登場人物の数についての返信
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登場人物の数について(元記事)
よく、昔からお話を作る鉄則の1つとして(主人公の仲間や周りにいる人等の)、「メインキャラクターはお話に最低必要な分だけにしてなるべく減らし絞る」、と言うのがよく言われていました。しかし(例として小説でないですが少年ジャンプの漫画を挙げます)例えばワンピースやナルト、ブリーチ、あるいは僕のヒーローアカデミア、等は連載が長期になるにつれて主人公の陣営だけでも非常にキャラクターの数が増えました。これについてはいわゆる「キャラクター数を絞る」と言った鉄則の様な物には反し、今は時代が変わりメインキャラクターのヒットさせるため必要な人数等が変わり小説にも同じ事が言えるのでしょうか。例えば昔の作品だったら「スラムダンク」は5人、「幽遊白書」は4人でした。
登場人物の数についての返信
投稿者 手塚満 投稿日時: : 2
「メインキャラクターはお話に最低必要な分だけにしてなるべく減らし絞る」という「操作」だけ覚えても、あまり意味はないかもしれません。
お尋ねのように、何人ならいいのかという疑問が生じ、あの物語では4人、こっちの作品は5人、と人数だけカウントしがちになります。キャラ数を絞る理由を考えないと、そのコツの意味は分からず、従って応用も利きません。
要は、読者がサクサク読めて、すらすら分かるキャラ数までにすればよいのです。以下、そのことを多少説明してみます。
1.話を分かってもらうには、まず覚えてもらう必要がある
物語が理解できるように作るコツとして、メインキャラ、つまり読者に注目させるキャラの数を絞るという「操作」があるのです。
まず、「理解できる」のに必要不可欠なのが「覚えている」(あるいは「すぐ思い出せる」)ということです。覚えてない、思い出せないのに分かっているわけないですよね。主人公は常に登場しているから、読者にすぐ覚えてもらえるでしょう。
サブキャラですと、二度目以降に登場したときに読者が「誰だっけ?」となったらマズイ。以前に何をしたか、主人公との関係はどうか等々を覚えてもらってないなら、そのサブキャラの二度目以降の行動、言動は意味不明になりがちです。
(簡便な方法として、サブキャラにはキラキラネームもどきの変な名前やあだ名をつけることも多い。)
つまり、話が分からなくなる。分かってもらうためにはサブキャラなどのメインキャラは覚えてもらわないと、作者として困ってしまうわけです。しかも相手は小説の読者です。勉強として読んでるわけじゃない。楽しみたいから読んでいる。覚えようと努力してくれるわけがありません。
2.覚えてもらうには描写しなければならない
そういう読者に覚えてもらうには、興味を持ってもらい、印象付けていく必要があります。それには各メインキャラを充分に描写することが必要となります。文章量は増えますよね。
メインキャラが5人だとして、5人を一斉に出しても、各キャラを印象付けるエピソードを作るのは難しいでしょう。説明は割愛しますが、描写するキャラを次々変えて、小エピソードを並列的に描いても、読者は整理できず、従って覚えられない。
1人ずつ印象付けるとしても、5人分の文章量になる。キャラ紹介しているうちに、読むのを諦められる可能性が高い。読者は早く本題に入れと思ってますから。それに、下手すると誰が実質的な主人公なのか、曖昧になってしまうリスクもあります。作者意図など読者はお構いなしに、印象の強いキャラを実質的な主人公だと判断しますから。
3.ストーリーも進めつつ覚えてもらうには
ですので、まず主人公を登場させて、冒頭のイベントで印象付けておいて、次にヒロインを登場させる。主人公との関わりでヒロインのイベントを描く。主人公&ヒロイン揃ってのイベントで3人目(2人目のサブキャラ)を登場させる。といった手法がよく行われるわけです。
イベントごとに1人ずつ増やすなら、混乱を招かずにストーリーを進めやすくなります。つまり話を面白くしやすい。読者も1人ずつ覚えればいいから、負担は減ります。しかも、面白くしてくれるから自然と頭に入りやすくなります。
それが「メインキャラクターはお話に最低必要な分だけにしてなるべく減らし絞る」理由です(正確にいえば、主な理由の1つ)。
4.キャラ数の上限は作者の技量で決まる
ですので、読者が自然とキャラを覚えてくれて、一読してすらすら分かるように物語を書けるなら、メインキャラが何人いても、一斉に登場しても問題ありません。言い換えれば、作者の技量次第です。つまり、「何人にすればいいか?」の答は「作者さんの腕前次第です」ということになります。
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