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元記事:描写の特殊なテクニック

小説を読んで地の文の描写や、イメージ描写でちょっと気になるものがあったので質問します。
ちょっと自分でもどう説明すればいいのか分からないのですが、「限られた地の文を用いて、読者がそこから背景や状況をイメージさせる」ものでした。
どういったものかと言うと例をあげるとすると、

①主人公は好きだった同じ会社に勤めている先輩女性に振られる。

②そのせいで主人公は何杯もビールを飲む。向かいの席で他人事のように笑っている同期の親友。

ここの②の部分ですが、主人公が直接居酒屋に行ったという表現は書かれていません。ただ、書いてあった表現、地の文は、
●もう何杯ビールを飲んだかわからない。
●向かいの席で話を聞いた同期が笑っている。
●失恋したことを知った主人公は同期に電話して呼び出した。
●愚痴を吐いている主人公を見て、隣の席で飲んでいるOLが笑っている。

……これくらいですが、自分はこれですぐに主人公は振られたから友達誘って居酒屋でやけ酒しているということが分かりました。
しかし、さっきも言った通り、居酒屋という単語、または居酒屋の類義語は一切使われておりませんでした。なのに、確実に主人公が居酒屋で飲んでいるということは理解出来る。

他の作品でも、学校や教室という表現も使われていないのに、主人公と親友達が学校の教室で会話していることがイメージできる、というものも見ました。

限られた地の文から状況や場所を把握する。
こういうテクニックはどう使えばいいのでしょう?
自分は、主人公がやけ酒している。向かいの席で話を聞いた同期が笑っている……の辺りで、すぐにその場所が居酒屋と分かったので、読者の先入観を利用しているということでしょうか?

上記の回答(描写の特殊なテクニックの返信)

投稿者 手塚満 : 2 投稿日時:

言葉で描写するとイメージ(映像、音声等)がどうなるかという心理学実験があります。例えば、人の顔を覚えるとして、ある人Aの写真を見た後、(一定時間を置いて)似たような人の写真多数とある人Aの写真を混ぜて見せて、Aがどれか当てるという実験。

1.無念無想で写真を見て覚える。
2.写真を見て特徴を言語化して覚える。

という2グループで行うと、1のグループの成績が2より明らかに良いのです。2は写真を見ながら「男、髪は短い縮れ毛、眉毛は太く、あご髭があって、目は(略)」と考えながら覚えます。普通に行いそうな記憶法ですよね。

だけど、例えば「あご髭」のある「男」が複数いると、どれか判別できなくなりがちなんです。理由は未解明のもの含めていろいろあるんでしょうけど、「あご髭」という名詞で記号化、抽象化したため、具体的なイメージがどうだったかが記憶に残らないようです。しかも、抽象化した記号イメージが複数あって全体を構成してしまっている(記憶→想起で混乱を起こしがち)。

これと同じことが、小説などの文章描写でも起こるようです。キャラだと仕方ない面があります。ヒロインは設定を言語化して、黒髪、長髪、切れ長でぱっちりした目等々とするしかありません。それでも、一気に全部描写するとわけが分からなくなります。覚えられないし、言葉からイメージ再構成するのも手間取ります。前に聞いたコツでは、「人物の外見特徴は1つか2つ出せばいい。くどくど描写するな」というのがありました。たぶん、上記の心理学実験のようなことが、経験的に分かったんじゃないかと思います。

居酒屋ですと、だいたいの人は一般的な特徴を知ってますよね(知識であり、先入観でもある)。前を通り過ぎるだけなら、「居酒屋の前を通り過ぎた」とでも書いておくしかありません。居酒屋と言わないようにするとしたら、「○○酒処の暖簾」としておくくらいでしょうか。ただ、あまり意味はありません。むしろ、居酒屋は居酒屋でも作品内で何らかの特別な意味があるのか、みたいな誤解を招きかねません。

しかし、シーンの場所が居酒屋だと違ってきます。シーンの雰囲気を作るためにも、中の様子を描写することになります。通しをつまんでいると店員がビールを持ってくる、鶏の唐揚げを追加注文する、ビールを飲む、連れと話をする、周囲にいろんな客がいる、等々ですね。居酒屋では当たり前の風景です。

そうなると、「ここは居酒屋だ」みたいなことを言う必要があるかどうか迷います。居酒屋っぽい描写をしたら、居酒屋だと思う読者が大半のはずです(主人公がどういう人となりでストーリーはどう進んでて等々の文脈的なことも影響するけど割愛)。

じゃあ、居酒屋と言わなきゃいいんです。言わないでも分かることを、わざわざ書くとくどくなります。それだけではありません。上記の心理学実験で申したように、「居酒屋」と明示的に書くと、イメージがぼやけるのです。「居酒屋」にイメージが集約されてしまい、どういうシーンでどんな雰囲気だったかを読んでも覚えなくなる恐れがあるわけです。

そういう描写の作り方としては、全部書いてから削るというのも1つの手です。例に挙げられたものに少し足してみます。

1. 主人公は同期に電話して、居酒屋に誘う。
2. 歓楽街にいくつもある居酒屋のうち、地味そうな店を選ぶ(実は愚痴りたいので客の少なそうと思った)。
3. 店に入ると、店員が「らっしゃい! 2名様ですね、こちらへどうぞ」と言う。
4. 席につき、お品書き眺めながら、とりあえずビールとつまみをいくつか注文する。
5. 同期と飲みながら他愛のない話をする
6. 次第に酔いが回って、雑談が愚痴に変わって来る。
7. もう何杯ビールを飲んだかわからない。
8. 向かいの席で話を聞いた同期が笑っている。
9. 同期に、失恋したこと、それが誘った理由でもあると同期に打ち明ける。
10. 愚痴を吐いている主人公を見て、隣の席で飲んでいるOLが笑っている。

こういう段取りを描いてある事例は少なくないと思います(自戒でもある)。大事なのは9の「酔った勢いで失恋の悩みを打ち明けたかった」ですよね。

飲むのは自宅でもいいでしょうし、バーでもいい。居酒屋をシーンに選んだのは、特に理由はない(はず)。飲んでいる状況も示してリアリティを出したかったに過ぎない。居酒屋に行く段取りだって、9に対してはどうでもいい。

じゃあ、どうでもいいものはできるだけ削りましょう、となってきます。1~5がなくても6以降は分かるから、削っていい。10で居酒屋らしいと分かるし、絶対に居酒屋をイメージしてもらわなければシーンが成立しないわけでもない。だから、居酒屋と明示する必要はない。名詞を出したゆえにイメージがぼやけるリスクを増す必要もない。できるだけ、読者に覚えて欲しいことに絞りたい。といった感じです。

長くなりました。簡潔にまとめますと、

・どうでもいいものは一般名詞で済ませておく(イメージをあいまいにして印象を残さない≒読者の負担を低減)。
・大事なシーンでは逆一般名詞を避け、特徴を少なく出しておく(一読して覚えられる程度に印象付けし、後は読者の引き出しで)。

ということになると思います。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 描写の特殊なテクニック

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元記事:学園物の主人公を平凡、凡人にしたくない

学園物や現代物の男主人公は顔はイケメンではない普通、勉強も運動も特別得意ではないということが多いです。

凡人が泥臭く頑張るのも一つの魅力かもしへませんが、そういう主人公は馬鹿だったり、嫌な奴に喧嘩に負けてヒロインに助けられ、取り柄はいざというときの機転と発想「だけ」で私は好きではありません。
学園物での主人公が凡人なのは必須条件なのでしょうか。
どなたかご意見をお願いします。

上記の回答(学園物の主人公を平凡、凡人にしたくないの返信)

投稿者 手塚満 : 0 投稿日時:

結論を先に申し上げておきますと、凡人主人公は必須条件でも何らかのルールでもなく、単なるコツの1つでしかありません。超人主人公が冒頭から大暴れするのを、分かるように書ける工夫が立てば、やってしまえばいいのです。以下、説明を試みてみます。

半人前主人公が成長する物語ですと、最初は平凡なのはむしろ必須ですね。しかし、そういうタイプの物語ではなく、優れた主人公の活躍をポイントとして描く物語を書きたいとき、どうするかというお悩みだということでしょうか(外してましたら、以下は無視してください)。

冒頭から、優れた主人公が既に存在しているとします。その主人公の一人称小説だとします。すると、優れた人の価値観、思考方法に則って描写する必要が出ます。物語の説明役たる語り手が優れた主人公なんですから、優れた人なりの語りにしないと不自然になります。これが、少なくとも私レベルでは難しいです。私は凡庸で、優れた人の胸中や思考方法が分かりませんから。

天才を描こうとすると、特に難しさがはっきりします。天才は何かを見だだけで、すっと真実が分かる。自分のような凡人の思考過程をすっ飛ばして、さっと結論に気が付いて、問題を解決し、凡人が不思議がるので仕方なく平易な説明を考える(どうも、凡人に分かる説明を考えるほうが難しい人もいる……らしい)。そんな主人公が語り手だと、何を言っているのかさっぱり分からなくなる危険性大です。

そこで天才を主人公ではなく、サブキャラにする。主人公には凡人を据える。すると書きやすくなります(古典では、既出ですが、ホームズに対するワトソン)。天才にくっついていって、自分でもあれこれ考えるけど分からない。すると、天才サブキャラがスパッと解決してから、必要な説明をしてくれる段取りにできます。凡人がどうするかなら、分かりますよね。

書きやすいと申しましたが、読みやすいとほぼ同義になります。リアルでの、物凄く頭のいい人の説明を聞いた数多の経験では、説明がさっぱり分かりませんorz。そういう天才的な人は、自分で何かをやっているときには、もっと省略した思考らしい。先に申しましたが、凡人に分かる説明を思いつくほうが苦になるようです。

読者って、8割が凡人です。いきなり天才の思考、胸中をダイレクトに描かれたって分からない。凡人視点の説明が要るんです。だから、一人称であれば凡人主人公のほうが分かるんです。凡人に分かることしか言いませんから。

頭脳以外でも、子どもの頃から極端にバトルが強いとか、生まれついての超能力者とか、心中を推し量りがたいキャラになりがちです。

もちろん、回避方法はいくつもあります。

(0.傍観者的、あるいは振り回され型の凡人主人公は省略)

1.三人称にする
地の文の語り手も小説のキャラの一人です。三人称なら、語り手を凡人レベルにしておけば、大丈夫です。

2.凡人に能力が突然付与される
異世界転生・転移だと、異世界に行くときに能力を付与される小説は数多ありますね。チートなどとも呼ばれ、異世界では無敵になったりもする。
しかし、元は凡人ですから、凡人のメンタルを持っているわけで、描きやすく、分かりやすくできます。

3.成長物語
最初に「これじゃない」みたいなことを言いましたが、成長過程も描かれると、読者もついて行きやすくなります。いきなりスーパー主人公だから分からないわけで、ゆっくりと超人にしていけば、理解も追いつきます。
ただ、面倒くさいですよね。テーマは超人の活躍なのに、修行とか描いているともたもたしてしまう(作者的にも読者的にも)。もたもたを省いたのが2だと考えることもできます。

4.ジャンルのテンプレ
中世ヨーロッパ風ファンタジーですと、読者にも小説を読んだり、アニメや映画を観たりした経験があります。だから典型的な登場人物なら、だいたい分かる。
たとえ現代劇でも、冒頭で「俺は炎の魔法使いだ」と主人公が言えば、だいたい想像がつく。よく知られたテンプレなら、使ってしまえばいいわけです。

たぶん、まだあると思いますが、これくらいで。

しかし、コミック、アニメ、実写などですと、見たこともない世界で、いきなり見慣れない超人が暴れまわったりすることもあるように思います。なんでそれを文章作品でやっちゃいけないのか、あるいはなんで難しいのか。

これは、仮説レベルの私見ですが、コミック含む映像作品だと、モロに活躍を見せられることがあるように思います。同時に、キャラの内面は描かなくても成り立つ。8割くらいが、目に見える、耳に聞こえるもので構成されているからですね。だから、問答無用でイベントを見せつけて進めてしまえる。

それでもおおよそ分かってしまいます。そこを文章作品と比べてみると、視聴者(ないしはコミック読者)が、文章作品における傍観者型の主人公(ないしは地の文の語りて)の役割を果たしているようなんです。絵で見せてるんだから、絵は想像しなくていい。何を見ているかははっきりしているけど、それが何かを考えるのは視聴者になっているわけです。

理解の流れとして、絵→思考→言葉(=読者≒一人称主人公・地の文の語り手)ですね。一方、文章作品では、言葉→思考→絵と逆です。ですので、「冒頭から、見たこともない世界で、超人が大活躍するシーン」を描くのは、コミックを含む映像作品で可能でも、文章作品では難しいのです。

だけど、もし文章作品でもできるんなら、気にすることはありません。平凡主人公パターンは、そうしないといけないというルールではなく、単に書きやすく分かりやすいためのコツでしかありません。つまり、私のような凡人志望者へのアドバイスであるだけなんです。できる人が縛られる必要はありません。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 学園物の主人公を平凡、凡人にしたくない

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元記事:「チートもの」でなくとも必殺技や特殊能力は必要?

「アンチ異世界チートもの」を掲げた作品の構想を練っています。主人公は陰鬱とした展開を経て、奴隷から成り上がっていく粗筋なのですが、序章を途中まで書いて「華がねえ……」という事に気付きました。
例えるなら承太郎がスタンドではなくただの鉄拳で戦うようなものでしょうか。

自己満足で書くならともかく、あわよくばそのテの人の目に留まりたいと思って書いています。その場合にこの華の無さが「斬新な設定」と思われるか、「要件未達成」として流されるか、気の早い話ですが、気になってしまいます。
そのような観点では、やはり目を引く必殺技などは必要でしょうか?

上記の回答(「チートもの」でなくとも必殺技や特殊能力は必要?の返信)

投稿者 手塚満 : 1 投稿日時:

有名な作品を例に出されたのは重々承知ですが、あえて野暮なことを申してみます。

承太郎が冒頭からスタンドを使えるのは、ジョジョがシリーズを重ねて世界観が読者に周知されているからですよね。人気シリーズゆえの、主人公の特権みたいなものです。第3部「スターダストクルセイダース」からジョジョが始まってたら、相当に面食らうでしょうし、飛ばし過ぎになっていたんではないかと思います(それでも個人的には、「スタンド」に馴染むのは少々時間がかかった)。

第1部の「ファントムブラッド」では、かなり話が進んでから、ディオが「石仮面」を被り、超人化(吸血鬼)しています。それに対して、主人公ジョナサンが「波紋」を伝授されて対抗していく。主人公の能力獲得が後です。これは(作劇的に)そうなるべくしてそうなるものでして、悪がいなかったら正義の出番はないからです。単に正義の超人が出現しても、平和な世間では活躍のしようもない。

一言に「華」といっても、相対的なものです。文脈とは無関係に「こういう能力で、こういう活躍をしたら華」とできるようなものはないんじゃないかと思います。ジョジョ第1部のディオは「華」がありますが、単に復活して第3部で元の能力のまま登場したら、見劣りしてしまうでしょう。なので、ディオにも第3部最強クラスのスタンドを持たせて、新生Dioでラスボスとして君臨させたわけですね。

なにせ第2部では、ディオの力の源たる「石仮面」を作った、医師仮面装着者より格上の「柱の男」たちがラスボスですから。だけど、第1部にはそういう強力な敵は、最初からいるわけではない。だからディオでも充分に強くて怖い「華」足り得た。

ですので、「作品世界で(冒頭なら冒頭での)平均より群を抜いていれば華になり得る」と考えていいと思います。鉄拳でも華になり得ます。正確に申せば、華になるように他のキャラ、舞台を設定するということです。

しかし、冒頭から主人公を華とするのは難しい面があります。いろいろ理由がありますが、例えば先に申したように、正義の味方だと、強さが釣り合うだけの悪がいないと活躍させようがない。

雑魚を蹴散らしたって華にはならない。むしろ、主人公も雑魚化するリスクが生じる。強さの証明にはならないからですね。せいぜい、主人公の能力の紹介程度でしょうか。異能とか魔術を使っても同じです。派手に演出しても、強さの基準が分からないと凄さ、華を感じるのは困難です。

どうしても、敵を克服して証明する必要があります(敵ではなく、天災などでも可)。主人公が強いのかどうか、敵が弱いと分かりにくいんですね。かといって、そこいらを破壊して回るわけにもいかない。そういうのは悪役(ないしは災厄)の役割ですから。

となると、まず強い悪役に目を見張る暴れ方をさせればいいわけです。したい放題のキャラであり、読者に好かれたり感情移入してもらう必要もありません。好きなだけ暴れさせられるわけですから、どの程度強いかも描写は可能です。

まず悪役を登場させ、暴れさせる。例えば、頑丈な扉を蹴破って城に侵入させる。強さを感じやすいやられ役を悪役に立ち向かわせてもいいでしょう。例えば「戦争で圧倒的な強さを見せた戦士」5人が悪役にかかって行ったが、返り討ちにされる。そうしておいて、強い悪役が読者に理解されたころ、主人公が立ち向かえばいいわけです。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 「チートもの」でなくとも必殺技や特殊能力は必要?

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元記事:学園物の主人公を平凡、凡人にしたくないの返信の返信

返信ありがとうございます。
優れた主人公が自分の思考や悩みを分かりやすく説明できるようにしたいです。
とあるミステリーでは主人公かつ語り部が推理役ですが、最後の方まで気づいたことを隠していたり、地の文で読者が謎の答えがわからないようにしていました。
これを活用すれば優れた主人公ですが、読者に納得してもらえるのではと思います。

上記の回答(学園物の主人公を平凡、凡人にしたくないの返信の返信の返信)

投稿者 手塚満 : 1 投稿日時:

文章推理作品で、一人称主人公が推理役でありながら、推理内容を気づかせないテクニックを用いたものがあるんですか。おそらく、読んで納得できるものなんでしょうね。お恥ずかしいことに、知りませんでした。

コミックや映像作品ですと、そういうことは可能なんです。さりげなく絵を描いておくとか、場面中に重要アイテムを無雑作に置いておくといったことができますから。バトルに頭脳要素が多いジョジョなんかもそうですね。

ジョジョのつい先日放映分ですと、洋上でのバトルで「ヨットの船番号が1のはずなのに2になっている」「血痕が途中で途絶えている」といったことが、敵の正体を暴く鍵となる作りになっていました。

映像には確かにそういうことが描いてある。だけど気が付かないんですね。そんなことが重要だと思って見てないから。だけど後で種明かしされて、念のため見直してみると、確かにそういう鍵となるものがはっきり映像に出ている。これは納得するしかないです。登場キャラも同じ材料から推理したわけですし。

これを文章作品でやろうとすると、自分だと悩んでしまいまいます。文章作品では、名詞を読むたびに、物がはっきり意識されてしまうんです。「船の番号が1」と書いたら、そのことがくっきり浮かんでしまう。「血痕が途絶えている」と書いたら、それもはっきり意識してしまう。

コミックや映像でさりげなく描くように、言葉でさりげなく書く、ということがどうしても難しい。自分的には限りなく不可能に近いです。だけど、書くと目立つからといって伏せておくと、読者からは卑怯に見えてしまう。

参考になさった文章推理作品を知らないので、どのようなテクニックかは分かりませんが、同じような効果を出せそうなら、あるいは別の手立てを思いつかれたのなら、チャレンジする価値はあると思います。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 学園物の主人公を平凡、凡人にしたくない

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元記事:学園物の主人公を平凡、凡人にしたくないの返信の返信の返信の返信

返信ありがとうございます。
絵のある漫画では伏線を隠しやすいですし、主人公の心情も隠しやすいですよね。それを文章で表現するのはかなりのテクニックになりますね。
ちなみに私の言った推理役も語り部も同一人物な作品は米澤穂信さんの「氷菓」です。

上記の回答(学園物の主人公を平凡、凡人にしたくないの返信の返信の返信の返信の返信)

投稿者 手塚満 : 0 投稿日時:

なるほど「氷菓」でしたか。アニメ(「氷菓」以外の古典部シリーズも含まれてましたね)では観たものの、原作は読まずじまいになってしまっていましたが、推理役一人称ということになると、興味が湧いてきました。

あくまでもアニメでの印象なんですが、「名探偵」を3人に分割することにより、推理役一人称を可能にしているように思います。

奉太郎:知能に秀でた推理役のコアながら、物事への関心が薄く、知識も充分ではない。
える:好奇心が強いため、隠れた謎や新事実を探し出す。ただし、えるには自分の見つけたものが何かは理解不足の傾向。
里志:興味本位の偏りはあるものの、自称データベースの通り、知っていることが多い。だたし、思考にまで結びついていない。

シャーロック・ホームズですと、上記の特長を全部兼ね備えています。だから、ホームズの内面を語ってしまうと(一人称、三人称一視点)、手品でいえば、種や仕掛けをあからさまに見せながら演じてしまうようなことになってしまいがちです。

ですが、奉太郎ですと、まず解くべき問題はもとより、その問題の特徴などをインプットしてもらわないと動かない。それが、えるの役割ですね。好奇心旺盛ですから、何かを聞きこんで来るのは自然な流れです。

とっかかりとなる情報を得た奉太郎が推理しても、当然ですが、いくつもの可能性が出てしまう。そこで、里志が関連する知識を出すことにより、選択肢を絞り込んでいく。正解候補を三択か二択くらいにしておいて、可能性の高い選択肢から検証にかかる。

こういう感じでぐるぐる回していけそうですね(える→奉太郎→里志→奉太郎→える→…)。簡潔にまとめてみますと、一人称推理役は資質的に欠けた部分があるので、その欠けた部分でトリックの種を隠せている、ということになりそうです。

と考えてはみましたが、やはり自分だと上手くできないタイプの作劇だと感じます(おそらく、とてもわざとらしくなる)。しかし、実際にやれている名作がある以上、できる方、できそうと思った方はどんどんトライすべきだろうと思います。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 学園物の主人公を平凡、凡人にしたくない

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元記事:「まったく矛盾のない普通の話」と「矛盾がかなりあるけど面白い話」どっちがいいか?

とりいさんの質問

よくある話ですが、『「まったく矛盾のない普通の話」と「矛盾がかなりあるけど面白い話」どっちがいいか?』という質問があります。

私は後者のほうがいいと思いますが、やはり全く矛盾のなく面白い話が一番いいと決まっているともまた思います。

そこで質問ですが、皆さんは以下の質問についてどう思いますか?

・話にある突っ込みどころや矛盾を気にする方ですか?(「熱膨張って知ってるか?」とかです)

・自分自身の書いた過去最高の自信作に、流し読みしなければ知識も必要なく誰もがすぐ分かるレベルの非常に重大な突っ込みどころが見つかり、しかしそれを変えてしまったら物語の根幹が破綻しかねないものだった場合、貴方はどうしますか?

・あなたは魔術や超科学のトンデモ要素が一切ない近未来ハードSF小説を書いていたとします。科学知識から見て明らかに間違っていることを知っていて、物語の設定にその間違っていることを入れようと思いますか?

例えば「人間の脳は10%しか使用していない。100%使ったら…」等です。(実際はフル活用しています)

2016/05/30

上記の回答(ミノフスキー粒子のような架空の物質、現象は検証不可能)

投稿者 うっぴー : 0

あまくささんの回答

>・話にある突っ込みどころや矛盾を気にする方ですか?(「熱膨張って知ってるか?」とかです)

自分が精通している分野にかかわる間違いを見つけると、突っ込みたくなりますね。(知識をひけらかしたいという心理の表れと自覚しているので、最近はなるべく控えるようにしています)

>・自分自身の書いた過去最高の自信作に、流し読みしなければ知識も必要なく誰もがすぐ分かるレベルの非常に重大な突っ込みどころが見つかり、しかしそれを変えてしまったら物語の根幹が破綻しかねないものだった場合、貴方はどうしますか?

「過去最高の自信作」とか「非常に重大な突っ込みどころ」とか仮定が極端なので答えにくいです(笑
まあ、まずは物語の根幹の維持と突っ込みどころの排除を両立する方法を何とかひねり出せないか、考えてみますね。それがどうしても思いつかなければ、そもそも構想自体がダメだったということでしょう。「過去最高の自信作」というのは妄想だったと諦めて、その作品は捨てます。

>・あなたは魔術や超科学のトンデモ要素が一切ない近未来ハードSF小説を書いていたとします。科学知識から見て明らかに間違っていることを知っていて、物語の設定にその間違っていることを入れようと思いますか?
>例えば「人間の脳は10%しか使用していない。100%使ったら…」等です。(実際はフル活用しています)

(1)科学知識から見て明らかに間違っていることを入れた小説は、ハードSFとは言いません。

(2)ハードSFでなくても、「明らかに間違っている」とまで言うなら、あまり入れたくないですね。(これも、仮定が極端です)

(3)科学的に必ずしも間違いではないが、フィクションとして誇張しているので現実には有り得ないとか、まったくの架空の現象なので、正しいとも間違っているとも言いようがないとか。その種のギミックなら話は別。SFでもスペースオペラのような物語の面白さを優先するタイプの話なら、そういうのをふんだんに入れるのもアリだろうと思います。

*架空の現象なので正しいとか間違っているとか言いようがない例。ガンダムの「ミノフスキー粒子」。まどマギの「第二次性徴期の少女の、希望と絶望の相転移」。

2016/06/01(Wed)

カテゴリー : ストーリー スレッド: 「まったく矛盾のない普通の話」と「矛盾がかなりあるけど面白い話」どっちがいいか?

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投稿日時:

元記事:主人公の性格が似てしまう

ここで質問をするのは初めてで不備などがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。

早速本題ですが、自分は中編の作品をいくつか執筆しており、この先もそれを続けていこうと考えています。
現在3作品目で気づいたことが主人公の性格が今までの自創作と似たようなものになってしまうことです。主人公の一人称などに違いを持たしているのですが、地の文での主人公の考え方などが、他の自創作の主人公達と似たものになってしまいます。

そこで質問なのですが、①複数作品を書く上で、主人公の性格をかぶらないようにするためにはどうしたらいいか。また、それに伴い何かアドバイスなどありましたらお願いします②読者はどう感じているのか。ストーリーや世界観、その他のキャラ、主人公の目的などが違えば、主人公の性格が多少似ていても気にならないものなのでしょうか? それともやっぱり飽きられるのでしょうか?

上記の回答(主人公の性格が似てしまうの返信)

投稿者 手塚満 : 1

いろんなケース、さまざまな原因があるんですけど、気が付きにくいものの1つに「作者が全力を尽くす」があります。

全力を出し切って何が悪いか、となりそうですけど、力の使いどころと申したらいいでしょうか。以下、全力を出すことによる弊害について、多少の説明をしてみます。

1.作者の限界が主人公を形作ってしまいがち

主人公は常に登場しているキャラであり、一番の活躍をするべく用意もされるキャラですよね。例えばですが、主人公が必死に何かをやろうとするとします。

作者は「この主人公が必死になれば何ができるか」と考えることになります。すると、作者の精一杯、想像できる限界に達しやすくなります。そうなると別々の主人公が似てくる傾向が出やすくなります。

必死の頑張り以外にも一般化すれば「もし自分(作者)が主人公の立場なら、こういうときはこうする」となるでしょうか。言い換えれば、作者の限界が主人公の特徴となってしまうということです。

2.似ているからまずいとは限らないが

もしかすると読者は気にしないかもしれません。作者ほどには各作品の主人公の類似度を気にしないからです。スレ主さんの作品も、他の作者の作品も気にせず読みます。ジャンルといったことを考えると、類似性は割とあったほうが読みやすいケースもあるでしょう。

作者は自分が書いただけあって、各作品の主人公を精密に比べることができてしまいます。類似性もよく分ってしまうでしょう。仮に各主人公に差異があっても、重ね合わせて考えると1人の主人公が作れてしまうような感覚も覚えがちです。1人で書いてるんだから、実は当然の面もありますが、作者固有の感覚でもある点は注意が必要と思います。

それでも、いずれ(あるいは今でも)リピーターがつくようになると、気にされる恐れはあります。主人公がどれも同じじゃん、主人公を取り換えてもいけてしまう、とか。そのときになって、「じゃあ主人公の差別化を図ろう」と思っても、すぐにはできないかもしれません。

3.余裕をもって描けば変えられる

もしかしてサブキャラだったら、別作品はもちろん、同じ作品内の別々のサブキャラも、特に似ている印象はないんじゃないでしょうか。もしそうならですが、サブキャラは全力を尽くさないからである可能性があります。

サブキャラは必要な時だけ場面に出てきます。描写も主人公ほど手をかけないはずです。つまり、作者としては余裕を持って描いているわけです。サブキャラの行動・言動は、作者の限界よりかなり内側にあるので変化をつけやすい。

4.全力で避けさせるというやり方もある

しかし全力を尽くせ、というのは基本中の基本ですよね。主人公もサブキャラくらいに手を抜けばいい、なんて思って書いたら、作品の質は落ちるでしょう。ちょっとしたジレンマになります。

ではどうするか、となるわけですが、主人公の設定で「こういうことはやらない/嫌う/避ける」といった、行動・言動上の縛りを入れておく手があります。主人公が必死の頑張りをするとしても、ポリシーとして選択しないものがある、というように作り込むわけです。

5.(補足)隠しエピソードを作るとキャラの差別化が楽

そういう縛りは、主人公の物語開始以前のエピソードを想定してみると、割と楽に作れます。

例えば、男性主人公が小学生のとき、気になる女子にいたずらで噛んだガムを投げつけたら、髪の毛に絡んでしまい、翌日、その女子は丸坊主頭で投稿して来てショックを受けた、とか。

以降、主人公は女性の髪を傷つけることは絶対にせず、他人にも許さないようになった、みたいな設定です(主人公がアクションを起こすきっかけにも使える。

逆にトップダウンで、性格とかの大枠から入ると結構難しいです。こういう性格だからこういうことはしない、と考えようとしても、それに反する例がいくらでも思いついてしまうことが少なくありません。

ボトムアップでエピソードから発想すると、結果論で片付けやすくなります。「そういう成り行きだった」という設定にしやすいわけですね。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 主人公の性格が似てしまう

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投稿日時:

元記事:自分の文章に納得するまで

初めまして!
モノクロームという名前で活動しよと考えている者です。

現在小説を執筆中なのですが、なかなか進みません。
というのも、私は前回執筆した文章を読んでから執筆するのですが、その途中で自分の文章が気になってしまい、前回の修正作業になってしまうためです。ただでさえ執筆にあまり時間を割けていないのに、かなり時間を取られてしまっています。
ただ、物語の整合性を保つために、読み直す作業はなくしたくないという思いがあるのも事実です。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、皆さんは自分の文章に納得するまでどれくらいの時間をかけますか?
また、納得する文章を(あまり時間をかけずに)書くためにどんなことをしていますか?
よろしければ回答・アドバイスいただけると嬉しいです。

上記の回答(自分の文章に納得するまでの返信)

投稿者 t : 1

こんにちは

私達が小説を考える時、最初から最後まで日本語(本来は文字ですが、あえて日本語と使わせてもらいました)を使います。
文章というのはたくさん書けば書くほど上達していきます。
例えばプロットをたくさん考えてノートに書いているだけでも、思考は文字で繋がっているので、本文の文章も上手くなるものです。

読み直す作業には落とし穴があります。
プロは同じ文字数でアマより3倍展開と内容が濃くなっているものです。
誤解のないように書いておくのですが、
誰かが趣味なのか、プロを目指すかといった話は関係ありません。

プロを引き合いにだすのは、読み直す作業を続けていても、プロのような3倍展開と内容が濃い文章に近づくことはないことを知っているからです。

3倍展開が遅く内容が薄い文章をひたすら磨いているーー.。

そんなイメージ。
例えば、本を読みながら書き続けている人はこのようなことが起きづらくなります。
だんだんと小説に求められる文章が分かってくるので。

しかし、本を読まないという選択肢も場合によっては有効です。
読み直す作業をなくしたいのなら、
アニメゲーム漫画映画小説を作品が完成するまで断つ、をやってみる価値はあります。
自分と目の前の作品と今書ける文章力が、世の中のすべて、と思い込む。

でもまぁ、私は3倍展開が遅く内容が薄い文章をひたすら磨いている。
に気付いてからは、次に何を書くかを決めるだけで、読み直すことはやめましたね。

カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: 自分の文章に納得するまで

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