦しようと思っています。
今回は、情景や感覚の描写に力を入れたいと思っているのですがどうすればいいのかわかりません。
例えば、この色が綺麗だとか匂いや肌触りがどうだとかいう書き方は、何を意識してすればいいのでしょうか?よろしくお願いします。
情景描写の鍛え方の返信
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 2
>例えば、この色が綺麗だとか匂いや肌触りがどうだとかいう書き方は、何を意識してすればいいのでしょうか?
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」
わりと有名な江戸時代の俳句です。
これ、視覚・聴覚・味覚になっているんですね。で、おそらく最後の「初鰹」がポイント。
「目には青葉 山ほととぎす」だけだと平凡な感じがしないでしょうか?
上の句では、風景を描写しているのかと思ったら「初鰹」と急に食物が飛び出して意表を突くのが一つ。ただのカツオではなく「初鰹」という語感も新鮮な感じがします。
それと、俗に食い意地というように、味覚(食欲)は視覚や聴覚よりもある意味人間の欲望として強いのです。(もう一つは、せ×欲)
>この色が綺麗だとか
綺麗というのは人の主観。
物に綺麗とか美しいとかいう属性はなく、それは人の心の中の心象なんですね。だから「この色が綺麗」というのはある種の心情描写です。
なので、まず第一に誰が綺麗と感じているのかを意識することが大切。
それに加えて、食欲やせ×欲など人間にとって訴える力が強い要素を「さらっと」入れるのがわりと効果的です。
あくまで、さらっとですよ。露骨にやると生々しくなってしまって、それはそれで別の意味で効果的と言えなくもないですが、センスの良い描写にはなりません。
上の句の「初鰹」、すがすがしい感じがするでしょう?
女性の美しさを描写する場合も、隠し味程度にエロティックな雰囲気をくわえるのがこつだったりします。
手塚満さんが例としてあげられている「寒さ」なども、訴求力の強い体感描写といえます。寒いとか暑いとかは分かりやすい感覚で、しかも「寒くてつらい」という記憶は誰にでもあります。「つらいだろうな」というような想像は、共感を呼びやすいんです。
◎山道を歩きながらふと足を止める。見上げると木漏れ日がまぶしかった。風が梢をゆらし、汗ばんだ頬を心地よくなぜる。
さっと書いたので文章としてはあまり上手くないかもしれませんが、要領としてはこんな感じかな。
風が頬をなぜるのが心地よいのは汗ばむほどの暑さに、いくぶんつらさを感じていたからです。季節は夏なんだろうなと想像もつくのではないでしょうか?