2015/07/13(月曜日) 07:47:07 あまくささんの質問
なぜ恋愛要素で失敗が多いのか?/新人賞下読みが回答を読みました。
面白いですね。
意外でもあり、言われてみると何となく分かるような気もするという感じの、興味深い情報でした。
ラノベの場合、ラブ成分は無理矢理ねじこんでも入れておけと言われるくらいですから、応募作の大半でそれが失敗しているとしたら由々しき事態です。(ホントに無理矢理ねじこんでるからダメなのかな?)
ラノベは「キャラクター小説」だという意見がありますが、キャラの心情や恋愛をテンプレで処理するということについては、ラノベ以上に最近のアニメを見ていて感心することがけっこうあります。
テレビ・アニメでは、30分で1話を完結させるタイプのシリーズがありますよね? けっこう起伏のあるストーリーを30分に纏めきってしまう手際に驚かされるんです。それができるのはアニメでは映像やBGMが使えるのも大きいでしょうが、シナリオの巧みさもあるようで、そこは小説を書く上で参考になると思っています。
思うにキャラの掘り下げなどはサラッと流しておいて、テンプレとフラグ立てで視聴者に伝えているんですね。「このシーンでこういうセリフを言う女の子は、ぜったい主人公にひそかな想いをよせている」ってピンとくる瞬間があるじゃないですか。あ、いまフラグが立ったっていう感じ(笑
キャラの扱いが薄っぺらいとも言えるのでしょうが、そういう部分にあまり尺を取らないことでストーリー展開の面白さに力を注いでいるわけで、ラノベも一般小説と比べると似たような感じがあるように思っています。
で、いくつか質問させていただきます。
1)応募作には恋愛そのものを軸にしたラブスト-リーと、例えば軸はバトルものなんだけれど主人公とヒロインの恋愛要素を盛り込んでいるというタイプの作品と両方あるだろうと思います。恋愛要素でたいてい失敗しているというのは、そのどちらのタイプでも同じように見られる傾向ですか?
2)上記の考えを踏まえた私見ですが、ラブストーリーではなく盛り込んだだけの恋愛要素の場合、そこをあまり掘り下げずテンプレで処理すること自体は問題ないのではないかと思っています。ただ、それは「本筋のストーリーを際立たせるための計算された手抜き」であるべきで、単に作者自身がテンプレの恋愛表現しか知らずに書いているようだとヘンなものになってしまうということかな? と。一応そう思ったのですが、いかがお考えでしょうか?
3)受賞作レベルの作品の中には、恋愛要素がきちんと書かれているものもマレにはあるのでしょうか? あるとしてそれは、「恋愛がテンプレではなく、深く掘り下げられている」ということでしょうか? もしくは、「テンプレではあるけれど、設計が的確で効果を発揮している」ということでしょうか?
4)いずれにせよ、仰っているような状況であるなら、恋愛をうまく扱うことができれば武器になりうるということですね?
以上、よろしくお願いいたします。
●下読みジジさんの回答
ラノベの場合、ラブ成分は無理矢理ねじこんでも入れておけと言われるくらいですから、応募作の大半でそれが失敗しているとしたら由々しき事態です。(ホントに無理矢理ねじこんでるからダメなのかな?)
ここはカタルシスの問題かと思っています。
女子(ヒロイン)の存在によって主人公=読者が得られるわかりやすいカタルシスは、やはり好きになってもらうことで生じますので(主人公がヒロインを好きになる必要はない、ということもポイントですね。読者の心は絶対に傷ついてはいけないものです)。
1)応募作には恋愛そのものを軸にしたラブスト-リーと、例えば軸はバトルものなんだけれど主人公とヒロインの恋愛要素を盛り込んでいるというタイプの作品と両方あるだろうと思います。恋愛要素でたいてい失敗しているというのは、そのどちらのタイプでも同じように見られる傾向ですか?
そうですね。
恋愛で必要な「恋愛に至るまでの過程」の積み重ねが足りていない作品がほとんどです。
2)上記の考えを踏まえた私見ですが、ラブストーリーではなく盛り込んだだけの恋愛要素の場合、そこをあまり掘り下げずテンプレで処理すること自体は問題ないのではないかと思っています。ただ、それは「本筋のストーリーを際立たせるための計算された手抜き」であるべきで、単に作者自身がテンプレの恋愛表現しか知らずに書いているようだとヘンなものになってしまうということかな?
正直、恋愛要素というものはよほど特化した作品でないかぎり必要不可欠な要素になるものと思っています。これがあることにより、読者は大きく得をするからです。
だとすれば、テンプレ率やエピソード量はともかくかならず読者が納得できるだけの「好きになってもらうまでの過程」が必要になります。
3)受賞作レベルの作品の中には、恋愛要素がきちんと書かれているものもマレにはあるのでしょうか? あるとしてそれは、「恋愛がテンプレではなく、深く掘り下げられている」ということでしょうか? もしくは、「テンプレではあるけれど、設計が的確で効果を発揮している」ということでしょうか?
私個人としては、ほとんど出逢ったことがありません。「恋愛もの」ですら、です。原因は今まで述べてきたように、「過程」のおざなりさですね。
4)いずれにせよ、仰っているような状況であるなら、恋愛をうまく扱うことができれば武器になりうるということですね?
もちろんです。
原因さえつかめていれば、少なくともおざなりの域からは比較的簡単に抜け出せるものと思います。
●ラブコメ3つのポイント
- 読者の心は絶対に傷ついてはいけない。
- 「恋愛に至るまでの過程」の積み重ねをしっかりと描く。
- 読者が納得できるだけの「ヒロインに好きになってもらうまでの過程」が必要。