物語のテンポ感と登場人物の回想について。の返信
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物語のテンポ感と登場人物の回想について。(元記事)
物語のテンポ感と、登場人物を掘り下げるための回想シーンとのバランスに悩んでいます。
私は、その人物の行動理由や心情に説得力を持たせるために本筋の合間合間に、回想シーンというか、過去の出来事の話を入れています。しかし、そのせいで物語のテンポが悪くなっているのではないかと考えることがあります。
過去の話を入れる分、全体的に話の展開するスピードが遅くなるので、テンポが悪くなっているのではないだろうか……と思うのです。
あまり過去の話を入れすぎない様には気をつけているのですが、その人物造形を掘り下げたいがため、塩梅が難しいです。
かといって過去の話を削りすぎると、本筋での行動が唐突に思えてしまう部分があるのではないか? と頭を悩ませています。
読みづらい文章ですみません。
皆さんは、本筋の時間軸ではない過去の話を合間に入れる際、本筋との比率はどれくらいがベストだと思いますか? もちろん正解のないことだとは思いますが、皆さんの考えを聞かせてください。
また、登場人物の人間性を掘り下げるためにしていることなどはありますか?
なんでも良いのでアドバイスをいただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
物語のテンポ感と登場人物の回想について。の返信
投稿者 あまくさ 投稿日時: : 0
回想パートは多用はしない方が良いかもしれません。テンポが悪くなるということもありますが、ストーリーラインが分断される弊害も見逃せません。
エンタメ作品は、読者が物語に没入してくれることを目指すべきですよね。
では、全体をうまく書いてそれに成功したとします。ところが安易に回想シーンを入れると、せっかくの没入感にリセットがかかってしまうリスクがけっこう高いんですよ。回想パートは時間と場所が急に変わるので、シーンが変わったら読む気が失せた、という状態になりかねません。
とは言え、うまく使えば効果的な回想パートがあるのも事実。例えば『まどマギ』の終盤に挿入されていた或る重要キャラの回想は、破壊的に秀逸でした。ストーリーのすべてがあの回想に収斂するような構成になっていて、そこまでやるなら良いと思います。
>また、登場人物の人間性を掘り下げるためにしていることなどはありますか?
昔観た外国映画のワンシーンに、こんなのがありました。
主人公は刑事で、敵役は大物の殺し屋。その殺し屋は常に無言・無表情で、冷酷に殺人を繰り返します。主人公たちは捜査を重ね、終盤になって殺し屋の行動を補足することに成功。罠を仕掛けます。殺し屋が立ち寄ると予想されるレストランの客や従業員に、複数の警官を紛れ込ませるんです。
その店に殺し屋が姿を表すと、紛れ込んだ刑事の一人の女性がピアノを弾き始めます。すると、しばらく聴いていた殺し屋が席から立ち上がり、ピアノに歩み寄ります。
女性が殺し屋を見上げると、
「続けてください。好きな曲なんです」
これが、それまで隙を見せなかった殺し屋の束の間の油断になり、刑事たちが一斉に襲い掛かって取り押さえるというラスト。
私の記憶が確かなら上記が全編を通しての殺し屋の唯一のセリフで、ピアノに聴き入るシーンでも相変わらず無表情。しかし、その横顔だけで彼の人生を感じさせるという、素晴らしい演出でした。
多くを語らずに読者に伝える方法は、多々あります。そういう心理描写を磨いて、回想パートを入れるならここぞという所にしぼるように心がけるのが良いように思います。
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