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蛇鷲さんの返信一覧。最新の投稿順11ページ目

元記事:人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信の返信の返信

極端に言うと、「ウケる・ウケない」まあようは「面白い・面白くない」という感性を度外視しています。
>ウケるどうこうは他人と感性が違い過ぎて自信がない
と書かれていますが、これは何も蛇鷲さんのみに限った話ではなく、そもそも全ての読者が面白いと思う内容を書くことは不可能だし、大多数の大衆に向けるとすれば流行以外に書けないので、どうしようもないです。
長く続けてりゃわかると思うのだけど、作者が「これどうなの、つまんねえだろ」と思って適当に書いた作品が意外とウケが良いこともあるし、「これは面白い絶対ウケる」と思ったのが見事にコケるということも茶飯事。
こうなると「面白さって何よ」と悩むわけだけど、「ウケなかった作品」でも、中には面白いと答える読者がいるんだよね。
それぞれ読者にも感性の違いがあるから、というのはその通りなのだけど。

では「面白い」という感覚はそもそも何なのか、って考えると、これは結局「その読者に合うか・合わないか」というだけだと思う。
「読者に合う」のであれば「面白い」という回答が得られる。
「読者に合わない」のであれば「面白くない」となる。
そんだけ。
「ウケる・ウケない」「面白い・面白くない」ではなくて、単純に「合う・合わない」の話。
だから、ウケが良くなかった作品は、面白くなかったわけじゃないのさ。ただ読者に合わなかっただけ。合う読者が読めば面白いと答える。
そうなると、俗にいう「面白さ」というのは「より多くの読者に合うモノ」ということ。

となれば、まあ計画立ててしっかりやるならまずは読者層の想定からやんなきゃだけど、一般的に人が感動しやすいロジックや楽しみやすい展開というのがある程度存在するので、そうした展開を基盤にしてロードマップを書いていってます、という意見でした。
なので、「このキャラはこう動く」といった局所的な話ではなく、物語全体の話ですね。
「この物語はキャラAがキャラBの心の傷を癒やす話だから、序盤はキャラAはキャラBを嫌っていて癒やす展開にならなさそうな設定にするのが良い」
という感じ。
楽しみやすい展開があると書きましたが、その基礎となるのが「変化」を扱うことで、序盤はいじめっ子のキャラAが終盤ではかけがえのない存在になる、という大きな変化があると読者は楽しみやすい。
これは物語全体で見たものですが、序盤や中盤の1エピソードでも同じことが言えるので、「Aの事を怖がってるBが、Aの意外な側面を見て親近感を覚える」とか、こういうのも全部変化のロジックです。

物語を「こういう結果にしたい」から、そこから考えられる展開は楽しみやすいロジックを考えると何パターン想定できる。そのうちキャラを出しやすいものを選び、書きたい場面が出しやすい展開を選び、……とこれを繰り返す。
という感じ。
だから、ほとんど私の感性では書いてないです。
「理論的に見てそれが良いとされる回答」を選び続けてるだけ、な感じ。
作者の個性やらなんやらは差し色に出るものだし、理論的に物語の展開が決まってるというわけではないので、まあ、その理論を使って出した回答はあなたのセンスですよね、と言われたらそうかもしれんけど、としか言えないが。

上記の回答(人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信の返信の返信の返信)

スレ主 蛇鷲 : 1 投稿日時:

返信ありがとうございます。
>>人が感動しやすいロジックや楽しみやすい展開というのがある程度存在するので~
つまりテンプレートをうまく使えということですね。
そのあたり勉強し、注意してみます。

>>物語を「こういう結果にしたい」から、そこから考えられる展開は~
テンプレをあてはめにくい結末なものも割と考えているので、少し考え直してみます。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 人に共感できないやつが文章を書くときの注意点

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元記事:人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信

んー・・・メアリー・スーのポジションによるかと。

メアリー・スーはどうも2種類のタイプがいる模様です。1人はギャグみたいな奇跡を引っ張ってこれる【がち主人公型】1人は誇大妄想に酔って皆を苦しませる【アンチ主人公(?)型】

このアンチというのは【反対】【裏】あるいは【王道主人公を嫌う読者】などの意味ではなく過剰にヒロイックな行動をとりたがる【崩壊した主人公像】を言います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アンチ主人公は、主人公が真剣に考え覚悟のうえで選んだ判断を「他の主人公(マンガやラノベ)はこれを選んで正解しているから、これを選ぶ」という軽いノリで選んでしまいます。

理解力や解析力が低く、猿真似することでしか主人公できないのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
分かりにくい?・・・・・えっとね・・・・・○○レンジャーとかあるゃん?
頭悪い子や理解力の低い子は【5対1でリンチすれば、5人は正義の味方になれる】とか考えるねん。

アンパンチすれば相手は悪のバイキンマンになる。自分が正義の味方として世界に愛されチヤホヤされるために悪者が必要になる。

スケープゴート理論の確立のために一人の【悪】を設定し、それに反発し、たおそう団結しよう★とリーダーシップを執ることで【正義の味方】に成り上がろうとする・・・のがアンチ主人公たいぷ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
BLだと「アンチ王道くん」とか呼ばれて、とっくに飽きられているんだけどね!!(笑)未だに他ジャンルでは生まれていない微妙なポジションです。
12国記で【斡由】というキャラの性格がギリギリそれっぽいんですが(笑)それくらいしかでていない。

最近の質問だと・・・・マリン・Oさんの議題【物語に合わないキャラクターとは】における問題児キャラ、スカーちゃん(仮)がそれっぽい性格みたいでした。

アンチ主人公型メアリーが皆に好かれて生贄悪をリンチしてヒャッハー系なら・・・・つらいかも。
===================
アイデアとしては共感できないなら・・・・・マンガやラノベで、今までに不快を覚えたキャラとかはいません?「こいつムカつくわ」みたいな?

どうしてその人物に不快を感じたのかを言語化できたら、その理屈が納得に値する理論であれば共感者が出ます。

上記の回答(人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信の返信)

スレ主 蛇鷲 : 1 投稿日時:

返信ありがとうございます。
メアリー・スーというか頭の中で紺碧の艦隊をやっているというか…「ここでこんなのを暴れこませれば~」なんて考えで話をめちゃくちゃにするのが好きです。

例示されたアンチ主人公、言っては何ですがネットに大勢いますよね。見かけないのは同族嫌悪があるからはやらないためでしょうか。

不快を感じたキャラ…あまり思いつかないです。あの花最終回や救いようのないバットエンドなど反吐が出る展開はありますが、思考回路が悪役よりなせいかどんなに悪質な行動をとろうが何も感じない、むしろ悪辣陰湿なほどいいのです。
挙げるとしたら一例くらい。とある推理小説で真犯人より悪質な連中がいたものの地位も金も十分以上あったので何らおとがめなしだったのは嫌な気になりました。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 人に共感できないやつが文章を書くときの注意点

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元記事:人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信

私の場合は割り切ってますね。
人が面白いと感じる・感動する・興味を持つ道筋のロジックで数学的に考えてます。
だから、そもそも感性では書いていないです。
個人的な意見でしかないけど、感性で書くのは純文学に近い一般文芸だと思ってる。

いやだってさ。
例えば「そのキャラがカッコよく見える演出」とか、やっぱエンタメのラノベでは意識していくわけだけども、これ客観的ですよね。
主観的に「カッコよく見える仕草をしよう」と思って書かんですよね。
だからそもそも作者が主人公や登場人物に共感して書く必要はないんだと思いますよ。

もちろん共感して書いてる人を否定するわけではないし、共感して書けば作者の思いも込められるだろうから、それはそれで良いと思うけど、別に必須ではないと思っている。
印象的なシーンが書ければ良い、というより、印象的なシーンが「作れれば」良いので、自分に合ってる作り方を見つけるのが良いのではないでしょうか。

上記の回答(人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信の返信)

スレ主 蛇鷲 : 1 投稿日時:

返信ありがとうございます。
『このキャラはこう考えてこんな行動をする』ではなく『このシーンはこう考えて行動した方がウケる』と考えていく、という解釈でよいでしょうか?
ウケるどうこうは他人と感性が違い過ぎて自信がないのですが、キャラではなく場面重視で考えるということならやれるかもしれないです。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 人に共感できないやつが文章を書くときの注意点

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元記事:人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信

こんばんは。

私も共感に乏しい人間だと思います。
他人が何を考えているのかなんて正直分かりません。

でもそれなりに人生生きて来て分かってきた事はあります。

1 人間はめんどうくさがりだ。
2 人間は自分の損得に敏感だ。
3 人間は固定観念(思い込み)で生きている。
4 人間の好き嫌いは理屈ではない。

およそ人間の行動原理としてこの四つに尽きると思います。

では何故人によって行動がまちまちになるかと言えば、判断基準が各々異なるからです。

1の例として、ある人が自分の部屋を掃除するのは面倒だと思ってそのまま放置してたとします。
別の人は元々きれい好きで、部屋が汚くなるのは嫌なのでこまめに掃除します。
また別の人は普段あまり掃除しないのですが、恋人を部屋に呼んだ時に嫌がられるので仕方なく掃除します。

このように各人の判断基準はその人間の性格や個々の事情によっても変わりますし、また上に挙げた四つの要素は独立している訳ではなく、複合的に絡み合います。

そして四つの要素のうちどれがどれに優先するのかはこれもまたその人の性格だったり抱えている事情によって異なり、場合によっては流動的に変化する事もあります。

人間、自分が興味があったり利益になる事は少々面倒だったとしても何とかやりとげようとします。逆を言えば興味のないことや利にならない事は大して手間がかからなくてもあえてやろうとはしません。

さてこの自分の損得についても本当に自身の損得だけを考えるのか、自分の周りの人間のことも含めるか、あるいは自分自身への評判も含めて考えるかでずいぶん違ってきます。

また自分の利益以上に好き嫌いの感情が上回れば自身の利益を無視した行動に出ることもあります。

3に関して物の本で読んだ話ですが、幕末に浦賀に黒船が来航した際、江戸湾(現在の東京湾)のかなり奥に入ってくるまで大騒ぎされなかったそうです。
コロンブスが最初に西インド諸島に上陸した際も原住民から、お前たちどこから来た?とか聞かれたらしく、あの船に乗ってきたと言っても最初は見えなかったようです。

つまり人間は普段の生活圏での情報や常識に縛られていて、そこからあまりにかけ離れたものだと見えていても見えなかったりするらしいのです。

そこまで極端でなくても、ものすごく重そうに見えて実はすごく軽い荷物を置いておいて知らずに持ち上げようとしたら体勢を崩したりとか、あるいは真っ暗闇の中で実際の高さは数十センチだったとしてもそういった情報を何も知らされずに飛び降りろと言われても怖くて飛び降りられなかったりとか。
人間、これはこう言うものだと日常生活でも自分自身で思い込んでいて、そこから大きく外れると全く対応不能に陥ったりします。

4は大体分かるかなあと思います。
自分と他人とでは好きなもの、嫌いなものに違いはあってもそれらへの対応はそう違いません。
そしてそこに理屈はありません。
何かしら理由・理屈を述べたとして、それは他人に対する言い訳みたいなものです。

私の場合はこれらを基にして物語の登場人物の心理や行動原理を考えていますが、これはこれで経験則に基づく物の見方、捉え方が養われていないとちょっと齧ったくらいでは物にするのは難しいでしょうね。

まあいくらかでも参考になればと思います。

上記の回答(人に共感できないやつが文章を書くときの注意点の返信の返信)

スレ主 蛇鷲 : 0 投稿日時:

返信ありがとうございます。
他人の考えがわからなくても、経験を裏打ちとした指針があれば心理や行動の描写はなんとかなるのですね。
当方対人関係の経験は乏しいので、読書量を今以上に増やして疑似的に経験を積み重ねてみます。

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 人に共感できないやつが文章を書くときの注意点

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元記事:場合によっては非常に重い題材

戦隊やライダーで言うところ「今日の怪人」の枠として添えているキャラクターの一人に「水泳で高い実績を残すものの、不慮の事故で下半身不随になった女の子」というキャラクターがいます。

彼女は敵の幹部からパワーを受け取った事で再び足が動くようになりますが、主人公達は訳あって女の子を倒してパワーを奪わなくてはならなくなります。
当然、ただの人間に戻った彼女はまた下半身不随になります。

現在考えているパターンとしては
1:少女は怪人化の副作用で暴走し、本人の意思に反して船舶を沈めるなど危険な状態だった事から止む無く討伐する。
2:少女の仕業だと思われていた客船沈没事件に真犯人がいたことが発覚し(敵幹部が少女を怪人にしたのもこの真犯人の囮に使うため)真犯人だけを倒し、見逃された少女は再び水泳に復帰。

悩みどころとしては1の方が面白そうな一方、折角また泳げるようになったのに再び足を失った少女と、彼女から足を奪った主人公という結末の救いの無さと、ここにどうフォローを入れるべきかも分からない所です。
2はハッピーエンドではある一方それはそれで都合主義臭いというのがあります(その分、真犯人についての描写は伏線等なるべく丁寧にやりたい所ですが)
何か良さそうな方法は無いでしょうか。

上記の回答(場合によっては非常に重い題材の返信)

投稿者 蛇鷲 : 0 投稿日時:

3,  怪人と化した少女を倒したものの実は囮、姿を現した真犯人が少女を侮辱したため怒りに燃える主人公に倒される。
自作動画でやったら好評だったので一応提示します。(当方が使った時はもっとえげつなく、また悲劇的にしましたけど)

カテゴリー : キャラクター スレッド: 場合によっては非常に重い題材

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元記事:重複表現

今夜の夜伽はどうなさいますか?

という文章を見たのですが、これは重複ではないのですか? 

上記の回答(重複表現の返信)

投稿者 ワルプルギス : 0

夜に伽をするから夜伽なので、
>今夜の夜伽はどうなさいますか?
は確かに重複表現ですね。避けるなら
「今夜の伽はどうなさいますか?」
になるでしょう。

しかし『夜伽』はともかく『伽』という言葉では通じにくいと思えば、あえて重複表現を選ぶのもアリなのかもしれません。
とりあえず"今夜の夜伽"でググってみたところ36,500件。
有名重複表現である"後で後悔"の1,110,000件とは比べ物になりませんが、そこそこ使われてると言ってもいいかもしれませんね

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 重複表現

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投稿日時:

元記事:苦手なジャンルとの向き合い方

最近、自分のやったことのないジャンルに挑戦しました。わずか1400文字程度だったので、完成できたのですが、もうボロボロなのが出来上がりました。
自分のやりたいアイデアがどうしても、自分の苦手とするジャンルをどうしても含む時ってどうすればいいですか?
例えば、ロボットを主人公にお話を書きたいけれどSFを読んだことない場合は何に気をつければいいでしょうか?
たぶん、調べろって言う話にはなると思いますが、その調べ方が分からないです。

上記の回答(苦手なジャンルとの向き合い方の返信)

投稿者 読むせん : 3 人気回答!

ずばり、こういうサイトでおススメを聞く。

例えばですがロボ主人公とありますが、ロボはアトムとかヒト型自走式AI?
ターミネーターみたいな人類の敵系?
ガンダムみたいに着る機械?

SFにしても、どんなSFがいいか?とかもあります。

SFとかだと・・・星新一みたいなブラック・ユーモア案件がいいのか、ディストピアやポスト・アポカリプス系がいいのか、下―ウォーズみたいなスペース・オペラがいいのか?

とかね

カテゴリー : やる気・動機・スランプ スレッド: 苦手なジャンルとの向き合い方

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投稿日時:

元記事:リアリティがなくても面白い作品

学園ハンサムってゲームの超展開だらけの荒唐無稽なストーリーに爆笑して感銘を受けたんですが、リアリティがなくても面白い作品を目指すには何を心がけたらいいでしょうか?
荒木飛呂彦さんはジョジョ4部で岸辺露伴に「面白い作品にはリアリティが必要不可欠」と言わせていましたが。
というか「この作品の世界は気まぐれな神様がしょっちゅう戯れで世界の法則をいじくり回しています。だからキャラの言動・思考がおかしかったり、急に性格が変わったり、弱かった奴がいきなり強くなったり、以前に提示された世界の法則と矛盾していたりしても何もおかしくありません。言うなれば全てバグではなく仕様通りです。」みたいな設定を作ってあらかじめ明言しておけば、「この展開おかしい。整合性が取れてない。リアリティがない。」とか言われず、「そういう世界観ならいい。この作品の世界では何が起きようとリアルなんだな。」と納得してもらえるでしょうか?

上記の回答(リアリティがなくても面白い作品の返信)

投稿者 手塚満 : 1

リアリティとリアルは異なるもので、リアルに近いからリアリティが出るわけではありません。リアリティはテクニックで出すもので、目的は読者の感情移入です。ですので、確かに必須でしょう。しかしリアリティは細部に宿るものでして、こうすればいいというものではなく、個々の作品から学んでみるしかなさそうです。以下、その辺りを少し説明してみます。

1.リアリティは真に迫るものであって真ではない

岸部露伴ってよく引き合いに出される気がしますが、あくまでもリアルの作家の荒木飛呂彦さんが創作した、作中の漫画家です。その仮想の創作家の創作論は、あまり当てにするべきではありません。

しかしリアリティ自体は、どうやって出せばいいかのコツがいろいろ語られてまして、大事であるのは間違いないでしょう。リアリティを訳すならば迫真性。真に迫るということですね。迫るんだから真ではない点は重視する必要があります。

「学園ハンサム」はゲーム未プレイ、アニメ未見でして、ちょっと自分には語れない作品です。が、ネットで画像を見てみると、顎がとがった奇妙なキャラが多く、コミック/アニメ的ということを踏まえても、ちょっといそうにもないキャラ性を表しているように感じます(ギャグ系にはよくあるとはいえますが)。

2.リアリティはキャラや世界に実在感を与え、感情移入を容易にするもの

その作品でスレ主さんは爆笑できたわけですね。笑えたからには、どこがどうおかしいかは分かり、実感もできたはずです。言い換えれば、作品世界がどうなっているか分かり、その世界に住むキャラがどのようなスタンダードを持ち、笑える部分はそのスタンダードからいかに外れたかが分かったはずです。

簡潔に言えば、「作品世界とキャラが実在するように感じられた」となります。それがリアリティです。リアル(我々の現実世界)と近いからリアリティが生じるわけではありません。生じさせるのは、いかに突飛であろうと、その作品世界の実在感です。

3.「ねじ式」の事例

例えば、シュールな有名古典漫画の短編「ねじ式」(つげ義春著)。海でクラゲに刺された主人公が医者を探し、手当てを受けた、というストーリーです。が、医者に行きつくまでの道中が現実世界とは思えない代物になっています。が、読んでみると異様な感動が生じます。おかしな世界が実在するように感じ、主人公の視点でその世界をさまよっているような感覚が生じるからです。

それもリアリティゆえです。リアリティは細部に宿るとも言われまして、小さいけれど具体的な描写が大事になります。決して、物語背景とか、世界設定からは生じません。「ねじ式」であれば、例えば作中に描かれるモノの1つ1つは、写真から模写したもの多々で(今だとトレスの指摘受けるかも)、実際に存在するものが多い。しかし主人公がさまよう道中では、それらの組み合わせは奇妙になっている。主人公の目の前のモノに違和感を抱かせず、存在していそうに感じるよう引き込んでおいて、超現実的な世界が実在するよう感じさせるテクといえます。

4.リアリティの対義語は違和感;感情移入の阻害要因

この「ねじ式」で、個々のアイテムも「見たことも聞いたこともないようなモノ」にしてしまえば、超現実度自体はさらに増すでしょう。しかし仮に冒頭で「この世界は気まぐれな神様がしょっちゅう戯れで世界の法則をいじくり回しています」みたいな前置きを入れたとしても、作品世界が実在するかのように感じるのは難しいでしょう。未就学児がなんか熱心に語ってる、くらいの印象しか生じない恐れが極めて強くなります。

いくら作者が「奇妙だけど、そういうもんです」と言っても無駄です。なぜならリアリティが感じられないと、感情移入や作品世界への没頭が起こせませんから。「気まぐれな神様がしょっちゅう戯れで世界の法則をいじくり回し」の世界なら、その世界が実在するかのように読者に感じさせないと、「全てバグではなく仕様通り」と納得してもらうのは難しい。たいていは、3分読んだだけで退屈され、投げ捨てられます。

まず主人公が、その作品世界で違和感がないようにする必要があります。最も簡単な手の1つとしては、「キャラの言動・思考がおかしかったり、急に性格が変わったり、弱かった奴がいきなり強くなったり、以前に提示された世界の法則と矛盾していたり」するのを見た主人公が混乱すること、でしょうか。例えば、急に異世界に飛ばされたとしたら、使える手です。

この場合、主人公に自然に生じる目的が「その世界(の法則性)を理解すること」になります。そうなると、読者も主人公を通して、作品世界を理解したくなり、読み進めてもらうことが可能になります。

5.ジョジョシリーズの事例

荒木飛呂彦さんの「ジョジョ」シリーズですと、今アニメ放映中なのが「ストーンオーシャン」ですね。主人公の徐倫は、物語開始以前ではスタンド能力とは無縁で、序盤早々にスタンド能力を得ます。そこからは、スタンド能力を理解するように話が運ばれます。それまでのジョジョシリーズも、たいていは同じような序盤です。奇妙な能力や現象に遭遇して、それが何かを確かめて行って、奇妙が奇妙でなくなるにつれて、敵との戦いに本格的に突入していく。

決して「奇妙」を奇妙のまま放置してないなわけです。それが荒木飛呂彦さん流のリアリティの出し方なんでしょう。有名なジョジョ立ちもうまく活かしています。キャラが、ある意味突拍子もないことを言ってるんだけど、そのときに取るスタイリッシュでいて奇妙なポーズが気になり、台詞の奇妙さが目立たなくなっています。絵を使う描写ならではのミスディレクションな手法です。

6.リアリティは細部に宿るゆえに個々の作品に学ぶくらいしか手がない

具体例については具体的に語ることが可能ですが、一般論として「こうすればリアリティが出せる」ということは語れません。上述しましたが、細部に宿るからです。物語って、要は嘘です。大嘘であるほど面白い。しかし嘘と感じさせないのがリアリティで、これが細部に宿ってる。しかし細部は大枠(の大嘘)がなければ出て来ようがありません。リアリティの出し方について、一般論があると思うべきではありません。

ですので、「学園ハンサム」なり荒木飛呂彦作品なり、ぶっ飛んでいるのに感動できた、キャラに感情移入できた作品がどうなっているか、分析するところから始めてはどうかと思います。そこから、スレ主さんが構想する作品でのリアリティの出し方、言い換えれば読者の感情移入を誘って面白がってもらえるやり方のヒントが見つかることが期待できるでしょう。

7.細部の事例:魔術的リアリズム

> 「たとえば、象が空を飛んでいると言っても、ひとは信じてはくれないだろう。
> しかし、4257頭の象が空を飛んでいると言えば、信じてもらえるかもしれない」
> (ガルシア=マルケス「想像力のダイナミズム」『すばる』1981年4月号)

上記は、あり得ない状況を描写しているのに、なぜか目の前に見えるように感じる、と評価される作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの言です。確かに「象が空を飛んでいる」と言われても、ピンときません。しかし「4257頭」と付け加えると、なんだかあり得そうな気がします。

もっとも「4257頭の象」なんて、大平原を想定してもありえないくらいの大群です。この数字自体もなんだかあり得ない。しかし「4257頭の象が空を飛んでいる」は目の前に見えるような気がして、「それでどうなった?」と聞きたい気が怒ったりします。

1つには「4257頭」は数字として大きいけれど、約4千頭などとは異なり、具体的で厳密ということがあるようです。細かいところまで言うからには正確に違いない、正確なら本当なんだろう、という思い込みが生じやすいわけですね。

それにしても「4257頭」と付け加えるだけで、いかにも象が空を飛んでいるはずと思える点はなかなかのものです。こういうことがありますので、一般論にはしにくいわけです。

カテゴリー : その他 スレッド: リアリティがなくても面白い作品

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