返信一覧の表示
悪役の終わらせ方 (No: 1)
スレ主 紗菜 投稿日時:
初めまして、紗菜と申します。
現在小説のプロットづくりをしていますが、クライマックスで手が止まってしまったので相談させていただきました。
ラストは登場人物たちを皆平穏にしてあげたい、と思っているのですが、悪役の最後に困ってしまいます。
何かスッキリ感を演出したいけれど、殺すのは主人公の性格に合わない。(バトルは普通にあるのですが……。)
あまりおざなりにはしたくないので、事故で思いがけず殺してしまうというような展開も考えたのですが、却下に。
精神攻撃も何かしっくりこない。
かと言って、適当に終わらせるような性格でもいいし。
何かいい決着の付け方はあるでしょうか?
それとも、和解の方がいいのでしょうか。
などなど、考えてしまってそこで突き詰められません。
もちろんアイディアをそのままパクるようなことはしませんので、よければ参考に皆さんの”悪役”の終わらせ方を教えていただけませんでしょうか。
散文駄文、失礼いたしました。
カテゴリー: ストーリー
この質問に返信する!悪役の終わらせ方の返信 (No: 2)
投稿日時:
主人公が手を下さない、悪役の終わらせ方を箇条書きにしていきたいと思います。
・無限地獄に落ちる、作中世界で冥界や地獄が出てきて、そこに不意に落ちてしまう。または、宇宙空間に飛ばして、考えるのをやめさせる。
・鬼滅の刃のように、主人公が悪役を倒した後、その悪役の願いを叶えてあげる。これは主人公が手を下していますが、主人公の目的は悪役を殺すことではなく、願いを叶えることなのでセーフだと思います。
・悪役は力を失い、逃げ惑い、廃人のような生活を送る。または、普通の人間になった悪役がそれまで苦しめてきた人間たちと暮らす。前者は多少残酷ですが主人公が手を下してないのでセーフ。後者はかなりハートフル、悪役も人間として暮らしているので、かなりライトな悪役。
・懲らしめられる。主人公たちがした行動が思わず、悪役のウィークポイントをつき、それに懲りた悪役が悪さをしなくなる。これは微妙ですが、まぁ締まりは良い。
・悪役が自分の兵器で自爆する、または命をかけて暴走兵器を作動させる。これは結構間抜けな悪役。
・悪役が自死を選ぶ。個人的にこれがしっくりくる。
紗菜さんが書く話の悪役がどのようなものか定かではないので、いくつか箇条書きしました。
何かのお役に立てれば幸いです。
悪役の終わらせ方の返信の返信 (No: 7)
投稿日時:
丁寧な返信、ありがとうございます。
悪役の持っている選択肢は、かなり多いですね。
それに、これを読んでまだまだ掘り下げが足りていないと痛感しました。
行動原理がぱっと出てこないのです。
自分の物語と登場人物と相談しながら、もっと掘り下げが必要だな、と気づきました。
ありがとうございます。
悪役の終わらせ方の返信 (No: 3)
投稿日時:
和解が通るなら、主人公の仲間や犠牲になった人たち、もしくは捨て駒にした悪役の仲間を助けるために、自分の命を使うとか。
悪役の終わらせ方の返信 (No: 4)
投稿日時:
それは単にラストシーンの処理として考えるのではなく、序盤~中盤の流れを一度見直した方がいいと思いますよ。そもそも主人公は、なぜその悪役と戦っているのでしょうか?
……と言うのはですね。
単純に悪役を殺したくないというだけなら、改心して和解させる、死なない程度に痛めつけて逃がす、投獄するなどの方法が考えられます。
また、主人公が手を下して殺すのがまずいなら、自害や部下の裏切りで殺される、トドメは刺さないのだけれど火山の火口にでも落ちていくなど、いろいろ有ることは有ります。
でも、そういう結末ではスッキリしない、という感覚がスレ主様の心の中にあるわけですよね?
だったら、「どうしたらスッキリするのか?」の前に、「なぜスッキリしないのか?」を点検してみる方がいいです。
その場合に注意してほしいのは、
1)悪役の悪辣さや危険性の度合い。
2)主人公の目的意識。(なぜ、その悪役を倒そうとしたのか?)
この2点です。
1については、悪役を殺さずに逃がした場合、さらに悪事を重ねて人々に危害を及ぼす可能性は無いのか? ということです。
または、悪役の残虐性そのものに読者が強い嫌悪感を抱き、「こんなやつ殺してほしい」という感情を抱いている場合。(逆にポケモンのロケット団のようなほのぼのとした悪役だったら、むしろ殺してしまう方がマズイですよね?)
2については。
分かりやすくシンプルに分類すると、
3)「社会に災厄をもたらす悪から人々の命を守るため」型。つまり正義や平和の回復が目的になります。
4)仇討ち型。両親や恋人などの命を奪った敵を、復讐のために倒そうとするタイプ。
3の場合、ただ主人公が優しいとか人殺しを好まないとうだけの理由で悪役を助けるのが許されることなのか? という疑問が生じます。
4の場合は、そもそも敵を殺して恨みを晴らすことが主人公の目的じゃなかったの? ということになります。
以上のようなことがあるので、最初に戻りますが、
それは単にラストシーンの処理として考えるのではなく、序盤~中盤の流れを一度見直した方がいいと思いますよ。そもそも主人公は、なぜその悪役と戦っているのでしょうか?
という提案になります。
最後に悪役を殺す方がストーリーの一貫性が保てるのなら、そうする勇気も持った方がいいのではないかと。
それが、まず一つあります。
* * *
ところがですね。
ここで、主人公の本来の性格付けというもう一つの問題と衝突してしまうケースは、あることはあるんですね。
平和を守るため、あるいは恋人の仇を討つため。
そういう背景があっても、最後の最後にはこの主人公なら人殺しは避けるだろう。そういう主人公のキャラ設定が強固で、読者もそれを支持すると思われる場合ですね。
まあ、ぶっちゃけ。
初期設定において、「悪との戦いの迫力」と「主人公をイイ子にしすぎている」といういいとこ取りに走りすぎたのではないかと思わないでもないのですが。
一応、一般論として、そういう場合の解決策をいくつか挙げておきますね。
3と4について、もう一度考えてみてください。
3については、悪役を殺さないでも、さらなる悪を行う可能性を排除すればいい、ということになります。
これも序盤~中盤の設定や伏線とからみます。
悪を行うにもそれなりの過去や背景があったということにしておけば、ラストで改心させる可能性が出てきますよね。
悪役の改心という方法の問題点は、いかにも安易でご都合主義的になりやすいということ。伏線でそこに説得力を持たせることができるなら、そういう展開もありです。
または、投獄するという結末でもおかしくない世界観なら、必ずしも殺す必要はありません。
あるいは、悪役の能力設定。これを使えない状態に追い込めば、社会や人々を被害から守るという目的は達せられるわけです。
次。
4について。
そもそも仇討ちのために狙っていたのなら、殺さないのはおかしくないかという問題。
これは、ずばり「寸止め」型ですかね。
クライマックスの主人公と悪役の激闘。悪役は優勢なときは憎々しく勝ち誇りますが、最後には劣勢に追い込まれ、アワアワ命乞いしたりします。そこに主人公は武器を振り下ろしますが、寸止め。
「お前を殺しても天国のあいつは喜ばないからな」的な決め台詞がセオリーかと(笑
……(笑)と付けたのは、やっぱりちょっとご都合主義だよなという感じはするから。しかし、主人公をメチャクチャカッコよく演出して押し切ってしまうという手です。
意外と名作とされる作品でも、こういうラストは散見するような気がします。
* * *
悪役を殺してしまう場合についても少し。
主人公は殺しをするような性格ではないということと両立させればいいわけですよね?
簡単なのは、主人公が手を下さないという形。
前半でちょっと触れましたが、火山の上ででも戦っていて、劣勢になった敵が火口に落ちていくという手。
この方法は、実は生きていて続編に再登場させることもできるのでお得です(惨死したはずの悪役がサイボーグ化して再登場して「ナチスの科学力は~ッ! 世界一~ッ!」と叫ぶというのがありましたが、ご存じですか? 笑)
他に、プライドの高い悪役で「負けを認めるくらいなら、この命自ら絶ってやるわ!」的に自爆するとか。
最後に、ラストバトルの緊迫度についても考えてみてほしいです。
もし、悪役側が勝った場合は、主人公の方が殺されるのではないかということです。そういうギリギリの戦いの場合、主人公側も手加減する余裕は無いでしょうから、敵にトドメを刺す決着でも必ずしも印象は悪くなりませんよ。
ラストバトルを生きるか死ぬかのフェアトレードとして描くのも、クライマックスの壮絶さと緊迫感が際立ちますから悪くはないと思うのですが。
ライトノベル作法研究所管理人うっぴー /運営スタッフ:小説家・瀬川コウ:大手出版社編集者Y - エンタメノベルラボ - DMM オンラインサロン
プロ作家、編集者にアドバイスしてもらえる!勉強会で腕を高めあえる!小説で飯を食べていきたい人のための創作コミュニティ。学生には交通費1000円を支給。
悪役の終わらせ方の返信の返信 (No: 8)
投稿日時:
返信ありがとうございます。
正直、とても腑に落ちました。
確かに、『なぜ』の部分の掘り下げが必要な気がします。
指摘の一つ一つが胸に刺さりました。
主人公の目的が、とても曖昧だったと気づきました。
そして二点目。
まさに、ですね。言葉に出来なかったもやもやを言い表してもらえた様な気分です。
ご都合主義に見えることをいかに減らせるかもまた技量だと思います。
生きるか死ぬかのフェアトレード。これほどしっくりきた言葉はありません!
一度自分の作品を読者の視点になってみると、『そのシーンで手加減するのは真剣さに欠けるのでは?』と、思う自分もいるんですね。
主人公を聖人として書くつもりはないので、殺すラストもありかもしれません。
あまくささんの指摘してくださったポイントを参考に、もう一度序盤~中盤から、そしてキャラの設定から見直してみます!
ありがとうございました。
悪役の終わらせ方の返信 (No: 5)
投稿日時:
どんな物語でも、結末にはこの2つの軸しかありません。
1、幸せと不幸
2、勝利と敗北
つまり、この4つのパターンがあることになります。
1、勝って幸せになる
2、勝って不幸せになる
3、負けて幸せになる
4、負けて不幸せになる
「すっきり」が負けた悪役を傷つけない結末とするならば、「3」しかないでしょう。
そこで、「幸せ」を具体的に考えることが必要になります。
大きく分ければ、この2つでしょう。
1、欲望の充足
2、生き方への充実
「1」ならば、負けても欲しいものが手に入ればいいことになります。
モーツァルトの『魔笛』では、主人公と対照されるダメ男のパパゲーノは、最後に愛するパパゲーナと結ばれます。
敗れた悪役の男女が恋に落ちて、次の新天地を探して旅立つという結末もあり得るでしょう。
「2」であれば、負けたことで悪役を本来の生き方に戻せばいいのです。
聖悠紀『超人ロック』ならば、「人生をリセットさせる」というパターンになります。
赤ん坊に戻したり、記憶を全て消したり、別人として生まれ変わらせたり。
この変形としては、「悪役が全く反省しない」というパターンもあり得るでしょう。つまり、「負けたことをまったく気にしない」わけです。
江戸川乱歩『黄金仮面』で名探偵・明智小五郎と対決したアルセーヌ・ルパンは、死んではいけない悪役です。
三谷幸喜のTVドラマ『合い言葉は勇気』で津川雅彦さんが演じた悪徳弁護士・網干も、自分の生き方を曲げることはありません。
「悪役のすっきりした末路」としては、「負けても本人が納得する」方法を工夫すればよいといえるでしょう。
悪役の終わらせ方の返信の返信 (No: 9)
投稿日時:
返信ありがとうございます。
四つの色分け、確かに当てはまります。
頭が整理されました。
私の場合、悪役を傷つけない『すっきり』というよりは、読者からして締まりがいい結末、と思っていました。
ですが、確かに兵藤さんの言われるような結末にも納得できます。
「幸せ」について具体的に考えると言うこと。
勝負のその先に何があるかを考えるのが欠落していたと気づきました。(主人公サイド・悪役サイド関わらず)
ありがとうございます!
悪役の終わらせ方の返信 (No: 6)
投稿日時:
物語次第だと思います。
一応言うなら・・・・悪役(ラスボス)は、もう一人の主人公です。
「は?○○がこの作品の主人公なんだけど?」
とか思うかもですが、ラスボスが事を起こさなかった「IFの世界」で○○は主人公に成ることができそう?その性格に人間性に育ちそう?
――――――――――――――――
その主人公に成長してしまう原因を作ってしまい、結果すべてを「しくじって」しまうラスボスは、ある意味、【悲劇の主人公】でもあるわけです。
そんなラスボスにどんなオチを与えてみたい?救いを与えてみたい?
因果応報を?慈悲を?
自業自得を?納得を?
気づきを?愛を?選択を?
ラスボスについて本気出して考えてみてねー
悪役の終わらせ方の返信の返信 (No: 10)
投稿日時:
返信ありがとうございます。
悪役はもう一人の主人公……。納得の考え方ですね。
演劇などでも、悪役は難しいといわれていますが、やはりそれも悪役の中に詰まっているものが多いからなのでしょうね。
主人公を成長させたのは、ラスボスである。
思わず唸ってしまいました。
確かにそうです……というか、その通りです。
新しい視点からの考え方で、またアイディアが浮かびそうです!
ありがとうございます。