小説の書き方講座。世界観作りのコツ。設定を考えるよりも重要なこと

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この世界は本当に存在していて、生きた人間が暮らしているんだなぁ。 と読者に錯覚させるのが、世界観を作る上でもっとも重要です。
この世界は本当に存在していて、生きた人間が暮らしているんだなぁ。
と読者に錯覚させるのが、世界観を作る上でもっとも重要です。

これができていれば、お姫様が主人公の奴隷になろうが、転生したら魔王で無双しようが、どんな美味しい展開になっていてもOKです。

書籍化作家さんが「異世界ファンタジーを書くなら聖書を読まないとダメですよ」と語っていて、なんじゃそりゃ。と思ったのですが。

初心者の小説は、中世の人間の考えや生活様式をまったく考慮していないため、リアリティが皆無のことがあります。

なろう小説の場合も最低限、これは必要です。

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失敗例。高校生の主人公が孤児院に保護される

小説の書き方講座。異世界の世界観作りのコツ。変わった設定を考えるよりも重要なこと
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例えば、主人公が騎士になるという場合。
騎士隊長が、いきなり平民の主人公を騎士に取り立て、舞踏会にまで参加できるようになってしまう、というケースがあります。

身分制度について、ちゃんと調べていないから起こってしまうことです。
称号としての騎士と、階級としての騎士を混同してしまっています。

貴族の舞踏会に参加するということは、階級としての騎士になるということ。
平民が騎士隊長の一存で、いきなり階級としての騎士となることは有りえません。
これは領地や爵位を得るということです。

他にも例えば、異世界に転移した高校生の主人公が、孤児として孤児院に保護されるといった展開があります。

中世世界では高校生はすでに大人と扱われる年齢で、孤児とされるのは、おかしいです。孤児院も教会が運営しているのではないため出資金が謎です。

現代の感覚で、異世界を捉えてしまっているため起こる問題です。

大ヒット作家の共通点「知的好奇心が強い」

編集者が大ヒット作家の共通点として「知的好奇心が強い」ことを上げていました。
雑学クイズをやると、なぜそんなことまで知っている? と驚くそうです。

世界観作りは、この世界は本当に存在していて生きた人間が暮らしているんだなぁ、と錯覚させることが重要です。

膨大な知識と教養がこれを支えます。

自分の世界を作りたい場合は、変わった設定や魔法を考えるのではなく。中世の歴史や、政治、経済、生活様式などについても調べて、物語の邪魔にならないように裏に配置することが、もっとも重要です。

大ヒット作「本好きの下剋上」「オーバーロード」を読むと、これができていて感銘を受けます。

小説を読んでおもしろいと感じる点のひとつに、知的興奮があります。
知らない世界について教えてもらった。得したという感覚です。
ちゃんとした教養に裏打ちされて作られたラノベには、これがあります。

異世界の人間が現代人と同じ感覚で生きていると、それはないんじゃない?とゲンナリします。

例えば「本好きの下剋上」 (2015年1月刊行)は、本が存在しない世界に転生してしまった主人公が、一から本を作り上げるという話です。
紙を作ることの難しさ、中世の識字率が関わっているので非常にリアリティがあります。

なろう小説の場合は、主人公にとっておいしい展開になっていれば、多少の強引さ、ご都合主義であっても良いです。

例えば、いきなり王女様から求婚されて、王女様が平民の主人公パーティに加わるなど。

しかし、社会の成り立ちや登場人物の行動原理について、あまりに突っ込みどころが多いと、安心して読む気になれません。
書籍化作品は、生活や経済についてのリアリティもちゃんと押さえています。
(あるいは、上手にそのあたりを回避しています)

世界観で勝負したいという方は、まずは聖書を読んでみることに挑戦してみましょう。
たくさんの知識が、あなた独自の世界を支えてくれます。

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