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生きたキャラクターを生めた試しがないの返信の返信

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生きたキャラクターを生めた試しがないの返信(元記事)

スレ主さんの作品を拝読して、キャラが上手く動かない事例と、きちんと動く事例(フォロワーさんのキャラと絡ませた場合)について見てみたほうがいいのかもしれません。が、そのフォロワーさんにも回答で言及したりするのもまずいのかもしれません。

以下、ご質問だけから、自分が思い当たることを事例的に説明してみます。大ハズレの可能性も高いですから、その場合はスルーしてくださると幸いです。

1.キャラは勝手に動いてはくれない

「キャラが勝手に動き出す」は(一部の上級者の)感覚的な言い方なので、拘らなくていいです。だって、キャラを動かすのは作者で間違いない。例えば、作者が知らないことをキャラが知っているわけがない。作者が思いつかないことを、キャラのほうから知らせてくれたりもしない。

とはいえ、作者の思った通りにキャラを動かしてもマズいのは確かです。作者都合のみで動く傾向があるキャラは、操り人形と呼ばれたりしいます。キャラがキャラの意思ではなく、作者の言いなりにしか動かない、話さない。なんでそうなるのか。逆にそうならないケースはどうしてなのか。キャラを想定して、少し試してみましょうか。

2.織田信長をキャラとして動かそうとすると

たいていの人が概要は知っている、出来合いのキャラを借りるとして、例えば歴史的人物から「織田信長」としましょう。史実に忠実に再現するためではなく、説明のための事例、シミュレーション的なものですから、間違い等は大目に見て頂くと助かります。

信長でよく知られているのは、例えば桶狭間の戦いで少ない兵で今川の大軍を破り、というよりかいくぐって大将の義元を討ち取ったことがありますね。仏教勢力と対立し、(部将に命じてですが)比叡山焼打ちを行い、僧侶、信徒を皆殺しにしたことも、よく知られてます。

その最期は、本能寺においてですね。攻め寄せたのが明智光秀と知ると、「是非もなし」とのみ言って、多勢に無勢ながら自ら槍を取って戦い、力尽きて戦えなくなると、寺に火を放ち、「人間五十年」の幸若舞を舞ってから、自害したことも有名です。

この信長で、歴史的資料にない部分を利用してフィクションを作るとして、信長に暗殺の危険が迫ったとします。恐れてどこかに隠れるというエピソードは作りにくいですよね。存亡の危機において、今川の大軍相手に先陣切って戦いに赴いた信長らしくない。あるいは、仏像の前で一心不乱に祈ってもおかしいですよね。叡山焼打ちで仏敵と呼ばれても気にしなかった信長らしくない。

しかし、もし信長について「大軍に臆さない勇敢さがある」「無神論者である」くらいの曖昧な知識≒キャラ設定だったら、どうでしょうか。暗殺が迫ったとして、いったん隠れてもおかしいとは思えないかもしれません。無神論者でもいざとなると、いわゆる苦しい時の神頼みくらいするかもしれないと思えるかもしれません。

3.キャラに対する設定とエピソードの影響

「大軍に臆さない勇敢さがある」「無神論者である」は信長について正しい知識です。ですが、概念的なことに留まります。そこからブレイクダウンして具体化すると、いろいろできてしまう。

これに対し、はっきりしたエピソードがある場合は違ってきます。信長が、今川の大軍に率先して立ち向かい、そのときよりも衆寡隔絶した絶望的な状況でも全く慌てず、武人らしく戦い、従容として死んだ。そう知っていれば、逃げ隠れする信長、というイメージは持ちにくい。叡山焼打ちするほどの人物が、己が危機に仏にも祈りそうにない。

この信長を、同様の経歴を持つ架空のキャラに入れ替えても同じですよね。「無神論の勇者」では動かしようがない。あるいはイベントを発生させて、その勇者を放り込んでも、どう動かしていいか分からない。しかし、エピソードに基づく経歴があると、どうしそうかは想像可能になってきます。

例えば、「優しい人」では発想が出にくいですが、「三日前、捨て猫を見捨てられず、つい自宅に連れて帰った人」なら思いつくことも出てきます。なぜ猫を連れ帰ったかと考えて「小学生のとき迷子になって、とても不安だったことがあるから」とかすれば、さらに具体的になっていきます。

4.キャラは物語開始時点で生まれてくるわけではない

キャラの設定はストーリー上の都合、必要なものだけ作ると、作り物っぽい不自然さが出がちです。キャラは生まれてから物語に登場するまでの人生があるはずです。そこを考慮する必要があります。簡単な略歴でいいから、考えておくほうがいいです。

慣れている人だと、いちいちそこまで想定しないことが多いのですが、それはキャラの過去が必要になったときすぐ出せるからなのです。不慣れなうちはキャラの履歴書、例えば就職のとき申告する程度とか、上記なら織田信長に関する年表程度でいいので、書き出しておくといいかもしれません。

キャラは、例えば主人公ならほぼ物語全シーンに登場しますが、物語開始前も生活していたし、物語が終わった後もそうです。サブキャラですと、必要な時にシーンに出てきますが、出てこないときも何かしているはずです。サブキャラも主人公と同じく、ずっと生きて動いており、必要なシーンで発生して、頼まれた演技をするだけのキャラではないはず。そのことを意識するだけでも、かなり違ってくるはずです。

5.主人公から見る他のキャラも人格がある

上記とも関連しますが、主人公視点だとして、主人公だけから見た相手キャラを描くと、生き生きした相手キャラになりにくいものです。主人公の都合だけで動く相手キャラになりがちだからです。これを作者の思考で言い換えますと、例えば「主人公の前に立ちふさがった敵キャラは怖そうだけど、何をするんだろう」「主人公が睨むと、睨み返してくるんだろうか」と考えてしまうとか。

相手キャラも1人の人間であるはずです。主人公の前に敵キャラが立ちふさがったとして、いったん敵キャラ視点で考える必要があります。たとえ主人公の一人称で書いていたとしても、敵キャラにいったんなり切ってみないと、敵キャラの動きがギクシャクしがちなのです。

2人のキャラが会話しているときでもそうです。視点を話しているキャラに入れ替えて、シーンを考える必要があります。手順としては、いったん相手キャラ視点で主人公を見る→もう一度、主人公視点に戻る→また相手キャラ視点→…とシミュレートして調整していくことになります。面倒臭いですが、慣れたら自然にそうできるようになります。

6.キャラではなく周囲の状況が操り人形の場合もある

そのキャラが操り人形っぽいと思ったら、実は描かれてない周囲の状況が操り人形的だったということもあります。

例えば、朝の駅で主人公が敵モブキャラと延々と派手な殴り合いを続けたとします。これを主人公と敵キャラだけの秘密にしたとしたら変です。朝の駅は(今の自粛状況でないなら)通勤、通学等で混雑しているはずです。駅員に通報する人もいれば、腕に多少の覚えがある人なら止めに入るでしょうし、スマホで撮影してSNSに流す人だっているはず。主人公と敵だけの内緒にはできそうもない。

作者=作品世界の神でも、描かれていない不特定多数のキャラは操れません(キャラの行動が平均的とか確率的な現象だから)。もし操ると不自然なストーリー・ドラマ・シーン進行となり、作中の登場メインキャラに悪影響を及ぼします。描写上は登場しないキャラにも要注意です。
(字数制限により続く)

生きたキャラクターを生めた試しがないの返信の返信

投稿者 手塚満 投稿日時: : 1

(No: 6の続き)

7.キャラ設定の具体化が不足

漫画家の冨樫義博さんが「怒りっぽいキャラと設定しても、動かしにくいが、○○と言われると激怒すると具体化すれば動かしやすい」旨、仰ったことがあるそうです。それで思い出すのが、ジョジョシリーズの「東方仗助」で、髪形を貶されると必ず激怒します。
(それ以外で怒らないわけではないが、明確で詳細な条件が少なくとも1つある点が大事。)

ピンポイントで1つだけ決めてみるわけですね。これには受動と能動の2つがあります。例えば、

受動面:何があったときにどう反応するか(髪形を貶されると殴ってしまう等)
能動面:自分から行うことは何か(SNSで趣味仲間に話しかける、暇だと思うとゲームを始める等々)

みたいな感じです。スレ主さんのキャラは、フォロワーさんのキャラと絡ませると動くとのことですので、受動のほうは既に上手く行っている可能性が高いように思います。能動はちょっと難しいかもしれません。そのキャラがしたいことですので。しかし、別の視点でみれば、そのキャラが好きなことは何か、みたいなことにもなります。スレ主さんのキャラが好きなことは、具体的に何か、お決めになっているでしょうか。

8.好きなキャラより嫌なキャラが大事

「こんな子がいたらいいな」というのは、好きなキャラを設定したということでしょうか。そうだとして、嫌いなキャラは作ってみたでしょうか。気に入るキャラ作りだけに専念してしまうと、キャラが動かしにくい、動かないことがあります。そのことに、しばしば作者が気が付いていなかったりもします。

自分が好きなキャラは、既に魅力を感じているわけですよね。だから、例えば寝そべっているだけで満足してしまったりします(猫好きが猫を眺めているのと似ているかも)。見ているだけで、想像しているだけで好感度高いと動かしにくいのです。キャラは不足を埋めるべく行動させるのがやりやすいからです。

ですので、お気に入りのキャラは突き放し、困らせると動き出す。そうなると、好きなキャラを困らせる必要が生じ、り自分が嫌いなキャラが有効となります。嫌いなキャラは、片手間で作れない点は要注意です。嫌な奴なんだからと、手を抜いてしまうと、操り人形と化し、好きなキャラを困らせるように動かすことが難しくなります(好きなキャラから容易に反撃、撃退されてしまう等)。

9.手抜きの必要性

嫌いなキャラほど手間暇かけ、好きなキャラは手を抜く必要があるわけです。嫌なキャラが嫌らしいほど、相対する好きなキャラの方は勝手に光ってくれますので。

そのことと一部関連しますが、キャラを全力で描かないことも必要です。なぜなら、どのキャラにも作者の全力を尽くすと、どのキャラも似てしまう現象が起こりがちですから。似た者同じキャラ同士ではドラマが発生しにくくなります(みんな同じように考え、同じことを言い、同じことする等)。

ですので、キャラそれぞれで力を緩める部分、欠く部分を作る必要があります。すると各キャラに異なる個性ができます。あるキャラの緩めたり欠いたりした部分は、必然的に他のキャラが穴埋めする必要が生じます。つまり、キャラ同士で不足を補う必要性から、キャラを動かすことが可能になってきます。

10.バトン(s.sさんご紹介)

No: 3でs.sさんがご紹介してくださっている「貴方のキャラに100の質問。」は「バトン」という、キャラ作りに有効な手段です。「キャラ バトン」でネット検索すると、今もいろいろあるようです。自分でオリジナルの質問を考えるのも悪くありません。自作のキャラに作者がインタビューするつもりでやるといいようです。

リンク先はあるキャラのある作品内での様子を語るものになっていますね。その作品の推敲や続編、あるいはプロットからのシーン作りなどに役立つように思います。そういう使い方以外に、単にキャラを深めるのにも役立つように思います。

質問事項にキャラの来歴を踏まえて考えるとして、上記で申したエピソードをできるだけ添えてやると(思い付きの捏造で可)、キャラが具体化できるように思います。せっかく詳細の質問フォーマットがありますんで、試しに使ってみてはいかがでしょうか。

(了

カテゴリー : キャラクター スレッド: 生きたキャラクターを生めた試しがない

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