才能を開花させる方法とは「あれ?俺ってすごくない?」という思い込み

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2017年の奈良女子大の調査によると4~6月生まれのプロ野球選手は全体の32・8%。1~3月生まれの選手は14・2%。
1月~3月の「早生まれ」の子供たちは、4月2日以降の「遅生まれ」に比べ、運動能力などで劣るとされてきました。
理由は単純で、遅生まれの子の方が身体が成長しているからです。

例えば2018年4月2日~19年4月1日に生まれた子は、同じ学年に入れられます。
当然、4月2日生まれの子は、その分、身体が成長しており、運動で有利です。

このため「あれ?俺って他の子よりも野球うまくない?」と、自分は才能があると思い込み、先生も目をかけるため、プロになりやすいのです。

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人の能力は、遺伝適性と友だち関係との相互作用で作られる

心理学者ジュディス・リッチ・ハリスによると「人の能力は、遺伝適性と友だち関係との相互作用で作られる」そうです。
例えば、別々の家庭で育てられた一卵性双生児の姉妹がいます。
大人になった時、ふつうの家庭で育った娘はピアニストになりましたが、音楽家に育てられた娘は、音符すら読めなかったそうです。

ふつうの家庭の娘は、他人より楽器の演奏が上手いことに気づき、友達から注目されたため、ますます音楽が好きになりました。
逆に音楽家の娘は、音楽関係者の子供ばかりがまわりにいたため、多少、音楽の才能があっても褒められず、音楽が嫌いになったそうです。

人間の才能とは所属集団の影響を強く受けるわけです。

夏目漱石は芥川龍之介ら、たくさんの有名な作家を育てていますが、そのコツは弟子を褒めまくることでした。自分には才能がある!とみんな勘違いしてがんばるので、実際にスゴイ小説家になってしまう人が続出しました。
芥川が小説家になる決心をしたのは、漱石から褒められたからです。

実際に作家を志してプロになった人に話を聞くと、成功の理由は「兄弟から小説を褒められたから」「作品を褒めてくれる人がそばにいたから」と答える人が何人かいました。

人間は他人(親以外)から能力を認められると、自分はできると思って、能力が伸びる傾向があるのですね。

心理学者アドラーは、中学生の時に数学が苦手で落第しています。
しかし、偶然、教師が解けなかった問題を解いてしまったことがきっかけとなって、数学が楽しくなり成績がどんどん伸びました。
「あの経験は、『特別な才能』や『生まれながらの才能』という言葉の間違いを教えてくれた」
byアドラー

才能を開花させる方法とは「あれ?俺ってすごくない?」という勘違い

才能を開花させる方法とは「あれ?俺ってすごくない?」という勘違いです。
他の子どもよりも早く生まれ、その分、成長しているという理由だけで、スポーツが得意だと思い込み、プロスポーツ選手になってしまうのが人間です。

自分には才能があると思うのも、才能が無いと思うのも同じ根拠がない思い込みです。
両者を比べた場合、前者は才能が開花する可能性がありますが、後者はゼロです。

エジンバラ大学のジョンソン博士は、自己の能力を誤って高く評価する人は、競合においてしばしば有利に働き、結果として集団の中で優位になっていくことを電算シュミレーションによって証明しています。

できれば褒めてくれる友人を持つと最高ですね。

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