小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

さくらもちさんの返信一覧。投稿の古い順2ページ目

元記事:小説の視点についての返信

◎主人公は知っていて、読者には知らせない重要な情報がある。

この状態を作ることはショートショートなら可能で、いわゆるミスリードものは大抵そういう形になります。
しかし、長編の場合は認識ギャップ状態を長く持続させなければならないので、だんだん主人公の言動が不自然に見えてしまうリスクがあります。

くわえて一人称の場合は、「一人称の語り手は読者に嘘をついてはならない」という暗黙のルールがあります。例えば殺人犯を主人公にした一人称小説では、当然彼は世間や警察には自分が犯人であることを隠しますが、読者にはすべて正直に語りますよね? 読者もそういうものだと思って読んでいるので、後になって「実は俺が犯人だったんだ」と言われると、「それはズルいんじゃない?」となります。
嘘はつかず、重要な情報をわざとぼかしたり飛ばしたりする書き方も有るにはありますが、それでも「作者都合で文章を操作したのではないか? それはアンフェアだ」という疑念を読者に持たれてしまうおそれはあります。

*外国ミステリの有名な古典に、実はこれを見事に逆手に取った名作があります。やればできるんだなあ、という好例ですが、ネタバレになるのでタイトルは書けません。

   *   *   *

重要な問題点は、ほぼ以上に集約されると思います。
逆に言うと、上記の問題をクリアする工夫さえできればよいということになります。

以下は、あくまで例として。サタンさんが仰っているように、物語の性格によって可能だったり無理があったりします。

1)その「真相」をめぐって、主人公が強いトラウマを抱いている。

これは、読者に嘘をついているのではなく、心理的な抵抗があって無意識にそこに触れるのを避けてしまうんですね。
極端なケースでは、主人公は殺人事件の真犯人なんだけれど忘れてしまっている、など。そこまでやると必然的にサイコなストーリーになってしまいますが。

2)作者が文章を操作して読者を騙していることは明白なのだけれど、騙し方が鮮やかなため批判されず、むしろ作品の長所になる。

そもそもミスリード、叙述トリックというのは、そういうものです。繰り返しますが、この手法はショートショートなら比較的容易、尺が長くなるほどテクニックが必要になります。

    *   *   *

いずれにしても、こういうことをあくまで主人公の一人称でやりたいという前提で考えるなら、けっこう難しいとは思いますよ。
重要な真相を知っているのになぜ伏せていたのかという疑問が生じやすく、主人公の行動の動機まで伏せなければならないという事態が生じてしまう場合もあり、感情移入もしにくくなります。

そのあたりを、どう処理するかがカギかと。

上記の回答(小説の視点についての返信の返信)

スレ主 さくらもち : 0 投稿日時:

ご回答ありがとうございました!

叙述トリックは他の方からもご回答いただきましたが、主人公の無意識については考えたこともなかったです!!
やはり、主人公視点だとこの構成は難しいですよね…
しかし、ご丁寧に対応いただきありがとうございました!!

ぜひ、参考にさせていただきます!!

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 小説の視点について

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元記事:小説の視点について

ずっと悩んでいることがあり、皆様の力をお借りしたいです。

私は前々から練っている構想があり、ジャンルが【多種族、ファンタジー戦争】として、今手をつけています。しかし、主人公がちょっと訳ありで、物語での伝えたい主軸となる真相を握ってしまっています。

主人公視点で書きたいのですが、主人公の始まりから書くと真相が開示されてしまい、その後の深掘りが難しくなってしまいます。そして、本編までの道のりがかなり長くなります。しかし、他の人を主人公にすると小説の主軸から外れてしまうという問題を抱えてしまっています。
人々の心情を細かく描写したいので、三人称はなるべく使いたくないです。

この場合、どのような視点で、どう書き始めるのがよりよく設定を活かせるでしょうか?
内容を極力出さないように書いたので、わかりづらいとは思いますが、よろしくお願いします。
質問などしていただければ、可能な限り答えさせていただきますのでよろしくお願いします。

上記の回答(小説の視点についての返信)

スレ主 さくらもち : 0 投稿日時:

皆様、たくさんのご協力と資料や情報の開示ありがとうございました!!
皆様のおかげで、小説の構成方法が固まりました!!

少しずつ修正しながら、執筆していけそうです!!
ご丁寧に真摯に対応いただき、ありがとうございました!皆様に多大なる感謝の意を込めて、このコメントにおいて質問は閉めさせていただきます。
本当にありがとうございました!!

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 小説の視点について

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主人公側のキャラクターやストーリーが思いつかない

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元記事:ファンタジーに必要な経済学の資料

「狼と香辛料」のような本格的なファンタジーを作ろうと思っていて、大体14世紀ぐらいのフランスやイギリスでどのような貨幣経済や度量衡法があり、地域や歴史でどのように変わっていたのかを具体的に説明した書籍やサイト、また、一般的に経済がどのように変化するのかを説明したもの、そして、歴史に応じた貨幣の発達や世界の諸地域での貨幣の扱いを紹介したものを、探しています。
 何か参考になる資料はありますでしょうか。

上記の回答(ファンタジーに必要な経済学の資料の返信)

投稿者 サタン : 4 人気回答!

基本的にはWikiをザッと見るだけで十分でしょう。
というのも。
狼と香辛料をはじめ、ああした物語は長年による作者の資料収集やフィールドワークのたまものだからです。
初心者ないし多少興味を持った程度の人が簡単に書けるものではありません。
中世の経済や商業、文化や風俗に興味を持って長い間知識をため込んでる人が、その知識の面白さを表現するために小説という形を取っているのです。
読者はよく誤解しますが、決して「小説を書くために知識を集めた」わけではありません。
もちろん、中には「のうりん」のように「書くために資料を読み漁った」という事もありますが、その手の作品と比べればよくわかります。
どちらが良い悪いという話ではないのですが、前者「面白い知識を表現するために小説を書く」タイプはその世界観の設定をよく利用します。経済なら「経済に関わる事件なり問題なりで展開し、経済の知識で問題を解決する」という形を取る。
後者、「小説を書くために資料を読み漁った」タイプは、正直言って単に舞台を書くために資料が必要なだけで、やってる内容は普通のラノベ、専門関係ほとんど活かしてない、なんて事が多い。
繰り返し、どっちが良い悪いという話ではないです。
ぶっちゃけ後者のほうが「ライト」に読めるのでラノベ向きだと思うし。

さて。
そんなわけで、Wikipediaあるいは適当に検索して出てきた解説ページを一通り読んで、そこに書いてある内容だけで「それなりの話」を書けるようになってみましょう。
それで十分です。
でも、きっとこう思ったでしょう。
「いや、その時代のこと何も知らんのに書けるわけないじゃん」と。
「のうりん」など「書くために資料を読み漁ったタイプ」で少し触れましたが、「やってる内容は普通のラノベ」なので、「普通のラノベ」が書ければ、時代背景なんぞ知識として知らなくても書けるハズなんですよ。
「普通のラノベ」を「中世テイスト」にするだけなので。
それが出来ないなら、そもそも「普通のラノベ」を書けるように、まあつまりは「難しいものに手を出そうとせずに、簡単な物語を書けるようになりましょう」ということです。
それが出来てはじめて、「ネタ探し」で専門的な資料が役に立ってきます。
例えば、
http://tadeku.net/78689
こちらのページをザッと読んでみましょう。
「領内にある森は財産」で「役人が管理して」おり、管理されてる以上「密猟があった」。そのうえ「密猟の犯人が修道士というのはよくあること」らしい。
これだけで適当な話が作れますよね。
狼と香辛料に習って経済ネタで考えれば、
「寒くなってきた晩秋、鹿の毛皮が大量に手に入るという儲け話に乗せられそうになる旅の主人公。相手は信頼できそうな修道士だった。乗りそうになったところを偶然居合わせた知り合いの行商人に止められ、密猟だからバレれば罰せられると警告される。一方知り合いの行商人は主人公に別の儲け話を相談し始める。こちらも相当怪しい儲け話。誰を信じるか迷いながら主人公は知り合いを信じることにするが、最終的に知り合いには騙されていたことを知り、損をする。そこへ先の「密猟の修道士」が大勢捕まり、死刑や目をくりぬかれる刑など重い罰を受けることになる者たちを尻目に、主人公は、損はしたが「信用・信頼」の勉強料が金だけで済んで良かった、と思うことにして街を後にすることにした」
と、ちょい長くなったけど、こんな感じで適当にでっち上げられます。
ちなみに、私は世界史は好きだけど中世ヨーロッパの事はそれほど詳しくありません。
そもそも密猟は鹿肉を食うためのようですから、皮などの余り物を修道士が売ったりするのかどうかも知りません。でも話になるから、今は別にそんなのどーでもいいです。
前述した物語の作成例は、上記URLの知識だけです。それを「狼と香辛料」っぽいテイストで組んだだけ。
「普通の物語」が作れりゃ、このくらいならサッと作れるので、Wikipediaや適当な解説サイト眺めるだけで十分です。
それ以上となると、「もともと中世に興味を持っていて日頃から、その手の専門書を趣味で読んでる」というレベルの知識量がないと書けません。

貨幣の価値や相場、変動の仕方、そういうのを知って物語に出すのはいいけどさ。
例えば狼と香辛料で「貨幣の相場」の設定が出てきたとき、それ何のエピソードで出てきた? うろ覚えではあるけど、確か現代で言う所のFX的な為替のエピソードじゃなかった?
つまり。
「貨幣の相場が関係する話題だから貨幣相場の設定が出てきた」ってこと。
で。
「これから作ろうとしてる物語は、貨幣相場が関係する話題だろうか?」と考えてみてくださいな。
もし「そうでない」のであれば、そもそもそんな知識を覚えるだけ無駄だし、書く必要もないんですよ。
「関係ない話題で、関係ない設定を書く」なんてどー考えても不要でしょ?
したら。
ようするに資料ってのは「関係ある設定の知識だけ知ることができれば問題ない」ので、「どういう物語を作ろうか」という「これから知るべき知識の選定」ができてないと、手当たり次第に調べることになり、どーにもなりません。

そういう意味でも、「適当なWebサイトを読んで、そこに書いてある内容だけで話を作れ」というのが適切でしょう。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: ファンタジーに必要な経済学の資料

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投稿日時:

元記事:アニメとラノベの心情描写の違いは何ですか?

例えばアニメにおいて微細な心情の変化を間や表情、声の調子などによって表現することはよくありますが、ライトノベルで同じことはできないでしょうか。

三島由紀夫の文章読本には確か「小説では心情ははっきり書かないと違和感を残してしまう」というようなことが書かれていたと思います。自分もそう思うのですが、しかしながらキャラクターの心情をいちいち描写していたのではいわゆる「そのまんま」になってしまってつまらないのではないかと感じました。

個人的には、拙いながら設定やキャラクター、ガジェット等に関する直接的な説明はなるべく省いて、外見的なものや印象を重視した作風にしたいと思っているのですが、どうにかならないでしょうか。

上記の回答(アニメとラノベの心情描写の違いは何ですか?の返信)

投稿者 手塚満 : 0

ご質問はいくつかの要素があるようです。要素ごとに少し説明してみようと思います。

多少長くなりますので、アニメを見るような文章表現が可能かといえば、ほぼ不可能ということになります。避けるのが無難です。ただし、多少近いものはよく行われていました(→4のハードボイルド文体)。

1.小説は心情をはっきり書くべきとの論

三島由紀夫の文章読本は読んでいないので、お示しの部分だけからになります。その言は「小説では『必要な』心情ははっきり書かないと違和感を残してしまう」と読んでおいたほうが無難ではないかと思います。

仰るように、キャラの心情をいちいち書いたら、ダレます。それどころか、心情情報の洪水に埋もれて、作者が読者に本当に伝えたい、キャラの心情の核心が伝わらなくなります。

2.アニメの得意とする表現を文章でできるか

不可能です。動く絵の得手不得手と、文章の得手不得手が相反するからです。動かない絵のコミックですら、文章でそのまま再現は不可能です。

絵は大変な情報量を持っています。例えば有名絵画「モナ・リザ」を全く知らない画家がいるとします。電話で言葉だけでモナ・リザの絵の特徴を画家に伝え、複製画を描いてもらえるでしょうか。考えただけで不可能であることが分かると思います。
(もっと単純な図形の実験で不可能性を調べた実験があったりする。)

しかし「モナ・リザ」に描かれた人物が何を思っているか、絵は何も伝えていません。謎めいた微笑、以上には分からない。人それぞれが想像するしかありません。

文章だとどうでしょうか。座って微笑んでいる○○歳くらいの女性といった外見描写は、読む人それぞれが想像し、おそらくイメージが一致しません。作者が思い浮かべた絵が言葉で伝わると思ったとしたら、幻想です。文章描写と絵的イメージを一致させようと思ったら、モナ・リザの絵を挿絵に使うしかないでしょう。そうでないなら、絵は読者の想像に任せるしかありません(音などの五感は全部、読者の想像にゆだねるしかない)。

しかし、座って微笑む女性が何を考えているか、どういう気持ちかは文章ならダイレクトに表現できます。気持ちを直接書かず、内心の愚痴などで間接的に表すこともできます。文章とは得手不得手が絵とは逆なわけです。

文章と絵の大事な違いはまだあります。コミックにせよアニメにせよ、同時に起きた複数のことを描けます。殴り合う2人の攻防(パンチを受け止める手とか)を同時に描き、さらに争いを止めようと飛び込んで来る3人目も同時に表せます。怯えて逃げる猫を画面隅にさりげなく配置することも可能です。要はパラレルに表現できるわけです。

文章だとシリアルです。殴りかかるA→防御するB→止めようと飛び込んで来るCと、順番に描写するしかありません。言葉的には「~しつつ」「~と同時に」と書くことはできます。しかし、読者は一語ずつ追って行くわけです。

「A」でキャラを想像し、「拳」で手を握ったと想像し、「繰り出した」で殴りかかる動作を想像します。続いて防御するBも同じような手順でイメージ、続いてCも同様に。全部読んでから「これらが同時だ」とイメージを調整します。同じ場面を描いても、絵とは効果が違ってしまいます。

文章特有なのが比喩だったりします。文章では例えば「悪鬼のような表情で」と

得意な手法を封じて、不得意な手法だけを使って、読者に伝わるように書けるかといえば、普通は不可能というべきです。できる人がいるとしたら、天才でしょう。絵を言葉で伝えらえるかどうか悩むようなら、とりあえず天才ではないと思っておくべきです。

3.アニメの表情表現はリアルか

声の調子については、声優さんの実力ですし、声優さんは人間です。実写と同じく、人間の表現力がいかんなく発揮されているでしょう。

表情については、実写に遥かに劣ります。アニメの絵は生の人間がそのまま写せる実写に及ばない。止め絵でも写真に及ばないのです。理由は情報量の差です。その代わり、絵は省略、強調、デフォルメを使い、写真・実写には出せない表現が可能です。

アニメだと、例えば目は極端には(><)みたいに描けます。あるいは文章表現「目が点になる」に取り入れられた、コミック発の表現(・・)があります。実写ではできない工夫です。しかしパターン化された、はっきりした特徴を打ち出しています。実写で「目をわずかに細めた」みたいな微妙な表情は、アニメやコミックではなかなか効果を出せません。

間はアニメ、実写とも効果的に使われていますね。これは作者・制作側が台詞や動作のタイミングを完全にコントロールできるからです。視聴者が「ちょっと待って」と叫んでも、映像は先へ進んでしまいます。

しかし絵で表すという共通点があるコミックでですら、同じようにはできません。読者が読むスピードをコントロールするからです。作者は読者がどう読むかは制御できません。ですので「……」などで間を表す必要に迫られます。

これは文章でも同じです。間は読者が決めます。作者は「……」や、明示的な「口ごもった」等の表現で読者を誘導するのが精一杯です。

4.客観描写主体のハードボイルド文体

しかし、天才でなくても近いことなら実際に行われています。ハードボイルドです。主人公がある種のタイプの小説等と思われることが多いですが(ハードボイルド主人公)、その主人公の印象を支えるのがハードボイルド文体です。ヘミングウェイが祖という説があるほど、古くからおこなわれています。

ハードボイルド文体では、心情を極力排して、客観的、写実的に描写に頼るのが特徴の1つです。例えば「彼女の言葉を聞いて、彼は心底怒った」とは書かない。代わりに「彼女が言葉を切ると、彼はテーブルを殴った」みたいに描写します。

写実面でいえば、キャラの思考、判断も書きません。例えば「霧の中を接近してくる敵がぼんやり見えた」とは書かない。代わりに「霧の中に見える影が大きくなっていく」などと描写します。「敵はまだこちらに気づいていない、先手を取るチャンスだ」とは書かない。「(主人公は)ニヤリと笑うと、銃を影へ向けた」と書く。

そういう書き方で効果を出すコツは、簡潔さやスピードです。描写は簡潔にする、つまり短くする。スピードは取捨選択で出す。読者の理解に必要な最低限にとどめる。心情描写でも必要なものだけに絞るのと同じです。

とはいえ、映像作品やコミックと同じような効果を出せるわけではありません。あくまでも、作者が見たままを言葉で描写するに留まります。映像や音は読者が文字からイメージ再生するのですから、映像を見せ、音を聞かせる作品とは異なるのは仕方ないことなのです。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: アニメとラノベの心情描写の違いは何ですか?

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投稿日時:

元記事:ラノベが異世界ファンタジーばかりなのはなぜなのか?考察スレ

私は以下のように考えています。

・リアルで成功する空想が誰にも持てない
・変化が早すぎて、現実を舞台にした作品は賞味期限が短くなる
・現実世界は複雑過ぎて、読者も作者も理解できない

ファンタジーはリアルと違って、成功できるし、変化がないし、単純だから良いのです。
なにより希望が持てるの売りだと思います。
進撃の巨人や約束のネバーランドのようなダークファンタジーでも、ファンタジーなら主人公が逆転できる希望が持てます。

逆に、闇金ウシジマくんのような現代日本を舞台にした物語は、どうしても重苦しく絶望的になります。
ウシジマくんの登場人物は、進撃の巨人や約束のネバーランドのキャラよりも、安全で快適な世界で暮らしていますが、彼らが逆転して幸せになることは、まず不可能なのが特徴です。

でも、エレンやエマなら、圧倒的な絶望にも押しつぶされないで、逆転できそうな気がします。

ラノベを読む読者は、楽しくすっかとする話、承認欲求を満たせる話を求めているので、逆転の希望が持てる異世界ファンタジーが王道となるのではないかと思います。

また、そもそも日本人は時代劇のようにワンパターンな物語が好きだという特徴があるのではないかと考えています。
例えば、水戸黄門で一度だけ印籠を出さなかった回があったそうですが、その時はTV局にクレームが殺到したそうです。
つまり、型通りの物語を求めている人が多いということです。

このため、なろう系のようにテンプレ化した異世界ファンタジーが求められているのではないかと考えています。

あなたのご意見を投稿いただければと思います。

上記の回答(ラノベが異世界ファンタジーばかりなのはなぜなのか?考察スレの返信)

投稿者 あざらし : 4 人気回答!

いろいろな原因が積み重なって応じた結果、その複数の結果が影響を互いに与えながら生まれるのが現在ですから、『原因はこれ!』というような話しはできませんが、有り体には『なるべくしてなった』という感じはします。

最近ちょっとマシになったようにも感じますが、特にアマチュア作品に偏りが見受けられますね。
これは非常に真似やすいのが原因にあると思います。
単なる読者がいうのも失礼ですが、異世界ファンタジーは(A:どんな人物が)(B:どんな世界で)(C:なにをする)この三点のうちAだけを取っかかりにして物語を作れますよね。
Bは異世界で基本部分が固定されてますし、CはAの依存関係です。
例えば職業で分けて(料理人・警察官・医者・ピアニスト)ちょっと慣れた人なら最低でも四つの物語の骨子がすぐにできると思います。高校生主人公なら職業を特技に変えるだけ。
あとはBの異世界を主人公にとって(それなりに)都合の良い世界にすれば大活躍できます。
おまけに取っかかりにするAはキャラクターのことですから、ラノベにもピッタリで掘り下げやすい。
本当に失礼な物言いですが、『とりあえず書いてみよう』というアマチュアに向いたライトに書ける題材だと思うのです。(言い方をかえれば、アマチュアであっても人気作品はこんなに単純ではなく+αや、更に捻られたりしているわけですが)

この『アマチュアが真似しやすい』『作り出している感じが味わえる』というのは、流行のプロセスのひとつSNS・インスタを代表に、ぶっちゃけネット全般から発生する流行タイプの特徴のひとつです。
ちょっと前にも、穴と雪の女王の主題曲に合わせる口パク動画、 ポッキーシェアハピダンス、直近にもU. S. A.ダンスがありましたが、アマチュアが発信する時代特有の流行タイプです。
ここで重要になるのは、ダンスはアナログ的行為である故に『真似ても全く同じにはならない』要するに発信者も創作感を味わえます。
プロ野球選手のバッティングを勉強するようなもので、いくら学んでも全く同じにならないがために、真似であってもその人なりのオリジナリティが多少なりとも出てきます。一方でデジタルというのは、そのままでは全く同じができあがってしまいますから、著者の思考というアナログの介入が不可避です。
本来はハードルがちょっと上がるわけです。
ところが前述のようにAを触るという行為でハードルがグンと下がります。
小説においては『真似しやすいけど、他者との違いも出せるという満足感』これが偏りの原因になっているように感じます。

ここまでをちょっと掘り下げてもうひとつ、時代背景が強く後押ししているようにも思います。
異世界ファンタジーものの流行発端は、おそらく【ヤマグチノボル著:ゼロの使い魔】のアニメを含む大ヒットでしょう。
もちろん本作以前より異世界ものはありましたが、現在の潮流、スタンダードとしての影響が非常に大きい。
確認したところ1巻の発売が2004年、アニメの第一期が2006年、二期2007年、三期2008年、四期2012年になっていました。

で、ですね。
ネット上の小説投稿サイト、歴史そのものはパソコン通信と呼ばれていた時代ですが、敷居が低くなったのは現在でも草分け的な存在の『小説家になろう』だと思います。『小説家になろう』ですが、個人サイトとして始まったのが2004年。2008年にグループ化、2010年に法人化と成長しています。
成長したという事実が示すのは、アクセス数が増加したということで、サイトの特色からして”それより以前に”投稿者として名乗りをあげたアマチュア作家が増えたということです。
ほとんどゼロの使い魔と一緒に成長してる形になってます。
全ての原因だとは口が裂けても申しませんが、ちょっと影響を無視するのも辛いように思うのです。

前述の【ゼロの使い魔】のあらすじですが、主人公がある日突然異世界に召喚されてしまう。召喚したのは落ちこぼれ魔法使いの少女。でも実は非凡な才能を持つ。
と、現在も手を変え品を変え繰り返されている”異世界ファンタジー”の王道パターンですね。

おそらくですが、
a1)ゼロの使い魔を(観た・読んだ)人がインスピレーションを刺激される
a2)自分でも書いてみる
a3)往々にして、ゼロの使い魔そっくりの物語が完成する
a4)出版社公募に応募する
a5)評価されなかった
a6)小説投稿サイトに公開してみる
所々すっ飛ばしたりもあるでしょうが、初期はこんな感じの人も多かったのではないでしょうか。

ところが小説投稿サイトに公開する人が多くなる(分母が増える)と、元々地力の高い方や本当に面白い小説を書く人も出てきますし、執筆が面白くなり公開を繰り返すうちに上達する人も大勢でてきます。
a7)ランキング上位になり注目される
と、いう成功パターンが出てくるわけですね。

この a7)の中に『ゼロの使い魔に影響受けまくり小説』も結構な数が含まれていたように思うのです。

更に時間を進めると、
b1)インスピレーションを『a7)投稿サイトの公開作品』から得る
b2)自分でも書いてみる
b3)往々にしてインスピレーションを受けた作品に似る
b4)投稿サイトに公開してみる(人によっては新人賞に応募)

この時点で【ゼロの使い魔】を読んでいる(観ている)かどうかは無関係になってます。
ただ、源流が同じ川、そこから発生した支流である限り、どうしてもb1)に似た話、意識せずともa1)に似たものになります。ある意味、アマチュアの宿命的傾向。
『影響下にある小説』ですね。
同じ川の支流なので水は変わりませんし、ましてやアマチュアの方は趣味である以上、本人が楽しむのが第一義。
『他の作家が書いたから、意地でも似た話は書かない!』なんてプロ根性を出す必要もありませんし、またそれで全く問題はありません。
小説以前に著者がライトです。(一応書きますが悪意も否定意思もありません。実際、私もアマチュアの方が書いた小説も好んで読みます。趣味ですから著者がライトに楽しもうが、それは本人次第です。楽しまれているのが一番)

さらに【川原礫著:ソードアート・オンライン】のヒットも後押しをしたように思います。
またa4)やb4)でプロとしてデビューする人もいたでしょうし、さらにそれを参考にして書く人も増えたと思うのです。
おまけに近年Web系で注目を浴びた作品は、出版社が目を付けて書籍化してますよね。
個人的には率直に出版社のだらしなさも感じてしまうのですが、ある種すでに売れているものを売っている状態です。
歯に衣着せぬ物言いをすると『数が多い=読者が望んでいる』という勘違いすら一部にはあるように感じてしまいます。

ただ、こういった流れは出版社そのものが危惧しているとも思います。
ちょっと前にカドカワがNOVEL 0の募集要項に『異世界転生以外・成人男性主人公』を入れたことで話題になりました。
私のような執筆しない単なる読者でも情報がはいってくる程度には注目されたわけです。
出版社も少なくとも大人の読みものを売りにする、ラノベレーベルカラーに添える条件に異世界転生は不要だと判断しています。
大手各社はWeb系のレーベルを独立したものに変えていますし、なによりコミカライズという展開にかなり積極的になっています。
一昔前の『とりあえずコミカライズしました』というような稚拙な作品が少なくなり、実力のある漫画家がコミカライズ担当をするようになってきています。
現在アニメ放送中の【蝸牛くも著:ゴブリンスレイヤー】のコミカライズなどは良い例ですね。

>ラノベが異世界ファンタジーばかりなのはなぜなのか?

これはもう『毛色が違う』『真似しやすい』このふたつを満たす大ヒット作が生まれていないからではないでしょうか。
大ヒット作に前述の【ソードアート・オンライン】がありますが、これもゲーム内という異世界が舞台。
【化物語】【とあるシリーズ】他にも大ヒット作は色々とありますが、(冒頭のABC)骨子の一部を変化させるだけでは物語になりませんし、真似る部分を増やすほどに丸パクリの印象に近づくので真似にくい。

こういった直接的な影響ではなく、作品をかみ砕いて咀嚼し、肉になった部分から創作する『プロ作家』『現アマチュアであっても本気の人』が次の大ヒット作を産み出すはずです。
Web系小説はロジックとして『流行に強く影響を受けた著者』が多数生まれますから、アマチュア著者があきるまではこの現象が続くと思います。
プロ作品は『あえて離れる、新境地を模索する』というのが主流になってきているように感じます。まぁこれは当然ですね。
実際売れている作品を見るとBook Walker、Reader Store、BookLiveこれら電子出版系の上位作品にも異世界ものは多いですが、それ以外もちゃんとあり多様性は(ギリギリ)保たれていると思います。
ざっくり書きましたが、なるべくしてなったのだろうと思います。

カテゴリー : 流行分析(なろう研究) スレッド: ラノベが異世界ファンタジーばかりなのはなぜなのか?考察スレ

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