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すぐに新しい作品を書きたくなるの返信の返信(元記事)
返信ありがとうございます!
申し訳ないのですが、前半のところがよくわかりませんでした……。
「物語を作る」ように意識すれば良いとのことですが、設定や冒頭から妄想を膨らませるやり方だと上手くいかないということでしょうか?
また、恥ずかしながら私のプロットは起承転結を書き出しただけのもの(10行程度)で、一応最後まで考えてはいるのですが、これではラフに足らないということでしょうか……?
質問で返すことになってしまい、申し訳ありません。
後半の、完結とアウトプットのメリットについては、とても納得させていただきました。
新作はプロットやあらすじで欲を発散させつつ、できるだけ一作にとりかかるようにしてみます。
アドバイスありがとうございます。
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投稿者 サタン 投稿日時: : 0
>設定や冒頭から妄想を膨らませるやり方だと上手くいかないということでしょうか?
物語の作り方は人それぞれなので、安易に「それは違うぞ」とは言えないです。なので起承転結が作れてるならそれで問題ないんじゃないのかな、と思います。
でも、例えば、そうだな……童話「桃太郎」の作成例でもやってみましょうか。
まずは私が以前やってて完結しなかった、もしくは出だしは良くとも完結しにくかった作り方。
・桃太郎は桃から生まれる。桃には退魔の力がある。
・犬、猿、雉を仲間にする。
(中略)
・鬼ヶ島には悪い鬼が住んでいる。
など、設定をごっちゃに考えて、それを形にしようとする。
別にこれで作れないこともないけど、おそらく慣れない人には向かないでしょう。
というのも、「桃には退魔の力がある」は「そういう設定」で、物語を彩る仕掛けです。一方で「犬を仲間にする」というのは、正確には設定ではなく「展開」です。
イメージしたものを片っ端から「設定」として書いてるので、脳内ではちゃんと形になってどういう感じか把握できますが、いざ出力しようとすると、何がどうなってるのか混乱しちゃうって事が多いです。
どのタイミングで何を書けばいいのかわからないし、そもそも「設定」は「物語」ではないので、「こういう流れの話」を曖昧に把握はしてるけど、実際「どういう話なのか」というのを自身で理解できていません。
次はあらすじで流れを書く方法。
「老夫婦が拾った桃から生まれた桃太郎は、きび団子を手に犬猿雉を仲間にして鬼退治に向かう。道中で困ってる村を助けつつ鬼ヶ島へとたどり着き、跋扈してる鬼たちをなんとか退治する」
これだと、「物語」は作れているので設定から作るよりも上等だと思いますが、あらすじという性質上、物語を省略してしまうので肝心なところが考えられておらず、そこで筆が折れる事が多々あります。
例えば「桃太郎が鬼退治を決意した切っ掛け」とか「犬猿雉を仲間にする経緯」とか、肝心の「鬼退治」でさえ「なんとか退治」と曖昧だったり。
そもそもこうした「ざっと起承転結の流れを書いて執筆」という手段は、「そのあらすじを読んで、どこを盛り上げどのように設計するか」というのが読み取れる人でないと難しいと思う。
「あらすじ」という方法は物語を考えているので間違ってはいないのですが、漠然としてるので「どこをどのように書くか」という設計・構成が出来てないんです。
人間、基本的に物事を頭から考えようとします。
常識的に「時間」という概念があるので、0時から6時までの出来事なら「0時から」をまず考えるでしょう。
そうすると、書き始めの「0時」付近は良く書けると思う。それより前のシーンはないので何にも縛られないし、自由に書ける。
でも、時間が経過するに従って、物語の辻褄を考えたりなど余計な事ないし書かなきゃいけないことが増えるので、自由が効かなくなる。
「6時」に近づく頃にはもう尻すぼみして、事前に考えたオチに繋がればいいや、という感じで、まあ言ってしまえば適当になるんですよね。
それは多分、「あらすじ」の時点で片鱗が見えてるんじゃないかな。
「桃太郎はなんとか旅に出る」とはまず書かないけど、「なんとか鬼を退治する」とは何の疑問もなく受け入れちゃってるでしょ。
よくあるのが「成長譚」を書いてる人の要約ですね。
「冒険の中で成長する」とか設定やあらすじで書いてるんだけど、どうやって成長するか書いてないので、そのあたりで筆が止まる。
「成長譚」だから成長するのがメインの話なわけで、すると成長し始める序盤が終わったあたりで「成長ってどうやって書けばいいんだ?」と書けなくなる、という具合です。
「成長する話」なのに、「どうやって成長していくか」はほとんど考えておらず「成長したいと思った理由」とか「こういう世界観でこういう過去がある」とか「強くならなきゃいけない事情」とか、「そうなるに至った理由」つまり「スタートラインに立つまでの事」を考えやすいので、つまりは「序盤は上手く書ける」という人は実際かなり多いです。
成長譚を書く場合、大事なのは「そうなった経緯」ではなくて「どうやって成長するか」というのが本質なので、言ってしまえば「どうして成長したいと思ったか」みたいな経緯は、ぶっちゃけどうでもいい内容です。成長する展開に進めりゃいいんだから。
でも人間的常識から「時間」に思考が縛られるので、普通はそうやって頭から考える思考になっちゃってると思う。
軽く失敗談から入るつもりがえらい書いてしまった……。
知りたいのはこの後の成功させるための方法だろうけど、最初に書いた通り人それぞれなので「全体の流れ」が書けていれば基本的には問題ないと思います。
これから書くことはあくまで私個人の方法ね。
「桃太郎」は要約すると「桃太郎が鬼退治する話」なので、結局はコレが書けりゃいいわけです。
設定を考えたりあらすじを考えたりしても、そこからまず考えるのはこうした一文です。
何故なら、この一文が「これから書く物語の本質」となるためです。
いろいろ妄想して話を膨らませる場合、この「本質」から反れたことをしてしまうと話が脱線してしまうし何の話かわからなくなるので、例えば「桃太郎が都で女郎にハマって豪遊する」なんてサブエピソードを作ると話が変な方向に行っちゃいます。
そういう話があってもいい、なんて考えで安易にやる人も多いですが、この場合、本質「鬼退治」を考えると「桃太郎がハマった女郎は、鬼が化けたものだった」というオチにしたほうが良いことがわかります。
このように、物語の本質を理解し、把握することは物語の方向性を決定付けることができるので非常に重要です。
いちいち考えなくても感覚で理解してる人もけっこういるけどね。
それでこの「桃太郎が鬼退治する話」という一文を膨らませる方法ですが、実は私は恥ずかしげもなく何度も得意気にこの板で詳細を書いてるので、すでに長文書いてるし、ざっと書くだけにしておきます。
「桃太郎が鬼退治する」これを主語と述部で切り分けて、そこに新しい要素を追加する。
「桃太郎が」「犬猿雉を仲間にして」「鬼退治する」もう一度切り分けた部分に新しい要素を追加する。
「桃太郎が」「きび団子を手にして」「犬猿雉を仲間にし」「鬼ヶ島へ行って」「鬼退治をする」
5つの要素が出来たので、この時点で三幕構成に照らし合わせて考えることができます。
すると「桃太郎が」という部分は第一幕で、第一幕は状況や世界観を書き読者に「どんな話か」を理解してもらう場所なので、基本的には「桃太郎」について書くことになります。主に主人公のキャラ描写や主人公が置かれてる状況などですね。
なので「桃太郎が」という言葉を噛み砕き、「どんな人物か」を列挙していく。
・桃から生まれた。
・退魔の力がある。
・村外れの老夫婦に育てられた。
といった感じでしょうか。
そしたら、「村外れの老夫婦が拾った桃から桃太郎が生まれた」というワンシーン、「村で問題になってた怨霊を桃太郎が触れるだけで祓った」といったシーンを書けば、列挙した設定を書けた、と言えますよね。
こんな感じで5つの要素を噛み砕き、設定を拾ってシーンを作っていくと、5つの要素を全部噛み砕けば「小説」としての一個の物語が出来上がります。
これ、「全体を作ってる」って事がわかりますかね。
最初に「桃太郎が鬼退治をする」という全体図を作って、それを噛み砕き、広げただけで、「頭から物語を作ってる」というのとは違うため、終盤「鬼退治をする」から作ることも出来るし、「仲間にする」を先に作ることもできる。
内容も「村外れの老夫婦が拾った桃から桃太郎が生まれた」という概要だけなので、その中でキャラをどう動かすか、どういう組み立てをするかというのは自由で、極端な話、シリアスな内容にもコメディな内容にも、この時点ではどっちでも許容できます。
それでいて「どう展開するか」というのは決められているので、それさえ外さなければしっかり書けます。
「全体を作ってる」ので、終盤へ進むに従い内容が薄くなるという事はありません。
これはあくまで自分の方法ってだけですが、「村外れの老夫婦が拾った桃から桃太郎が生まれた」といったワンシーンを書き上げるだけの実力がある人なら、この方法は基本的のそのワンシーンの集合体で長い物語を作ってるので、理論上どんな物語でもどんな長い話でも書けます。
要素を細かく増やしていけば長くなるし、少なく済ませれば短くなる。
序盤のシーンは「桃から生まれた」「退魔の力がある」「村外れの老夫婦に育てられた」の3点がわかれば良いので、「村外れの老夫婦が拾った桃から桃太郎が生まれた」「村で問題になってた怨霊を桃太郎が触れるだけで祓った」という2つのエピソードでこれを表現しましたが、別に「流れ着いた桃に悪霊が近付こうとせず、退魔のお守りとして持ち帰ると桃の中から桃太郎が生まれた」というシーン一つでも3つの要素を語れます。
要素を語れればなんでも良いので、シーンを作る足がかりにもなります。
もりもりさんの手段が間違いだという指摘ではなく、全体を考えたほうが良いという話で、その考え方のうち私なりの方法を示しただけです。
設定だけで粗筋だけで一本作れる人もいますし、まあ、なんだ、言ってしまえば私の方法はバカ向きです。
カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: すぐに新しい作品を書きたくなる