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物語の終わり方と受けるか否かについての返信

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物語の終わり方と受けるか否かについて(元記事)

はじめまして、雨降りと申します。
私は今現在SF要素(未来や過去、並行世界など)を混ぜ込んだラブコメを書いているのですが、物語の終わり方に悩んでいます。
マルチエンディングというべきなのかは判りませんが、ヒロイン1〜3までの誰か1人と付き合い、共に物語の命題や困難を乗り越えて終幕! という、いわゆる美少女ゲームのエンディングのような形で締めたいのですが、やはりこのような「物語の終わり方が複数ある」タイプの小説は受けないのでしょうか?

物語の終わり方と受けるか否かについての返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 2

マルチエンディングって、ゲームではごく普通にありますよね。だけど小説(映画、アニメ、ドラマ等々)では少ない。とはいえ、マルチエンディングに似たものとしては、過去への時間移動があります。失敗したら過去に戻ってやり直す、成功するまで粘り続ける、みたいなものです。

ただ、失敗したら、なんですよね。「よーし、上手くいった! じゃあ別のほうもやっとくか」みたいな小説は、どうも心当たりがない。女神転生シリーズですと、原点となったOVAは筋書きも結末も1つだけ。ゲーム化されて、スーファミになると明確に「Law、Chaos、Neutral」のイベントから結果までが用意されるようになった。イベントや結末は、主人公=プレイヤーの選択によって変わります。全3ルートをクリアして、どれが自分的に納得いくかを試すプレイヤーが多かったようです。

ゲームではよくあるのに、ラノベ等ではマルチエンディングの手法で当たったものがないのはなぜか。おそらく、ゲームだとプレイヤーが物語作りに参加していることがあるように思います。自分の思考錯誤の結果だから、結末に価値が感じられる。他の可能性も自分で試せるとなると、やってみたくなったりもする。

しかし、小説(、アニメ、ドラマ、映画等)は作者が全て決めます。読者はただひたすらに作者の選択を見せられるだけ。ゲームを横で眺めていて、プレイヤーより楽しめるかというと、そうはいきません。異なる方法で何度もクリアしたとしても、見ていて飽きる一方です。だって自分で遊んでないから(例外として超上級プレイヤーのテクを観戦とかあるけど割愛)。

小説とて同じです。ましてや、あり得る成り行き、起こり得る結末全部見せて上げます、といわれたらワクワク感の正反対になりかねません。その代り、小説では読者が思いもつかない展開、意外過ぎる主人公の選択などを出すことができます。読者だったら絶対に選択しないようなことでも、作者が導いていけるわけですね。

しかし大事な選択はジレンマが生じるものですよね。ジレンマが生じないとしたら盛り上がらない。AとBの2択でAを選んだら、Bだったらどうだったか気になるくらいがいい。じゃあ、Bの場合も見せたら、読者はより満足するのか。難しいと思います。

Bが惜しいと思うからこそ、Aが映えるという現象があるのです。サンクコストの一種かもしれません。ゲームだとプレイヤーに能動性がありますから、Bも試せたほうがいい。ですが、小説の読者は受動的にならざるを得ない。単純には小説が不利なようですが、メリットにもなります。惜しむ気持ちについては満足させず、それにより実際に主人公が選択した行為に魅力を持たせることが可能だからです。

時間遡行してのリセットがマルチエンディングと似ていると申しました。が、重要な違いがあります。主人公が過去に戻ってやり直すのは、たいてい失敗したときです。やり直して、また失敗だったなんてストーリー、よくあります。何度やり直してもどうしても失敗になる。

これは主人公を追い詰める手法になっています。ハッピーエンドをたくさん用意して、ハッピーの足し算というものではない。その逆ですよね。どうやっても失敗になることを主人公が確認し、感情移入している読者も主人公と一緒に絶望する。要は盛り下げです。そこで一筋の光明を主人公が見出す、ないしは主人公が考え方を変えたりして、テンション上げれば、落差の大きい山場を作れるわけです。

マルチエンディングの小説が少ないのは、単に誰も試していないということではないです。マルチの結末を用意しにくいわけ、用意しないほうがいい理由があるわけです。そういう要因を考慮しても、なおも全結末が見せたほうが盛り上がるようにできるなら、マルチエンディングを試みたらいいと思います。書き上げてみて、確かに1ルートのみより良いと確信できたら、公募なり発表なりしたらいいでしょう。しかし、なんとなくやってみたいというレベルでしたら、避けるべきだと思います。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 物語の終わり方と受けるか否かについて

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