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坂田真文さんの返信一覧。得点の高い順1ページ目

元記事:異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?の返信

まず歴史など背景設定を作る場合、歴史そのものを作る必要はないです。
というのも、ちょっと抽象的ですが「そう」である必要はないんです。「そう見えれば」それでいいんです。
映画のセットはカメラに映る範囲内だけ用意すれば良くて、カメラに映らない場所まで作る必要はないわけです。
それを見た視聴者は、でも、映像の外までイメージしますよね。中世を舞台にした映画ならカメラに映ってない場所まで連想してその世界観を脳内に作り上げます。
作り込むのであれば、「カメラに映ってる場所」を作り込む必要があり、それがカメラの外までも連想させる力になる。

こうした資料あるいは知識の収集に関して誤解があるんじゃないかって思う事がそこで、「どこから得ればいいか」と思うのが間違いだと思う。
とはいえ、こうした知識があるからこそ深い考察ができるし細かい描写やトリビア的な演出・展開の発想もあるだろうというのも、気持ちはよく分かる。
でも、そういう発想は、そもそも「歴史・経済」などに日頃から興味をもって接していた積み重ねで得られるもので、ほとんど何も知らない人が必死に勉強して得られるものではない。
これにはちゃんとした理由があって、どだい、知ってても使えなきゃ意味がないんですよ。
国語辞典を丸暗記したら、次の日から文豪もかくやという文章を書けると思いますか?
私は絶対に書けないと思う。
勉強だけしても、発想の段階で「知識」が出てこない。知ってても使い方がわからない。

では、どうすればよいか。
一番良いのは興味があるものを日頃から少しづつ吸収していくこと。
>服飾史とか好きな範囲のことは勉強できる気はします
なので、服飾史の中で興味があるところから始めるのが良いでしょう。
作家は学者ではないので、興味があるところをピンポイントに知ってるだけでいいんです。
そして、いきなり長編や大長編を書こうとはせずに、その「ピンポイントの知識」一つだけをテーマに短い掌編か短編を書きましょう。
ピンポイント知識の小ネタ一個だけでも、当然のこと世界観を始め考えなきゃいけない事は多いので、最初はフワッと薄く浅くだけど歴史などにも触れていくでしょう。
それを繰り返していくことで、次第に覚えていく。

知識のために勉強するんじゃなくて、書きたいものを書くだけなんです。そのための資料なんです。
だから、
>政治学、経済学、地理
こうして知りたいジャンルを出すのはわかるけども、それでも漠然としてるわけです。
政治の何を書きたいのか、それが大事。
政争を書きたいのであればその政争の中で面白エピソードを探して、そのエピソードを雛形にして話を組み立てれば物語はできる。
これを私が書いた場合、私はそのエピソードをピンポイントでしか知らず、その次代の歴史的背景や情勢や常識文化など詳しく知ってるわけもないけれど、「そのエピソード」のみに関しては資料にあることが全てなので問題なく書ける。
つまり、「そう」である必要はなくて、物語は「そう見えれば」それでいいんです。

で。
例えば西洋の領地経営・税収に関して「ゴディバ婦人のエピソード」を雛形に物語を書いたとして。
そして次の作品では、宮中の従者に関する何かを書くことになったとして。
そのとき私は、「ゴディバ婦人のエピソード」から「領主がどういう状況下で税を重くするか」とか「それを止めた婦人だけど、無理難題を押し付けられたって事は普通は妻が領主に意見することはない。けど出来ないこともない」とか、そういう知識を得たので、次作の「宮中の従者ネタ」においては「いきなり税が重くなった、どこの領主とどこの領主が争いを始めそうだ」という噂話をする展開を挟んだりとかって事ができるわけですね。
同じことは前述したけれども、基本的にはこの繰り返し。これでどんどん「咄嗟に使える知識のネタ」を増やしてく。
最初はフワッとした事しか書けないし、多少慣れたくらいじゃ上辺だけしか書けないと思うけど、やってりゃ細かく書けるようになっていく。「カメラに映る範囲」を細かく書けるようになる。
少なくとも私の場合、こうした知識は勉強で増やしたわけではないです。
日頃から興味ある事は興味あるんで物語にしなくても覚えてくし、そもそも興味ある本を読むのは趣味だけども、これだって積み重ねだしね。

長く書いちゃったけども、
漠然と「世界史について~・何々学について~」みたいな事考えるとまず続かない。
自分がいま書きたいもの、書こうとしてる物語の内容を決めて、それに必要なピンポイントを調べて吸収するんでいい。
考察は、そりゃ知識がなけりゃ浅くなるけど、それはしょうがないから浅くていいと思うよ。次第に深くなるでしょ。
目の付け所やハッとするタイミングは、それこそ積み重ねの地力がないといけないし。

上記の回答(異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?の返信の返信)

スレ主 坂田真文 : 1 投稿日時:

ありがとうございます。つまりは「自分が書きたいもの」を分析し、それを書くために知識を得ていって、それの積み重ねによって深めていくということで宜しいでしょうか。
取り敢えず体系的な専門書の類は後回しにして、ピンポイントな資料を探してみようと思います。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?

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元記事:幻想とリアルの両立をする方法の返信

まずは、これは個人的な主張でしかないのでところどころ断言しちゃうけど、別に「これが正しい」って話じゃないよと断っておきます。

「リアリティ」という言葉を「現実的な」という意味で捉えてるように読めるのだけど、創作において作者が読者に与える「リアリティ」というのは別の言葉にすると「説得力」という意味です。
「現実的」という意味だとすると、じゃあ「現実にありえないもの」は書きようがないですよね。
特にラノベなんて魔法も能力も現実にはありえない事のオンパレードなわけで、だからこそ「それらをどうしたら現実的に書けるか」ということで「リアリティ」と口にしているのではないかと思う。

でもそれは実は簡単な話で、
例えば、「とても優しく綺麗でおしとやかな女性」がいるとする。
そんな女性が、ある日「殺人事件の容疑者」になった。
女性の事を知ってる人は皆、口を揃えて「彼女が犯人なわけない。そんな事はありえない」と言う。
でも、「女性は浮気性の男性と付き合っていた」「男性の浮気相手は女性の妹だった」「女性には毒物の知識があった」などなど状況証拠を積み重ねていくと、
「犯人なわけない」という感情から「犯人かもしれない」という気持ちになっていきませんか。
ここにあるのはただただ「説得力のある要素」であって、物語においては設定もネーミングも「与えたいイメージに対してどれだけ説得力があるか」という問題でしかないわけです。

だから別に精霊の守り人のネーミングがオーストラリアの先住民から借りてきたものであるって事もリアリティのためじゃなく、「彼らが精霊に関する存在である事に説得力をもたせる」ため。
それがリアリティなんじゃないか、というのは個人の解釈だと思うけど、
「どうしたらリアリティが生まれるか?」と考えるのと「どうしたら説得力があるかな?」と考えるのでは、答えの出方が全く違うと思う。
なぜなら「リアル」「リアリティ」というのは非常に抽象的だからね。「どうしたらリアリティがあるか(どうしたらリアルか)」という問いには「リアル」の定義がないので無限に近い回答があると思うけど、「どうしたら説得力があるか」という問いには「結果Aに対してその論拠を示す」というだけだから、割と答えはアイディアに対して数えるくらいのパターンしかない。

創作において「リアリティ」ってのは読者に対する「説得力」でしかないわけです。
説得力さえあれば、「犯人であるはずがない人」も犯人として納得できるものになる。
そこに筋が通ってるので、「リアリティがある」と読者が錯覚して認識するわけです。

これは言いかえると、精霊の守り人のネーミングは「オーストラリアの先住民の言葉」でなくとも別に良い。
読者にそういう印象を与え展開とキャラクターに説得力があれば良いので、例えば、「作者がゼロから創作した言語」でも良いわけです。
もちろん人間には先入観がありますから、ネイティブ・アメリカンやアフリカ系のネーミングなど「それっぽい」ほうが読者のイメージに馴染みやすく、つまり説得力を持ちやすいので、作者の選択は適切でしょう。
うーんと、ちょっと例が出しづらいな……まあいいか。
つまり、
>一見するとファンタジー世界にそうした現実の論理を持ち込み、「リアリティを持たせる」ことは、逆にこうした「作者/読者が紙という質料を超えて想像する風景」に「現実」を混ぜ、「嘘」にしてしまう可能性を孕んでいると思います。
この解釈は理解できるけども、そんな難しい事はなくて、単に「説得力」の問題だってこと。
だから、例えば「ご注文はうさぎですか」は終始カワイイを押し出す内容でキャラも世界観もそれにマッチするものを選んで構成しているわけで、ココに「文字通り現実的な設定(喫茶店には借金があってとても苦労しているなど)」をぶち込んだら、全てが一瞬で嘘になるので、台無しだって事がわかりますよね。
「カワイイ世界観」に対して「借金で苦労している」などという設定は「説得力がない」のです。

ファンタジーにおいて「どうしたらリアリティが出せるか」と考えるのは、もとが幻想世界ですしこの思考自体はとてもよくわかります。
ですが、そもリアリティとは説得力のことなので、説得力である以上は「何に対して説得力があるのか」って話なわけで。
つまり、設定じゃなくて、物語がまず無いとそこに説得力など生まれるわけもないんですよ。
こういう物語がある、それが「作者が想定するイメージ」になるよう説得力を付け加える、物語に対して説得力のある設定を作る、そういう話なわけですね。
で、そこで生まれる「リアリティ」は作者のイメージに対する説得力なので、ここで「作者のイメージ」がシビアでリアルな現実世界だとするなら、それは「現実的な」ものであろうと思います。
私はごちうさはアニメ1話しか見てないけども、別に「リアリティ=説得力」が無い・薄いわけではないのよ。
精霊の守り人と比べて、単純に作者のイメージが違うというだけで、両方共に説得力はある作品。私にごちうさはハマらなかったけど、ぶっちゃけ「カワイイ」に対する説得力の強さはかなり強い方にある作品。なので、設定の重厚さなどでジャンル分けする必要はないものだと思う。

以上のことから、
>幻想とリアルの両立をする方法
という主旨に答えると、
これは作者の中での「幻想」と「リアル」の定義づけをしたほうが良いと思う。作者がそれらをどう思っているか。そしてそれを両立するアイディアはあるか。という話だから。
私の場合は、「幻想」は現実には無いものなので、ここで両立ができると思う。
例えば心霊をテーマに扱う作品でたまに見かける。
物語展開上「幽霊」そのものは出てこないのだけど、出てきそうな雰囲気で恐怖を演出しているって構成の作品や、そこが恐怖ではなく謎などミステリ要素を入れたりとか。
つまり、「幽霊」そのものは書かない。けれど「幽霊に対する説得力」だけはきっちり書く。
幻想という存在せず物語の中にすら出てこないものを、強い説得力でもって描写する。という手段ですね。
この答えは万能ではないけど、一つの回答であると思う。

上記の回答(幻想とリアルの両立をする方法の返信の返信)

スレ主 坂田真文 : 1 投稿日時:

回答ありがとうございます。

つまり、リアリティよりは説得力といったものを意識した方がよくて、それは「作品の現実らしさ」ではなく「作品の作品らしさ」(かわいいがテーマなら、そのテーマを損なわないこと)ということでしょうか。

実は自分は知識がないなりに内政チートものの妄想をすることがあって、その設定のイメージを持て余していたから小説にしようと考えていて、言語とかにはそれほど興味ないんですが、仰ったようなアプリオリな(語源から全部オリジナルの)言語を作ってらっしゃる方は多いみたいでした。自分も興味があればそれを考えていたかもといった感じでしたが、面白い文字や文法を盛り込んだ言語を小説に出すことを考えると確かに自分の中には「言語学を真面目にやっている人にも少しはリアルに見えるようにしたい」という欲求が出てくるだろうという気はします。でもそれをどう出せばいいかが分からない。異世界の神秘にメスを入れることになりかねないのが怖い。

幽霊を出すとします。ファンタジーの世界では幽霊がいるのは当たり前かもしれない。これが絵本であれば、それでも都合のいい時だけ幽霊の存在を怖がったりできると思います。でも、世界観が上のように緻密に作られているほど、幽霊の描写だけ大らかでは作者の意図に反して浮いてしまう。だから都合のいい時だけ友達扱いしたり怖がったりということはできない。前者と後者とを両立できる方法、というのがあればいいんですが、なかなか思いつかないんです。

サタンさんが仰ったような解決策は、効果があると思いました。友達扱いする・怖がるという各々の面に対して、それらの存在に「説得力」を持たせる。あるいは、世界観を緻密に描けば大らかさは虚構になりますが、虚構そのものに説得力をもたせる。おそらく言葉での説明ではなく、ストーリーを追っているうちに感じる恐怖などの経験によって行われるものでしょうし、それはある程度の技量を要するものかもしれませんが、そういう足掛かりみたいなものを掴んだ気がします。

カテゴリー : その他 スレッド: 幻想とリアルの両立をする方法

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元記事:幻想とリアルの両立をする方法の返信の返信の返信

>「言語学を真面目にやっている人にも少しはリアルに見えるようにしたい」という欲求
それが出来るのは、そもそも真面目に言語学をやってる人だけでしょう。
例えばトールキンは我々が想像するエルフ像を作った人物ですが、そのエルフの言語を自分で作っていました。まあ有名な話ですが、彼の本職は言語学者です。
創作から言語に入ったわけではなく、言語学から創作に入ったから出来ること。
プロとして活動してる作家は、その知識の本職から見ても納得できるものを書いたりしますが、素人がそれを真似ようというのは無謀でしょうね。
何故なら、彼らはちゃんと取材をするし、取材のためのアポ取りとか面倒な事は担当編集がやってくれるので、そういう意味ではアマチュアより気軽にその道のプロに取材できるためです。
最悪、言語であれば言語学者にエルフ言語を作ってくれと依頼すりゃいいし、Wikiで調べて考えただけの素人発想のネタを取材先のプロに見てもらって意見を貰えばいいしね。
作家が「自分でやろう」とするのは限界があるから、ある程度のところで妥協を知ったほうが良いと思うよ。
作家に必要なのは物語の完成であって、作り込むことは悪いことじゃないけど二の次だから。

まあ、司馬遼太郎みたいに歴史学者じゃないけど歴史が趣味って人は、高いレベルで知識を溜め込んでるから一人でやっちゃうけどね。
でもそういう人の作品は、すごく作り込まれてるけども、基本的に「そのジャンル」しか書かないって事が多い。
つまりは学者と同じく専門がハッキリしてるわけだね。
トールキンは言語学から創作に入って、その逆ではないと書いたけど、司馬遼太郎をはじめこの手の人は創作から学問を本当にやっちゃった人なわけだね。
とはいえもともと興味があって蓄えた知識があってという下地があってこそだろうとは思うけども。

>世界観が上のように緻密に作られているほど、幽霊の描写だけ大らかでは作者の意図に反して浮いてしまう。
言いたいことはよく分かるよ。
言う慣れば、ホラー映画「リング」の世界に「オバケのQ太郎」は出せねえだろ、という話ですね。
出せないことはない、リングの世界観にQ太郎が出てくるだけの説得力があれば。でもリングの世界観を壊さずにQ太郎を出すのはほぼほぼ不可能だろうし、これはどうやったって説得力ないでしょう。
やるとしたらホラーかコメディかのどっちかに寄せる必要が出てくるから、両立は難しい。
でも、泣きながら笑うことは難しいけど、涙と笑いが同時に押し寄せてくる複雑な心境を描写することはできる、という感じ。
モノの解釈の仕方だね。
自分にとって「幻想」とは何なのか、「リアル」とは何なのか。その解釈をこねくり回せばそれなりに回答は得られるのではなかろうか。

>「作品の作品らしさ」(かわいいがテーマなら、そのテーマを損なわないこと)ということでしょうか。
そうなのだけど、
そもそも人間って一つのモノに集中したいんだよね。あれこれ色んなものに意識を取られる事は集中を乱すからストレスにもなるんだよ。
だから、「テーマ」でも良いけど何かしらの「芯」となるものを明確にしておくのがいい。
そして作者は、その一つの芯にだけ真摯であればいい。
「何か一つのハッキリした事」が全面に押し出されてたらわかりやすいでしょ。読み終わったとき「これはこういう話だった」と明確になるじゃん?
言いかえると、「幽霊の成仏の仕方」という芯、そういう伝えたいことを考えたなら、それだけに集中して書いて他の事はむしろ雑なくらいでもいい(これは私個人のやりかた)。
「カワイイ」を芯にするならひたすらあの手この手で可愛いシチュエーションを盛り込んでいく。それが作品としての「面白さ」になるからね。
「面白さ」を追求するなら、そうやって芯となる「面白いもの」を作って強く押し出さなきゃいけない。
そして、それをどれだけ強く押し出してるか、という事が、スレ主さんが最初に書かれた「練られてるもの・練られてないもの」の分類に当たると思うから、
精霊の守り人はああいう文化(?)が積み重なったような世界観がシリーズ通しての芯なわけで、それを重厚な設定で表現し押し出してるだけで、
ご注文はうさぎですかは、前述したけどカワイイが売りだからひたすら演出で可愛さをアピールしている。
その違いがあるだけで、分類するようなものじゃないよ、という想いがあった。
分類するなら、設定で表現してるか、演出で表現してるか、という分類は出来ると思う。漫画は絵の表現が強力だから演出での表現が多いね。

上記の回答(幻想とリアルの両立をする方法の返信の返信の返信の返信)

スレ主 坂田真文 : 1 投稿日時:

設定を作り込むことよりも物語の完成を急いだ方がいいということ、リアルと幻想とを定義論から考えること、読者を一つのことに集中させること、この三つが肝要ということですね。ありがとうございます。

カテゴリー : その他 スレッド: 幻想とリアルの両立をする方法

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元記事:異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?の返信

え?、いやいやいや。そういう方面に興味がお有りなら地政学はかなり有効だと思いますよ。そう簡単に見捨てないでください。
そもそも地政学という学問は普通にあります。「そんな学問はない」なんて誰が言っていたのでしょうか?
う~ん。強いて言えば地政学は国際政治や戦略を実践的に分析することに主眼を置く傾向が強いので、「政治性」とか「戦略性」とか「実践性」とかが強いものは真の学問ではないと言いたいのかなあ? 私的にはちょっと謎ですが。

しかし坂田さんは学者になりたいのではなく、小説を書きたいのでしょう? 地政学は国家の成り立ちや歴史を地理的条件に着目して分析する考え方なので、仰るような興味の方向なら有用性が高いはずです。

例えば地政学では大きな枠組みとして、国家を「大陸国家」と「海洋国家」に分けて捉えるんですね。
物凄く大雑把に言うと、大陸国家は帝国主義的な農業国家を志向し、海洋国家は民主主義的な通商国家を志向するとし、その理由やプロセスは地理的条件から説明できると説きます。
そういう考え方なので、リンク先の、

>島国の作家なので戦記風ファンタジーの異世界もついつい島や大陸で考えてしまうのですが、アラビア半島みたいに幾つもの海に囲まれたややこしい地形の方が物語向きではあると思います。そこらじゅうから異民族が流入してくるので永遠に平和が訪れない。

みたいなことを考える基本になります。
ちなみに、「大陸」よりも「幾つもの海に囲まれたややこしい地形」の方が「異民族が流入しやすい」という考えは若干疑問。古代・中世は交通手段が貧弱だったため、基本的には四方が地続きという状態(大陸)が最も異民族が流入しやすいんですね。
念のため言っておくと、アメリカは「海洋国家」です。大陸でもありますが、国境線がカナダ・メキシコ以外は海なので。アメリカは地政学的には大陸ではなく巨大な島と捉えます。
またもっと細かく考えると、同じ地続きでも山岳地帯だと陸上の移動も困難なので、それよりは船による移動の方がまだしも簡単というケースもあります。
また防衛的な側面だけでなく、文化の多様性ということにも着目すると話は違ってくるでしょう。

地政学で重要視するのは「人の移動手段」なんですね。昔は航空機がなかったので、平坦な地形か道路が整備されている場所以外は移動が困難だったのですが、飛行機の登場以降は条件が激変したケースもあります。
『幼女戦記』の世界観は第1次・2次世界大戦の時代をベースにしていますが、魔導士という存在を超能力の使い手としてよりも「強力な航空戦力の一つ」と位置付けていました。

地政学ではそれぞれの国に固有の地理的条件があると捉え、その制約から防衛や交易の重要ポイントとなるルートが生じることに注目します。そこを的確に突かれたら滅亡に追いやられるという状態を「地政学的リスク」といい、それへの対応が国や社会の形にかなり影響します。
そういう考察の基礎的な学問ですから、このスレのような興味をお持ちなら外さない方がいいと思います。

でと。
文献ですが、専門性を追求するときりがないし、今だったらネットから概説を探す程度で小説の参考くらいなら十分かと思います。全般的に知りたいなら、Wikipediaがやはり手っ取り早いです。

ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6

あと、大陸国家・海洋国家について簡便に解説しているのはないか一応軽く探してみました。

ttp://book-harbor.com/history/geopolitics/continental-maritime-nation

ついでに、地政学は学問じゃない説について。

『地政学が日本の大学で学べない3つの理由。国際情勢には地政学が必要』

というのが有りました。

ttps://rebelbushi.jp/%E5%9C%B0%E6%94%BF%E5%AD%A6%E3%81%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%A7%E5%AD%A6%E3%81%B9%E3%81%AA%E3%81%84%EF%BC%93%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%90%86%E7%94%B1%E3%80%82%E5%9B%BD%E9%9A%9B/

だそうです。

   *   *   *

>また、ヨーロッパの小説に特有の描写(石畳が多いので靴の音が描かれがち、というようなこととか)や、近代的自我以前の常識(大人が小さな子供として認識されている、物語を解決するのはいつも神様、etc.)や、それらが実際どれだけ効力を持っていたのか(例えば、フェミニズム以前にも女性にインタビューをした中世イギリスの本があるそうですね)にも興味があるので、そうした資料があれば教えてください。

それはまったく別の視点になります。
地政学ではなく「文化人類学」の領域ですね。長くなるので取り合えず省略しますが、そっちの方面で探ってみてください。

   *   *   *

>以前は、こうした志向の内容のファンタジー小説は突き詰めれば設定だけでストーリーが面白くならない所謂「精商反比」に行き詰まったり、~(略

精商反比という言葉を初めて知りました。ちょっとググってみましたが、要するに世界観を精緻に作りこみすぎると出版的には売りにくくなるということですか。

それは、難しく考えることはありません。
要するに誰だって「作者の知識・蘊蓄の披歴」なんて読まされたくはないということです。

作者が詳しく調べればそれだけ世界観の奥行きが豊かになることは期待できますが、人間どうしても知ってることは詳しく書きたくなってしまうんですね。
そこは、読者の知識やプロットとしての面白さを最優先に考え、それを損なうと思われる記述は必死に我慢して抑制するようにする。
そう心がけるしかありません。また、それができるなら問題はないと思いますよ。

上記の回答(異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?の返信の返信)

スレ主 坂田真文 : 0 投稿日時:

> 学者になりたいのではなく、小説を書きたい

確かにその辺りの考えは抜けていたように思います。よく考えてから本を読みたいものです。地政学については興味がありながらも疑問を持っていました。創作に関しては大変有用であるようなので、頂いたリンクや今持っている本などを読んでみようと思います。

以前、文化人類学の本を2、3冊読んだことがあります。それらは各文化の特徴的なしきたりなんかが書かれていて、自分としてはそっちがメインに見えたのですが、実際はそうした文化よりもその機能について考察する学問のようで、上に挙げたような靴の音とか具体的な実例から探すのは少し難しい気がしています。

世界観の披露は最小限に、なるべくサブテキストや芝居によるストーリー進行を心がけてはいます。上の方が言ってらっしゃるように、自分の好きなポイントだけ突き詰めていれば多分コスト的にも浮くし、大丈夫でしょうね。ありがとうございます。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?

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元記事:異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?

異世界モノの小説を書いているのですが、設定を凝りたい部分があります。特に歴史的・政治的なリアリティを持たせることには興味があって、例えばこのツイートのような指向の考察なんかは面白いと感じました。

https://twitter.com/hyougetsudou/status/1320865911415320576?s=21

手元には最寄りの図書館から借りてきた『軍事強国チートマニュアル』とYoutubeの戦略の歴史の動画ぐらいしか情報源がないので、具体的にどういう資料から入って、慣れてきたらどういうジャンルの本を選べばいいのか(昔「地政学」の本を買った後、そんな学問はないとかボロクソに言われてるのを見て読むのをやめてしまったのでトラウマになってます)、ということを教えてください。本じゃなくてもいいですが…。

今のところ知りたいジャンルは、政治学、経済学、地理、そして歴史の類型論(そんなものがあればですが)、といったところです。歴史に関しては服飾史とか好きな範囲のことは勉強できる気はしますが、そもそも義務教育レベルすらまとも知らないので体系的には助けがないと難しいです。例えばリンクのツイートの人は歴史の知識があるので、現在の半島の情勢を剣と魔法の世界を描いた作品を考察することができるのだと思いますが、そういうことができるくらいの知識は欲しいです。

また、ヨーロッパの小説に特有の描写(石畳が多いので靴の音が描かれがち、というようなこととか)や、近代的自我以前の常識(大人が小さな子供として認識されている、物語を解決するのはいつも神様、etc.)や、それらが実際どれだけ効力を持っていたのか(例えば、フェミニズム以前にも女性にインタビューをした中世イギリスの本があるそうですね)にも興味があるので、そうした資料があれば教えてください。

以前は、こうした志向の内容のファンタジー小説は突き詰めれば設定だけでストーリーが面白くならない所謂「精商反比」に行き詰まったり、作品の幻想的な雰囲気を損なってしまったりといったイメージが個人的にはありました。しかしながら、物質粒子が粒子であると同時に確率の波でもある様に(?)こうした物理的・実際的な要素と芸術的・文学的な要素とを両立させることはできると信じています。

上記の回答(異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?の返信)

スレ主 坂田真文 : 0 投稿日時:

沢山紹介していただきありがとうございます!ロシアの方面とかはまだ調べてなかったので、図書館で探してみようと思います。
確かに参考文献を見てみるのも重要ですね。数に圧倒されて検索すらしてませんでした。Wikipediaの参考文献も読むようにしようと思います。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 異世界モノを作るための歴史の知識はどこから得ればいいですか?

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元記事:主人公の事とかくきゃらの話し方

こんばんはー。
主人公が魅力が無いと言われました。
あと、各キャラクターごとにもっと、
話し方にクセなどを入れて会話を分かりやすくした方がいいと言われました。
ギャグのセンスは、あると言われましたが
もっと広げないともったいないとも言われました。
ここに張り付けています。

https://ncode.syosetu.com/n8184eu/
主人公に魅力をだすには、何をすれば良いですか?学校の部活での物語です。

上記の回答(主人公の事とかくきゃらの話し方の返信)

投稿者 ヘキサ : 0

ざっと読ませていただきましたが、下ネタギャグが光ってるのとマリア先生のやはり下ネタ関連で笑わせていただきましたが……確かに、ほたるとセイラがあんまり個性がないかもしれない。ほとんど区別ついていない感じです。

話し方もだけど、文体が少々気になったかも……地の文が少なすぎてセリフ以外にもキャラを補完できる何かが足りない、という感じ。

セイラのほうが実家がお店で道具に詳しいってことだと、そのまま個性を出そうとすると、セイラのほうが頭よさげなキャラになるのかな。しっかり、てきぱきした感じで。でも「天然でおっとり」なのか……お母さん亡くしてるんならしっかり者のほうがそれっぽいと思うけど。

でもほたるのほうも一人称で扱う場合、あまり頭悪い発言ばかりできないよね。
下ネタに対する突っ込みのキレも鈍ると面白くなくなるだろうし。

いちおうセイラのほうが丁寧でもの柔らかい言い方、ほたるのほうが元気がよくざっくばらんで突っ込みのキレもいい、みたいな分け方をしたほうがいいように思うけど、いかんせんセリフも地の文も短すぎて、個性を出そうにも出せない感じ。

私、偶然キャラクターが「断定口調」「くだけた口調」「丁寧口調」で別れたことがあって、会話文だけでも誰が喋ったか一目瞭然なのでそのままかなり長い間しゃべらせたことがあるんですが、正直、この短い文体では無理!と思えてしまいます。

応急処置的なものとしては、「ほたるとセイラはなるべく会話の時に相手の名前を呼び合ったほうがいい」ですかね。「同じクラスで、良かったね」「うんうん、良かった」とあったけど、ほんと、どっちがどっちか分からない。さらに「そう言ってセイラは私に向かって微笑んだ」的な地の文があればまたかなり違うけど。そういう文もないからかなり辛い。

根本的には、文体の改善かな……とは思いますが。一人称の地の文が長ければそれだけほたるの個性も出ることになるので、多少違うと思う。もうちょっと見たものの動きを繋げて書いてほしいかな。

あと、魅力という点でいくと、ほたるよりセイラのほうがタイムが良いのはなんだかなーと思ってしまった。ここでほたるのほうがタイム高ければ基礎体力の高いほたる、道具や技術などの知識でカバーするセイラ、的なキャラ分けができた気がするのに。何もかもセイラのほうに集中している状態になってしまったからやっぱりここで一気に「ほたるの存在意義って何……」的な感じになってしまった。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 主人公の事とかくきゃらの話し方

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投稿日時:

元記事:物語に合わないキャラクターとは

どうもお久しぶりです。マリン・Oと申します。
ただいま私は新作の企画を練っている最中なのですが、また知人から酷評を受けている真っ最中です。
今回プロット段階から受けた酷評はキャラクターの話なのですが、知人の酷評に従うべきか否かのご意見を下さい。

今考えている作品のレギュラーキャラは三人いるのですが、その内の一人が「お前の作風にあわないからやめろ」と言われています。
ちなみにジャンルは今回もバトルものです。一昔前に流行った学園もの要素も少しだけ入れてあります。

<ここから少しキャラ紹介入ります>

清澄エリカ
主人公。剣での接近戦を得意とする女子生徒。
学校内では戦闘の授業で高い戦績を挙げているため、顔を知らない相手から知られていることもある。
ただ勉強は苦手。特に数学はかなり悲惨。

スカー(仮名)
自分が一番強いと思っている困ったちゃん。しかし実際の戦績は芳しくなく、態度の悪さから同級生からは嫌われている。

ベアトリクス・イーダ・シェーンハイト
エリートお嬢様。二丁拳銃での射撃戦を得意とする。
実力が伴わないスカーを嫌っており、第一エピソードでは彼女がスカーをいじめることで主人公のエリカと敵対する。
エリカに敗北した後は仲間になる。しかしスカーのことは相変わらず嫌っている。

ええ、このような三人の物語を構想していたのですが、知人からはスカーを外すように指示されました。
というのも、第一エピソードの事件が終わった後もベアトリクス自身はいじめに対して改心しないという設定で考えていたからです。
これに対して「悪役が改心しないで仲間になるのはいかがなものか」との主張を受けました。
ただ実際のいじめっ子ってものは、一度や二度注意されたところで改心するような奴はそうそういないんですよね。
ひどい奴は年度の開始から終わりまで注意され続けたのに一生反省しないとか、がザラです。
※実名を出さない掲示板だから言いますが、私はかつていじめの被害にあったことがあります。上記の記述も私が実体験で見たものです。
一応スカーとベアトリクスについては、しかるべき時が来れば和解させるつもりで設定を組んでいます。
以前のスレッドで言及したが、スカーを誘拐事件に遭わせて救出する過程で和解するという展開です。

この二人の関係に関しては、現行で行くのはまずいのでしょうか?
マイルドにした方がいいのならばそちらに合わせたいと思っています。

上記の回答(物語に合わないキャラクターとはの返信)

投稿者 藤谷要 : 0

キャラの魅力の問題ですね。
私の考えでは、欠点を持たせること自体は問題ないと思います。
キャラに味が出ますしね。
なので、うぬぼれ自体は大丈夫だと思います。
ドラゴンボールのヤムチャあたりが似ていますかね。

ただ、ライトノベルなら、欠点が原因で「思いやりのない行動」「相手を傷つける」等の行動をとると、魅力がないと受け取られる確率が高いです。
読者に好きになってもらいたいキャラにそういう行動をさせるのは、避けた方が無難だと思います。

今回問題になっているスカーですが、
いくつか気になる点がありました。
問題ばかりで、良い点が見当たらない点です。
それが書かれていないので、どうしてそんな問題な子と一緒に主人公は行動するんだろう?と疑問に思いました。
癖や欠点がある主要キャラなら、何か一目置くような点があれば、良かったと思いました。
あと、スカーがうぬぼれる原因ってなんでしょうか。
その原因と理解の過程がしっかり描かれてないと、途中で仲直りするなら、最初からさせればいいのに、って思われる恐れがあるかもしれません。

また、話の展開の話ですが、
(あらすじを見てないので、あくまで想像の話になってしまい、的外れになってしまうかもしれません。ごめんなさい)、
上述したように、途中で仲直りさせるなら、その過程をしっかり描く必要があるので、スカーとの関係性が作中で描かれることになります。
他の話がメインで、そこまでスカーの話に重点を置きたくないなら、最初に仲直りさせた方が、メインをしっかり描けるかもしれません。

もし、なかなか改心させたくないなら、最後までそのキャラで引っ張って、絶対絶命のピンチで、
「ここは私に任せろ。あんなザコども私の敵ではない」的な演出で主人公たちのために散るくらいの美しい演出を用意しても面白いかもしれませんね。

合わなければ流していただいて構いませんので。
なにかの参考になれば幸いせです。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 物語に合わないキャラクターとは

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投稿日時:

元記事:魔女キャラの伏線について

執筆しようと思っている小説内に、ヒロインが魔女だった(主人公が魔女にトラウマを持っており、途中で隠し切れなくなりヒロインから告白される)事の伏線を張りたいのですが何かわかりやすい日常の中の魔女特有の行動や忌避している物など、代表的なものを挙げてもらえると嬉しいです。

上記の回答(魔女キャラの伏線についての返信)

投稿者 スイ : 4 人気回答!

ネコを飼っている、異教の神どもと契約している、……など。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 魔女キャラの伏線について

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