悪役の終わらせ方の返信
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悪役の終わらせ方(元記事)
初めまして、紗菜と申します。
現在小説のプロット
づくりをしていますが、クライマックスで手が止まってしまったので相談させていただきました。
ラストは登場人物たちを皆平穏にしてあげたい、と思っているのですが、悪役の最後に困ってしまいます。
何かスッキリ感を演出したいけれど、殺すのは主人公の性格に合わない。(バトルは普通にあるのですが……。)
あまりおざなりにはしたくないので、事故で思いがけず殺してしまうというような展開も考えたのですが、却下に。
精神攻撃も何かしっくりこない。
かと言って、適当に終わらせるような性格でもいいし。
何かいい決着の付け方はあるでしょうか?
それとも、和解の方がいいのでしょうか。
などなど、考えてしまってそこで突き詰められません。
もちろんアイディアをそのままパクるようなことはしませんので、よければ参考に皆さんの”悪役”の終わらせ方を教えていただけませんでしょうか。
散文駄文、失礼いたしました。
悪役の終わらせ方の返信
投稿者 兵藤晴佳 投稿日時: : 0
どんな物語でも、結末にはこの2つの軸しかありません。
1、幸せと不幸
2、勝利と敗北
つまり、この4つのパターンがあることになります。
1、勝って幸せになる
2、勝って不幸せになる
3、負けて幸せになる
4、負けて不幸せになる
「すっきり」が負けた悪役を傷つけない結末とするならば、「3」しかないでしょう。
そこで、「幸せ」を具体的に考えることが必要になります。
大きく分ければ、この2つでしょう。
1、欲望の充足
2、生き方への充実
「1」ならば、負けても欲しいものが手に入ればいいことになります。
モーツァルトの『魔笛』では、主人公と対照されるダメ男のパパゲーノは、最後に愛するパパゲーナと結ばれます。
敗れた悪役の男女が恋に落ちて、次の新天地を探して旅立つという結末もあり得るでしょう。
「2」であれば、負けたことで悪役を本来の生き方に戻せばいいのです。
聖悠紀『超人ロック』ならば、「人生をリセットさせる」というパターンになります。
赤ん坊に戻したり、記憶を全て消したり、別人として生まれ変わらせたり。
この変形としては、「悪役が全く反省しない」というパターンもあり得るでしょう。つまり、「負けたことをまったく気にしない」わけです。
江戸川乱歩『黄金仮面』で名探偵・明智小五郎と対決したアルセーヌ・ルパンは、死んではいけない悪役です。
三谷幸喜のTVドラマ『合い言葉は勇気』で津川雅彦さんが演じた悪徳弁護士・網干も、自分の生き方を曲げることはありません。
「悪役のすっきりした末路」としては、「負けても本人が納得する」方法を工夫すればよいといえるでしょう。