構成の評価が上がらない (No: 1)
スレ主 怒髪天 投稿日時:
5,6年くらい新人賞に応募していて、毎年選評が帰ってくるのですが、「構成」の評価欄が一向に上がりません。(評価シートのことはネットに詳しく書くなと言われているので、言える範囲だとこのくらいになります)
応募している、作品のパターンとしては、以下の通りです。
回想なし、
視点変更なし。(一方そのころ、主人公ではない人の動きは・・・という場面はなし)
現在進行形で、時系列順に物語が進む。
ではだめなんでしょうか。
3幕構成を語った本などを読むと、物語の半分で一番盛り上がるようにしろ、と書かれています。
たしかにそれが本当にそうでないとだめなら、自分の作品はだめなのでしょう。一番盛り上がるところを真ん中に、と枚数調整するのは中々難しいです。でも今のところ思い当たるのはこれくらいなので、とりあえず、ここを改善しようと思っています。
改善しようとは思っていますが、本当にそれが原因なのかと疑っています。
確かに、ハリウッドでは、映画が半分過ぎたところで、一番盛り上がっている場合が多いです。
ここで思うのは、 3幕構成を語った本って翻訳ものでいわゆる、日本の小説には当てはまらないことが多いということです。
だからこれが原因ではないと思うのですが。
他に、これができないから構成が良くないと言われるんじゃないかと意見があるかたはコメントお願いします。
カテゴリー: ストーリー
この質問に返信する!人気回答!構成の評価が上がらないの返信 (No: 2)
投稿日時:
これは半分持論ですが、
まず、三幕構成は考え方の話であって、創作方法その手法の解説本ではないと思ったほうが良いと思います。
というのも、三幕構成が生まれる以前に書かれた作品でも三幕構成によって紐解くことが出来るため、私は「書く」に当たって三幕構成はあまり関係ないと考えています。
では三幕構成はなんのためにあるのかって言うと、「その作品がなぜ面白いのか、そのポイントはどこか」を感性感覚ではなく理論的に説明しよう、という「考え方」の技術であると思っています。
あくまで私はそう思ってるってだけね。
三幕構成をそのまま小説の構成にと考えると、そもそも三幕構成は映画脚本の中で生まれた技術なので「フィルムの長さ」という上映時間の尺から導き出されてる話で、小説、それも近代のラノベやWeb小説のようなシリーズものになる大長編とは合わない部分がままあったりします。
あるいは逆に一話完結の短編やショートショートなどでもこれは顕著です。
なので、あくまで「考え方」の話で創作手法ではないし、三幕構成の知識が一番役立つ場面は、既に完成してる作品を「どうして面白いんだろう?」と物語を分解して分析し理論的に回答を得る、という場面だろうと思います。
このあたり、私が「創作手法じゃなく考え方の話」と言ってる理由ですね。
もちろん三幕構成をもとに「序盤はこうしたほうがいい」「中盤にはこうした要素があったほうが」と考えますしこうした板でもそのような発言をしますが、これはあくまで「こうしたほうがいい」という発想の段階、つまり考え方の話であって、どのように作るかという創作技術の話ではない。
ええと、まさしく「構成」なんだけど、イラストで「構図」ってあるのわかるかな。黄金比とかあるのだけど、物体の配置の仕方とか余白の使い方とか視線の向きとか、いろいろ。
それはイラストを上手く見せるための技術ではあるけど、絵が上手くなる技術ではないんだよね。制作においては構想する段階で「何をどう描こうか」って考えの一助になる、その結果見栄えがよくなるってだけで。絵そのものが上手くなったわけではない。
三幕構成って、そういうもの。
で、本題の
>物語の半分で一番盛り上がるようにしろ
こちらですが、ようはミッドポイントのことですね。
これは、わりとその概念を理解できない事が多いようで、理解するまで私も苦労しましたし似たような人と話をしててこんがらかった事が結構ありました。
これは別に「盛り上がるポイント」ではないです。
映画なんかを例題にして「このタイトルのミッドポイントはどこ?」とディスカッション場合、「盛り上がってるところ」と感じるのは実は人それぞれなので、割と回答がバラバラになる。
でもそうじゃなくて、三幕構成の良いところは感性・感覚ではなく理屈で面白さがわかるところなので、理論的にミッドポイントを導き出せなきゃそれは間違った答え。
個人的にミッドポイントの説明で最も適切だと思うのは「物語がオチへ進む切っ掛けになる出来事」というもの。
そう考えると、「オチ」にある要素のうち、その切っ掛けになる出来事はだいたい中盤にあって、「オチ」の切っ掛けだからその読み取りを間違えなければ人によって回答が変わることもない。
だから例えば、ミステリなら「本当の真実が判明する切っ掛け」とか戦闘ものなら「倒すべきラスボスが正体を現した」とか、そういう場面になるので、必然的に盛り上がってるだけで、盛り上げるポイントというわけではないわけですね。
まあ別にミッドポイントが盛り上がってない作品も多々あるし、盛り上がってなきゃおかしいってわけじゃないけど、基本的には「必然的」に盛り上がるもの。
で、その盛り上げの作り方はオチから逆算して切っ掛けになる事を置けばいいだけなので、コレ自体はそんな難しいことじゃありません。
中盤で「物語がオチへ向かう切っ掛け」を読者に印象付けて、そこから終盤へ向けて物語が収束し、クライマックスで決着がついて、ラストで〆る。そういう物語の流れを考えるのが「構成」。
なので、「回想」「視点変更」「時系列順」と、そういうのは構成の話ではないかなと。
視点変更や回想で物語が途切れたりするので、回想は多用しないほうがと構成の話の中で出ては来るけども。