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書き出しでの会話はアリ?ナシ?の返信

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書き出しでの会話はアリ?ナシ?(元記事)

新人賞などに応募するとき、最初に会話文を持ってくるのはダメ。
みたいな話を聞いた覚えがあるのですが、第一話およびプロローグを書く際に、いきなりキャラ同士の掛け合いから始めるのはどちらかとえばナシなのでしょうか?
また、ネット投稿なら会話文で始めるのはアリなのでしょうか?

書き出しでの会話はアリ?ナシ?の返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 1

会話文で始めないほうがいい、というコツは聞いたことがありません。できれば、どういう文脈で語られたものなのか、お示しいただくと助かるのですが。が、なんとなく見聞きするものはたくさんありますから、「ここにこう書いてある」と教えて頂くのも難しいかもしれません。

以下、ご質問文だけから推測を交えて回答してみます。もし、「いや、そういう話じゃない」ということでしたら、スルーして頂くと幸いです。

結論から申せば、ケースバイケースです。面白ければいい。とだけ申し上げても何のことか分からないですから、少し具体的に説明してみます。

1.冒頭から2名以上の会話を続けるのは難しい

「会話文」と仰るのが、2名以上の会話が続くのか(2行以上になる)、あるキャラの台詞(1行で終わり、地の文が続く)なのかが気になります。まず、出だしが2名(以上)の会話であるとどうなるか、考えてみます。

冒頭ですから、シリーズものでない限り、出てくるキャラクターは読者としては未知ですよね。つまり赤の他人。小説の舞台、世界観とかも分からない。何の物語なのかも知らない。

そういう読者的な条件で、キャラが会話していたとして、話の内容が分かるのは難しいでしょう。読者が一刻も早く知りたいのは、「この物語は、誰が、どこで、何をする話なのか」です。それが分からないと、興味の持ち方が分からず、読むモチベーションを保ちにくい。

2.冒頭では登場キャラは読者にとって、みんな見ず知らずの赤の他人

見ず知らずのキャラクター複数が会話していたとして、読者としては「こいつら誰だよ」「どこで何の話してるんだよ」「この会話の背景はなんだよ」になりがちです。会話では話す相手に注意が向いており、会話参加者は話している内容のベースを共有しています。ですから、読者に向かってはないし、会話の前提も読者には分からない。

そういう出だしは避けるべきです。何を書き始めたのか分からないのでは、興味を持つ以前の問題となります。

3.異常な状況を示す台詞で書き出すのはよくある

一方、単独の台詞だと話は別になってきます。相変わらず、誰が、誰に向かって、どういう背景で話し始めたかは、読者には分かりません。

ですが、出だしが例えば「うわあ、おまえ何やってんだよ!」という台詞だとしたらどうか。何か、異常な状況が起こっているらしい、くらいは分かりますよね。すると、読者としては「何が起こってるの?」という疑問が生じます。疑問が生じると解決したくなります。解決するには読み進める必要が生じます。

しかしもし、「おはよう、母さん」で始まったとしたら、なんてことはない日常シーンが思い浮かびます。こういう台詞のみで読者の目を引き付けることはできません。さらに会話が続いたとして、「おはよう、ご飯できてるわよ」だとしたら、なおさらです。読者の興味は下がる一方です。

4.地の文との兼ね合い

「うわあ、おまえ何やってんだよ!」で始めず、地の文で「 俺の目の前で同級生の咲が上着を脱ぎ、シャツまで脱ぎ始めやがった。」としてもいいでしょう。ですが、ラノベはキャラ小説だと言われることを考慮すると、キャラ、特に主人公の驚きを表現するのは有効と考えてよさそうです。それなら主人公の驚きを台詞で示すのは有効です。地の文の語りより、台詞なら発話したキャラの反応自体も描けているわけですから。

ですので、キャラ同士の掛け合いで始める、といっても、台詞→地の文→台詞なのか、台詞→台詞なのかで違ってきます。台詞→台詞では、台詞で状況を説明しないと、2番目以降の台詞がどういうことなのか分かりにくく、従って読者の興味を引きにくい。

一方、台詞→地の文→台詞と、地の文を挟むと状況は異なります。どういう状況なのかを読者に分かるように示すのがやりやすい。状況が分かれば会話の意味も分かって来る。そこからさらに状況を掴むこともできて、と良いサイクルを回すことが可能です。

5.会話主体の物語もあるし、設定語りの愚を避けるコツもある

しかし、です。例えば、駄弁り系の話なんてものもありますよね。キャラ同士の会話自体が面白く、極端にはキャラは部屋に座っているだけとか。シリアス系の会話で面白がらせるのは至難ですから、ほとんどがコミカルなものだと思います。それなら、地の文はむしろ余計かもしれません。会話の面白さが作品の狙いなら、出だしから会話を連ねるべきでしょう。地の文については、いかに削れるかを工夫することになります。

非常に壮大なスケールの物語を書こうとして、よくある失敗が「冒頭の設定語り」だったりします。出だしから、長々と小説世界の背景、設定、キャラ説明とかを書き連ねてしまう(作者的には書いていて面白いだけに、危険な罠)。そういう出だしを読んだ読者がしばしば指摘するのは、「例えばだけど、主人公の最初のこの台詞と書き始められないか、考えてみてはどう? その後の説明も省いて、ヒロインの反応をすぐ持ってくるってことで」というものだったりします。

6.だからケースバイケース

結局、いろんなケースがある、という月並みな話になります。どんな作品を書こうとしているかで決まる。もし「最初に会話文を持ってくるのはダメ」という評言があったとすれば、おそらく「この作品では、最初に会話文を持ってくるのはダメ」といったことになるでしょう。

7.形式ではなく内容が大事

でも、もし原則論を申し上げるなら、たった1つしかありません。「その出だしは目を引き付けるか」です。言い換えれば、「最初の1行の情報は、読者の興味を掻き立てるか」です。読者の目を引き付ける情報が、地の文で表されるか、会話文なのか、ということは二の次の問題です。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 書き出しでの会話はアリ?ナシ?

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