ラノベ創作勉強会オフレポ。現役プロ作家によるキャラ作りのための練習方法!

5月19日土曜日にラノベ作家ファーストさんが神保町にオープンした創作のための原稿執筆室で、ラノベ創作勉強会を開きました。参加者は8名、会費は500円でした。

15冊以上の小説を刊行している現役のラノベ作家Hさんが講師となり、Hさんが考えた以下の2つの課題をこなし、その出来栄えを参加者全員で批評するというものです。
この記事をご覧のみなさんも、練習になるので課題に挑戦してみてください。

【キャラクターの課題】

ライトノベルといえばキャラクターが第一! 魅力的なキャラクターを自由自在に掛けるようになれば受賞は確実。
ただ、それが難しいとお嘆きのあなた。
いきなりオリジナルに挑戦しようとしていませんか?
無から有を作り出せる人間などいません。まずは優れた作品の模倣から。
というわけで、誰でも知っている国民的な作品のキャラを使って短編を書いてみましょう。

下記の指示に従い、短編を書いてください。
注意点ですが、この課題はキャラクターの台詞のみです。地の文は書かないでください。
台詞のみのほうがより、キャラクターを引き立てられます。

文字数ですが、最低500~最大5000文字とします。

評価点は、よりキャラクターを再現すること、面白く書くこと、のみとなります。オチもあるとなお良いですね。

(1)

題材選び。あなたの誕生月に合わせ、下記の作品からひとつ、お選びください。

・1~3月生まれの人 ドラゴンボールの悟空かベジータかブルマ、ドラえもんのドラえもんかのび太か
・4~7月生まれの人 ちびまる子ちゃんのまる子か、ワンピースのルフィ、歴史上の人物の織田信長
・8~10月生まれの人 クレヨンしんちゃんのしんちゃんかみさえかひろしかシロ、ドラマ相棒の杉下右京、野球選手の長島茂雄
・10~12月生まれの人 名探偵コナンのコナンか、サザエさんのサザエかカツオ、歴史上の人物の豊臣秀吉

(2)

お題選び。あなたの誕生日に合わせ、必ず下記の内容を入れてください。

・1~5日生まれの人 美容院、もしくは床屋に行く
・6~10日生まれの人  自動車教習所に行く、もしくは宇宙人と戦う
・11~15日生まれの人  メイド喫茶に行く、もしくは猫カフェに行く
・16~20日生まれの人  株式投資を始める、もしくはバイト(仕事)を始める
・21~25日 秋葉原に行く、もしくはデパートに行く
・26~30日  殺人現場に行く(右京とコナンを選んだ人は選択不可)もしくは遊園地に行く

※例題。
1月18日生まれの人は、悟空でバイトを始める、と選択できます。
そのお題で規定文字数の短編を書いてください。

悟空「オッス、オラ悟空。今日も働かずにチチに怒られちまったぞ。しょうがねえんでハローワークってとこにきたぞ」
ハロワの職員「どうも始めまして。ええと、マゴゴソラ様?」
悟空「ちげーよ、オラ、孫悟空だ」

……このようにキャラを熟知してると一瞬で書けるはずです。キャラが次にどんな台詞を発するか、どんな行動をするか容易に想像できるのです。
それがキャラ立ての基本となります。

駄目な例を書いておきましょうか。

悟空「オッス、オラ悟空。いい歳扱いて働かないのもあれだし、今から就職します」
ハロワの職員「どうも始めまして。ええと、マゴゴソラ様?」
悟空「違います。僕は孫悟空。修業はやめて東京大学で学び直しました。明日から真面目に働くので、正社員として雇って頂けませんか?」

……もう、どこが悪いのか言うまでもないと思いますが、キャラクターが崩壊していますね。
これが悪いキャラ立てです。

【魅力的な書き出しの課題】

エンターテイメントに必要なのは読者の心を掴む技術。
他人を楽しませようとしていない人の文章は1ページ読めば分かります。
なので最高の冒頭部分を書くのは、新人賞やweb小説攻略に必須。
面白い書き出しを考えましょう。

ライトノベル、ライト文芸、キャラミステリーすべてに必要な要素ですので、すべての作家さんの必須技術となります。

この課題の題材は自由です。お好きなようにお書きください。
ただし、この課題では「台詞」使ってはいけません。すべて語り部の独白で書いてください。地の文のみです。

それでいて読者の興味を引くように、面白く書いてください。

地の文のみですが、「」は禁止というだけでキャラをしゃべらせていけない、というわけではありませんので、その辺は工夫してみてくださいね。

文字数ですが、最低500~最大5000文字とします。

続きが読みたくなる書き出しが書けた人を評価します。オチは不要です。とにかく最高の書き出しと、最高の引き(続きが気になる展開)を書いてください。

※例題。

壁の中から部屋を見ていた。
私を殺し、私を壁に入れた男の部屋を。
彼は恋人である私を殺し、コンクリートの壁の中に埋め込んだ。
私は壁の中で腐り、朽ち果てたが、その魂は消えることなく、傍観者としてこの部屋を見続けた。

……これが最良の書き出しか分かりませんが、少なくとも退屈はしない書き出しとなるはずです。
みなさんも最高の書き出しを書いてみてください。

オフレポ

私は主催者だったので、課題を行っていく必要はなかったのですが、作家のHさんが考えた課題の狙いをより深く理解するため、自分でも2つの課題をこなして持っていきました。

キャラクターの課題では、クレヨンしんちゃんのしんのすけとひろしがメイド喫茶に行くという短編二次創作を台詞のみで作りました。
この課題の出来栄えは、全員から高評価で、Hさんからも「うっぴーさんの台詞を書く能力はプロのラノベ作家並だ」と意外な評価を受けました。

しかし、地の文だけでオリジナル小説の冒頭を作る課題は、Hさんから地の文が下手だと酷評を受けました。おもしろいと評価してくれた人もいたのですが、続きを読みたいと思うかというと微妙。あまり読みたくないということでした。

私は地の文には自信があったのですが、本当に得意なのは台詞だったようで、自分の意外な特性を知ることができました。
意外と自分自身の能力は自分では自覚しにくいようです。

また、キャラクターと冒頭の課題、両方とも高評価という人は1名しかいませんでした。その人はすでに新人賞の最終選考に残ったこともある人で、Hさんからそのうちプロデビューできるでしょうと、お墨付きを貰っていました。
実力がある人は、台詞も地の文も上手いようです。

今回の創作勉強会は、ネットで一般募集はしませんでしたが、次回はもっと大人数を集めて行いたいと考えているので、参加したい方がいましたら、ラノベオフブログの方で告知しますので、よろしくお願いします!