「てにをは」の使い方。「○○さんって居ますか?」の正規表現とは?

2015-07-23 09:26:12の質問

Tと申します。最近気になっている「てにをは」です。
子供たちがよく学校で先生に 「○○さんって居ますか?」とか「本ってどこにありますか?」 のように人や物の所在を聞くときに「って」をよく使います。……正しい使い方なのでしょうか?

●答え●

Tさん、こんにちは。ライトノベル作法研究所の管理人うっぴーです。

「○○さんって居ますか?」とか「本ってどこにありますか?」

こちらは最近の口語体の表現であって、本来の「てにをは」の使い方とは異なります。
「○○さんは居ますか?」「本はどこにありますか?」が本来の正しい表現でしょう。

でも、言葉というのは相手に意味、意図が正しく伝わればそれで良いので、小説の中で「本ってどこにありますか?」といった表現を使っても特に問題ありません。

言葉の使い方は常に変化していくものなので、意味、意図が伝わるのであれば、正規表現にこだわる必要はないでしょう。

ただし、目上の人に「○○さんって居ますか?」という表現を使うと、敬意を払っていないということで、不快感を与える危険があります。

言葉にはニュアンスというものがあります。話し相手に対してどのような感情を抱いているかという言外の意図です。日本語に尊敬語、謙譲語のバラエティが豊富なのは、「私はあなたに敬意を払っていますよ」というメッセージを言外に盛り込んで、相手との余計な衝突を避け、こちらの意見や要望を通しやすくするためです。

「○○さんって居ますか?」という表現は、相手を軽んじているような印象を与えます。
これを利用して、作中ではぶっきらぼうなキャラの演出などに利用するのも一つの手だと思います。

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コメント

  1. 下書き屋 より:

    「〇〇って」の「って」は、手持ちの国語辞書などを見る限りでは、くだけた表現であり、「と」「とて」の音変化であるようです。「てにおは」も「てにをは」のくだけた表現のようです。

     中でも広辞苑の解説が簡潔で分かりやすいような気がしましたので、その項目を引用してみます。

    > ①引用を表す格助詞「と」のくだけた言い方。「知らないって言った」(略)
    > ③前のことに反することが後に続くことを示す。「いくら頼まれたってできない」
    > ④反語を表す。「そんなこと知るかって」

     これらはここで示されている例文とは違う用法ですね。次のものは合致します。

    > ②「とは」「という」「といって」の意。「君ってほんとにいい人だ」(略)

     辞書によっては、圧縮した言い方としているものもあります。会話では頻繁にあるので、短縮が起こったのではないでしょうか。この②だとして、くだけない言い方にすると、例えば以下のようになるのではないかと思います。

    「○○さんって居ますか?」→「〇〇さんという方/人は居ますか?」
    「本ってどこにありますか?」→「本というものは、どこにありますか?」

     なんとなく回りくどいような気がします。このような言い方をせずとも、仰るように、

    > 「○○さんは居ますか?」「本はどこにありますか?」

    と言えば済むことです。しかし、回りくどい表現を省略形になるまで頻繁に用いたのには、何か理由があると思われます。

    直接的な「~は」より、「~というもの/人は」は、間接的、婉曲的です。多少、柔らかい、控えめといった印象になるように思います。あくまでも想像ですが、遠慮しつつも、親しみやすくくだけた言い方として、「って」が定着していったのではないかと思います。

  2. うっぴー より:

    下書き屋さん、どうもコメントありがとうございます!
    「○○さんって居ますか?」の「って」が、遠慮しつつも親しみやすさを出したいという、まさに日本人的な発想から生まれたというのは、かなり当たっているのではいかと思います。
    相手とは仲良くなりたいけれど、踏み込みすぎると良くない、というのは対人関係で日常的に感じることですからね。

  3.  例文には、口語に特有の、助詞の変化と省略が見られます。
     「○○さんって居ますか?」の[ って ]は、もともと[ という人は ]なのですが、格助詞の[ と ]が[ て ]に変化し、促音便を伴って[ って ]になり、[ いう人は ]が助詞ごと省略されています。変化の順を追うと、次のようになります。

      「○○さんという人は居ますか?」
     →「○○さんていう人は居ますか?」
     →「○○さんっていう人は居ますか」
     →「○○さんって、居ますか?」

     口語調では良く助詞が省略されます。

     「コーヒー下さい」([ を ]の省略)
     「学校行ってくる」([ へ ]、[ に ]の省略)
     「雨降らないかなあ」([ が ]の省略)

     こうしたセリフ回しはざっくばらんでくだけたニュアンスを与えます。
     さらにくだけた表現では、[ って ]が[ と ]だけでなく[ は ]、[ が ]、ときには[ を ]も代用してしまいます。

     「これって美味しいの?」
     「そんな番組って観てみたいなあ」
     「今日の部活って、さぼったりする?」

     作中の人物の、未熟な印象、若者らしさ、近しい間柄などを演出できます。もちろん、ノリとフィーリングでセリフの口調を選んでも良いのですが、著述者としてはその言い回しがどれだけ効果的かを認識するうえで、基本の文法からどれだけの隔たりがあるのかを意識するのが望ましいのではないかな、と思います。

  4. うっぴー より:

    井戸中カエルさん、どうもありがとうございます!参考になります!