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自分ではそれなりに面白いと思って書いたのですが……。の返信

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自分ではそれなりに面白いと思って書いたのですが……。(元記事)

執筆初心者です。
「ちまちま書いてても人の意見を聞かないとわからないことってあるよね」とろくにストックもない状態で見切り発車的になろうに投稿したのですが、予想以上に感想や意見がもらえません。
自分のネーミングセンス・タイトルセンスがひどすぎることはよく理解していますし、初心者なのでPV数が少ないことにも文句はないのですが何も言ってもらえない、というのは流石に応える者があります。
どうやったら感想・意見をもらえるようになるでしょうか?
あと、悪質な宣伝と言われそうですが……。
一応僕の作品のURL張ります。
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n9425fz/

自分ではそれなりに面白いと思って書いたのですが……。の返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 2

一応、最後まで目を通してみたんですが、どうにも笑えません。きつい言い方になりますが、独りよがりのイタさが感じられ、いわゆるオヤジギャグの類みたいにになってしまっているようです。

オヤジギャグを聞かされるって、ときおり経験しますよね。ギャグ自体は陳腐なのに、ギャグを飛ばした(つもりの)本人は言い終わる前に笑いだし、言い終えるやギャグの説明を始めて、とどめに「な、面白いだろ?」と駄目押ししてしまう。

そういう押しつけがましさとテンポの悪さが、残念ながら御作にもあります。作品から引用して説明してしまうと、作者特有の現象(断片からでも全体を一気に想起して笑えてしまう、作者は読者より20倍くらい面白く感じるイケア効果等々)が生じて、分かりにくくなるかもしれません。思い付きの文例で説明してみます。

次のようなシーンを考えたとします。説明用サンプルですので、実際には可笑しみが足りないことはご容赦ください。

―――――――――――――――――――――――――
 太郎は花子に誘われるまま喫茶店に入り、注文したコーヒーが席に運ばれた。
「ねえ太郎、あたしとつきあってよ!」
 太郎は口元へ運んだ砂糖入れをじっと見つめていたが、やおら元の場所に戻し、改めてコーヒーカップを掴んだ。
「そそ、それってうわちゃちゃちゃ!」
―――――――――――――――――――――――――

この後、コーヒーが花子にかかったりと続く、という想定です。このシーンが仮に自分(作者、私)にはとても面白いと思えてしまい、読者にしっかり印象付け、シーン内容も間違わないようにと、変な欲を起こしたとします。たぶん次のように書きそうです。

―――――――――――――――――――――――――
 俺は花子に誘われるまま喫茶店に入り、隅の空いたテーブルについた。花子は我が高校一とまでは言わないが、少なくともクラス一の美少女だ。俺は少なからず緊張してしまう。
 そこへウエイトレスがやってきて、注文を聞いてくる。ウエイトレスもなかなかの美人だが、相当年上だろう。
「えーっと、僕はコーヒーで」
「じゃあ、あたしも」
 やがて注文したコーヒーが席に運ばれてきた。ちぇっ、さっきのウエイトレスさんじゃないや。なんてことを俺が思っていると、花子が急に真面目な顔になって話しかけてきた。
「ねえ太郎、私とつきあってよ!」
 緊張していた上に意外な告白を受け、俺はすっかり慌ててしまった。コーヒーを一口飲んで気を鎮めよう思ったが、間違えて砂糖入れを掴んでしまい、口元まで運んでから、ようやく気が付いた。
 砂糖入れを場所に戻し、改めてコーヒーカップを掴んだが、緊張で手が震えてしまう。
 だけど、俺ってこういうこと以外なら決して慌てない男なんだぜ? そこんとこヨロシク!
「そそ、それってうわちゃちゃちゃ!」
 うっかり熱いコーヒーを手にこぼしてしまい(略)
―――――――――――――――――――――――――

ダメな方向へ改稿したことがお分かりと思います。他人が書いたものだと、そもそも面白いと思えないこに加え、くどくど書かれるとイラっとさえ来ますよね。一読者の私から見た御作は、上記悪文ほどとは言いませんが、同じような傾向が見て取れるように思います。

一つひとつのギャグ、コントを選りすぐりの面白いものにしようと思っても、普通は無理でしょう。世の中、数多のコメディアン、お笑い芸人がいて、日夜ネタを練っているわけですが、多数の観客に大笑いしてもらえるのはごく少数です。よく受ける芸人とて、ネタが全て笑ってもらえるわけではありません。

ではどうするか。モノクロ映画時代のコメディアン、例えばバスター・キートンなどですと、次々とギャグを繰り出します。最初はなかなか笑えない。ですが、どこかでクスリと笑えて、以降は次第に笑う頻度が増え、しまいには何を見ても笑ってしまうようになります。

もし1つのギャグシーンをカメラ角度を変えて繰り返し見せたりしたら、笑えるようにはならないでしょう。ポンポン繰り出し、そのスピード、展開の速さに付いて行くのが大変くらいだからこそ、次第に笑えるようになるわけです。言い換えれば、観客がコメディアンを追いかけ始めたら、しめたものということです。

御作でも一つひとつのギャグ、コント自体を取り出してみたら、それ自体が寒いものということはなさそうです。パンチ力は高くはないかもしれないけれど、読者を気分のいい方向に引っ張れるものはある。だけど、念押しするくどさが押しつけがましく感じられ、笑えなくなってしまっているようです。

一つひとつのギャグを惜しむべきではありません。むしろどんどん使い捨てるつもりで連撃的に繰り出したほうがいいのではないかと思います。書いていて面白いと思ったものほど、突き放すべきです。でないとついギャグを大事に書きたくなり、既に申し上げたようなオヤジギャグに陥るリスクが高くなります。

もう一つ気になるのは映像的に過ぎる面があるように思える点です。見て笑えるものを説明してしまっていると言い換えてもいいかもしれません。これも作者と読者の非対称性で、作者は笑えて、読者は笑わない現象になりがちです。

理由の1つには、作者にはギャグを思いついた途端、シーン印象が一気に生じがちなことがあります。ギャグの可笑しさが爆発的に、一瞬でが生じるため一人笑いがこぼれたりします。ですが、読者はそうなりません。作者がギャグを描写、説明した文章を追って行って、最後まで読んでから印象が生じるわけです。作者の1秒が読者の1分です。作者には一瞬でイメージが生じたのに対し、読者はじわじわイメージが見えてくる。これでは笑いにつながらないことが多くなります。

言い換えれば、文章の特性をまずい方向に使ってしまっている。文章には文章特有のやり口があります。またもや急造サンプルで可笑しさはありませんが、映像では難しいが、文章では容易な例を(こういうやり方に限るわけではないことは言うまでもありません)。

―――――――――――――――――――――――――
「君、そこの君! ちょっとこっちに来なさい!」
 肥満解消のための日課の早朝ジョギングに出た俺は、警邏中の制服警官に呼び止められた。
「またですか? 俺がいつどこで――」
 ウンザリした顔の警官は俺の言葉を遮る。
「あのなあ、何度も言うようだが、近隣から苦情が出てるんだよ。いい加減――」
「お言葉ですがね、肩にタオル掛けた、汗びっしょりのデブが、こんな真冬にメガネ曇らせんばかりに湯気まで立てて走ってるからって、文句言われる筋合いは――」
「だからな、服を着ろって! 恥を知れ!」
―――――――――――――――――――――――――

映像だったら最初から「俺」が裸であることは見えてしまいます。そこを誤魔化すには、せいぜい首から上だけを映す工夫をするくらいでしょうか。文章なら隠しておける。落語なんかではこういうテクニックはときおり見ます。

映像や絵でなら可笑しいものを、文章で一生懸命再現しようとしても、なかなか追いつきません。しかし文章は目の前にあるものを描写しつつも、実際のイメージは隠しておける。そして真相を読者に明かした途端、そこまでの印象がひっくり返り、実際のイメージがその瞬間に爆発的に生じます。

それを長丁場でやると、叙述トリックと呼ばれるものになったりもします。叙述トリックは巧く隠すことが褒められるわけではありません。読者と知恵比べするのが目的ではない。そもそも情報の非対称性がある作者が読者をミスリードできて当たり前なんですから。

映像や絵なら見た瞬間に分かり、その瞬間に爆発的なイメージを出せもする。その効果を文章で出そうとすると、叙述トリックになってくるわけです。ギャグでも映像と文章の特性の差を意識しないわけにはいきません。

説明が長くなってしまいましたので、要点をまとめてみます。

・次々繰り出すテンポのよさ
・一つひとつのギャグを惜しまない思い切りのよさ
・文章の短所・長所

これらを意識して、読者目線で書いてみてはどうかと思います。

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