ラノベ恋愛不要論。ラノベに恋愛要素は必要ない?の返信の返信の返信
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ラノベ恋愛不要論。ラノベに恋愛要素は必要ない?の返信の返信(元記事)
書籍化作家さん、どうも返信ありがとうございます!
>デビュー済みの私からすれば、恋愛要素はシリーズを進めていくとほぼ必須になると認識しています。
>書けないよりは書けた方が明らかに良いからです。
確かに不要とまで言い切るのは、極論でした。
昔から、恋愛は物語を作る上で必須の要素であると言われていますし、その通りだと思います。
ただ、主人公が恋愛をしている物語は確実に減った印象があります。
オーバーロードの主人公は恋愛をしていません。アルベドから一方的にストーカーをされているだけで、これはルイズと相思相愛の関係を育んでいたゼロの使い魔とは、だいぶ違う感じがします。
最近流行の異世界奴隷ハーレムも、女の子を奴隷という従属関係に置いて接しているので、恋愛とは言い難い面があります。
オーバーロードも絶対支配者と配下という関係なので、これも対等な男女関係とは言えません。
パートナーとは、本来、同等な存在であるはずです。
この点から考えるに、読者の嗜好としては、恋愛ではなく、あくまで自分を承認してくれるヒロインが欲しいのだと思えます。
サブキャラ同士が恋愛する場合は、主人公が関わらないので、失恋に終わっても主人公イコール読者の自尊心は傷つきません。
オーバーロードは、サブキャラが自分よりはるかに強大な存在に立ち向かっていき、そこで敗北を経験して、精神的、能力的に成長する場面が多いです。
この構造は、漫画ワンパンマンでも同じで、なろう系の特徴の一つかと思えます。
これも主人公が同じことをやると、読者の自尊心が傷つくので、サブキャラにやらせて物語を形成しているのだと考えられます。
ラノベ新人賞の下読みさんが繰り返し言っていたのですが、物語には成長要素が不可欠であるそうです。
失恋や敗北は、これまでの自分を壊し、成長するための切っ掛けかと思います。
しかし、なろう系のチート主人公は最初から完成された無敵の存在であらねばならず、また失敗や挫折は、読者の自尊心を傷つけることになるリスキーな行為なので、サブキャラを通して成長物語を作っているのだと考えられます。
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投稿者 とある書籍化作家 投稿日時: : 2
返信ありがとうございます、うっぴーさん。
その上で申し上げれば、まだ遠い!
オーバーロードをそこまで分析できているのなら、なぜなろう系が売れるのか、その源流がわかるはずです。
答えを率直に申し上げると、なろう系の原型は時代劇なんです。
水戸黄門がぴったりなろう系に当てはまる作品で、いわゆるなろう系は時代劇のシナリオ論をファンタジーに置き換えたものがほとんどです。
水戸黄門一行は印籠は言うに及ばず、殺陣でも手傷を負うことはありません。
絶対正義の体現者でもあり、仲間内の絆は非常に強固です。
そこが問題や変化の対象になることはほとんどないのです。
しかし、ドラマがある。それは否定できないでしょう?
そう、肝はサブキャラなんです。一話限りでも、ご老公一行に何一つ比肩しなくてもいいのです。
水戸黄門のような物語構造は、日本人であればある程度普遍的に受けてしまう。
だから、売れざるを得ないんです。
要・不要論はえてして知識がないと不毛な論議になりがちです。
恐らくうっぴーさんは、ワナビ代表としてラノベ恋愛不要論を押したいのでしょう。
しかし、実際のプロデビュー済みのなろう作者は、そういう論議にあまり頓着しません。
オーバーロードは異世界ファンタジーで、しかも主人公は人間じゃなくなってるんです。
現代日本の価値観を持ち出して槍玉にあげても、何の意味がありません。
異世界奴隷ハーレムも同様です。異世界で特別な力がある主人公だからこそ、許されるんです。
水戸黄門の印籠の効力が、江戸時代以外では無意味なように。
商業小説なら売れることが正義です。シリーズ累計ではゼロの使い魔をオーバーロードが超えています。
なろう系とひとくくりにするのではなく、彼らの知性と創作力を深く探ってください。
公募が取り落としてきたものが見えるはずです。
カテゴリー : 流行分析(なろう研究) スレッド: ラノベ恋愛不要論。ラノベに恋愛要素は必要ない?