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書き出しの良し悪しの判断基準がわからない (No: 1)

スレ主 ましろん。 投稿日時:

 私は、人間が信用できないし、人間が大嫌いだ。
 なぜ人間に生まれてきてしまったのだろうと疑問を抱くほどに。
 できる限り仕事の同僚との付き合いも避けた。人前で本名を名乗ることも避けた。表の社会に顔を出すことも避けて生きてきた。だから、友人と呼べる親しい人はいない。こんな性格になったのには原因がある。
 もともと人付き合いはよかったとはいえない。だが、たまにしゃべるくらいの友達はいた。人数でいえば2、3人くらい。クラスメイトから見た私の印象は、教室の隅で読書をしている地味な女子だったと思う。このころはまだ、人間嫌いというわけではなかった。あの事件が起きるまでは。
 小学2年生の時、義母の家庭内暴力が始まったのだ。
 もともと家は父子家庭だった。父曰く、母は私が生まれてすぐに死んだと言う。父は仕事と育児に追われながらも一人娘である私の遊び相手までしてくれていた。そんなある日、父は家にちょくちょく綺麗な女の人をつれてくるようになった。女の人は父だけでなく私にも優しく接してくれた。そんな様子を見て安心したのだろう。父はその女の人と結婚して女の人は私の義母となった。それが丁度、小学2年生の時だった。
異変は結婚して1ヶ月経ったころだ。義母は父のいないときに暴力を振るいはじめた。理由は、父だけを愛していた。つまり、私が邪魔だったのだ。暴力に耐えかねた私は父に助けを求めた。だが、無駄だった。父は私よりも義母を愛していた。父もまた、義母と同様に私に暴力を振るいはじめた。父にとって私はいつしか邪魔な存在となっていた。そして、私は二人分の暴力を受ける地獄の日々を送ることになった。
当然、誰も気づかないわけがない。学校のクラスメイト、先生、それから近所の人も気づいていた。だけど、みんな見て見ぬふりをした。それはまるで『巻き込まれたくない』といっているように見えた。だけど私は助けを求めた。無駄だったけど。
 家庭内暴力はエスカレートし、皿で頭を殴られたり、包丁で手を刺されたこともあった。次第に痛みも苦しみもなくなり、涙も枯れていった。
 そして私は、小学2年生にして人間不信に陥ってしまった。
 そんな私に転機が訪れたのは小学4年生の時だ。
 なんとなく外の空気を吸いたくて、深夜にこっそりと家から出た。
 向かった先は繁華街。夜の繁華街はがやがやと騒がしくて気を紛らわせるのに丁度良かった。
 ふらふらと一人歩いていると、後ろから口を塞がれた。口を塞いだハンカチから、薬の匂いを感じるのと同時に意識を飛ばした。
 夜の繁華街は、治安があまりよくないのを私は知っていた。
 目を覚ませば真っ暗だった。死んだのかな、と思って手や足や口を動かしてみれば何かで縛られていることに気がついた。
「おーっと、嬢ちゃん。あんまり動くとおじさん痛いことするぞ?」
 ぐいぐいと頬を鉄のような冷たいものを押しつけられた。
 誘拐か。
 理解に至るまでそう時間はかからなかったし、思っていたより恐怖も混乱もないのでむしろ安心した。
 家庭内暴力の成果がここで役立つことになるとは思わなかった。
 抵抗する理由が無かったので取りあえずじっとしておくことにした。

ドゴン!
ガッシャーン!

 何かが壊れる音がした。
「てめぇ、いきなり入ってきやがってなんなんだっ!」
「おい、おめぇらそいつぶっ殺せ!」
 男たちが怒号をあげながら、走って行くのが聞こえる。
「男一人になに手こずってやがる!」
 ものが壊れる音、走る音、銃声らしき破裂音が徐々に減っていく。
「畜生っ!」
 残るのは、一つの銃声と二人の足音。

グハァ────!

 男は殴られたのだろうか、次の瞬間、身動きできない私の身体に物が落ちたような大きな衝撃が床から伝わってきた。
 残った一つの足音がこちらに向かってくるのがわかる。
 足音が近くで止まったのかとおもえば、途端、手足が自由になり、視界がクリアになった。
 目の前には短髪の20代くらいの青年がいた。
「あとは好きにしろ」
 そう言い残し、青年は部屋を出て行った。
 周囲を見渡せば、そこはどこかの事務所のようだった。事務所は荒らされていて、床には横たわり血を流す5人の男。死んでいるようだった。
「待って!」
 気がつけば私は青年を追いかけていた。
 意外にも青年は足を止めてくれた。
「私は殺してくれないの?」
 我ながらとんでもないことを口走ったなと思う。でも、訂正する気なんてさらさらなかった。それは、本心で言ったことだからだ。
 死んだようにただ息だけをして生きていくくらいなら、死んだ方がまだ幸せなんじゃないのかなと思った。
 自殺の選択肢もあったが、ただ自殺するだけじゃつまらない気がして自殺する気が起きなかった。
「‥‥‥金にならない仕事はやらない」
「お金! いくら出せば殺してくれますか?」
「ひとり500万」
「500万‥‥‥そんな‥‥‥」
 高いとは思っていたが、そこまでとは思わなかった。とてもじゃないが、小学生に払える金額じゃない。
「おまえもしかして────」
 青年が私のパジャマをめくりあげた。
「ああ、そういうことか」
 どうやら私の状況を理解したらしい。
 私の身体には無数の傷や内出血の痕があったのだ。
「今日からおまえを俺の弟子にする。一緒に来い」
「ん?」

 ドユコト?
 
 何が何だかわからず、目が点になったまま、言われるがままに青年の車に乗せられ、着いた先は田舎の平屋だった。
「入れ」
「お、お邪魔します」
 予想しなかった展開に驚きつつも、家の中へ入った。
 ちゃぶ台のある部屋に案内され、畳の上に腰を下ろした。
「あの、弟子って?」
 はやく疑問を解決したくて、私は話しを持ち出した。
「俺はおまえと同じだ。だから、俺はおまえを弟子にする」
 青年は、まだ出会ってまもない私に自身の昔話をしてくれた。
※※※
 俺は幼少期に家庭内暴力を受けていた。暴力は物心つく前からだったため、これが当たり前なんだと思っていた。
 だが、小学校に通い始めて外に出る機会が増え、それが違うことに気がついた。
 親子が手を繋いで幸せそうに笑っている。親子が遊んで笑い合っている。ありえないとはじめこそ思ったものの、それが普通であるということに気づき、絶望を知った。
 そして、その普通が羨ましいと思った。だから俺は、はじめて両親にねだった”普通の愛情”を。
 しかし、そんな俺を煩わしく思った両親の暴力は次第にエスカレートしていった。真っ先にこみ上げてきた感情は怒りだった。なぜ自分は愛されないのか、なぜみんなもらっているのに自分はもらえないのか、そうして怒りの矛先はクラスメイトへと向けられ両親にされていた暴力をクラスメイトに加えた。
“みんな俺と同じになればいい”
 そんな想いからの行動だった。
 当然、大問題となり両親を呼び出しての謝罪、そして自宅謹慎となった。
 家にいるのも学校へ行くのも嫌になり、家出をした。
 当然、子供だから雇ってくれるところはなかった。だから、ゴミを漁って食べたり、盗みやスリで、どうにか食いつないでいた。
 そうしているうちに、がらの悪い連中とつるむようになった。
 普通のバイトで稼ぐよりもそういった連中と手を組んだ方が稼ぎが多いし、自分と似たような境遇の奴もいたからだ。
 それからより稼ぎのいい職を求めて転々とするうち、最終的にたどり着いたのが『殺し屋』だった。
 俺は家庭内暴力を受けてきただけに、人を殺すことに対する抵抗も恐怖もなかった。
 痛みにも苦しみにも慣れていたため、俺にとってはまさに天職だった。
 殺し屋という仕事にも慣れ、5年経った今日、ヤクザからの依頼で敵対するヤクザの頭を殺すことになった。事務所に入ってすぐ、ヤクザもついには誘拐にも手を染めたのかと思った。仕事を終えて、気まぐれで人質を解放した。まさか、自分を殺してくれなんて言われると思ってもいなかった。まさかと思って、パジャマをまくり上げれば、痛々しい無数の傷跡、内出血の痕がいくつもあった。見覚えのある光景に、記憶がフラッシュバックした。
 これは────俺だ。
※※※
「俺はおまえを重ねてみた。だから、同情したし、ほっておけなかった」
「だから、あなたの弟子にと?」
「あぁ」
「断ったらどうなりますか?」
「好きにでていけばいい。殺し屋になるならここで面倒みてやるが」
 ある意味脅し。だけど、私には関係のないことだ。悩む必要なんてどこにある? もう、私は決まっている。
「これからよろしくお願いします。師匠」
「師匠はやめてくれ。あと敬語もいい」
「じゃあ、『お兄ちゃん』?」
ボンッと噴火するような勢いで、青年の顔が真っ赤に染まった。
「‥‥‥じゃあ、それで」
 と、ぼそりと呟くように言う青年を見て私はにやりとした。
「お兄ちゃん?」
 と今度は悪戯っぽく呼べば、
「おまえ、わざとだろ?」
 と言われてしまった。
 同情とかじゃなくて案外、ロリコンだから助けてくれたのかな? と思ったりもした。

という内容を冒頭で書いたのですが、いまいちこれが良いのか悪いのかわかりません。ご指導、ご意見、よろしくお願い致します!

カテゴリー: ストーリー

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書き出しの良し悪しの判断基準がわからないの返信 (No: 2)

投稿者 サタン : 0 No: 1の返信

投稿日時:

「プロローグ相談板」のほうが良いのではないでしょうか。
ここは創作相談板なので感想程度の意見にしておきますが、

あくまで「冒頭は」という意味で言えば、悪くないと思います。
冒頭は「これがどういう物語なのか」を説明する場所で、さしあたってそれが出来ていれば問題ありません。
そして、内容はともかく、御作は「暗殺者の男と弟子の少女の話」という作者が書きたいものの提示と物語の主旨説明が出来ているので、繰り返し「冒頭の役目を果たしているか」という意味で答えれば、悪くはありません。

ただ内容は、技術不足な点が目に付きます。都合の良すぎる展開でセリフも感情が入っていない棒読みのようです。
このあたりは書いてりゃそのうち改善するでしょうから、今は気にすることではないと思うし、いちいち指摘する事でもないでしょうが……ええと、はっきりと結論を言えば、
正直、出来栄えを問われたなら酷評を返しているでしょう。ツッコミどころが多いです。
でも、「冒頭」としては先に書いた通り役目を果たしているし、ちゃんとできてると思います。
技術不足な点に目を瞑って読み続けていれば、次第に面白いと思えるようになる事もあるでしょう。

うーん。
「冒頭の役目は果たしている」という「コレ」に名前がないからなんとも説明しにくいんだけど、
例えるなら御作は、酷い見た目の家だしすっごく住みにくくてやってらんないけど、一応家としての機能は果たしている。という感じ。
えっと、わかるかな……。
見た目も住心地も大事だけど、それらがしっかりしてても家としての機能が果たせてなかったら、そりゃ家じゃないよね。
そういう大事な部分は一応出来てると思うよ。という話です。
もちろん、「この冒頭は」という事であって、「この物語が良い」というわけではありませんが。
物語の良し悪しは全部読まなきゃわからないので。

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タイトル:書き出しの良し悪しの判断基準がわからない 投稿者: ましろん。

 私は、人間が信用できないし、人間が大嫌いだ。
 なぜ人間に生まれてきてしまったのだろうと疑問を抱くほどに。
 できる限り仕事の同僚との付き合いも避けた。人前で本名を名乗ることも避けた。表の社会に顔を出すことも避けて生きてきた。だから、友人と呼べる親しい人はいない。こんな性格になったのには原因がある。
 もともと人付き合いはよかったとはいえない。だが、たまにしゃべるくらいの友達はいた。人数でいえば2、3人くらい。クラスメイトから見た私の印象は、教室の隅で読書をしている地味な女子だったと思う。このころはまだ、人間嫌いというわけではなかった。あの事件が起きるまでは。
 小学2年生の時、義母の家庭内暴力が始まったのだ。
 もともと家は父子家庭だった。父曰く、母は私が生まれてすぐに死んだと言う。父は仕事と育児に追われながらも一人娘である私の遊び相手までしてくれていた。そんなある日、父は家にちょくちょく綺麗な女の人をつれてくるようになった。女の人は父だけでなく私にも優しく接してくれた。そんな様子を見て安心したのだろう。父はその女の人と結婚して女の人は私の義母となった。それが丁度、小学2年生の時だった。
異変は結婚して1ヶ月経ったころだ。義母は父のいないときに暴力を振るいはじめた。理由は、父だけを愛していた。つまり、私が邪魔だったのだ。暴力に耐えかねた私は父に助けを求めた。だが、無駄だった。父は私よりも義母を愛していた。父もまた、義母と同様に私に暴力を振るいはじめた。父にとって私はいつしか邪魔な存在となっていた。そして、私は二人分の暴力を受ける地獄の日々を送ることになった。
当然、誰も気づかないわけがない。学校のクラスメイト、先生、それから近所の人も気づいていた。だけど、みんな見て見ぬふりをした。それはまるで『巻き込まれたくない』といっているように見えた。だけど私は助けを求めた。無駄だったけど。
 家庭内暴力はエスカレートし、皿で頭を殴られたり、包丁で手を刺されたこともあった。次第に痛みも苦しみもなくなり、涙も枯れていった。
 そして私は、小学2年生にして人間不信に陥ってしまった。
 そんな私に転機が訪れたのは小学4年生の時だ。
 なんとなく外の空気を吸いたくて、深夜にこっそりと家から出た。
 向かった先は繁華街。夜の繁華街はがやがやと騒がしくて気を紛らわせるのに丁度良かった。
 ふらふらと一人歩いていると、後ろから口を塞がれた。口を塞いだハンカチから、薬の匂いを感じるのと同時に意識を飛ばした。
 夜の繁華街は、治安があまりよくないのを私は知っていた。
 目を覚ませば真っ暗だった。死んだのかな、と思って手や足や口を動かしてみれば何かで縛られていることに気がついた。
「おーっと、嬢ちゃん。あんまり動くとおじさん痛いことするぞ?」
 ぐいぐいと頬を鉄のような冷たいものを押しつけられた。
 誘拐か。
 理解に至るまでそう時間はかからなかったし、思っていたより恐怖も混乱もないのでむしろ安心した。
 家庭内暴力の成果がここで役立つことになるとは思わなかった。
 抵抗する理由が無かったので取りあえずじっとしておくことにした。

ドゴン!
ガッシャーン!

 何かが壊れる音がした。
「てめぇ、いきなり入ってきやがってなんなんだっ!」
「おい、おめぇらそいつぶっ殺せ!」
 男たちが怒号をあげながら、走って行くのが聞こえる。
「男一人になに手こずってやがる!」
 ものが壊れる音、走る音、銃声らしき破裂音が徐々に減っていく。
「畜生っ!」
 残るのは、一つの銃声と二人の足音。

グハァ────!

 男は殴られたのだろうか、次の瞬間、身動きできない私の身体に物が落ちたような大きな衝撃が床から伝わってきた。
 残った一つの足音がこちらに向かってくるのがわかる。
 足音が近くで止まったのかとおもえば、途端、手足が自由になり、視界がクリアになった。
 目の前には短髪の20代くらいの青年がいた。
「あとは好きにしろ」
 そう言い残し、青年は部屋を出て行った。
 周囲を見渡せば、そこはどこかの事務所のようだった。事務所は荒らされていて、床には横たわり血を流す5人の男。死んでいるようだった。
「待って!」
 気がつけば私は青年を追いかけていた。
 意外にも青年は足を止めてくれた。
「私は殺してくれないの?」
 我ながらとんでもないことを口走ったなと思う。でも、訂正する気なんてさらさらなかった。それは、本心で言ったことだからだ。
 死んだようにただ息だけをして生きていくくらいなら、死んだ方がまだ幸せなんじゃないのかなと思った。
 自殺の選択肢もあったが、ただ自殺するだけじゃつまらない気がして自殺する気が起きなかった。
「‥‥‥金にならない仕事はやらない」
「お金! いくら出せば殺してくれますか?」
「ひとり500万」
「500万‥‥‥そんな‥‥‥」
 高いとは思っていたが、そこまでとは思わなかった。とてもじゃないが、小学生に払える金額じゃない。
「おまえもしかして────」
 青年が私のパジャマをめくりあげた。
「ああ、そういうことか」
 どうやら私の状況を理解したらしい。
 私の身体には無数の傷や内出血の痕があったのだ。
「今日からおまえを俺の弟子にする。一緒に来い」
「ん?」

 ドユコト?
 
 何が何だかわからず、目が点になったまま、言われるがままに青年の車に乗せられ、着いた先は田舎の平屋だった。
「入れ」
「お、お邪魔します」
 予想しなかった展開に驚きつつも、家の中へ入った。
 ちゃぶ台のある部屋に案内され、畳の上に腰を下ろした。
「あの、弟子って?」
 はやく疑問を解決したくて、私は話しを持ち出した。
「俺はおまえと同じだ。だから、俺はおまえを弟子にする」
 青年は、まだ出会ってまもない私に自身の昔話をしてくれた。
※※※
 俺は幼少期に家庭内暴力を受けていた。暴力は物心つく前からだったため、これが当たり前なんだと思っていた。
 だが、小学校に通い始めて外に出る機会が増え、それが違うことに気がついた。
 親子が手を繋いで幸せそうに笑っている。親子が遊んで笑い合っている。ありえないとはじめこそ思ったものの、それが普通であるということに気づき、絶望を知った。
 そして、その普通が羨ましいと思った。だから俺は、はじめて両親にねだった”普通の愛情”を。
 しかし、そんな俺を煩わしく思った両親の暴力は次第にエスカレートしていった。真っ先にこみ上げてきた感情は怒りだった。なぜ自分は愛されないのか、なぜみんなもらっているのに自分はもらえないのか、そうして怒りの矛先はクラスメイトへと向けられ両親にされていた暴力をクラスメイトに加えた。
“みんな俺と同じになればいい”
 そんな想いからの行動だった。
 当然、大問題となり両親を呼び出しての謝罪、そして自宅謹慎となった。
 家にいるのも学校へ行くのも嫌になり、家出をした。
 当然、子供だから雇ってくれるところはなかった。だから、ゴミを漁って食べたり、盗みやスリで、どうにか食いつないでいた。
 そうしているうちに、がらの悪い連中とつるむようになった。
 普通のバイトで稼ぐよりもそういった連中と手を組んだ方が稼ぎが多いし、自分と似たような境遇の奴もいたからだ。
 それからより稼ぎのいい職を求めて転々とするうち、最終的にたどり着いたのが『殺し屋』だった。
 俺は家庭内暴力を受けてきただけに、人を殺すことに対する抵抗も恐怖もなかった。
 痛みにも苦しみにも慣れていたため、俺にとってはまさに天職だった。
 殺し屋という仕事にも慣れ、5年経った今日、ヤクザからの依頼で敵対するヤクザの頭を殺すことになった。事務所に入ってすぐ、ヤクザもついには誘拐にも手を染めたのかと思った。仕事を終えて、気まぐれで人質を解放した。まさか、自分を殺してくれなんて言われると思ってもいなかった。まさかと思って、パジャマをまくり上げれば、痛々しい無数の傷跡、内出血の痕がいくつもあった。見覚えのある光景に、記憶がフラッシュバックした。
 これは────俺だ。
※※※
「俺はおまえを重ねてみた。だから、同情したし、ほっておけなかった」
「だから、あなたの弟子にと?」
「あぁ」
「断ったらどうなりますか?」
「好きにでていけばいい。殺し屋になるならここで面倒みてやるが」
 ある意味脅し。だけど、私には関係のないことだ。悩む必要なんてどこにある? もう、私は決まっている。
「これからよろしくお願いします。師匠」
「師匠はやめてくれ。あと敬語もいい」
「じゃあ、『お兄ちゃん』?」
ボンッと噴火するような勢いで、青年の顔が真っ赤に染まった。
「‥‥‥じゃあ、それで」
 と、ぼそりと呟くように言う青年を見て私はにやりとした。
「お兄ちゃん?」
 と今度は悪戯っぽく呼べば、
「おまえ、わざとだろ?」
 と言われてしまった。
 同情とかじゃなくて案外、ロリコンだから助けてくれたのかな? と思ったりもした。

という内容を冒頭で書いたのですが、いまいちこれが良いのか悪いのかわかりません。ご指導、ご意見、よろしくお願い致します!

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