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視点の移動について (No: 1)
スレ主 うぐいす 投稿日時:
新人賞に応募するため、戦記物のラノベを書いているのですが「村上海賊の娘」や「忍の国」のように、別々の戦場で起きている出来事を交互に見せる形で戦闘を進めていると、二ページに一回(酷い場合には一ページ)毎に視点を変えていました。
視点変更の際は一行開けてはいるのですが、頻繁に視点を変えるのは読みづらいでしょうか?
カテゴリー: 文章・描写
この質問に返信する!視点の移動についての返信 (No: 2)
投稿日時:
まぁ、読みづらい事は確実ですかね。読む側の誰もがそう感じる、とも言いきれませんが、新人賞では「読みづらい」として指摘を受けそうです。
といっても、読みづらさもそうなんですが、「それぞれの場面が味気ないものになる」という可能性が高いですね。
読者が感じるものは、場面によって大きく違います。それだというのに、そこまで頻繁に場面転換されては場面の良さが発揮されません。
しかも戦闘シーンなんですから、頭の中で戦闘をイメージしてこそなのでは?
その、イメージすべきものがころころと変わる。
読みづらいというよりは、「理解しにくい」とでも言うべきでしょうか。理解もできないのに、そのシーンを面白いと思う事はありません。
新人賞で最も大切なものは「おもしろさ」と言われているので、そこを疎かにしてしまいかねず、危険です。
そう考えると、場面を交互に描写するとしても、「頻繁に」というのは避けたほうが良いでしょう。
そもそもストーリーって繋がってるものなので、きりの良いところなんてほんの僅かです。そう考えると、区切る必要の無いところで区切ってしまっているのではないかと思います。
もう一度ストーリーの繋がりや流れを見直し、区切るところをしっかりと選んでみて下さい。
視点の移動についての返信 (No: 3)
投稿日時:
視点移動は、究極的には「わかれば問題ない」です。
例えば
>視点変更の際は一行開けてはいるのですが
とありますが、「この小説で一行空行を挟んだ場合は100%視点が変わった時だ」という作品ルールがあれば、空行があるだけで視点が変わったことが理解できます。
その場面で扱ってる視点が2つだけなら、移動すればもう片方のシーンになったと簡単にわかります。
こういう場合、頻繁に視点移動しても2つの視点がセットで一つの物語なので、おそらく問題なく読めるかと思います。
しかし当然、「視点移動じゃないけどシーンが変わったから空行を挟む」とか「唐突にそれまで関係なかった第三者の視点にする」とか、計画性なく好き放題すると、おそらく誰の視点になったのか把握できずに混乱し、非常に読みにくいと思います。
視点の移動についての返信 (No: 4)
投稿者 【本人から削除依頼】 : 0 No: 1の返信
投稿日時:
結論を先に申せば、仰る範囲で考えて、「視点移動は固定したほうがいい」になります。
視点移動はするなとよく注意されます。分かりにくくなるからと。しかし、プロ含む上級作者の中には視点移動を(積極的に)用い、読者から分かりにくいと苦情を言われている様子がなかったりもする。
視点移動という言葉があるのは、禁則だということではなく、そういう技法があるからなんですね。だから用いてもよい。ただし、きちんと扱えるなら、言い換えれば、作品内容を一切知らない読者がすっと一読して、迷わず理解できるように書けるなら。
経験則ですが、たいていの発展途上の作家、特に我々みたいな経験がまだ浅い作家志望者だと、ほぼ失敗します。これは、一つには作者と読者の作品に対するスタンスが違うからです。
作者は当然ですが、物語をイメージしてから言葉で表します。残念なことに、言葉が伝えられる情報量は少なく、特に絵的、音的なものはほぼ伝えられないと言っていいでしょう。モナリザの絵を知らない画家に、説明文章だけ渡してモナリザの模写が描けるか。無理です。五線譜ではなく、やはり言葉でベートーベンの運命を説明して、運命を聞いたことがないリスナーに運命を聞いたときの感覚が伝わるか。やはり無理です。
言葉にした時点で、どんなシーンであろうが、極端に情報量が減り、絵も音もなくなってしまうのです。伝えられるのは記号だけ。例えば「猫」と書けば、日本人ならたいてい猫の画像や動画を思い浮かべられます。猫の鳴き声も同じです。猫を知っているからですね。つまり、読者の知識を全面的に借りて伝えるのが文章作品なわけです。
場面転換での視点移動についてはどうか。キャラAの視点で記述された文章を読んで、作者に追いつくようにして読者もだんだんキャラAの見えるものが見えてくる。そして、空行たった1行がある。
一応、場面転換かなと思いはします。読み進めたら確かに空行前と何か状況は違う。そこまでは分かる。だけれど、それをどのキャラが見ているかも伝える。それも視点キャラが変わっって、キャラBになったことも併せて伝えてもらわないと、元のキャラAが見ているものとして理解しようとします。当然、わけが分からなくなります。
じゃあ視点移動時に何を書いておけばいいか。シーンを見ている視点キャラは誰か、視点キャラに見えている状況は何か、シーンの作内日時はいつか、最低でもこの三つを教えてもらわないと、視点移動に読者はついて行けません。
章、節といったはっきり切れ目だと分かるのなら、まだなんとかなります。読者としても、さっきの続きではない可能性を十分に考慮しますから。でも、1~2ページごとに切り替え、しかも空行1行しかヒントがない。まず間違いなく分からなくなります。
しかもです。例えば、作者さんとしてはキャラAとBの同時進行で切り替えつつ書いているとします。作者さんはAのシーンと視点を切り替えたら、当然、Bに移ると分かる。だけど、読者には全く分からない。たとえ別のキャラだなと感じ取っても、別のキャラCで切り替わったシーンなのかもしれないと思う。
ですから、切り替えるたびに、視点キャラ、状況、日時をまず描写に混ぜつつ説明してから、狙いのシーン描写に移らないといけない。それが1~2ページごとにできるのか。もしやったとしたら、1~2ページごとに本筋と無関係の、視点キャラを切り替えた説明が入る。読者的にはかなり無駄に読む感じがしてしまいます。
使いたい気持ちは分かります。例えば、複数の同時進行すべきシーンがあり、それぞれのシーンが他のシーンと絡むことがあり、山場では各シーンの結果が集まって来る、という物語構造だったら、視点移動しつつ、各シーンを少しずつ同時に見せていきたい。確かにそれが成功したら、ラストで「なるほど、こうなるのか!」という驚きが生じますよね。
だけど、たいていは読者側の負担になるのです。少しずつ進行するキャラ別シーンを脳内でしっかり把握し、整理せねばなりませんから。読者としてやりたい作業ではありません。読み進めたらすいすい頭に入るくらいでないと読めないのです。だって楽しみたくて読むんだから。決して作者さんが構想した話を勉強したいわけではない、だから努力なんかしたくない、手間がかかるのも大嫌い。
ですから、すっと一読して分かるように書けて、読者が退屈しないようにできるのなら(つまり上級者であり視点移動技法を習得済み)、視点移動を使えばいいと思います。でも、視点移動していいかどうかお尋ねということ、現在お使いの視点移動技法のご説明が的外れなことから、おそらく視点移動テクは身に着いていないと思われます。だから、やめたほうがいいです。