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新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎるの返信

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新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎる(元記事)

こんにちは。らっこと申します。
みなさまの過去の回答を拝見していたところ、一巻あたりのキャラクター登場数は五人あたりが適当というご意見が多かったように思います。

今書いている小説で、舞台設定のせいで必然的にキャラクター数が増えてしまい困っております。

例えばの話ですが、アイドルグループが四つあり、それぞれのセンターがメインキャラクターとなる話があるとします。それらのグループが一堂に会したところで殺人事件が起き、犯人探しが始まるとします。そうすると、グループのメンバーが全員名有りキャラとして登場しなければ不自然です。

しかし適度な設定はそれぞれのキャラにあっても、焦点を当ててプロットに組み込んでいるのはメインの数人だけです。
商業作家の新人賞を受賞したラノベを参考にすると、やはり名ありキャラクターでさえ十人以下というのがほとんどだと思います。

こういった場合、みなさまならどうやって読者側の混乱を防ぐのか、アドバイスをいただけると助かります。

新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎるの返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 0

ご質問文中で気になるのが、

> そうすると、グループのメンバーが全員名有りキャラとして登場しなければ不自然です。

の一文です。「読者側の混乱を防ぐ」ということは意識していらっしゃるものの、もしかして作者の視点と読者の視点の取り違えがわずかにあるんじゃないかという気がします。以下、そういう観点で申し上げてみますが、大ハズレの可能性も大ですので(なにせ読者側を意識されているので)、違うとお思いになられましたら、スルーなさってください。
1.作者が考えるべきこと

まず作者側の観点から。

・各グループ全員の名前は設定されていなければならない。
・各グループ全員の外見的特徴も設定されていなければならない。
・各グループ全員の性格も設定されていなければならない。
・各グループ全員の経歴も設定されていなければならない。
・各グループ各員について、他のキャラとの関係性(最低でも仲がいい/悪い/普通)が設定されていなければならない。
・各グループ全員について、描写されていないときの行動・言動を想定しておかなかればならない。
・それ以外にもいるはずのモブキャラ(全く登場しないけど、道行く人々、バス停で待つ人々等々)の行動・言動が想定されていなければならない。

列挙しきれませんが、おおまかにはこんな感じだと思います。これくらいの想定、設定はしておかないと、細部で矛盾が出てリアリティを損なう、ストーリー進行が無理矢理になる等の弊害が出る恐れが高くなります。

2.登場しないが存在するキャラは制御できない

登場もしない人物を考慮しておくなんて、おかしいと思われるかもしれません。ですが、例えば次のようなケースが考えられます。

「あるキャラが都心の駅で飛び込み自殺をした。そのキャラが自殺かどうか、現場を目撃していない他のキャラには分からず、そこが話の焦点となる。」

これは単純にやるとあり得ない状況設定になります。まず電車の運転士が見ています。事故処理もされます。都心の駅なら電車待ちの乗客もいるはずです。目撃するでしょうし、事故処理でダイヤの乱れも起こります。今はスマホとネットは当たり前で、下手すると写真、動画付きでSNSなどに即座に流されます。そうでなくても、警察も一応は調べますし(他殺かどうかは重要)、警察発表も少なくともマスコミにはあるでしょう。

自殺キャラの死の謎が上手く設定できたりすると、つい常識的に考えて起こり得ることを忘れがちになります。描写しているキャラだけ考えていると、そういう抜けが生じるわけです。回避するには、他人に知られなくて当然な特殊な状況を設定するのが普通でしょうか。もしくは、描写されるキャラが極めて目を引く、話運びがスピーディ等で状況のおかしさを気づかせない。

3.新海誠監督は上手い

うまくごまかせている例では、アニメ「君の名は。」を挙げたいと思います。個人的には好きな作品ではありません(新海誠作品はおおむね同様)。が、大変な人気、ヒットですし、一部から指摘されたのは劇場公開版で彗星の軌道がおかしかったことくらい(劇中のTVニュースなので、劇中の局の間違いといえなくもない)。

ですが、大嘘もあります。1つの村を全壊させ、死傷者多数の隕石落下があって、3年後に主人公含め、大多数の人が忘れているか、気にもしていないらしいことです。現実であれが起こったと想像すると、ちょっとあり得ない状況です。現実に隕石落下で大被害が出るんだ、滅んだ村は○○だ、今後の観測・落下予想・防止・避難はどうするんだ、となっているはずです。

フィクションにおいても同様です。描いていないキャラは制御不能です。当然ですよね、書いてないんですから。読者/観客が「こうなるはず」と想像し、作者は介入できません。ですが「君の名は。」では、主人公の男女の目まぐるしい入れ替わり、次第かつ急速に深まる交流、3年前の危機回避等で、うまく覆い隠して気にならなくさせています。観客がどこに注目するか、うまく誘導しているわけですね。

ですが、登場しないモブキャラの自然な動きを妨げるには、「君の名は。」レベルの巧妙さが必要とされるわけです。新海誠監督は劇場版初作の「ほしのこえ」でも、例えば「なんで携帯メールが宇宙まで届くの?」という点をうまくごまかしています。観客が観たくなるポイントを、主人公男女の交流に上手に持っていっている。たぶん、そういう操作が上手い方なんだと思います。

しかしめったにできることではない、あるいは特殊な才能が必要です。やはり、描かれていないその他多数はよくある行動をすると想定して、話作りをする必要があります。ですから、上記のような数多のことを考えておかねばならないわけです。書いてあることだけの整合性だけではいけません。くどいうようですが、言葉を変えて申しますと、作者が全世界の全状況を把握していないと、矛盾、無理矢理が起こります。結果、読者は失望します。

4.読者は楽して楽しみたい

一方、読者はどうか。楽して読めてきっちり分かりたい、文章にささっと目を走らせて面白がりたい等々ですよね。苦労して読み解くとか、キャラ名や設定を暗記するとかはやりたくない。少なくとも、作品や作者のコアなファンになってないうちは、楽して楽しませろ、でも読み終えたら忘れちゃうよ、です。

多数のキャラにいちいち名前出されたら、読んでいられません。楽したいのが本音の読者とて、内容を理解しないことには面白がれないことくらいは分かる。だから、出てきた名前(や固有名詞、設定等)は覚えておこうとします。だけど主要キャラ以外には名前が必要ではなかった。するとガッカリします。覚えた努力が無駄、徒労だったと知るからです。読者としては、だったらモブと分かるように書いといてくれよ、になります。

創作で楽しいポイントと、鑑賞で楽しいポイントは重なってはいません。作者はキャラ作りや設定作りは楽しいのが普通です。だから、せっかく考えたことは、全部書いておきたくなる。ですが、読者としては迷惑です。作者が何に面白がったか知りたいわけではないですから。読んで面白いものを見せて欲しいわけです。作者の努力なんか知ったことではありません。

ですので、作者が物語について考えた全容のうち、ストーリー理解に必要な最低限のことだけをチョイスして書く必要があるわけです。100考えたうちから1だけ選ぶ、みたいなことですね。

5.(結論)膨大に設定して必要最低限に書くべき

名前に戻って申せば、各グループのメンバー全員に名前がなければ不自然だが(作者視点)、どうしても読者に名前を伝えなければならないキャラだけ、名前を出すようにしないと読めるものにならない(読者視点)、ということになります。

5.(参考)キャラ数と複雑化

A、Bの2人しかいないシーンですと、キャラの関係性はA-Bの1種類だけです。そこへCが加わって、3人になったらどうか。A-B、B-C、C-Aだけではありません。1対2の関係性もあり、A-(B, C)、B-(C, A)、C-(B, A)の3種類もあります。合計6種ですが、全員のA-B-Cも考慮すると7種類。会話メインのシーンなどで、キャラ関係の複雑化で進行がややこしくなったりします。

幾何学的に申して見ますと、キャラ数がn人だとすると、正n角形の辺と対角線から1~nを選ぶ組み合わせ総数、みたいなことです。キャラが1人増えるだけで、あり得る関係性は急上昇していきます。

作者が比較的楽に制御でき、読者が楽に読み進められるのは3人以下ではないかと思います(3という数字には一応の裏付けはあるけど割愛)。5人登場しても、実質的に3人以下となるよう、整理して書くべきではないかと思います。

仮に5人という数字に意味があるとすると、以下のような分類があるからかもしれません。物語には以下の性質のキャラクターが登場するそうです。

・プロタゴニスト(主役:主人公&ヒロイン等)
・アンタゴニスト(敵役、悪役)
・コーザリスト(コンフリクトの原因を解説するキャラ)
・モラリスト(あるべき状態、理想を説くキャラ)

これで5人ですが、4種になります。コーザリストとモラリストは1人のキャラが兼任することも多いので3種。

このことに加え、キャラが全行動を描かれるか否かがあります。主人公は全てを描かれるべきキャラです。主人公以外のキャラは必要なときだけ描かれます。主人公以外も生活すべてが作品世界内にあるんですが、決して全部は描かない(もし全部描く必要が出たとしたら、そのキャラは主人公にするか、加えるべき)。

その他にも整理、分類の方法はあると思います。要点は、整理して実質3人以下にすることはできるし、すべきだということです。単純なキャラ数カウントではなく、実質的には何人かを意識したほうがいいと思います。
(3以下というのは、アイテム、特徴等についても当てはまるが割愛。)

カテゴリー : キャラクター スレッド: 新人賞に出すつもりの作品のキャラクター数が多すぎる

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