- Q0:自己紹介をお願いいたします。
- Q1: 初めて小説に出会ったのはいつですか?
- Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
- Q3: 実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか? その方法をどのようにして知りましたか?
- Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
- Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?
- Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
- Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?
- Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
- Q9: 小説を完結させるのはプロでも難しいと聞きます。どのようにして、この壁を乗り越えていますか?
- Q10: 小説家になるためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?
- Q11: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?
- Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
- Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
- Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
- Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
- Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
- Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
- Q18: 最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?
Q0:自己紹介をお願いいたします。
ライトノベル作法研究所をご利用のみなさま、はじめまして!
界達かたると申します。
この度、講談社ラノベ文庫チャレンジカップにて<優秀賞>を頂戴した青春ミステリー小説、「姫ゴトノ色 ―The Eyes of Blood―」でラノベデビューさせていただくことになりました。
姫ゴトノ色 ―The Eyes of Blood― (講談社ラノベ文庫)
研究所は中学生の頃から7年以上利用しており、その縁もあってインタビューを掲載させていただく運びとなりました。
みなさまの創作活動の一助となれば幸いです。
Q1: 初めて小説に出会ったのはいつですか?
中二の時です。有川浩先生の「塩の街」でした。
それ以前は小説を読んだことがなかったのですが、たまたま図書室でぶ厚い本を手に取ってなにげなしに読んでみたら、それが「塩の街」だったんです。
のちにこれがライトノベルで、電撃大賞受賞作だと知った時はとても驚きました。
Q2: 初めて小説を書かれたのはいつですか? それはどのような作品でしたか?
中二の時です。小説を読み始めたのとほぼ同時に書き始めた感じです。
初めて書いたのは「涼宮ハルヒの憂鬱」と「リトルバスターズ!」を足して二で割って千倍希釈させたような小説でした。当時は手書きだったので、原稿用紙357枚書き上げた時の達成感は今以上に凄かったです。
Q3: 実力を高めるために最も役立ったトレーニング方法はなんでしょうか? その方法をどのようにして知りましたか?
書き始めた当初はパソコンもネット環境もなかったので、書店で買ってきたハウツー本を読み込んだり、売れているライトノベルの一巻を読み込んで研究していました。あとは凄いと思ったシーンを実際に模写してみたりとかです。
手書きだったのでなにを書くにも大変でしたが、授業中でもノートに書けたりできたので、そういう意味ではパソコンの頃よりがむしゃら感があった気がします。
練習方法については、周りに小説を書いている人がいなかったので知りようがなく、とにかく自分で考えて勉強する以外にありませんでした。
中三に上がった辺りからパソコンが手に入り、このサイトのコンテンツも利用し始めた感じです。
Q4: 作品の書き方で(例:クライマックスを先に書くなど)、自分なりの書き方がありますか?
たぶんオーソドックスだと思います。途中のシーンから書くとかはないです。
Q5: 初めて作品を新人賞に応募されたのはいつですか?
中二の時です。思い返すと初投稿から8年ほど経っておりました。
前述の手書き原稿をえんため大賞に送り、一次落ちでした。
Q6: スランプになった、もしくは作家になることを諦めようと思ったことはありますか?
今のところありません。
いつも楽しく書いています。
Q7: アマチュア時代に参考になった本はありますか? どなたか師匠や先生に教えてもらったりしましたか?
参考になったハウツー本関係は以下の通りです。
若桜木虔(2007)『新人賞を狙える小説プロット実戦講座 : 作家デビューしたい!』雷鳥社
榎本秋(2008)『ライトノベルを書きたい人の本』成美堂出版
榎本秋(2010)『ライトノベル作家になる』新紀元社
榎本秋(2010)『幻想レシピ : ファンタジー世界のつくり方』新紀元社
榎本秋(2011)『実践!ライトノベル文章作法』(ライトノベル作家になるシリーズ)新紀元社
飯田一史(2012)『ベストセラー・ライトノベルのしくみ : キャラクター小説の競争戦略』青土社
水島ジュンジ(2012)『ラノベの教科書』(三才ムック ; vol.574)伊藤ヒロ講師・監修 橘ぱん,東出祐一郎ゲスト講師 三才ブックス
ライトノベル創作クラブ編(2013)『新ライトノベルを書きたい人の本』
成美堂出版誉田龍一(2013)『小説を書きたい人の本 : コツさえつかめば小説は誰でも書ける!』
校條剛監修 成美堂出版 米光一成ほか(2014)『ゲームシナリオを書こう!』青弓社
出口汪(2015)『芥川・太宰に学ぶ心をつかむ文章講座 : 名文の愉しみ方・書き方』水王舎
若桜木虔(2016)『ミステリー小説を書くコツと裏ワザ』青春出版社
飯田一史(2016)『ウェブ小説の衝撃 : ネット発ヒットコンテンツのしくみ』筑摩書房
わかつきひかる(2017)『文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい』雷鳥社
師匠や先生のような存在はいませんでした。
そもそも周りにプロの作家を目指している人すらいなかったので…。
Q8: 尊敬している作家さんはいますか?
地方住まいなので、ほかの作家さんとお会いする機会がほとんどないんですよ。
2018年時点では、プロとしてご活躍されている作家さんで実際にお会いしたことがあるのは、東山彰良先生と安倍龍太郎先生だけかなと思います。たまたま地元が近かったので…。
上記のお二方からはとても実りあるお話をいただいた為、特に尊敬しています。
Q9: 小説を完結させるのはプロでも難しいと聞きます。どのようにして、この壁を乗り越えていますか?
どうなんでしょうか……幸い、私は完結させること自体を困難と思うことがなかったので、壁を乗り越えるという感覚はないですね。
一番の問題は作業時間の捻出かなと思います。並行して色々なものを書くたちなので、いつも時間に追われながら書いているような気がして、そういう意味では苦難に感じることがあります。
Q10: 小説家になるためには、どんな能力が一番必要だと思われますか?
都合よくバカになれる能力です。
物書きを諦めてしまう人は、たぶん頭がよすぎて現実的になってしまうからじゃないかなと思います。というか、小説で生計を立てるのは非常に難しいですから、諦めてより現実的な生活を求める方が堅実的で利口な生き方なのは間違いありません。
ただ、どうしても小説家になりたい! と強く思っているのであれば、現実ではなく虚構を追及する必要があるので、だとすれば深く考えずいい意味でバカになって、書き続けていく以外にないかなと……。
Q11: 執筆は、いつもどのような時間帯にされていますか?
今はかなり不規則で、時間がある時という言い方しかできません。
時間帯は特に気にしていない感じです。
Q12: 一日にどれくらい執筆に時間をかけておられますか?
今は平均で五時間程度です。
Q13: どのような方法でプロットを作られていますか?
物語の大筋を書くようなプロットは作らないことがほとんどです。ストーリーは書いているうちに決まっていきます。大まかな世界観とキャラ設定は事前に作ります。のちのち絵師の方にお渡しすることになるので。
大体、いくつかざっと企画書を作って担当さんにチェックしてもらい、好感触だった企画から世界観やキャラ設定だけ作って書き始めていきます。
どう終わるかは私にも分からない為、書いていてとても楽しいです。
Q14: 作品を書く上で何か大事にしている、または心に留めていることはありますか?
読み手を意識すること、話のテーマを明確に打ち出しておくこと、自分自身も楽しめるように書くことです。
Q15: 「売れるものを書くべきか」、「書きたいものを書くべきか」、答え辛い質問ではありますが 、もし良ければ意見を聞かせていただけませんか?
書きたいものを書くべきです。下手に媚びたものは必ず見透かされます。
しかし売れることが重要なのは変わらないので、常に流行を把握して感覚をフレッシュに保ち、書きたいものと売れるものがなるべくイコールになっていくのがベストかなと思います。
Q16: プロになれた理由を、ご自分ではどうお考えですか?
ポジティブな方向に鈍感だったからかなと思います。
でもまだ、本当の意味でプロを名乗るにはおこがましい気がします。
生計を立てられるようになった時、前向きに名乗れればいいなと考えています。
Q17: プロになって一番嬉しかったことは何ですか?
実際に書籍を手に取った時です。
Q18: 最後に、小説家を目指して頑張っている方達にアドバイスをいただけませんか?
落選が続くと、落ち込むことがあるかもしれません。
私も新人賞は五十回以上落ちました。五十回から数えなくなったので、実際は百近くまで屍を積み重ねてきた可能性もあります。
とにかくもう、やめたらこれまで費やした時間がもったいない、そう思えるくらいには書いてきました。それもまた書き続ける理由のような気がします。きっとこのサイトをご覧になっているみなさまもそうなのだと思います。
アドバイスなんて、私にはまだおこがましいので、まだまだみなさまと一緒に切磋琢磨していけたらと考えています。