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鬱展開でもダメージを受けないメンタルの強い作家しか創作では生き残れないのですか?の返信

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鬱展開でもダメージを受けないメンタルの強い作家しか創作では生き残れないのですか?(元記事)

僕自身の体験の話からさせてください。
「アイデアや技法をインプットするのと、ラノベにおけるトレンドを理解するために、
 作家志望の人間はあらゆるライトノベルを読むべき」というアドバイスがこのサイトに限らずいろんな場所で
言われているので、最近までジャンルにこだわらず色々なライトノベル、特にアニメ化するほどのライトノベルや、新人賞受賞作を読んでいたのです。

しかし、読んでいく途中で突然、読み進める手が止まってしまうことがしばしばありました。
読んでいて鬱な展開、ショッキングな展開があったときに、自分までショックを受けてストレスで
それ以降のページを読めなくなってしまうのです。
(例を挙げると主人公がいじめで暴力を振るわれるシーンや、チンピラに暴力を振るわれるシーン、
 メインキャラが上司にパワハラで圧力を受けるシーン、年端も行かない子供が殺されたりするシーン、
 露悪的に人間や世界の爛れた部分を描写する台詞や文章など)
(特にきつかった作品を挙げると、月見月理解の探偵殺人、ぼくと魔女式アポカリプス、
 とある魔術の禁書目録のオルソラがアニェーゼたちにリンチされる巻あたり)

そういう風にショックを受けて読めなくなった時、頭では
「このラノベはアニメ化するほど人気(or新人賞を受賞するほど認められている)のだから、
 この作品を読まないと面白い小説を書くためのアイデアや技法、それにラノベ界の最新のトレンドが理解できない。
 その作品に一部でも目をそらしてしまうような要素があるのなら、それは自分の感性が未熟なだけだ」と
自分に言い聞かせて読み進める手を再び動かそうとしても、どうしても読書を再開できません。

結果、「人気作を読んでいないのでアイデアや技法、最新のトレンドを十分に吸収できていない」
「読むべきはずの本を読めていない=自分で決めた課題を達成できていない」
「こんな状態だと面白い小説も書けるわけがない」と自己評価も下がり、
日に日にモチベーションも下がっています。
まして同じ作家志望の中に、上記のような人気作を楽しめている人間がいるならなおさらです。
アイデアの吸収量、トレンドへの理解という点では、明らかに僕は彼らより劣っているわけですから。

で、本題はここからで。
某エロゲ(鬱シナリオで有名)の某所でのレビューコメントに、
「自分は全然大丈夫だった。これで鬱とか言ってる奴はどんだけ打たれ弱いの?」
というコメントがあったんですけど、
ラノベで鬱展開を見ても大丈夫な人って、結局メンタルが強いから
鬱展開があっても問題なく見続けることができるんですよね。

彼らのようなショッキングだったり、重かったりする展開でも精神的に
ダメージを受けないメンタルの強い人間なら、
必然的に読むことができるライトノベルも増えるし、アイデアや技法も吸収できるし、
最新のトレンドに対する理解も深まるから、面白い小説を書ける可能性も高まりますよね。

てことは逆に言うと、僕みたいな鬱展開にいちいちショックを受けるメンタルの弱い人間は、
触れる作品も減るから十分にアイデアを吸収できないし、トレンドも理解できないから
面白い小説を書けないってことなんでしょうか?
僕が面白い小説を書くためには、より多い作品に触れてアイデアやトレンドをインプットできるために
鬱展開の多い作品を読みまくるなりしてメンタルを鍛えるしかないんでしょうか?

もしそうだったら死にたくなってきますね。
メンタルの強い人間が得をしがちな日常から
少しでも解放されるために創作を趣味にしてきたのに、
創作の世界でもメンタルの強さがものをいうだなんて……

鬱展開でもダメージを受けないメンタルの強い作家しか創作では生き残れないのですか?の返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 2

結論から先に申せば、苦手な流行ジャンルに挑むか、自分の好きなジャンルで当面やっていくか、スレ主さんの決断次第です。以下、そのことを説明してみます。

1.苦手と感じるものは、創作者としてはむしろ向いている

「お化けの類が怖くない人はホラー作品を作れない」のだそうです(誰の言だったか忘れました)。確かにそうかもしれません。幽霊が怖くなかったら、幽霊がどう現れ、何を言い、どう行動したら怖いのか、想像するのは難しいでしょうから。

その一方、クトルゥフ神話で有名な作家ラヴクラフトはオカルトの類を一切信用せず、無神論者を自認すらしていたそうです。これも頷ける話です。幽霊が確かに存在すると信じているなら、その信じる内容に縛られてしまいますから(結果、作者だけが怖がるという悲喜劇にもなる)。

読者を唸らせるほどの作品を生み出したければ、苦手なもので苦痛を生々しく感じる必要性と、同時に感情抜きで眺める客観性が必要というわけです。「自分は全然大丈夫だった。これで鬱とか言ってる奴はどんだけ打たれ弱いの?」と言う人は、ゲームプレイヤーや読者にはなれても、クリエイター側になることは難しいでしょう。

2.ご質問文から推測してみたスレ主さんの得手不得手

スレ主さんはどうやら非常に他人に共感しやすい、感情移入が強く起こりやすいタイプではないかと思います。そうでなければ、実際には存在しない人物(作中のキャラ)がひどい目に遭うことを、我が事のように感じないはずですから。

ですので、難しい問題です。適性があるゆえにハードルが高くなっています。名作、人気作を読むときもそうですし、自ら書くときにはそういうシーンの必要性が出たら、さらに苦痛ではあるでしょう。

しかし、そこが他人には真似が難しい、スレ主さんの武器でもあるわけですね。なぜなら、作中のキャラになり切って、作品世界を実感することができるから。作者としてよく「キャラが走る」と言ったりします。作中キャラは、作者が想定して行動させているわけですが、作中キャラがまるで己が意思を持ったかのように感じる現象です。
(作者が作中キャラにAの行動をさせようとしたら、そのキャラがAはできない、やれるのはBだと言ってる気がする、とかです。)

こうなればしめたもので、作中キャラが自ら考え、行動している雰囲気が出やすくなります。そこに、キャラになり切る資質が加わると、いわゆる鬼に金棒状態となります。ただ、その鬼に金棒を活かすには、2つの選択肢が生じそうです。

3.リスク承知で苦手に挑むか

1つはいばらの道で、辛い描写のある作品を大量に読み、キャラの苦痛を自分の苦痛と感じても耐えること。そして、得たものを活かして書くんですが、当然、勉強した成果を出すためには、自作のキャラの苦痛も感じながら書くしかありません。

読むときは、ある程度つまみ食い(見たいところだけ注意、集中する)できるんですが、書き手になるとそうはいきません。シーンに登場するキャラ一人ひとりになり切って実感するだけでなく、シーンに出てこないキャラまで意識する必要があります。

例えば、牢獄につながれているヒロインを助け出す物語だとして、主人公が遠くで四苦八苦しているときでも、「このときヒロインはどうしているか」は意識する必要があります。これは私では難しいことなんですが(すぐ忘れる)、キャラを生々しく感じる能力があるスレ主さんなら可能になりそうです。

ただ、しんどいです。下手すると病みます。人生相談でも、他人の悩みを真面目に聞いただけでも、数人~十数人と聞いていると、相談者の苦痛を追体験しておかしくなることって、よくあるそうです。他人の話を上手に聞ける人ほどそうなる。ましてや、自分で創造したキャラですと、自ら苦痛を作り出し、自らが苦痛を受けることになります。

ですので、苦手意識がある分野、ジャンルに挑むなら、下手すると自分が壊れる前に撤退する覚悟と(サンクコストは切り捨てる等)、自分を客観視する用心が必要です。趣味の創作で実生活ができなくなってはいけませんから。しかし、もしやり続けることができれば、生き生きしたキャラが活躍する名作を生み出す確率は、例えば私みたいな共感の凡人より遥かに高いでしょう。

3.仮にニッチでも好きなジャンルを選ぶか

もちろん、それだけが道ではありません。リスクを避ける行き方もあります。ラノベも競争が激しくなってからは、刺激の強い描写を入れることが多くなりました。他人の作品のある過激描写が受けたとみたら、自分の作品ではもっと過激にしてみよう、という競争ですね。とりあえず目を引けるエロもグロは特にそうです。

でも、そんな作品ばかりじゃないですよね。ほんわかした作品だってある。ひたすら小ネタのギャグを延々と展開するものだってある。勝負ものだとしても、命張った血みどろのバトルがある一方で、囲碁や将棋の盤面で勝負する作品もある。どちらも同じくらい手に汗握るものがあったりもします。必ずしも身体的、精神的苦痛が大きいほど盛り上がるわけではないわけです。

スレ主さんもきちんと読めて、好きなジャンルはおありでしょう。もしそうなら、そのジャンルを目指すのも悪くありません。現時点での刊行数やPVでの人気ジャンルは気になる要素ではありますが、次の流行ジャンルが作者さんの好むタイプになる可能性だってある。むしろ、次の流行ジャンルを作り出すほうが得るものはデカいです。そうならなくても、ニッチで安定した人気を得ることも可能です。今は読者の好みが多種多様ですから。

4.たくさん読んで書く想定で選択すべきだが、いつ変えてもいい

作家スティーヴン・キングは小説家になるコツを聞かれて、「たくさん読んで、たくさん書く。それしかない」と答えたそうです。読むのも書くのも大量になることだけは覚悟する必要があります。苦手ジャンルに覚悟を決めて挑むか、今の自分にできるジャンルを目指すか。あるいは他の方法を模索するか。

こればかりはスレ主さんが自らを省みて、決めるしかありません。決めにくくてもとりあえず進むことです。自分がどうしたいかなんて、いつでも変えていいし、変えられるんですから。特に趣味でやるなら自由気ままでいいはずです。

カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: 鬱展開でもダメージを受けないメンタルの強い作家しか創作では生き残れないのですか?

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