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「父上様」という表現 (No: 1)
スレ主 千歳 投稿日時:
ナーロッパ系小説で、「父上様」とか「兄上様」という表現をよく目にしますが、実際のヨーロッパ世界では(父親はよく分かりませんが)兄や上司は名前で呼びますよね。昔は違ったのでしょうか。詳しい方がいたら教えてください。
カテゴリー: 設定(世界観)
この質問に返信する!「父上様」という表現の返信 (No: 2)
投稿日時:
実際、はわからんけども、
身分が高い人同士の会話においては、家族間でもサー〇〇とかロード〇〇とか呼ぶ。
ただ、私もすごく詳しいわけではないからざっと調べ直してみたけど、そもそも兄弟間の関係性・上司部下の関係性によってまちまちって感じかなと思う。
仲の良い兄弟姉妹なら普通に名前で呼び合う。事情があってあんま面識ないとか心開ける相手じゃないとかって場合はブラザーとか、威厳ある父親にはファーザーとか、あるいは貴族の息子だけど既に爵位持ちな兄弟の場合はまた違ったりとか。
そういうのをひっくるめて日本文化に合わせると、「父上」とか「お兄様」とかで表現するのが一番わかりやすいね。
ちなみにこれは英語圏の話だから主にイギリスかな。ヨーロッパとひとえに言ってもスペインとかフランスとかドイツとかで、爵位の種類すら全然違うってこともあるし、敬称を付けるか付けないかの文化もだいぶ変わると思うよ。
今と昔とでは上司と部下とか立場以前に身分とか階級があるから、それのあるなしで違いはあったろうね。けどそれはつまり 同じ身分・階級の者同士 なら当時の貴族階級の常識に合わせる必要はあるけど今と大差ないだろうと思うかな。だから親しい間柄で身分に差が無ければ(そこを意識しない者同士であれば)普通に名前で呼び合うし、そもそも身分も階級もねえよって庶民の間では今と大差ないんじゃないかな。
言い換えると、「いきなりファーストネームで呼ぶ」ってことが今以上に無礼な行為ってことがよくわかるね。
「父上様」という表現の返信 (No: 3)
投稿日時:
とりあえず正論書いた上で、俺個人の解釈かきます。(『俺は知らんけど、調べるのがめっちゃむずいのはわかる』というのが大半の話です)
言語学における『人称代名詞』の問題だから、言語圏によるってのが正論と思う。
そもそもの問題として、ナーロッパはご存じの通り『日本人のイメージする雑なヨーロッパ』に過ぎず、『実際』の話をすれば東欧・西欧・北欧それぞれに文化があり、それを支える言語がある訳です。
でもってその言語すら『起源は似てるけど風土に合わせて分化してできたもの』な上に、ヨーロッパに分布してる言語の起源すら、ウラル語族だのゲルマン語族だのに分かれる訳で……。
実例というなら『ヨーロッパ』でくくるには無理があるし、わかりやすく説明できるのは教授レベルだと思うので本当に知りたいならその手の専門家にアポとって頂きたい。
で、個人的な解釈と説明。
まず、多分ご理解されてるだろうけど、この問題の根本的な所を言うと、上述の通り『ナーロッパには厳密なモデル言語がない』ため、どの言語の翻訳として考えても違和感のある物しかできない。そういうわけで『父上様』なんて言い回しは、『なんか雰囲気でそれっぽい物!』と作られた台詞回しだと思う。
もう一つの問題として、仮にモデルがあったとして、言語としての性質が違い過ぎるためそもそも現実的に『正しい翻訳』は成立しないってのも問題の一つ。
正しく翻訳できない以上『実際』がどうだったとしても、結果的には日本語訳(あるいは日本語訳のような文章)を書く人の表現力の問題ですよね。
翻訳できない問題は少し掘り下げます。
まず、『日本語には無い言語的観念がある』場合に日本語には翻訳しきれない。
例えば、ロシア語だと『(主に主語の)性別に応じて名詞や動詞の形が変わる』現象が起こる。日本語における『おんな言葉』と似てるように思えるかもしれないけど、それよりもっと厳密なものにあたるし、逆に言えば『高圧的だろうがオドオドしてようが妖艶だろうが全部おんな言葉です!』って言われると日本語に訳す側からすれば『どうやってキャラの個性を台詞に出すんだよ!』ってなると思う。
当然だけど『お兄ちゃん(男性表現)』『兄上(女性表現)』なんてイチイチ注釈あったら読みづらいよね。
類似の問題として『そんな語彙は存在しない』って場合もある。
例えば日本語の『ズレる』という言葉を英語に訳そうとした時、英語の語彙で『shift』と言ってしまうと移動を伴わない表現には使えないし、例えば『音が動画と』ズレている場合だと『out of sync』という表現になって、『同期していない状態』という表現だから『ズレる』の訳としては厳密には正しくなかったりする。
(探したけど、特定の二つが同調していない場合の表現の語彙は『insync』などの『否定の接頭辞』を含む言葉しかないので、『音と動画がズレる』は厳密には英語訳できないといえる。)
これは勿論、呼び方にも関係する話で、例えば英語の『sir』って表現は、厳密には特定の爵位の貴族男性を指す敬称だったりする。
わかりやすい所だと、女性に対して「Ms」っていう場合と『Mrs』っていう場合と『Miss』っていう場合がある。順に『女性に対する敬称』『既婚女性に対する敬称』『未婚女性に対する敬称』なんだけど、コレどうやって訳し分けるの?
でもって当然だけど、言語には文化的な背景が多分にあるので、そこもまた『翻訳しようがない』ポイント。分かりやすい例は親父ギャグとか。
勿論、外国語の親父ギャグを一度日本語にしてから注釈を挟んで解説したら、めっちゃスベると思う。
ここまで話した上で、なんですが。同じ理由で『実際どうだったか』も実はとても説明しにくいのです。
例えば二人称で『my father』と呼ぶのが一般的だった場合に、厳密な訳を期して『僕のお父さん』と表現するべきでしょうか?
逆に『お父様』を無理矢理英語っぽくするなら『sir father』とか『Mr father』となると思いますが、これは英語の作法を考えるとあり得ない表現です。
さらに言えば、日本語では『あなた様』などのように、敬語で話す際に『人称代名詞+敬称』という表現を使いますが、英語では『Mr/Ms you』なんて言い回しはまずしません。(詩的表現ならあるかも知れませんが)
だからと言って『オマエに置かれましては、本日はお忙しい中よくぞいらっしゃいました』などとは訳せませんよね。
なので、根本的に『実際どうだったか』を表現すること自体もまた、その言語への造詣が深くないと難しい、というのが俺の私見かな。
ちなみに、実際どうだったか、を『中世ヨーロッパ』に限定して考えるとすると、『中世の時代の資料は、おもに貴族などが公の場で会話したものに関する描写が多い』ため、『家族間でその時代になんて呼んでいたか』は割とマジでわからない場合が多いというのも問題だったりする。その時代の文学で現代まで継承されてる奴は、たいてい現代表現に合わせて校正されてるから、原本探さないと『リアル』は見つかんないしね。
中世以降の有名どころだと、シューベルト(原典はゲーテ)の『魔王』では『my father! my father! 』って呼び掛けてますね。でもこれの場合、歌なので『キャラの関係性を現すための意図的な表現』かもしれません。
「父上様」という表現の返信 (No: 4)
投稿日時:
そもそもファーストネームで呼び合うものってのが誤解です。
私事で米国の話になりますが、大学の教授でも初見でMr.付で呼んだらマックス(仮名)って愛称で呼んでくれって人からMr.じゃなくてprofessorにしろと言う人まで、様々でした。
呼称は基本的に呼ばれる側の希望によるもので、上の人との初対面の際は敬称+ファミリーネームが無難でしたね。親に関してはファーストネームよりもdadとmomが多かったです。fatherとmotherは日本人の持ってるであろう印象よりはかなり硬い言葉で、翻訳するならお父さんお母さんではなく父と母ですね。父上様に近い呼びかけはMy fatherになります。
お題のナーロッパで「父上様」と呼んでるなら、おそらく呼ばれてる側は王族とか貴族とかでしょう。現実の中世貴族社会の話では、公の場所ではむしろ無礼で不敬になると思います。家族しかいない場面ですら「陛下(現代英語だとYour Majestyとなります)」を付けろとか「〇〇爵」等爵位で呼ぶように求められる事もあったかもしれません。
王や貴族の権威に敬意を払わない事は、反逆の萌芽になると見なされかねない危険な行為でした。首が物理的な意味で飛びかねません。これは親子でも許容範囲の多少はあるでしょうが例外ではありませんでした。
血統による世襲では血のスペアは多ければ多いほどいいので父親は励むわけですが、スペア側から見ればライバルが多くなるって事で。そうなると自分が後継になるための陰で足の引っ張り合い程度ならかわいいもので、兄弟同士の殺し合いや果ては親兄弟諸共までと中々優しくない世界が広がります。
子供は跡継ぎ候補であると同時に簒奪者予備軍ですので、隙を見せないためにも父親は家族内でも権威者の高みに留まる必要があったのです。
「父上様」という表現の返信 (No: 5)
投稿日時:
所詮な~ロッパだから。おとっつあん、おっかさん、ててちゃ、ははちゃ、お父さん、お母さん、おとん、おかん、父上、母上、父君(ちちぎみ)、母君(ははぎみ)、父御(ててご)、母御(ははご)、御尊父(ごそんぷ)、御母堂(ごぼどう)、ダディー、マミー、ダッド、マム、好きに使えばええのんとちゃう?
たしか古典の「ちちよ、ちちよ」って呼びかけとかは「乳」で乳母や母。あるいは「父」でトリプルミーニングに取っても良かったりするし
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望むノリで言うと、そこまで「家族という繋がり」が密ではなかった可能性が高そう。
戦国時代の親子関係とかは妊娠して産む母親と違って、父親は子種提供だけして戦場へってノリも多かったやろし、仮に小作人や雑兵でも働きに出んとアカンやろし、子供時代は働きに出ている父や兄が「概念」化していた可能性が高いんと違う?
日本の貴種流離譚におけるロマンチシズムとして、「父」とは英雄であるか貴人であるべきである。みたいなノリあるし確定ガチャでしかない「凡愚な母親」よりもガチャ引きのチャンスがある逃避の場所であり夢想の「概念」。みたいな
安定した農耕民族ならともかく、よほど文明すすめへんと家族みたいな「極小の繋がり」なんてそうそう保持でけへんのんと違うかな。よくてモンゴルの騎馬民族みたいな「一族」で、下手すると曾祖父とか三等親どころか四等親。それぞれ子どもたちが10人以上いるのが当たり前みたいな「血族」になるんちゃうかな?
「父上様」という表現の返信 (No: 6)
投稿日時:
皆さんご回答ありがとうございます。参考になるか分かりませんが参考にします。