甘粕事件について、小説の題材にするのはどうか?の返信
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投稿者 かにさん 投稿日時: : 1
>ライトノベル風に若者に読みやすくするのは難しいのでしょうか?
個人的には結構難しいと思っています。
テーマ小説について、私も過去に「オーセンティシティ(自分らしさ)」をテーマに「どのようにすれば個人と社会は適切に融和できるか?」を語るライトノベルを書いたことがありますが、完成させたはいいものの、かなり読み手を選ぶ作品(平たく言えば失敗)となってしまいました。
作成の難しさの根底には、「エンターテイメントとして必要な構造」と「テーマを伝えるために必要な構造」を上手く合成しつつ作品の構造を作っていかないといけない点があります。「エンタメとして完成してる」かつ「テーマ小説として完成している」の二点を同時に満たす必要がああるため、一定以上の品質を持って完成させるにはかなりの技術を要します。
そもそもテーマ小説自体が作成難易度が高いというのもあります。テーマを正しく語るためには対象に対する体系的な理解を得れるだけの調査・研究能力が必要ですし、調査した資料を小説構造に組み込むための構造設計技術も必要となります。先の「自分らしさ」を語る作品では、海外文献や論文をあたる必要も出てきて調査の段階で結構な苦労をしました。(これはテーマや対象読者の設定によるとも思いますが)
上記に加えて、エンターテイメントとしての面白さを担保するための構造も入れていくとなると、やはり高度な設計技術が必要となってきます。
そのため、テーマ性のある作品を書き慣れていない場合は、エンターテイメントとしての面白さはひとまず置いといて、一つのテーマ小説としての完成を優先させたほうがよいのではないかと思います。
カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 甘粕事件について、小説の題材にするのはどうか?