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アクション描写で気をつけること (No: 1)
スレ主 まろひこ 投稿日時:
今現在、人生初のオリジナル小説を執筆中で別掲示板に貼り付けています。
読んでもらうとわかるように、かなり文章が拙いのです。特にアクション描写が酷く残念な感じになっています。
アクションシーンはどうやって鍛えるべきでしょうか?参考になるものがあれば、教えてください。
カテゴリー: 文章・描写
この質問に返信する!アクション描写で気をつけることの返信 (No: 2)
投稿日時:
アクションに関する文章的な悩みってよく聞くと思うのだけど、正直答えるに難しいと思う。
そもそもアクションすなわち「動き」に関する描写は、小説は苦手なんですよ。
所詮は文章だけなので、絵でダイナミックに表現できる漫画には及ばないし、動きをそのまま表現できる映像には敵うわけもなく。
しかし一方で「動き」を直接表現できない以上、読者のイメージ力に頼ることになるため、単純に『主人公は渾身の力で剣を振り下ろした』と書いてあるだけでも、その情景を読者は自身が思う最大限にカッコいい「剣を振り下ろした映像」としてイメージしてくれる。
すると、良いイメージを植え付けやすくするには文章を飾れば良いと考え、「剣を振り下ろす」という文章をより印象的にしよう、と文章に凝ったりするわけですが……
まあ、それ自体はやりすぎなければ悪いことではないのですが。
「動き」というのは当然のこと「動的なもの」です。
つまり、「剣を抜く」「構える」「振り下ろす」こうした一連の流れがあって、はじめて「剣を振り下ろす」という動作に至ってるわけです。
……うーん、上手く言葉が作れないな。
わかるかな。
「剣を振り下ろす」というコレだけ考えても意味ないのよ。
一連の動作が「剣を振り下ろす」というワンシーンを作って動きが見えるわけだから。
だから、プロの作品を読んでみるとわかると思うのだけど、「主人公は咄嗟に防御した」とか、文章的にそんだけしか書かれていなくてもありありと場面が見えて良いシーンが作れてたりするでしょ?
「剣を振り下ろす」というアクションは「剣を抜く」「剣を構える」という動作とセットになってるもの、なわけです。
で、こう書くと「じゃあそういう前置きをしっかり書くべきなのか」とも思かと思いますが、
これは要するに「その状況をちゃんと書こうよ」って話なだけなんですね。
それじゃ、「上手いアクション」って何? って話になると、これは単純に「流れで状況がイメージしやすいもの」ってことになると思う。
ぶっちゃけた話、なろう などで大した文章力もないのにアクションを書いてそれがしっかり伝わってるのは、「わかりやすいアクション」を書いてるからだと思います。
つまるとこテンプレですよね。書き込まなくても読者が理解できる内容を主に扱っているので、アクションそれ自体に力を入れなくてもちゃんと理解できるし、文章力も必要ないため、サッと書ける。
そして、一方で文章力を鍛えてプロになるんだと意気込んでる人は、この場合、余計に書き込んでしまうのでウケが悪い結果にもなり、わかりにくいアクション・展開を書いていたりする。
文章力は確かに必要なものですが、「わかりやすい文章」「イメージしやすい文章」というのは別に文章力の話ではないんですよ。
その場面の状況がわかれば、読者は勝手にイメージしてくれるので。
つまり「わかりやすい状況を用意できる事」という展開や演出の話だったりするわけですね。
それが簡単に思いつければ苦労はないし、その状況を読者に伝えられなきゃ意味がないので文章力が不要だって話ではないんですが。
で、その鍛え方ですが、単純な話です。
思いつかないし、どんなのがわかりやすいか自身で判断できないと思うので、パクりましょう。
好きな作品、漫画でもアニメでも良いと思うけど、人気作品って結局そういうわかりやすさが詰まってるので、模写する気持ちで真似ていけば良いです。
戦闘の展開の仕方をパクってまるまる同じだとしても、設定もキャラも違うので、パクったところで別物に仕上がるハズ。
「パクる」と言葉は悪いけど、これは要は「参考にしましょう」って話を極端に言ってるだけです。
書き方がわからない以上、上手い人のを真似るのが一番良い鍛錬方法です。
参考の仕方は、
まず自身の作品のアクションシーンは「何を書きたいのか」をよく考えてみましょう。
戦闘してりゃいい話ではなくて、その場面は「主人公の活躍を書きたい」のか「敵の強さを伝えたい戦闘シーン」なのか、いろいろあるハズです。
そしたら、適当な漫画でも読んで同じような主旨の戦闘シーン、つまり「主人公の活躍を書いてる場面」を見つけて下さい。
敵側から難癖つけてきて、こういう切っ掛けで戦闘が始まり、こんな見せ場があって、ここで決着がついて一段落する、という構造が見えるはず。
コレをパクりましょう。
わかりますかね、この構造。
戦闘をテーマにして「そういう流れの動作」があるんですよ。こういう流れを作ると小説が苦手とするアクションでも上手く書けるわけです。
本質的には、動きを書いてるわけじゃなくて「そういう流れの物語」を書いてるだけで、しかしその状況が物語を通して伝わりやすいため、読者が勝手にイメージしてくれてるわけです。
そんでもって、そういう流れは口で言ったり頭で理解するのは簡単だけど、実践するとなると慣れないと実現しにくいので、「鍛える」と考えてる以上は、素直にパクって感覚を養ってみましょう。
アクション描写で気をつけることの返信 (No: 3)
投稿日時:
私の場合は、自分の武道やスポーツ体験、視聴した格闘技の試合映像やその他スポーツ、時代劇、カンフー映画、格闘マンガがイメージしやすさに繋がってると思います。
ただアクションシーンは正直なところ小説の不得意分野ですので、動きを描写することをメインに捉えないほうが良いかも知れないですね。むしろ心理や雰囲気をメインに考えて、アクション描写は読者のイメージを助ける程度で良いのかも知れません。
アクション描写で気をつけているのは「動きの連続性」です。
動きの描写に不自然があると、読者も引っかかりを覚えてしまい、興が削がれるかもしれないので。
例を挙げると、「切り下ろした剣が次の瞬間に振り下ろされる」のは不自然なので、「振り下ろした剣が次の瞬間に逆袈裟に切り上がる」とかですね(重量考えるとこれも常人ばなれした動きなんですが)。
アクション描写で気をつけることの返信 (No: 4)
投稿日時:
ピクシブの遊園地のやつですよね。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10896456
個人的に読んで思ったのが、主人公が戦闘してるわけじゃないから書きづらいんじゃないのかな、ということ。
小説で戦闘描写が多いやつって、具体的に何を書いているのかというと戦闘中の心理描写であることが多いんですよね。活字媒体は動きを説明するのが苦手な一方で心理描写に秀でているので、メディアの特性に従って有利なフィールドに引き込んで勝負している、みたいな。
動きの描写は下手に盛るとかえってわかりにくくなるけど、心理描写はそうでもないし。戦闘シーンを書くのがうまい作家は大抵、戦闘中のこころの動きを描くのがうまい。
その点、あなたの作品は主人公が特に親しいわけでもない知り合ったばかりの人物の戦闘を傍観しているだけなので、感情のうごきを描くのが難しい。そのせいでアクションシーンが『残念な感じ』になってしまうのではないかと思いました。
まあ傍観者視点でもやりようはあって、スポーツ中継みたいなノリで「正面から迫ってくる触手の猛攻に気を取られている間に、背後にも数本の触手が回り込んでいる。大きくしなった触手が彼女の無防備な背中を狙う! 彼女はまだ気づいていない、いや、今更気づいたところでもう逃げられない。どうする!」みたいなことを書いていけばいいのだけれど、この場合も描くべきことの主眼は動きではなく、人の感情です。
アクション描写で気をつけることの返信 (No: 5)
投稿日時:
「ノベル道場/小説の批評をし合おう!」の「亡国のフロイライン (初稿)」
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/review/novels/thread/840
でよろしいでしょうか。もし違うようでしたら、以下はスルーしてください。
「第1章 夕暮れの悪戯」から具体的に申し上げてみたいと思います。アクション描写があるのは終わりのほうですね。該当部分を引用しますが、一文ごとに箇条書きに直して番号を振り、気になる部分を『 』でくくってみます。
01> 再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。
02> 『もう既に』辺りは暗い。
03> 『すると』、目の前に巨大な陰が現れた。
04> グロテスクな触手が久住をめがけて放たれる。
05> 『すると』、先ほどの銀髪の女が前に躍り出て、触手をサーベルで切り落とした。
06> 『その後』、陰の頭の中心をめがけてサーベルを振り下ろす。
07> 鋭い悲鳴と共に陰は跡形もなく消えた。
08> 「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
02の「もう既に」は単なる重複です。ときおり見かける表現でもありますので、普通は問題にしなくていいかもしれません。ですが、緊張感を高めるパートでは冗長な感じで損をします。
アクション描写で緊張感を下げる、ぱっと目につく要因は03以降の接続詞の類です。「すると」や「その後」ですね。どちらも間を置く効果が出てしまっています。特に「その後」は「ソノゴ」と読むと、一拍置くどころではない時間経過を感じてしまいます。とりあえず、削ってみます。
01> 再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。
02> もう辺りは暗い。
03> 目の前に巨大な陰が現れた。
04> グロテスクな触手が久住をめがけて放たれる。
05> 先ほどの銀髪の女が前に躍り出て、触手をサーベルで切り落とした。
06> 陰の頭の中心をめがけてサーベルを振り下ろす。
07> 鋭い悲鳴と共に陰は跡形もなく消えた。
08> 「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
なんとなくギクシャクしてしまっているようです。だから接続詞等を入れたくなったんだと思います。ですが、時系列であることを示す接続詞を選んだために、間延びしてしまう結果になったんじゃないでしょうか。
そこで、時間を置かないことを意味する文言を補ってみます(一文中についてもやってみます)。接続詞でも短い逆接は効果的なことも多いですから、少し使ってみます。
01> 再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。
02> もう辺りは暗い。
03> いきなり目の前に巨大な陰が現れた。
04> すかさずグロテスクな触手が久住をめがけて放たれる。
05> が、先ほどの銀髪の女が前に躍り出るや、触手をサーベルで切り落とした。
06> 続けざまに陰の頭の中心をめがけてサーベルを振り下ろす。
07> 鋭い悲鳴と共に陰は跡形もなく消えた。
08> 「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
こうしてみますと、03の「いきなり目の前」はくどい感じです。04も気になります。受動態ですし、第三者視点から眺めている感じが強く出ている。01で久住と明示していますので、久住視点で読んでもらえそうなことも、一文を短くするのに利用したいところです。
01> 再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。
02> もう辺りは暗い。
03> いきなり巨大な陰が立ちふさがった。
04> すかさずグロテスクな触手を放ってきた。
05> が、先ほどの銀髪の女が前に躍り出るや、触手をサーベルで切り落とした。
06> 続けざまに陰の頭の中心をめがけてサーベルを振り下ろす。
07> 鋭い悲鳴と共に陰は跡形もなく消えた。
08> 「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
03~04は「巨大な陰」のターンです。同様に05~06は「銀髪の女」のターン。文章でのアクションですと、原則として文の長さがキャラの経過時間になります。短くするのは大事です。ですが、同じキャラの1ターンを分割すると、逆に経過時間が長く感じがちです。
01> 再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。
02> もう辺りは暗い。
03> いきなり巨大な陰が立ちふさがるや、グロテスクな触手を放ってきた。
04> が、先ほどの銀髪の女がサーベルを抜きはらって躍り出るや、触手を切り落とし、陰の頭めがけて剣を振り抜いた。
05> 鋭い悲鳴と共に陰は跡形もなく消えた。
06> 「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
でも、04はさすがに長い感じですね。一瞬で終わった感が欲しいのに、間延びしてしまう。それなら、一瞬を諦めるのも手です。緊張感が足りなくもありまして、原因の一つが視点たるべき久住の緊張などの描写がないからかもしれません。
01> 再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。
02> もう辺りは暗い。
03> いきなり巨大な陰が立ちふさがるや、グロテスクな触手で掴みかかってきた。
04> 「うわ!」
05> 久住が思わず目をつぶると、ガキッという音。
06> 目を開くと、先ほどの銀髪の女がサーベルで触手を受け止めていた。
07> 女は楽々と触手を払うと、陰の頭めがけて剣を振り抜く。
08> 陰は鋭い悲鳴と共に跡形もなく消えた。
09> 「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
箇条書きから普通のスタイルに戻してみます。
―――――――――――
再び混乱してきた久住は、思わずアーチェリー場を飛び出した。もう辺りは暗い。
いきなり巨大な陰が立ちふさがるや、グロテスクな触手で掴みかかってきた。
「うわ!」
久住が思わず目をつぶると、ガキッという音。目を開くと、先ほどの銀髪の女がサーベルで触手を受け止めていた。
女は楽々と触手を払うと、陰の頭めがけて剣を振り抜く。陰は鋭い悲鳴と共に跡形もなく消えた。
「まったく…、最近の鬼は見境がないな…」
―――――――――――
これでいいわけではありませんし、原文より良いとも思いませんが、もし自分が推敲していくとしたらこんな感じで進めてみる、というサンプルとお考え下さい。
拝読して思いましたのは、とても分かりやすい描写だということです。さっと読み下しても、混乱せずにスムーズにイメージできます。ただ、そのせいで段取りが良すぎるのではないかと思います。言い換えれば、分かり過ぎるためにテンポを感じにくい。
アクション自体はしっかり構想できていると思います。問題は、何がどうなっているかを、順序含めて客観的に説明し過ぎているようです。そのため、リアルタイムなキャラ行動と感じにくい。反面、主観的な描写を排し過ぎて、緊張感を高めにくくもなっているようです。
(客観的なことを)説明し過ぎなのは、全般を通して感じられます。第1章ですと、冒頭から遊園地の由来やら状況やらを細かく説明しています。主人公の久住篤志も同様です。作者的には主人公はもちろん大事ですし、その主人公が遊園地を大事にしている理由も大事でしょう。どちらも設定していなければ書けませんから。
ですが、読者は違うんです。まだ魅力を感じていない。当然ですよね、見知らぬ主人公と見たこともない遊園地なんですから。まだ魅力が感じられるかどうか分からないものについて、説明を読まされている感じになります。ブラバ率を高めてしまい、損です。読者は楽しみたいだけであって勉強したいわけじゃないため、自分の興味が先、知識欲は後です。
ですので、文章面だけでなく、構成もできるだけ端折ることを考えてはどうでしょうか。特に冒頭は何も知らずに読んでも面白いものだけに絞るべきです。読者としては興味を持てたら、知りたくなります。主人公が正体不明の鬼に襲われ、やはり謎の女が鮮やかに救って見せたら、どういうキャラがどういう状況にいるか知りたくなります。そうなってから、そこに関わる主人公の来歴を出せばよいはずです。
アクション描写で気をつけることの返信 (No: 6)
投稿日時:
皆さん、真摯に答えてくださってありがとうございます。
本当に有難いを通り越して、申し訳ないくらいです。皆さんのご意見を参考に、これからも頑張っていきたいと思います。