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救済されてもいい悪役の在り方。の返信

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救済されてもいい悪役の在り方。(元記事)

 お久しぶりです。大野です。
 ここ三か月ほど書いていた原稿を今朝がた完成させ、批評依頼の方に上げたところなのですが……。今更ながら、自分でも『これちょっと受け入れられ辛いかもなぁ』というのを一つ描いていたこともあって、皆さんの意見を聞いてみたいと思い、このスレッドを立てました。

 内容としては、ほぼタイトル通り。作品全体を通しての黒幕をエピローグで主人公が身内に引き入れる(探偵事務所のバイトとして雇う)のですが、それが読者に受け入れられるかどうかで悩んでいます。ちなみに俺の書いた悪役はこんな感じ。

 マイナス面
 ・主人公、ないし無関係の一般人を躊躇なく巻き込み、あるいは騙し、殺害も辞さない(殺害に関しては未遂)。
 ・マキャベリストと自己中の間のような性格であり、かつ徹頭徹尾理詰めで考える/考えようとする。
 ・保身第一・結果第二(ただし、『いつか結果を出すための保身』であるので、大人しくしている事が出来ない)
  例えば、『何かを盗む』事を考える場合、逃げる手段を大量に用意するし、正体バレも徹底して防ぐけど、『そもそも盗まない』という考え方はしない。
 ・追い詰められた状況から逆転すると、嗜虐性をあらわにする。
 ・五十数人を生贄にするレベルの儀式をしようとした(未遂)。

 プラス面/言い訳
 ・ほぼ全ての案件が未遂であり、罪の大半が軽傷と賄賂、器物破損くらい。
 ・成長環境が悪く、徹底した結果主義や合理主義を叩きこまれて育った。また、そもそも実家の思想そのものが『目的のためなら手段は問わない』という家柄であった。
 ・身近な血縁者にその苦境に負けず『普通に育とう』と努力していた人間が居たために、劣等感からひねていた。
 ・なかなか結果を出せずにいたために精神的に追い詰められていた。

 辺りです。主人公はかなりひねくれ者なので、主人公自身の行動としては(嫌がらせを兼ねて)自分がとっちめた犯人を身近な所に置くくらいの真似はしそうなのですが、読者に受け入れられるかはまた別の問題です。

 まあ、俺の作ったキャラには限らないですが、皆さんにとっての『救われてもいい悪役』とか『悪役救済を受け入れられる状況・書き方』についての意見を聞かせて頂ければ幸いです。

救済されてもいい悪役の在り方。の返信

投稿者 柊木なお 投稿日時: : 1

いつもお世話になっております。

面白そうな話だったので、少しだけお邪魔させていただきます。
創作論としては参考にならないと思うので、適当に流していただければ。

結局、単純な四則演算の問題ではないと思うのです。
駄菓子屋で万引きした(−10点)、ヤンキーの仲間を裏切った(−20点)、道端に捨てられている子猫を助けた(+30点)。今ならボーナスでポイント2倍。
おおまじめな話、人間の行動に客観的な点数がつけられるなら、喧嘩も戦争も存在しないでしょう。
完璧な善人も悪人もいないわけで、誰かのことを許せる人も許せない人もいるからこそ、そこに語るべきものがあるのだと思います。

閑話休題。
「ファスト&スロー」というひと昔に脚光を浴びた(らしい)ノーベル賞学者の著作があって、もう少しコンパクトにまとまったものだと、「予想どおりに不合理」という類書があります。どちらも多種多様な実験結果を引用していますが、つまるところ、「我々は普段から合理的な意思決定ができていると錯覚しているが、一歩離れて冷めた目で見てみれば、呆れるほどに辻褄の合わない行動ばかりとっている」というのがその眼目です。
なぜそんなことになるのかといえば、人間はロボットではないから。
小説を読むのもロボットではない以上、たとえば作中の悪役を許すか許さないかといった判断もまた、現実世界と同じように不合理なフィルタを通して行われることになるのでしょう。

もう少し議題に寄せるなら、「そのキャラクターがどういう人物か」よりも、「そのキャラクターがどう書かれるか」のほうがよほど重要だと思うのです。
悪事はさらっと流して善行を強調するとか、もっと酷い連中で囲んで相対的な善人にしてしまうとか、そういう小手先の手法もあるにはあると思います。
が、そもそも小説であれ随想であれ論文であれ、多かれ少なかれ書き手の主観や偏見が入り込まざるを得ない以上、「どんなやつは許せてどんなやつは許せないのか」問題にしても、その思うところは否応なしに読者にも伝わるでしょう。

繰り返しにはなりますが、悪役がどうこうに限らず、キャラクターに関する価値判断は人それぞれであって、しかもそれは時に学問の対象になるレベルで不合理なものだと思うのです。
これぐらいの美点があればこれぐらいの欠点には目を瞑ってもらえるだろうとか、こういうエピソードがあれば過去の凶行ぐらいは見逃してもらえるだろうとか、そういった打算が効果を上げることもあるでしょう。あるいは研究を重ねれば、ノーベル賞だって取れるかもしれません。
が、作者自身が「こいつには救われる価値があるんだろうか?」と悩んだり、「ちょっと印象が悪いから捨て猫でも拾わせるか……」と日和ったりすれば、読者からの不合理極まりない採点に翻弄されること請け合いです。

ということで、キャラクターに対する読者からの評判なんてものは端から気にせず、むしろ作者自身の不合理をぶつけてやるぐらいの心意気で、好きなキャラクターを好きなように書いたほうが良いんじゃないか、というのが個人的な総括です。

ひと言で言うなら、「気にしてもしゃーない」ということです。
私見としては、だいたいそんな感じです。

大野様がこの問題に関してどのようなスタンスをお持ちなのかはわかりませんが、枯れ木も山のにぎわい式の安直さでコメントさせていただきました。
(実を言うと、いま執筆中の作品のテーマと少し被っていて、タイムリーだったというのもあります。そんなもんチラシの裏に書いとけ、という話ですが)

駄文失礼いたしました。
それでは。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 救済されてもいい悪役の在り方。

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