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新人賞における「引き」についての返信

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新人賞における「引き」について(元記事)

レーベルの新人賞に応募する作品を書いているのですが、審査員を惹きつけるような「引き」がよくわかりません。
「引き」とはなんでしょうか?
審査員は応募された小説を流し読みしていると思うのですが、やはり最初の部分に入れた方がいいのでしょうか?
物語の最初で惹きつけるって、どうすればいいのでしょうか?

新人賞における「引き」についての返信

投稿者 サタン 投稿日時: : 2

既にツッコミがあるけど、それはツカミだね。
「引き」は「あとを引くような面白さ」って考えりゃいいと思う。つまり引きは中盤から終盤にかけて、あるいは展開が大きく変わる場面などに感じるものだね。

ツカミは、最初にグッと惹き付けられるのが良いのは良いから、序盤が盛り上がるように構成するのが良いけど、そもそも新人賞作品だよね?
だとすると、審査員は、……というかそのあたりも、まあ私も別に特別詳しいわけではないけど認識として一応説明すると、
応募された作品は、最初は審査員じゃなく「下読み」って人が読む。
これは、ぶっちゃけバイトがやってるトコもある。あんま規模が大きくない出版社の新人賞とかだと、いやそういう場所は応募数も少ないだろうし下読みすらいないんかな。わからんけど。
でも下読みさんも下読みさんで新人作家の人生を左右するかもしれん仕事なので、それなりにプライド持ってしっかり仕事してる。つまりちゃんと読んでる。流し読みとかありえない。
……と言いたいが、まあ、人による。多くの下読みさんはちゃんとやってる。
次は「編集」が読む。
こっからはデビューする可能性がある。というのも、別に受賞しなくとも読んでくれた編集さんが「この人、まだまだ荒くて受賞は無理だけど個性的でいい作品だな」と思ったら、そこで個人的に連絡が来る、いわゆる「拾い上げ」ってのがある。
でもそれはあくまで編集の自己責任で行われるものだから、ぶっちゃけ、プロフィールで切られることもある。
「この作品いいな。あ、でも俺より年上か。プライド高い人だったら話し合いとかやりにくそうだな。止めとくか」
みたいな感じ。極端な例だけどね。
当然、編集さんは一度下読みが読んだものとはいえ、しっかりちゃんと読む。どんなものでも最後まで読む。
新人賞によって何次審査まであるかわからんけど、最終的に「審査員」が残った作品すべてを読む。
当然、言うまでもなくみなちゃんと読む。流し読みなんてしない。

ただ、下読みさんをはじめ、みな自分なりの方法で読むから絶対ではないけど、割と多くの場合は「あらすじを読んで全体を把握してから本編を読む」って人が多いと聞く。
まあ、彼らは娯楽のために読んでるわけじゃないからね。
だから、新人賞作品の場合は、ミステリならその作品の犯人がわかっててトリックも知ってるネタバレ状態で下読みも編集も審査員も作品を読むわけで、「引き(ツカミ)はどこに?」とかそういうレベルじゃないです。
どこになにをどうしたって、クソほど読んで書いてきたプロ相手にネタバレしてる状態の作品で「審査員を惹き付けるような」ってのは身の程を知ったほうがいい。
応募作品は、ただただ全力を出せばいい。
そりゃ作品をより良くするためって思っての疑問だろうけど、そんなこと考えて一生懸命やって必死に作り上げても、おそらくは「狡いことしてんなぁ」としか思われない。

小手先じゃバレるのはわかった、じゃあ、そもそも惹き付けるようなモノって何だつったら、
単純にその作品の魅力のこと。その魅力が十分に引き出せていれば、「作品のどこにツカミを書けば」じゃなく、つーか「あらすじにそれ書けば、その時点で下読みも編集もノッてくる」って感じ。
あらすじを読んで「これ面白そう、読みたい」って思わせりゃそれでツカミになるから。
そうすっと、その作品の設定やアイディアや目の付け所や、そういったものが重要になってくる。
下読みや編集が笑っちゃうようなタイトルをつけるって手もあるけど、これも狡いよね。割といるみたいだけど。

となると、そんならその魅力ってどうやって作ればええんや、となると思うし、そもそもそれを求めて考えて「引きか? 引きってなんや」って答えに行き着いて質問してみたんだけど、という感じかもしれん。
まあ違うかもしれんし、既にけっこう書いてるから手短にするけども。
魅力ってのはそれ以前に面白味ってハードルがあって、まず面白そうって思われなきゃ魅力は伝わらない。
だから面白味、つまり面白いと思えるポイントを作る必要があって、これには落差を利用するのが一番楽で確実で高い効果を出せる。
この落差は、「○○なのに✗✗」と考えてみると良い。
例えば「天使 なのに 快楽殺人者」とか。「悪魔 なのに 泣き虫」とか。
落差に意外性があるから、それが面白味に変じやすい。
だから、すっごい極端で適当な例を出すけど、「快楽殺人者の天使は獲物を探すために高校のプールで大鎌を片手にスクール水着になっていた。そこへ主人公である不完全な不死を持った悪魔がやってくる」みたいな内容だと、「なんやそれ?」ってなるでしょ。
これはまあ、わかりやすくするため設定盛りすぎなコメディ寄りだけど、シリアスでも同じ。
シリアスの例え……は、いいか。長いし。
そんなわけで、面白味を作って魅力を伝えやすくし、それを早いうちに読者に伝えるってのが魅力を出すコツで、
それをどう伝えりゃいいかって話は、例えば「快楽殺人者の天使」の場合だと、その画が見えるのが一番いいわけだから、天使が人殺してるシーンを書けばいいよね。ほんで次のシーンで不完全ながらも不死で殺せない主人公が出てきて、となればこの両名の話だってわかるから、面白味はそれだけで伝わってる。
あとはその内容、両名が出会って何をするか、というアイディアだよね。私の例にはそれが無いからこっから先は説明しにくいけど、基本的には内容のアイディアも落差で考えて面白味を考えて、押し出す要素をコレと決めれば、あとは早めにそれを書くだけだね。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 新人賞における「引き」について

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