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書き出しでの会話はアリ?ナシ?の返信

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書き出しでの会話はアリ?ナシ?(元記事)

新人賞などに応募するとき、最初に会話文を持ってくるのはダメ。
みたいな話を聞いた覚えがあるのですが、第一話およびプロローグを書く際に、いきなりキャラ同士の掛け合いから始めるのはどちらかとえばナシなのでしょうか?
また、ネット投稿なら会話文で始めるのはアリなのでしょうか?

書き出しでの会話はアリ?ナシ?の返信

投稿者 あまくさ 投稿日時: : 3

>新人賞などに応募するとき、最初に会話文を持ってくるのはダメ。
>みたいな話を聞いた覚えがあるのですが、

そういう話は聞いたことがないので「?」と思ってググってみたところ、それらしいものがヒットしたことはしました。一部の新人賞で、会話文から始まる投稿作は無条件に落とすことにしている所があるとか。
いつの時代のどういう賞の話なのか分からないので、個人的には少し意味不明ではありますが。

会話で始まる小説についての一般論としての私見を少し書きます。
まず、それだけで一概にダメというのは、正直私には理由が分かりません。
ただ冒頭では読者にとってキャライメージがまだ白紙なので、いきなり会話を読まされてもイメージしにくいという懸念はあるかもしれません。

いずれにしても、冒頭は大事。
会話と地の文、どちらを採用するにしても、

1)キャラや状況をできるだけ早く読者に伝える。
2)インパクトのある導入で読者に興味をもたせる。(つかみ)

そういった条件を満たすために会話が最適だと判断したなら問題ないと思いますが、何となく会話が書きやすいからというだけで漫然とやってしまうのはダメということかもしれません。

参考までに。
私が考えている理想的な冒頭の例として、司馬遼太郎『国盗り物語』をよく紹介してるんですね。
一般の歴史小説なので地の文が多めですが、引用してみます。

(引用はじめ)
落ちついている。
声が、である。
その乞食は、御所の紫宸殿のやぶれ築地に腰をおろし、あごを永正十四年六月二十日の星空にむけながら、夜の涼をとっていた。
風は、しきりと動いている。
御所とはいえ、もはや廃墟といっていい。(中略)

世は、戦国の初頭。――
「国主になりたいものだ」
と乞食はつぶやいた。
ひとがきけば狂人とおもうだろう。が、乞食は大まじめである。事実、この夜のつぶやきは、日本史が永久に記憶しなければならなくなった。
(引用おわり)

呟いている乞食は、後に美濃国を簒奪して国主になり「マムシ」の異名をとった斎藤道三です。
かなり描写が多くてスレの例として適当ではないように見えるでしょうが、これ、

「国主になりたいものだ」

から書き始めてもいいと思うんですね。

「国主になりたいものだ」
と乞食がつぶやいた。
落ちついている。
声が、である。

原文はこの後、たった一人の従者を相手に道三が野望を語る会話がかるく続きます。
背景は、天皇の御所なのに寂れて荒涼としてしまった夜の紫宸殿。
主人公の境遇と性格、日本史屈指の悪役英雄としてのし上がっていく半生を予感させ、戦国初頭という時代の雰囲気も伝えています。
それらすべてが「国主になりたいものだ」というセリフに凝縮されている気がして、しびれます。

こういう効果を計算したセリフが書けるなら、冒頭を会話で始めてもいいと思いますよ。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 書き出しでの会話はアリ?ナシ?

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