おもしろい小説とは面白さを一言で説明できる物。ラノベ作家・浅岡旭さんに創作に関する18の質問

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(AMGとのタイアップ記事です)

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  1. Q0:自己紹介をお願いいたします。
  2. Q1: 初めてライトノベルに出会ったのはいつですか?
  3. Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
  4. Q3: 実力を高めるために役立ったトレーニング方法はありますか? その方法をどこで知りましたか?
  5. Q4: 作品はどのようなアプリ、ソフトを使って書かれていますか?
  6. Q5: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
  7. Q6: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?
  8. Q7: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
  9. Q8: アマチュア時代 に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?
  10. Q9: 尊敬している作家さんはいますか?
  11. Q10: 一日の執筆速度はどの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか?
  12. Q11: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
  13. Q12: どのような方法でプロットを作られていますか?
  14. Q13: アミューズメントメディア総合学院(AMG)小説・シナリオ学科を卒業されたということですが、学校で学ぶことの最大のメリットは何ですか?
  15. Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
  16. Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
  17. Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
  18. Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
  19. Q18: 最後にこれから、浅岡旭さんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

Q0:自己紹介をお願いいたします。

ライトノベル作家の浅岡旭と申します。
アミューズメントメディア総合学院(AMG)のノベルス学科(現在の小説・ノベルス学科)でラノベ創作について勉強し、卒業後にプロデビューをしました。
現在富士見ファンタジア文庫様より、デビュー作『僕はリア充絶対爆発させるマン』シリーズが発売中です。

僕はリア充絶対爆発させるマン

(C)浅岡旭・アマガイタロー 『僕はリア充絶対爆発させるマン』3巻が(富士見ファンタジア文庫) 2018/7/20に発売!

Q1: 初めてライトノベルに出会ったのはいつですか?

中学1年生の時です。
学校の図書室にあった『キノの旅』を読んで夢中になり、少しずつ別の作品にも手を出していきました。

Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?

高校3年生の時です。作品の内容は覚えていませんが、原稿用紙数枚分の掌編小説を書きました。
短い物語で文章を書く練習をし、長編に取り組めるようになったのは1年以上経ってからです。

Q3: 実力を高めるために役立ったトレーニング方法はありますか? その方法をどこで知りましたか?

AMGの先生方からのアドバイスですが、書いた作品をとにかく人に読んでもらうことです。
特に、自分の中で「駄作だ!」と思っているものほど友達や先生に読んでもらい、そして酷評を頂くこと。

こうすることで自分の弱点がハッキリして、それを意識して直すことでいいトレーニングになりました。
厳しい意見をもらうときは心が折れて死にそうになりますが、「俺は死の淵から生還することで強くなる……!」という
サ○ヤ人スピリッツで、無理やり楽しんでいました。今でもそれは同じです。

Q4: 作品はどのようなアプリ、ソフトを使って書かれていますか?

Word2013を使っています。

Q5: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?

意識していることは、執筆の前に物語全体を詳細にイメージすることです。
僕の場合、執筆の前には必ずシーンカードを作成し、個々のシーンで書くべきことや、全体の流れを固めてから文章を書き始めています。

その方が個人的に書き易く、作品をどう面白くするかの計算もし易いからです。
当然、執筆中にシーンを変更することもあります。

Q6: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?

19歳の時です。初めて書いた長編小説を応募したら、ぶっちぎりの1次落選でした。
友達は突破してたのに……!

Q7: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?

作家を諦めようと思ったことは一度もありませんが、常に「本当に作家になれるのか……?」という不安は抱えていました。
原稿をプリントアウトしながら「自分はゴミを量産しているだけなのでは?」と何度考えたか分かりません。
そのため毎日、作家になっている自分を強くイメージしてモチベーションを高めていました。

Q8: アマチュア時代 に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?

本については、『SAVE THE CATの法則』(ブレイクスナイダー著/フィルムアート社)を一番参考にしていました。
僕が知っている中では唯一の楽しみながら読める指南書で、コンセプトや構成についての考え方はとても勉強になりました。

また、AMGでプロの先生方や編集の方から創作について教わってきました。
創作活動の基本的な流れや、執筆における技術などを勉強し、0からしっかりと力をつけることが出来ました。

Q9: 尊敬している作家さんはいますか?

雨木シュウスケ先生や、七月隆文先生を尊敬しております。
他にも心の中で師匠とさせていただいている方はおりますが、全て書こうとするとキリがありません。

Q10: 一日の執筆速度はどの位でしょうか? また、ノルマを作っていますか?

1日中執筆に費やせる場合は、10ページ前後だと思います。
ノルマは大抵、『1時間につき1ページ以上』としております。
クリアしやすいノルマなため、さらに記録を増やそうとペースをどんどん上げていけます。

Q11: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?

日によって差がありますが、執筆中心の日は8~10時間程度です。

Q12: どのような方法でプロットを作られていますか?

新作の場合、まずは作品の『売り』となる部分を短い言葉でまとめます。

その作品はどんな作品なのか、その作品の面白い部分はどこなのかが把握できれば、自然とキャラクターや世界観などの方向性も見えてきます。
あとはそれぞれの要素を自由に妄想するなどして広げ、できるだけ短くまとめていきます。

Q13: アミューズメントメディア総合学院(AMG)小説・シナリオ学科を卒業されたということですが、学校で学ぶことの最大のメリットは何ですか?

同じ夢を目指す人たちと、多様な価値観を共有できることです。

プロ作家の先生方に指導していただけることも学院の大きな利点ですが、生徒同士での話し合いも大変良い刺激になりました。
お互いのアイデアを見せ合うことで意外な視点に気付くことも多く、一人の作業では得られない創作の喜びを味わえます。
自分もそうした経験を重ねて、実力が伸びたと思います。

Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?

一番大事にしているのは、書き始める前に『売り』をしっかりと決めることです。

訴求力の強い作品を書くには、その作品の面白さを一言で説明できるようにすることが必要だと考えています。

そのため、売りが一言で簡潔に表せないアイデアは、その場のテンションで行けそうだと思っても考え直すようにしています。
(突き進もうとして編集の方や友人に止められることもありますが、本当に感謝しております)

Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?

「売れるものを書くべき」だと思います。
プロとして仕事をする以上は、書きたいものを書くだけではなく、「どんな作品なら売れるのか?」と考えることは義務の一つだと捉えています。

それは「どうすれば読者の方々に楽しんでいただくことが出来るのか?」と考えることと、ほぼ同義だと思っているからです。

ただし、百パーセント売れるものなんて分かりませんし、書きたいものを書いた方が良い作品になり易いはずです。

そのため、どんなものが売れているのか、その本質を押さえた上で、自分の能力が発揮できるものを書いていくのが良いと思います。
(ただし『新しい才能』を求めている新人賞の舞台では、熱意だけで突き進むのも大いにアリだと思います。その作品が面白ければ)

Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?

「自分はプロになれる。なる」と、自分に言い聞かせてきたからだと思います。
いつもプロになる自分をイメージして楽しみ、「そうなるために頑張ろう」と思うと、自然に努力する元気が出ます。

また、AMGの講師からも「『俺はプロになれるから』という根拠のない自信を持っていると良い」と言われたので、その通りなのかも知れません。

Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?

印税です☆ ……というのはさすがに冗談です。
やはり読者の方々から『面白かった!』『このキャラが好き!』といったお声を頂くのが一番嬉しいです。
ファンレターを頂いた時は、嬉しくて嬉しくて震えました。

Q18: 最後にこれから、浅岡旭さんに続け!と頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?

自分もまだまだ勉強が必要な立場なので、アドバイスできるか分かりませんが……。
とりあえず、たくさんインプットをしてください。
その上でしっかりと考えて作品を書き、その努力の結晶を誰かに見せて、ズタボロに酷評されてください。

最初は『酷評されるために書く!』くらいの気持ちでいいと思います。(そう思わないと、さすがにメンタル厳しいですし……)
多分、上達するまでたくさんの原稿が『半分以上リテイク』or『ゴミ箱行き』になるはずです。

しかし、書いた原稿が無駄になるのを恐れないでください。嫌がらないでください。
その気持ちは、僕も大変よく分かります。でも、本気で考えて書いたものを本気で修正するたびに、あなたの実力は上がっていきます。
書いた文章が無駄になった分だけ、どんどん強くなるのです。それも、もの凄いスピードで。
それを「楽しい」と思えたら、きっとあなたもプロになれると思います。

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