お世話になっております。大野です。
先ごろ、以前応募したGA文庫大賞の選評が返ってきました。
その中で少し、『自力での解決が難しそうだな』と思えることが有ったので相談させてもらいたいです。
よくある異世界転移ものに対するメタギャグみたいなところを狙った作品だったのですが、
曰く、『すべてのキャラが『緩い』言動をするために、主人公たちの「お気軽さ」みたいなものが、今ひとつ目立たなくなってしまっている。』
曰く、『ちょっと勢いだけで書かれてしまったように感じる箇所も多く、決めるときは決める、という感じでもう少し緩急をつけたほうが面白くなるのではないかと思えた。』
曰く、『緩急というか文章的な、シーン的なタメが描けると、作品に深みが出て良いのでないかと思います。』
とのことで、自分でも前々から気になってはいたのですが『シリアスな場面・会話』と『コミカルな場面・会話』の作り分けが上手くできてないなァ、ということを痛感しました。
プロットそのものをギャグに全振りする、と言うやりようもあるのですが、個人的には『逃げ』に思えてしまい、相談するに至りました。
聞きたいこととしては大きく二つ。
①地の文でシリアスシーン、ギャグシーンを演出するときにわかりやすく切り替えに使える技法・構成の仕方。(一人称・三人称どちらでも構いません)
②緊迫した場面で使っちゃダメなセリフ回し、シリアスorギャグに振る時にわかりやすい語彙。
まぁ、『わかりやすい』と言っている時点で安易な手段に頼ろうとしてる気もするのですが。以上二点、ご教授願えれば嬉しいです。
選評のほうは全体的に緩急について指摘されてると思うのだけど、空気の作り方でいいんだろうか、と思ってしまった。
それと、
> プロットそのものをギャグに全振りする、と言うやりようもあるのですが、個人的には『逃げ』に思えてしまい
長所を伸ばすことは逃げではないと思うよ。
苦手に挑戦ないし挑戦から逃げると考えるのであれば、挑戦することこそ自分の土俵でやるべきで、すなわち長所を活かしたほうが良いと思う。
>①地の文でシリアスシーン、ギャグシーンを演出するときにわかりやすく切り替えに使える技法・構成の仕方。
選評の1個目に絡んでくる事だけど、「そういうキャラ」を設定するのが良いと思う。
例えば古いラノベで「魔術士オーフェン」というファンタジーがあるのだけど、本編はかなりシリアスで設定だけ見るとドロドロなとこがあったりする。けど、そんな本編に出てくる「コミカルなキャラ」がいて、それがまあいい塩梅に主人公をギャグに寄らせるんだよね。
だから、シリアスなキャラが登場せずギャグなキャラだけで構成された外伝は、まあ本編も割と笑えるとこあるんだけど、本編以上にギャグ満載だった。
この「魔術士オーフェン」から学べるのは、「キャラに合わせる」って事じゃないかなと思う。
ギャグはギャグキャラにしかさせない。そうすれば、「そのキャラ」が登場すればギャグだとわかるし、シリアスなシーンでも「そのキャラ」ならギャグが許される。
すなわち、選評にもあるけど「すべてのキャラが緩い言動をする」というのが問題で、そしてそこが改善されれば、あとは「登場させるキャラを選択する」ことでギャグシーンとシリアスシーンの切り替えの演出になるし、キャラクターによってメリハリがつくので緩急を作ることもできるようになると思う。
>②緊迫した場面で使っちゃダメなセリフ回し、シリアスorギャグに振る時にわかりやすい語彙。
これは難しいようで簡単で、簡単なようで難しいと思う。
というのも、「シリアスな場面でもふざけちゃうキャラ」という設定の場合どうしますか、って話になっちゃうと思うんだよね。
「この場面はシリアスなんだから、こんなギャグ的なセリフまわしはダメだろ」って言うのは簡単なんだけど、じゃあ「そういうキャラはどうすんの?」って話。
場に合わせたTPOをわきまえたセリフまわしをすりゃいいんだけど、そんな常識的な問答は面白くないし、それこそ「ギャグキャラなのに普通の回答」じゃあ、大喜利で普通の回答しかしない芸人みたいなものでしょう。変な回答してスベったほうがマシ。
極論、ダメなセリフ回しというのはないと思います。シリアスなシーンでも笑いを狙いに行くのは「そういうキャラ」なら別に何も問題ないと思う。
ただ、ここでも選評の一個目(と①への回答)が絡んでくるのだけど、
「そういうキャラ」がギャグをするのは問題ないのだけど、そのギャグに対して「シリアスキャラがのっかる」のはどう考えてもNGだと思う。
でも、別に侮るわけではないけど、慣れない人はほんとすごいよくやると思う。
ギャグキャラなど主要メンバーが「場の空気」を笑い方向に持ってく言動をしたりするわけだけど、そのノリに「ギャグキャラではない他のキャラ」まで巻き込んじゃうんだよね。
まあ自分にも苦い覚えがあるのだけど、作者としては「ギャグのセリフ」に対する受け答えとして書いてるだけだから、なんの不自然さもなく、かえって上手く返せたとか思ってるんだけど、そもそも「ギャグのセリフ」に「シリアスキャラがまともに受け答えちゃダメ」だよね。
「魔王の横にある紐は、引っ張ると床が開いて無能な部下を奈落の底へ……といいうヤツだな!」
「いや。そのようなものではない。これはカーテンの開閉の紐だ」
とか、アホに関わったら相手までアホに見られちゃう。
じゃあコレどう返すべき? 魔王は相手の言葉を無視して話を続ける、というのがベストアンサーだと思うけど、毎度毎度そういう反応を続けるわけにもいかないでしょう。
なので、難しそうで簡単で、簡単だけど難しい。と思う。
ギャグキャラ自体、シリアスシーンでギャグのNGは基本ないと思うし、ギャグに振ったりする事自体はギャグキャラの性格次第だけどギャグキャラに任せりゃいいと思う。
けど、問題はその反応をどう書くか、だと思う。これが意外と難しくて、簡単にのっかると面白い受け答えになるかもしれんけど、「ボケ(ギャグキャラ)」と「ツッコミ(相手キャラ)」にしかならんので、総合して「相手キャラ」のキャラクター性を殺してるに等しい。
残忍なキャラが、ギャグキャラの主人公に追い詰められて笑いの問答をしてたらおかしいじゃん?
でもそうすっと、「相手の返答」に困るために「ギャグキャラの言動」も割と制御しなきゃならない。
シリアスの中でのギャグってのは、このように難しいようで簡単で、簡単なようで難しい。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 『空気』の作り方。
この書き込みに返信する >>
こんにちは。
考えてもネタが出てこない時はどうすれば良いですか?47話がただ試合するだけになってしまいます。
アドバイスよろしくお願いします。
六角恋子しか読んでいませんがドラマと謎と弱点ですかね。例えば、
元女子競輪選手のおばあさんが当時使っていたサイズのあわない靴を履くことにこだわるあまり、六角恋子はタイムが伸びない。(弱点)
六角恋子がおばあさんの靴にこだわる理由、周りからは理解されない。聞いても教えてくれない。(謎)
→→(物語が進み、弱点と謎が解消される)→→
サイズのあう靴を履けとマリアが不満を募らせる、六角恋子と周囲の関係がギズギズする。
ある練習後、六角恋子が夜に一人で練習しているのを見つける。
世間話をしたが、肝心のなぜ靴を履くのかについては教えてくれなかった。
次の日から六角恋子が部活練習を休みがちになる。
六角恋子が放課後になると病院に行くのを知っていた(理由:世間話のときに)、病院の前で待ち伏せする。
病院から出てきた六角恋子からおばあさんの体調がよくないことを聞かされる。
数時間後、おばあさんと話しをしたマリアが六角恋子を叱る。
六角恋子がおばあさんの靴をロッカーにしまう、そしてみんなが選んでくれた新しい靴を履いて練習に参加するようになる。(弱点と謎を解消した、六角恋子のドラマが一段落する)
これらは考え方の参考例ですので、こうしろなどと言うつもりはありません。
ちなみにドラマと謎と弱点は、登場しているすべてのキャラに使えます。
はじめて読んだ頃よりも読みやすく、流れがスムーズになっていて驚きました。もし今の文章で1話から書かれていれば、マリアが読みたくてやってくる固定ファンもつくのではと思います。ちゃんと面白くなっています。だからといって1話から書き直すことについては、賛成できませんが……何を選ぶかはその人の自由です。
楽しんで書くのが一番だと思います。
カテゴリー : ストーリー スレッド: ネタギレで書けなくなりました。
この書き込みに返信する >>
ええと、タイトルの通り、悪の組織のアジトで幹部と連戦するのですが、バトルバトルバトルバトルの連続で読者も作者も飽きてしまわないかひやひやしています。
ちょうど、主人公のライバルキャラが、形式的に二重スパイをやっていて潜入中です。しかも彼は、幹部組織レベルの重鎮になっています。
なので、彼と破仁のネルサをぶつけて、彼を勝たせれば一人減るし、咬ませ犬をつければ箔がつきます。なので、少しはましになる予定ですが……。
それでも、特に最近は、バトルばかり書いているので辛いです。
箸休めに別の魔術ものを書いているのですが、そちらも手につかず、ほとほと困り果てています。今やっていることと言えば、以前書いた原稿を、相棒と一緒に改稿することぐらいです。ですが、今月末には受験勉強が始まるらしいので、改稿は中断されます。
となれば、あとはやることがないのです。もうこうなったら、本編の制作に取り掛かるしかない。
僕自身、空手を十年間やってきた経験上、戦闘というものに対してこうなったらこうなる、あれをされたらこうすればいい、というロジックが大体理解できます。しかも、リアルに、克明に。フィクションの余地が狭まるくらいに。
あまりにもぶっ飛んだバトルが書けないのです。書くとどうしても嘘くさく見えてしまう。だから、表面上でどんな異能力を出しても、最後は組討ちか、急所を突いて打倒するか、威力が極めて高い打撃で軽く吹っ飛ばすか、になってしまいます。
バリエーションはあれど、現実基準なので、非常に地味です。
こうなってくると、カンフー映画っぽい方向性で行くしかないんですよね。それがつまらない。魔法もあるけど、どうしても実在の武術を使っているから絡めにくい。
花招という中国語が差す通り、花のように派手な招(わざ)というのは、えてして見掛け倒しで弱いものです。突きや蹴りを繰り出された瞬間に、いきなり自分から進んで地面に倒れ伏し、起き上がって足元から奇襲をかけるなんて芸当をするのは、実在の酔拳くらいのものです。それだって、見た目は奇妙でも確かな技術の上に確立している技です。
空手の胴回し技ってご存知ですか?例えば、前転した勢いを使って相手の腹に突きを見舞う『前転胴回し突き』とか、空中で回転しながらかかと落としを見舞う『前胴回し回転蹴り』とか。あれらは、そもそも極真派が創作した邪道技です。しかも、外すと隙が非常に大きい。威力一極集中のピーキーな必殺技です。
これだって、当てられる状況下に自分が置かれているかを判断する冷静な洞察力が求められます。受けを狙ってやっているわけではありません。
言ってしまえば、「雷魔法で、電光石火キーック!」なんてことしなくても、熟達した格闘術があれば、そんな強化なんていらないんです。
いえ、加速に加速を掛けるという意味では非常に有用ですが、白けます。
今のままでも、いいっちゃいいんですけど、バトルがつまらない。
どうしたらいいですか。
あぁ、うーん……思ったより深刻なお悩みですね。
>僕自身、空手を十年間やってきた経験上、(中略)あまりにもぶっ飛んだバトルが書けないのです。
うん、そうなんよね。
私の場合は逆に創作の参考になればと思って噛じったニワカなのだけど、剣道と柔道と合気道をやった。
私は「武道」というモノの特徴と、その精神のサワリだけでも学べれば良かったのであまり強い影響はありませんが、でも、やっぱ「常識として知ってること」を曲げて書くことは難しいので、影響を感じる部分はあります。
例えば柔道と合気道で共通する「受け身を取る」という部分では、道路などコンクリートの上で受け身も知らん一般人に技をかける、というのは普通に考えて有り得ないと思うんで、そういう場面は書きにくいですね。
ま、武道と関係なく身近なことで例えると、リアルに姉や妹がいる人は「姉萌え」とか「妹萌え」とか絶対理解できない、というのと似てる。
「姉・妹」というのはそういうキャラクターの記号ではなくて、肉親の記号として理解してしまうので、これで萌えることが出来ないんですよね。
私の場合は姉がいるので、姉萌え系のサブカルは全て受け付けない。
なので、私は姉萌えなジャンルを書くときは心を殺さないと書けないです。
ほんで、それと同じ話になるなと思ったので、わりと深刻な悩みかな、と。
でも、これは端的に解決法を言えば案外単純な話で、コツをつかめばいけるんじゃないかなとは思います。
というのも、例えば「喧嘩商売」というまあリアル系の格闘漫画があるのですが、わかりますかね。
でなくともヤング誌の格闘漫画というのは割とファンタジーに寄ることが少ないかと思います。
この「喧嘩商売」にて有名な技は「煉獄」と「金剛」ですが、ぶっちゃけむちゃくちゃカッコいいです。
この作者、本当に内容皆無のギャグマンガ書いてたあの人か、って思うくらい凄いカッコいい。
喧嘩商売でもギャグ回があったけど、それが余計なものに思えるくらい、本筋の格闘シーンがかっこよかった。
で。お悩みの本題に戻るけども。
「喧嘩商売」は別に気功波を撃つようなファンタジーではないし、能力も出てこないし、比較的リアル系に寄った格闘マンガ。
嘘は書けない、現実に寄るので地味、だとすると「喧嘩商売」の面白さを説明できない。
まあ、喧嘩商売が実際にリアルであるという話ではなく、現実に可能かという話でもないのだけど。
ともかく、じゃあなんで「喧嘩商売」は面白いのって言うと、これ、単に「派手に見せてる」だけなんですよね。
例えば主人公が「金剛」を覚える場面では、敵3人に囲まれて「金剛を使って凌がなきゃ殺されるぞ」という状況下でなんとかものにした。
例えば「煉獄」を覚える場面では、「煉獄には秘密があって~」とその秘密を解き明かし、公式戦で秘匿の技である煉獄を使ってみせる、という演出があった。
これ、「その演出がなんなのか」って言うと、すなわち「金剛」や「煉獄」は「こんなに凄い技なんですよ」というアピールの演出なわけです。
一方、ファンタジーの能力は、その能力だけで派手さがある程度わかるので楽ですが、リアル系ではまず「こんなに凄い技なんですよ」ということを演出しなきゃならない。
別に「煉獄」のようなそういう特殊な技がなければならないってわけではないけど、すなわち「そういう演出」が出来ると、あとは「能力者の派手な戦闘」と同じ話になるわけですよ。
それと、大事なことだけど、そもそも「戦闘」というのはドラマを彩る道具なわけで、戦闘シーンは戦闘自体が目的ではないです。
なので、戦闘が続いて単調と感じる場合、それはそもそもドラマのほうが単調になってる可能性大です。
例えば、恋愛小説は恋愛がテーマなので恋愛ばっかしてても問題ないです。そういう話なんで。
戦闘モノは、戦闘を通してのドラマなので戦闘が続くこと自体は問題ないはずなんです。
喧嘩商売を例に上げましたが、戦闘と戦闘の合間にあるギャグ回がすんごい邪魔だった。ギャグマンガなのか格闘漫画なのかはっきりして欲しいと思いながら読んでました。
まとめると、
能力系のファンタジーは「派手さ・凄さ」が単純にワードだけでわかりやすいけど、リアル系に寄ると、まず「その凄さとは何か」をアピールしてそういう演出をしなけりゃならず一手間かかる。
けど、演出さえしっかりしてれば基本的には能力ファンタジーと大差ない。
そして、そもそも戦闘シーンに内容があるかどうか。そのドラマはしっかり作っているのか、そのドラマのほうが単調になってるんじゃないのか。
という感じです。
んでも、まあ、口で言うのは簡単なもんで、作者の頭の中に「空手とはこういうもの」という「一般常識」が出来上がってるので、これに逆らうことは非常に難しく、実際けっこう深刻だなと思います。
余計なこと言うと、「障害」についてもおそらくそのケがあると思う。
いっぺん離れて、フラットに考えればいいんだけど、それもそれで、簡単にそれができりゃ苦労はねえわなって話ですよね。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 連続バトルで単調にならないためにはどうしたらいいですか?
この書き込みに返信する >>